• 作成日 : 2024年11月8日

オファリングとは?概要やメリットをはじめ選定時のポイントやリスク・対策を解説

オファリングとは、製品やサービスをはじめ、ハードウェア、コンサルティング、保守サポートなどをパッケージ化したものを指します。
オファリングを導入することにより、企業は多くのメリットを受けることが可能です。現在、さまざまなベンダーがオファリングに関するサービスを展開していますが、より効果を高めるには自社に最適なものを選定する必要があります。
本記事では、オファリングの概要やメリットをはじめ、選定時のポイントや注意点などを解説します。

オファリングとは

はじめに、オファリングの概要や類似用語との違いについて解説します。

オファリングの概要

オファリング(offering)とは、日本語で「提供」「申し出」「募集」などの意味を持つ言葉です。金融業界では、有価証券(株式や債券など)の売り出しをオファリングと呼びます。「IPO」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思いますが、IPOとは「Initial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)」の略であり、「新規公開株式」を意味します。

IT業界におけるオファリング

昨今では、IT業界でも「オファリング」が注目を集めています。IT業界におけるオファリングとは、単に製品やサービスを提供するだけではなく、クライアントが抱える課題や要望に応じて提供されるパッケージを指します。

上記のパッケージに含まれるものは、製品やサービスはもちろん、ハードウェアやコンサルティングをはじめ、保守サポートなど広範囲にわたるのが特徴です。

オファリングとソリューションの違い

「オファリング」と「ソリューション」はいずれも、製品やサービスを提供する点、最終的にはシステム開発やサービス導入がゴールとなる点が共通点です。

しかし、ソリューションは製品やプロダクトによる顧客の課題解決を目的とし、「課題をどのように解決していくか」にフォーカスしています。一方でオファリングは「何を課題とするか」にフォーカスしている点が大きな違いです。

主なオファリングの種類

本章では、主なオファリングの種類について解説します。

製品オファリング

製品オファリングとは、企業が販売するソフトウェアやハードウェアなどを指します。

製品オファリングでは、クライアントごとのカスタマイズなどはせずに、共通した仕様を有するものを提供します。クライアントは製品オファリング購入後、長期間にわたり継続利用する点が特徴です。

サービスオファリング

サービスオファリングとは、サポート、メンテナンス、コンサルティングなどを指します。

このサービスオファリングは、製品オファリングに付随して提供されることもあれば、単体で提供されることもある点が特徴です。個々のクライアントが持つニーズに応じてサービス内容をカスタマイズすることが多く、各クライアントとの個別の契約に従って一定期間サービスが提供されます。

技術オファリング

技術オファリングとは、インフラやツールをはじめ、プラットフォームやAPIなど、クライアントが自社製品などに組み込むものを指します。

先端技術や高度な技術などを中心としたものが多く、状況に応じてリソースを簡単に調整できる点が特徴です。技術オファリングを活用することで、生産性向上や競合他社への優位性を創出することができます。

オファリングを導入するメリット

本章では、オファリングを導入するメリットについて解説します。

メリット1.コストを削減できる

オファリングの導入により、システム開発やインフラ構築などのコストを削減可能です。

技術オファリングの1つであるクラウドサービスなどを利用すれば、需給に応じた柔軟なリソース調整によってコストを最適化できます。また、サポートやメンテナンスなどのサービスオファリングを活用すれば、運用コスト削減も実現可能です。

メリット2.自社に最適なサービスを利用できる

オファリングではクライアントが抱える課題を解決するために、既存の製品やサービスをパッケージ化して提供されます。

自社のニーズに合わせて内容をカスタマイズできるため、課題解決に最適なサービスを過不足なく利用できる点がメリットです。

メリット3.競争力を向上できる

デジタル化が急速に進む昨今、ビジネスに求められるスピードは加速しています。さらに市場環境も目まぐるしく変化しており、わずかなアクションの遅れによって大きなビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。

オファリングを活用すれば、市場変化や新たなビジネスチャンスを逃すことなく、迅速な対応が可能です。その結果、競合他社に対する競争力が向上し、優位性を創出できます。

メリット4.手厚いサポートを受けられる

オファリングを導入すれば、高度な知識を有する専門家による手厚いサポートが利用可能になります。また、オファリング利用時に問題が発生した場合も、これらのサポートによって迅速な問題解決が期待できます。

このように、問題発生時の影響を最小限に留められる点も、オファリングが持つメリットの1つです。

オファリング選定のポイント

本章ではオファリングの選定時におけるポイントを解説します。

ポイント1.課題解決や目標達成にマッチしているか

オファリングの導入は目的ではなく手段の1つであり、「業務効率化」や「コスト削減」など、何らかの達成すべき目標があります。

そのため、選定対象のオファリングが、自社が解決したいと考えている課題や達成したい目標にマッチしているかを見極めることが、オファリング選定時の最も重要なポイントです。

ポイント2.柔軟性や拡張性があるか

企業が持つ課題や目標は、一見同じように見えても、それぞれ異なります。なぜならば、全く同一のビジネス環境や業務フローは存在しないからです。

そのため、オファリング導入の効果を高めるには、自社のビジネス環境などにあわせて柔軟にカスタマイズできるものを選定すべきでしょう。また、ビジネス環境や自社の課題は常に変化するため、それらの変化にも対応できるオファリングを選定することをおすすめします。

ポイント3.コスト

オファリングの「イニシャルコスト」と「ランニングコスト」を把握し、費用対効果が高いかを判断することも重要な選定ポイントの1つです。

オファリングを利用するには、導入コスト、ライセンス費用、使用者のトレーニング費用をはじめ、月額料金なども発生します。オファリングによって得られる効果が投資コストを上回るか、コストに見合った効果であるかをシミュレーションして判断する必要があるでしょう。

ポイント4.その他(サポート・セキュリティなど)

トラブル時のサポート体制や提供企業の信頼度も、オファリング選定時の重要なポイントです。また、セキュリティやコンプライアンスについても、国や業界をはじめ自社の基準を満たしているかチェックしておきましょう。

オファリング導入のリスクと対策

オファリングを導入した場合、技術面での依存度が高まりやすく、場合によってはベンダーロックインを招くこともあります。

対策としては、複数ベンダーのオファリングを評価することで選定候補が1社に偏らないようにしたり、将来的にベンダー変更が容易な契約(解約条項など)を締結したりすることが有効です。

また、計画コストの超過もリスクの1つです。よくあるケースとしては、オファリングに含まれる製品のカスタマイズ費用などがあげられます。コスト超過を回避するためには、事前の見積もり精度向上をはじめ、コストの予実管理を行って現状を把握することが重要です。

なお、ベンダーロックインについては以下の記事で解説しているので、ぜひご参照ください。

まとめ

今回はオファリングの概要やメリットをはじめ、選定時のポイント、注意点などを解説しました。
オファリング導入により、企業はコスト削減や競争力向上などのメリットを期待できます。より高い効果を得るには、自社の課題解決や目標達成にマッチしているか、あるいは柔軟性や拡張性に富んだオファリングであるかをチェックすることが重要です。
変化に強くスピード感がある経営を実現したい方は、オファリングの導入をご検討ください。

広告

マネーフォワード クラウド 販売パートナー募集について

マネーフォワード社ではマネーフォワードクラウドをお取り扱いいただける販売パートナーを募集しております。

マネーフォワードクラウドERPの提案を通じて、貴社ビジネスを成長させませんか?パートナープログラムには、紹介手数料型の紹介パートナー、仕入販売を行う再販売パートナーの2種類を用意しております。

マネーフォワード クラウドパートナープログラムの詳細はこちら

広告

この記事をお読みの方におすすめのガイド4選

最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。

Fit to Standardを実現するための導入ノウハウ

業務プロセスをシステムに合わせて最適化する手法として「Fit to Standard」が注目を集めていますが、従来のFit & Gap方式に慣れた組織では新たなアプローチへの抵抗感もあるのではないでしょうか。

本書では、Fit to Standardの基本概念からメリット、導入の流れ、課題解決のポイントまでを解説します。

無料ダウンロードはこちら

経理業務自動化のためのツール選定ガイド

経理業務は限られた人員リソースのなかでこなしていくため、企業の状況に合わせた適切なシステム・ツールを導入し、業務の効率化・自動化やヒューマンエラーの削減を図っていくことが重要です。

本書では、経理業務のよくある課題を整理しながら、クラウド型ERPとRPAを活用した業務改善に注目して解説していきます。

無料ダウンロードはこちら

システム保守切れによる3大リスク回避のポイント

「基幹システムやバックオフィスシステムの保守切れが近いけど、次をどう考えたらいいかわからない」とお悩みの中堅企業の方も多いのではないでしょうか。

本資料では、システム保守切れに伴って起こり得るリスクと、システム保守切れの回避方法について解説します。

無料ダウンロードはこちら

マネーフォワード クラウドERP サービス資料

マネーフォワード クラウドERP段階的に導入できるコンポーネント型クラウドERPです。

会計から人事労務まで、バックオフィス全体をシームレスに連携できるため、面倒な手作業を自動化します。SFA/CRM、販売管理、在庫・購買管理などの他社システムとも連携できるため、現在ご利用のシステムを活かしたままシステム全体の最適化が可能です。

無料ダウンロードはこちら


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事