• 更新日 : 2024年7月12日

決算早期化の3つのポイント

経理業務の中でも決算業務は作業が多く、時間がかかります。しかし、決算を早期化することは、意思決定の高速化などさまざまなメリットがあるため、最近では決算早期化に取り組む企業が増えています。

ここでは、決算早期化の目的やメリット、実現するためのポイントなどを紹介します。

決算早期化の目的

決算には、年次決算、中間決算、四半期決算、月次決算などがあります。決算の早期化とは、文字通り決算を早めに実施することです。東京証券取引所も決算の早期化を求めています。

「事業年度又は連結会計年度に係る決算については、遅くとも決算期末後45日(45日目が休日である場合は、翌営業日)以内に内容のとりまとめを行い、その開示を行うことが適当であり、決算期末後30日以内(期末が月末である場合は、翌月内)の開示が、より望ましい」
引用元:決算短信・四半期決算短信 作成要領等|株式会社東京証券取引所

決算の早期化には、主に次の目的があります。

経営戦略の立案や意思決定の高速化

決算は、経営陣の経営判断や意思決定のベースとなるデータです。決算を早期化すれば、意思決定に関わるデータもより早く取得することができます。そこで事業分析から経営戦略の立案、意思決定のプロセスを高速化し、市場や環境の変化に柔軟に対応することが可能です。これは、ビジネス環境の変化が激しい現在には重要な要素となっています。

正確な売上・利益の把握

決算は事業分析のベースとなるデータです。決算の早期化すれば事業分析も早まり、売上予測や営業利益の予測も早く作成できます。そのデータをもとに、売上げ達成に問題がありそうな部分、見込み利益の少ない部分などを早めに把握し、素早く対応することが可能です。また、経理作業上のミスについても速やかに発見できます。

残業時間の削減

決算の早期化を行うためには、経理業務を効率化することが必要です。経理部門の業務効率化を行うことで経理担当者の作業量が減るため、残業時間も削減できます。また、決算を早期化するとこれまでよりも経理部門の繁忙期が短くなり、人件費を大きく削減することが可能です。業務に余裕が出た分、経営データの作成など他の業務を行うこともできます。

金融機関や投資家への速やかな情報提供

決算は融資や投資を決定するための重要なデータです。決算を早期化することで、経営状態について常に最新の状況を把握できるようになります。それによって、融資や投資を行うステークホルダーにより正確な情報の提供が可能です。それは企業の信用度向上につながり、金融機関から融資を受けやすくなったり、投資が増えたりすることにもつながります。

決算早期化のメリット

決算の早期化には、次のようなメリットがあります。

現状の把握と対策の検討を速やかに行える

決算の早期化により、経営状況をリアルタイムに把握することが可能です。それにより、問題のある部分や事業を素早く発見し、改善策を検討し、改善を行うことができます。改善策は実行が速いほど効果を発揮するので、問題点の早期発見は重要です。

決算業務を見直すきっかけになる

決算の早期化を行うためには、決算業務を徹底的に効率化しなければなりません。そのため、決算業務の業務フローを見直す必要があります。そこで決算業務のボトルネックを把握し、課題を可視化することで、決算業務の無駄を省くことができます。

人件費の削減

決算早期化を行うためには、決算業務、および日頃の経理業務を効率化しなければなりません。それによって社員の作業時間が減少し、残業時間が減ります。それは人件費の削減につながります。

外部からの信用・評価の向上につながる

決算の早期化を行うことで、金融機関や投資家に資料を求められたときにも、素早く正確な会計資料を提出できます。

同時に財務管理体制や経営管理体制の健全さを証明でき、金融機関や投資家など第三者からの信用度や評価の向上につながるでしょう。これは次の融資や投資にもつながり、より経営の健全化を図ることができます。

決算早期化のボトルネック

決算早期化を実現するためのボトルネックにはどんなものがあるのでしょうか。

月末月初に業務が集中してしまう

経理部門では、どうしてもどうしても月末月初に作業が集中します。これは月末に月締め(月次決算)を行うためです。また、年度末にも決算作業のため作業が激増します。さらに、決算業務は経理業務の中でもスキルが必要で属人化しがちな業務です。そのため、労働時間に偏りが出てしまいます。

勘定科目の金額を確定するのに時間がかかってしまう

経理処理の多くは、他の部署からの伝票を処理する作業です。しかし、他の部署では自分たちの本来業務を優先して経理処理は後回しにする場合も多く、なかなか伝票の処理作業が届かないこともよくあります。そのため伝票の処理が遅れ、各勘定科目の金額確定が遅くなってしまうのです。

手入力により作業時間が増加してしまう

経理業務ではペーパーレス化が進んでいる企業も多いですが、取引先や業務の内容によっては、手作業での紙の伝票処理が必要な場合があります。紙の伝票を処理するには、入力作業や確認作業、ミスの発見および修正などが必要です。そのため作業時間も大幅に増加してしまいます。

決算早期化を実現するための3つのポイント

経理業務を効率化して決算の早期化を実現するには、次のようなポイントが挙げられます。

決算業務の棚卸し

まずは、決算業務の棚卸しを行います。決算前後の業務について、次のような項目を洗い出しましょう。

  • 作業のプロセス
  • 各工程の工数
  • 個人の作業量と作業時間

決算業務に必要な工数を可視化したら、次の決算業務で作業時間を予測して予実管理を行います。

決算業務の見直し

次に、決算業務の見直しを行います。ポイントは次の2点です。

  • 現在の決算業務に無駄な点はないか
  • 作業の重要性と必要な工数・作業時間のバランスは適切か

決算だけでなく、通常の経理業務も含めて、廃止しても影響がなさそうな工程を見つけ、よりシンプルな業務フローに改善します。

会計システムの導入

経理業務の効率化には、会計ソフトの導入が不可欠です。会計ソフトの導入により、作業の自動化と大きな効率化が可能になるからです。さらに人的ミスの削減などにもつながります。

他部署を巻き込んで会計ソフトを導入するなら、会計機能だけのアプリケーションではなく、企業内の業務をトータルで効率化できるERP(Enterprise Resource Planning)の導入がおすすめです。

ERPによる会計業務の効率化については、次の記事を参考にしてください。

マネーフォワード クラウドで業務効率化を実現した事例

マネーフォワード クラウドでは、バックオフィス業務におけるさまざまな悩みを解決し、効率化をサポートします。
こちらでは、マネーフォワード クラウドを導入して業務効率化に成功した事例をご紹介します。

SMBC GMO PAYMENT株式会社様の事例

EC領域での決済代行サービスを提供するSMBC GMO PAYMENT株式会社様は、事業の規模拡大に伴い、業務効率化を目的としてマネーフォワード クラウド会計Plusとマネーフォワード クラウド経費を導入。
これにより、紙伝票の業務をほぼゼロにし、業務効率化とペーパーレス化を実現しました。リモートワークにも対応可能な業務体制を整えることができています。

導入前は紙の伝票を用いた非効率な業務フローであり、出社が必要でリモートワークに対応できない状況でした。
マネーフォワード クラウドを導入してからは、属人的になっていた業務が改善されたことで、ミスの発生回数が大幅に減少し、業務時間の約30%削減を実現しました。

業務効率化により、チーム内に余裕が生まれたことで、マニュアルの作成・更新など本来やるべき業務に時間を使えるようになりました。
追われるように業務をしていた導入前と比べ、現在はお互いに積極的にサポートしあうチーム体制を実現しています。

今後は、さらなる業務効率化を目指し、会社の成長に耐えうるバックオフィス体制の構築を進めていく予定です。

まとめ

決算の早期化には、経営判断の迅速化や正確な経営状況の把握と早期予測、経理部門の作業時間短縮など、いくつものメリットがあります。さらに社外の第三者からの信用度向上にもつながるため、業種や業界、企業規模にかかわらず実現したいものです。

しかし、決算業務は作業が非常に多く、すぐに実現できるものではありません。決算の早期化を実現するためには、業務の棚卸しや見直し、システム導入など、一つひとつステップを踏んで進めていく必要があります。

よくある質問

決算早期化の目的は?

経営戦略の立案や意思決定の高速化、正確な売上槍駅の把握、残業時間の短縮、ステークホルダーへの速やかな情報提供などです。

決算早期化のメリットは?

現状把握と問題点の改善を速やかに行えること、決算業務の見直し、人件費の削減、外部からの信用・評価の向上などです。

決算早期化を実現するためのポイントは?

決算業務の棚卸しと見直しを行なったうえで、会計システムを導入することです。


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