- 作成日 : 2024年1月31日
モダナイゼーションとは?最新テクノロジーを活用しシステム刷新を実現
あなたの企業では、稼働後、数十年を経過したシステムはありませんか?組織が成功し続けるためには、時代に沿ったシステムや最新テクノロジーの導入が不可欠です。
その中で注目されるのが、「モダナイゼーション」という概念です。モダナイゼーションとは、古い慣習やプロセスを見直し、最新テクノロジーを取り入れてシステム刷新することを指します。
この記事では、モダナイゼーションとは何か、実施するための手法やメリット、実現へ向けたよくある課題や進め方について詳しく解説します。
目次
モダナイゼーションとは
モダナイゼーションは、最新テクノロジーを取り入れながら既存のシステムを刷新・改修するプロセスを指します。
長い期間使用しているシステムには膨大なデータが蓄積されており、過去からの運用方法や業務と一体化しているため、なかなか置き換えができないケースが多くあります。
加えて、データ量増加によるレスポンス低下や、現代のシステムトレンドに適合できず、使い勝手や効率が悪いシステムになってしまっているケースもあります。
また、データが部門ごとにサイロ化し、ビジネス上の意思決定に必要なデータが活用できないケースもあります。
このような問題点を解決するためには、最新テクノロジーを取り入れ、システム刷新を行うことが重要だといえます。
マイグレーションとの違い
マイグレーションは、既存の古いシステムやプラットフォームから、新しいものへの単純な移行を意味し、システムの置き替えが中心となります。
両者は移行や刷新という点において共通していますが、モダナイゼーションは企業全体の進化や改善に焦点を当て、広範囲な業務プロセスの改革や、システムの更新を目指します。
一方でマイグレーションは、特定のシステムやプラットフォームの変更・移行などに限定されます。
モダナイゼーションの手法とメリット
モダナイゼーションを行う上での主な手法やメリットについて解説します。
モダナイゼーションの手法
モダナイゼーションは、一般的に以下の方法を用いて実施されます。
・リプレース
既存のソフトウェアやシステムをすべて新しいものに置き換える手法です。新しいソリューションとして、最新テクノロジーやアーキテクチャを利用します。
・リホスト
既存のアプリケーションやシステムを新しい環境に移行する手法です。一般的にオンプレミスからクラウド環境への移行を指し、アプリケーションの変更は最小限に留めます。
・リファクタ
既存のコードやシステムを改良し、保守性や拡張性を向上させる手法です。コードのリファクタリングを通じて、バグの修正や新しい機能の追加が行われます。
・リビルド
既存のアプリケーションやシステムを根本から再構築する手法です。新しいアーキテクチャやテクノロジーを導入し、機能や性能を向上させます。
モダナイゼーションのメリット
自社システムのモダナイゼーションを実施することで、享受できるメリットは以下のとおりです。
・セキュリティの強化
多要素認証をはじめとする認証システムの導入などによって最新のセキュリティ標準が適用されることで、データやシステムの保護につながります。
・生産性や業務効率の向上
新システムによるプロセスの最適化や自動化により、作業効率や生産性の向上が期待できます。
・拡張性と柔軟性の向上
クラウドサービスなどの将来の拡張・変更に対応できる柔軟なシステムであれば、ビジネスの成長や要件に応じて容易にシステムを最適化できます。
・コスト削減
既存システムの保守や運用に高いコストがかかっている場合、オンプレミスのシステムからクラウドへの移行によって、サーバーの購入や保守・運用のコストが削減できます。
・データ駆動型ビジネスの促進
データの収集・分析機能を持つシステムが導入されることで、リアルタイムなデータの把握や分析・予測が可能になり、戦略的な意思決定が可能になります。
・可用性の向上
クラウドを活用したインフラ構成を構築すると、システムやアプリケーションの安定性と可用性が向上します。
・競争優位性の確保
最新テクノロジーやビジネスプロセスの採用によって、競合他社よりも優れたサービスや製品を提供でき、競争の激しい市場での競争優位性の確保が期待されます。
モダナイゼーションのよくある課題と進め方
モダナイゼーションはビジネスの成長にとって必要なプロセスですが、その過程では多くの課題に直面することがあります。よく発生する課題と、課題に効果的に対処しながら進める方法について解説します。
よくある課題
資金や人的リソースの不足
モダナイゼーションは資金と時間がかかるプロセスであり、十分な予算と専門知識が必要になります。資金不足や人的リソース不足は、進捗を妨げる場合があります。
従業員や部門がシステム変更に抵抗を示す
新しいシステムやプロセスへの適応に時間や工数がかかることから、実際にシステムを使用する従業員がシステム変更に抵抗を示す可能性があります。
データ移行時に生じるデータ不整合や損失のリスク
旧システムから新システムへのデータ移行は複雑で、データの不整合や損失のリスクがあります。データ移行の失敗は、顧客からの信頼の失墜など、ビジネスに深刻な影響を及ぼす恐れもあります。
システム間の互換性がない
古いシステムに新しい技術やプラットフォームとの互換性がない場合、統合が難しくなります。
適切なテクノロジーの選定が難しい
自社のニーズや要件にマッチする適切なテクノロジーやアーキテクチャの選定は重要です。選択を誤ると、追加コストの発生や業務効率の低下などの影響を与える可能性があります。
モダナイゼーションの進め方
現状のシステム状況の評価・適合性
既存のシステムやアプリケーションを評価し、強みと課題を明確化した上で、モダナイゼーションのビジョンや目標を定義します。また既存のシステムで維持したい要件を定めて、新システムとの互換性を確認します。
段階的なアプローチと予算計画
初めは、基幹システムなどの業務に大きな影響を与えるシステムではなく、一部の業務システムなどから段階的に移行を進めることで、リスク分散が可能です。各段階の予算を計画し、必要なリソースやコストを見積ります。
移行計画の策定
移行するシステムの範囲やいつまでに実現するかなど、詳細な移行計画を策定します。
新システムに切り替える場合は、一定期間並行して運用するなどのリスク管理も必要となります。
モダナイゼーションで活用されるテクノロジー
最新技術やテクノロジーを活用することで、プロセスの自動化やデータ分析などの処理速度向上、業務プロセスの改善などにつながり、システム構築・運用コストの削減に寄与します。
例えばAIは、既存システムに蓄積されたビッグデータの分析による顧客予測や、業務の自動化に活用できます。
また、昨今普及しているクラウドサービスは、柔軟性や拡張性を備えたデータストレージや、ビジネスの効率化を支えるアプリケーションへのアクセス性を向上させます。
また、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)は、日常の反復的な業務を自動化し、作業時間の削減やエラーの減少に貢献します。具体的には、請求処理やデータ入力作業の自動化が可能です。
これらのテクノロジーは、モダナイゼーションを通じて企業のデジタル化の促進に大きく貢献するでしょう。
まとめ
本記事では、モダナイゼーションについて詳しく解説しました。
ビジネスに寄与するシステム刷新を実現するために、現状の把握をしっかりと行い、計画を立てて、段階的にアクションを進めてみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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