• 作成日 : 2022年12月28日

ERPで原価管理を行うメリットをわかりやすく解説

原価管理とは原価を最適化できるように管理することです。原価管理は生産コストを下げるためにも、製品の品質を維持するためにも必要で、企業の利益に直接関係します。さらに、正確な原価管理は財務諸表の作成や経営層の意思決定の材料にもなるため、企業にとってとても重要なものです。そのためERPを導入して原価管理を効率化することには大きなメリットがあります。

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原価管理とは?

原価管理とは原価を管理することです。原価を管理するとはただ原価を低く抑えることではありません。合理的で適正な原価(標準原価)を設定し、実際にかかった原価と比較することで、原価の増大を防ぎ、適正な範囲で原価を低減します。

売上や利益を維持するためには、原価管理で次の2点を実現する必要があります。

  • 標準原価の維持
    十分な利益を確保するために適正な原価(標準原価)を設定すること
  • 原価の低減
    品質低下を防ぐために標準原価を維持しながら、可能な限り原価を低減させていくこと

原価とは製品を製造するためにかかる費用のことです。例えば、材料費や人件費、工場の光熱費、販売管理費などが原価にあたります。

原価が高ければ、利益が下がります。しかし、原価を下げすぎると製品の品質低下にもつながるため、売上が減少します。適正な原価の範囲は業種や企業ごとに異なるため、標準原価の設定は各企業にとって重要な業務です。

原価管理の目的

原価管理には次のような目的があります。

コストを把握する

原価管理を行うことで、製造にどれだけのコストが必要なのか、その総額と内訳を把握できます。またどの部分が無駄か、どのくらい削ることができるかも可視化できます。

利益の最大化を目指す

原価を知ることで、原価を適正な範囲で削減して利益を最大化するためにはどうすればよいのかがわかります。

リスク管理を行う

材料費や為替の変動など、ビジネス環境や社会情勢の変化によって原価は常に変動します。原価管理を行うことで原価変動のリスクを把握し、対策して利益低下を最小限に抑えることが可能です。

利益管理を行う

原価管理によって製造工程の無駄を省いて原価を低減し、利益を最大化することができます。

意思決定の参考にする

原価を正確に把握することで、企業の現状を把握できます。また利益を最大化するための施策を分析することで意思決定の参考にし、企業としての経営戦略に活かすことが可能です。

原価管理の方法

原価管理を行うには、まず原価計算を行います。ここでは、実際個別原価計算で原価計算を行う場合を紹介します。実際個別原価計算では、3つのステップに分けて発生した原価を、適切な費目に分類し、集計します。

  1. 費目別原価計算
    製造に必要な材料費、労務費、経費などを費目別に分類し、記録・集計します。
  2. 部門別原価計算
    費目別で計算された製造間接費を部門に配賦します。
  3. 製品別原価計算
    製品の種類ごとに原価を計算します。

原価計算には、この他にも期間原価計算、全部原価計算、部分原価計算、直接原価計算などの方法があります。詳細は、次の記事を参考にしてください。

原価管理では、これらの方法で計算した原価から標準原価を設定し、実際の原価をそれと比較することで管理します。

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ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)は「企業資源計画」のことで、統合基幹業務システムとも呼ばれます。生産、販売、在庫管理、会計、人事などさまざまな業務システムを統合化したものです。ERPを導入することで、さまざまな基幹業務をサポートし、効率化できます。

また、基幹業務システムを統合化することで、社内のリソースに関する情報を一元管理することが可能です。それによって、業務システム間で情報をスムーズにやり取りし、リソースの使い方を最適化することができ、経営判断の迅速化にもつながります。

ERPの特徴

ERPはすべての基幹業務システムを統合しているところから、次のような特徴があります。

データの一元管理

個別の業務システムではそれぞれ独立していたデータベースを統合し、すべてのデータを一元的に管理できます。

業務効率化

データを一元管理することで、より大きな業務効率化を実現するだけでなく、会社全体でリソースを最適化することができます。

リアルタイムな状況把握

データを統合することでタイムラグなしに会社全体の状況を把握でき、迅速な経営判断をサポートします。

ERPで原価管理を効率化

ERPは社内の情報を一元管理しているため、原価管理に必要なデータを管理しています。また原価管理機能も備えており、ERPを使うことで原価管理業務を大きく効率化できます。

ERPと原価管理の関係

原価管理には、原料、在庫、売上、経理など、生産管理や販売管理に関係するさまざまなデータが必要です。そのため、これまで原価計算を行うには、発注、販売、会計など、いくつもの業務システムからデータを取り込み、複雑な計算を行うことが必要でした。

しかし、ERPにはすべての基幹業務システムを統合しています。原価管理に必要な業務システムはすべてERPに内包されており、データもERPのデータベースに一元管理されているため、データ入力作業も大きく効率化されます。

そのため、ERPを導入すれば他のシステムを利用することなく、原価計算・管理を行うことが可能です。それも、これまでよりもスムーズに、効率的に行うことができるのです。

ERPで原価管理を行うメリット

ERPでの原価計算には、次のようなメリットがあります。

最適な原価管理が可能

原価計算には複数の計算方法があり、非常に複雑で煩雑な業務です。そこで原価計算システムを導入すれば、最適な方法を自動的に選択し、効率的に原価計算ができます。

原価管理の作業を大きく効率化が可能

ERPはデータを一元管理しているため、必要なデータはすべて自動的に反映されます。データ入力や転記を繰り返す必要はありません。さらに、帳票や伝票へもデータを送ることができます。
また、複雑な計算もシステムが行うので、社員が行う作業は大きく削減され、長時間労働対策にもなります。これにより、大きな業務効率化が実現できます。

リアルタイムな情報を意思決定に活かすことが可能

ERPは、各業務システムと連携しているので、常に最新のデータをもとにして原価計算を行うことができます。そのため、正確かつリアルタイムな情報を反映した原価計算が可能です。経営層もリアルタイムな経営状況を可視化し、スピーディーな意思決定を行うことができます。

労働時間とコスト削減が可能

ERPの導入によりデータ入力や計算などの業務の効率化が進み、社員の作業が軽減されます。それによって労働時間や残業時間を減らすことができ、人件費のコスト削減につながります。

さまざまなシミュレーションを行い意思決定に活かすことが可能

多くのERPには、原価計算だけでなく、データ分析機能があります。そこでリアルタイムな原価計算を活かしたさまざまなシミュレーションも可能です。

例えば、原材料費の高騰や為替の変動などから近い将来の原価予測を行い、対策を行うこともできます。それによって、より正確な意思決定が可能になります。

まとめ

原価管理は、生産管理だけでなく経営判断にも非常に重要な要素です。とくに近年はビジネス環境の変化が激しく、原価管理がより重要になってきています。

ERPを導入すれば、原価計算の作業を大きく効率化でき、さらに人件費の削減や、リアルタイムにデータを更新して経営層の迅速な意思決定に役立てることができます

この機会に原価管理の方法を見直し、ERPの導入を検討しましょう。

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よくある質問

原価管理とはなにか?

原価管理とは、標準原価を設定して実際の原価と比較し、原価を管理することです。

ERPと原価管理の関係とは?

ERPには原価管理に必要な業務システムやデータを内包しているので作業を大きく効率化できます。

原価管理にERPを導入するメリットは?

原価管理を大きく効率化し、コスト削減するだけでなく、リアルタイムな原価計算が可能です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

執筆:成瀬恭子

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