• 更新日 : 2024年7月12日

マーチャンダイジング(MD)とは?主な手法と5つの適正、成功事例を解説

マーチャンダイジングはMDとも訳され、日本語では「商品化計画」という意味を持ちます。特に小売・流通業界で行われるマーケティング戦略の1つで、顧客に商品を購入してもらうために必要な活動全般を指します。

本記事では、マーチャンダイジングの概要について解説し、マーチャンダイジングの手法や実践する際に重要な適正などについて解説します。

マーチャンダイジング(MD)とは

はじめに、マーチャンダイジングの概要とマーケティングとの違い、小売業での役割や効果について解説します。

マーチャンダイジングの概要

マーチャンダイジング(MD)は商品を売るための戦略的な販売活動を指し、特に小売・流通業界で多く行われている方法です。

同質の商品が扱われる業界において、商品力以外に店舗の設計や商品訴求の方法を工夫することで競合他社との差別化を図り、売上を最大化することを目的に行います。

マーケティングとの違い

マーチャンダイジングと関連する言葉にマーケティングがありますが、両者の違いはそれぞれが包括する範囲です。
マーケティングは、商品やサービスを売るための仕組みを指します。
そもそも小売という販売形態をとるか否か、広告を使うか、誰をターゲットにするのかなど、販売行動における上流部分がマーケティングの領域です。

一方でマーチャンダイジングは、あくまでマーケティング戦略の1つであり、小売業の商品や売り場の活用に重点を置いた戦略を指します。マーケティング戦略によって設計された商品を顧客に「どう売るか」の部分に注目した手法だといえます。

マーチャンダイジング(MD)の主要な手法

ここでは、マーチャンダイジングの手法について解説します。

  • ビジュアルマーチャンダイジング
  • クロスマーチャンダイジング
  • ライフスタイルマーチャンダイジング

ビジュアルマーチャンダイジング

顧客に視覚的なアプローチで訴えかける方法です。商品を探しやすく、購入しやすい売り場づくりや購入意欲を刺激するための施策が含まれます。

具体的な施策には、アパレル業界でいえばマネキンに服を着せて陳列する、顧客の興味を引くようにショーウィンドウに新作を配置して目立たせるなどの方法があります。商品と内装や什器に統一感を出すことで魅力的に演出するのも効果的な方法です。

クロスマーチャンダイジング

ある商品と関連のある商品を近くに配置することで、来店時は予定していなかった非計画購買を促す方法です。親和性のある商品のシナジー効果により、互いの商品を売りやすくなる、客単価が上がるなどのメリットがあります。

施策の代表例としては、スーパーで精肉の隣に調味料を、お酒の隣におつまみを陳列するといった方法があります。

ライフスタイルマーチャンダイジング

商品のジャンルではなく、顧客のライフスタイルに着目して必要な商品を提案する方法です。ライフスタイルを実現する商品が売り場の一区画ですべて揃うように配置します。

顧客にとっては買い物の動線がシンプルになる、企業にとってはまとめ買いにより購買価格アップが見込めるといったメリットがあります。例えば、美容に興味がある人をターゲットに、基礎化粧品や美顔ローラー、着圧レギンスなどの商品を並べて販売するという方法が効果的です。

マーチャンダイジング(MD)の5つの適正

本章では、効果的なマーチャンダイジングを行うための5つの適正について解説します。マーチャンダイジングの効果を評価する5つの側面として捉えると良いでしょう。

  • 適正な商品
  • 適正な時期
  • 適正な数量の保持
  • 適正な商品の配置
  • 適正な価格設定

適正な商品

顧客の需要に沿った、過不足のない適正な品揃えが重要です。商品が少なすぎると顧客の多様なニーズに対応できませんが、かといって多すぎてもニーズに沿っていなければ売上にはつながりません。

顧客の需要や世の中のトレンドを把握し、それらに見合う商品を提供しましょう。店舗やブランドのイメージと一致する商品や、競合と差別化できる独自性のある商品が置かれているかという点も重要です。

適正な時期

季節、時間帯に合った商品の仕入れ・販売ができているかが重要です。帽子やサンダルは夏、マフラーやカイロは冬の方が売れやすく、ヨーグルトやコーヒーは朝に、スナック菓子やソフトドリンクは午後の時間帯に売れやすい傾向があります。

商品によって訴求しやすい時期が異なることを理解し、訴求しやすさを考慮した仕入れや販売ができると効果的です。

適正な数量の保持

在庫の過不足にも注意しましょう。過剰な在庫は売上にならない限り製造・管理コストを生じさせるだけで、企業にとっては負債となります。一方で在庫不足は売上の機会損失であり、顧客に品揃えが悪いという印象を与えかねません。

過去の販売データや市場動向から需要の予測を適切に行い、適正な在庫の把握に務めることが重要です。また季節で需要が変動する商品は時期が過ぎると在庫となるリスクが高くなるので、細心の注意が必要になります。

適正な商品の配置

商品の配置も顧客の購買行動に影響する重要な要素です。関連する商品は近くに陳列する、一目で売り場がわかるような工夫を凝らす、顧客が買い物をしやすい店舗設計・導線にするなどの方法があります。

また店舗内の回遊率を高める工夫や、購買単価が上がるような設計も重要です。具体的にはレジ横に電池やお菓子など小物を陳列する、オンラインストアで関連性の高い商品をおすすめする、といった施策があります。

適正な価格設定

顧客の納得感と企業の利益の両面を考慮した価格設定が重要です。競合他社との比較や顧客が感じる価値から価格設定に落とし込む方法や、季節や時期による需要の変化を考慮して価格を決定する方法などがあります。

価格設定はブランドコンセプトとも相関があり、コンセプトにあった価格設定になっていると、顧客も受け入れやすいでしょう。利益創出のためには販売価格だけでなく、仕入れ価格・値引き対応・最終価格を考えることも重要です。

マーチャンダイジング(MD)の成功事例

実際に、マーチャンダイジングの導入に成功している企業の事例を紹介します。

  • IKEA
  • ドン・キホーテ

IKEA

スウェーデン発祥の家具販売店のIKEAは、郊外に大型店舗を展開しており、店舗面積の広さを活かして顧客の滞在時間を長時間化させることに成功しています。

商品の配置も家具ごとではなく、リビング、寝室などの部屋別にディスプレイし、ライフスタイルが想像しやすい設計を採用。家具単体の販売ではなく、部屋づくりを提案する設計により、関連性の高い商品も訴求しやすい工夫が施されています。

ドン・キホーテ

総合ディスカウントストアを展開するドン・キホーテは、数多くの商品をあらゆる場所や天井高くまで陳列する売り場が特徴。豊富な品揃えから顧客に希望の商品を探し出す楽しさを提供しています。
店内の導線も数多くの商品が視野に入るように設計されており、特定の商品を求めて来店する顧客に加え、何か面白いものを求めて来店する顧客層を取り込むことに成功しています。

まとめ

マーチャンダイジングとは特に小売・流通業界で多く行われる顧客に商品を効果的に販売する戦略の1つです。さまざまな手法があり、売り場の設計や視覚効果を活用することで商品をより魅力的に訴求できます。
マーチャンダイジングを実行する際は、5つの適正に着目することで施策の効果を高められます。導入に成功している企業の事例も参考に、自社のブランドイメージと合致した施策に落とし込むことが重要です。


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