- 更新日 : 2024年7月12日
SXとは?推進することのメリットや事例をご紹介
近年、「SX(サステナビリティトランスフォーメーション)」という言葉を耳にするようになりました。しかし、SXの具体的な内容やDX(デジタルトランスフォーメーション)との違いなどは理解していない方が多いのではないでしょうか。この記事では、SXの概要や企業活動にもたらすメリット、取り組み事例などをご紹介します。本記事の内容を、自社のSX推進にぜひ役立ててください。
目次
SX(サステナビリティトランスフォーメーション)とは
SXとは
SX(サステナビリティトランスフォーメーション)は、企業の持続可能な成長を目指す考え方や変革のことです。ESG(環境(Environmental)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の視点を統合し、事業戦略や企業運営において持続可能性を重視します。企業活動が社会や環境に与える影響を深く理解・意識し、それに基づいた経営を行うことで、長期的な成功を目指すのがSXのポイントです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)との違い
SXとDX(デジタルトランスフォーメーション)は、どちらもビジネス変革を指す言葉ですが、焦点と目的に大きな違いがあります。DXは、デジタル技術を活用してビジネスプロセスやサービスを革新し、企業の効率化や顧客体験の向上を目指すことです。一方で、SXは持続可能性を重視し、企業の社会的責任と環境への配慮を経営の根幹に置くことを意味します。つまり、DXが技術的な進歩を追求するのに対し、SXは企業の社会的・環境的影響を考慮した持続可能な成長を目指す考え方といえるでしょう。
SXを進めるメリット
企業がSXを推進することで、以下のようなメリットを享受できます。
SDGs、ESGへの対応
SXの推進はSDGs(持続可能な開発目標)やESG基準への対応につながります。企業は環境保護や社会貢献、透明性のある経営といった重要な側面での取り組みを強化し、持続可能なビジネスモデルを構築できます。SDGsやESGへの取り組みは、企業の社会的責任を果たすだけではなく、将来的な競争力と企業価値の向上にも寄与します。
投資家や社会に対する企業イメージ向上
SXの推進には、投資家や社会全体に対する企業のイメージを大きく向上させる効果もあります。持続可能な取り組みへの真摯な姿勢は、信頼と評価を高め、投資家からの支持を得やすくなります。また、社会的責任の重視は消費者からも好意的にとらえられることが多いため、結果的にブランド価値の向上にもつながるでしょう。
中長期での企業としての「稼ぐ力」の向上
SXを進めることで、企業は中長期的に「稼ぐ力」を高められます。持続可能なビジネスモデルは、リスク管理の強化やイノベーションの促進を通じて、企業の収益性と競争力を向上させます。また、環境リスクや社会的リスクへの対応力は、将来の不確実性を減少させ、企業の安定した成長を下支えするでしょう。
さらに、前述のとおり顧客や社会からの信頼の獲得によってブランド価値が高まることも、持続的な成長と収益性の向上につながる要因です。
SX推進に必要なダイナミック・ケイパビリティ
SX推進に求められる能力のひとつが「ダイナミック・ケイパビリティ」です。変化する市場や技術の動向に素早く対応し、事業戦略を柔軟に変えていける組織的な能力を指します。
ダイナミック・ケイパビリティは、以下の3つに分類できます。
- Sensing(センシング:感知)
企業に対する脅威や顧客ニーズ、競合他社の動向、環境の変化などを感じ取る能力 - Seizing(シージング:捕捉)
自社が持っている既存の経営資源(資産や技術、スキルなど)を、変化に応じて最適な状態に再構築する能力 - Transforming(トランスフォーミング:変革)
市場における競争の優位性や持続的な競争力構築のために、組織全体を刷新・変容させる能力
ダイナミック・ケイパビリティの獲得には、経営層の強いリーダーシップや持続可能なビジネスモデルへの明確なコミットメントが必要です。また、社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを活性化し、多様な視点を取り入れて新しいアイデアや戦略を生み出す土壌を育てることも重要です。さらに、教育や研修を通じた従業員の意識やスキルの向上も欠かせません。これらの能力を養うことで、企業はSXを成功させ、持続可能で競争力のあるビジネスの構築を実現できます。
SXの取り組み事例
本章では、SXの取り組み事例をいくつかのカテゴリーに分けてご紹介します。
環境保護への取り組み
多くの企業が、環境保護のための具体的な施策を実施しています。例えば、再生可能エネルギーの使用や廃棄物の削減、リサイクルの促進や持続可能な材料・原料の採用などです。これらの取り組みにより企業は環境への負荷を減らし、地球温暖化の防止や資源の持続的な活用に貢献しています。
社会貢献活動
地域社会への貢献を目的とした活動もSXの一環です。社員ボランティア活動の促進や、地域と協働した社会貢献プロジェクトを行う企業も増加しています。例えば、地域の教育支援、社会福祉施設への寄付、災害時の支援活動などが含まれます。企業は社会的な問題解決に貢献することで、地域社会との良好な関係を築くと同時に、社会の持続的な成長にも寄与しています。
ガバナンスの強化
SXの重要な要素として、企業ガバナンスの強化も挙げられます。透明性の高い経営体制の構築や、コンプライアンスの徹底、リスク管理の強化などが含まれます。
ガバナンスの強化によって、企業運営上における脅威の早期排除が可能となり、結果的に持続的な成長が実現します。
SXとマネーフォワードの関係
マネーフォワード クラウドは、企業の持続的成長に貢献するサービスです。以下では、マネーフォワード クラウドの導入によって実現できることをご紹介します。
ペーパーレス化の実現
マネーフォワード クラウドの各種サービスを活用し、ペーパーレス化やコスト削減が可能です。
- マネーフォワード クラウド会計・クラウド会計Plus
紙でやり取りすることなくオンライン上で会計状況を確認 - マネーフォワード クラウド年末調整
オンライン上で年末調整の書類作成、年末作業業務のペーパーレス化 - マネーフォワード クラウド請求書・クラウド請求書Plus
見積書、納品書、請求書をクラウド上で作成、管理することでペーパーレス化
働き方の改善
マネーフォワード クラウド勤怠では、社員の勤怠を正確に管理することが可能です。シフト制・裁量労働制・フレックスタイム制など、さまざまな就業形態に対応しています。また、マネーフォワード クラウドの各種サービスで業務を自動化することにより、作業時間の削減や長時間労働の改善を実現できます。
ガバナンスの強化
マネーフォワード クラウドERPを活用し、情報をクラウドで管理することで情報の紛失や破損を防止できます。クラウドサービスであるため、事故や災害などのトラブルでデータが消える心配がありません。ワークフロー機能を通じて、業務や手続きの流れを可視化します。
マネーフォワード クラウドの内容は以下で詳しくご紹介していますので、あわせてご参考ください。
まとめ
本記事では、SX(サステナビリティトランスフォーメーション)の基本的な内容や重要性、企業が得られるメリットを詳しく解説しました。
SXは、持続可能な成長を実現するために環境、社会、ガバナンスの側面を統合的に考慮した考え方や戦略です。SXを推進することでSDGsやESGへの対応が強化され、投資家や社会からのイメージ向上、企業としての「稼ぐ力」の向上などを実現できます。SXの推進にあたっては、マネーフォワード クラウドのようなサービスを活用して効率化を図ることも一つの手段です。本記事を参考に、SX推進を検討してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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