- 更新日 : 2024年7月12日
経営資源とは?効率的な管理を実現するためのポイントや課題解決策を解説
経営資源とは、企業が経営を持続・成長させていくために必要不可欠なものです。
昨今ではビジネス環境の変化や技術革新の影響により、経営に必要な資源が増加しています。
この記事では、経営資源の概要や要素をはじめ、効率的に管理するポイントを解説します。
目次
経営資源とは
経営資源とは、企業が経営を行うにあたり必要となる資源(リソース)を指します。
企業の使命は、保有する経営資源を最大限効率的に活用し、利益を最大化することです。
一方で、経営資源の不足あるいは枯渇は、競争力低下や倒産のリスクを高めます。
経営資源には「ヒト・モノ・カネ」や「マッキンゼーの7S」など、いくつかの分類方法があり、時代とともに変化していきます。
この記事では、経営資源を6つの要素に分類して解説します。
人的資源
人的資源とは、企業で働く従業員を指します。
企業は人的資源がないと業務が成立しないため、数ある経営資源の中でも重要度が高い資源だといえます。また、実際に企業で働く従業員が、組織の文化や風土を創り出す点も見逃せないポイントです。
なお、人的資源は教育・研修プログラムや情報共有の仕組みを構築することで、価値を高めることができます。
物的資源
物的資源とは、製品やサービスはもちろん、企業が所有するオフィスをはじめ、機械や設備なども指します。
企業が存続あるいは成長するためには、売上や利益が必要不可欠です。その売上や利益は、製品やサービスなどの物的資源を顧客に売却することで獲得できます。
また、オフィスや従業員のモチベーションや働きやすさは、顧客に良いサービスを提供できるか、工場などの機械・設備が製品を効率的に生産できるかなどを左右します。
財務的資源
財務的資源とは、経営資金(お金)を指します。
具体的には、株主が出資した資本金や金融機関から借り入れたお金などです。
財務的資源がないと、人的資源や物的資源を得られません。その一方で、財務的資源は「あればよい」というわけではなく、適切なタイミングで活用することが重要だといえます。
情報的資源
情報的資源とは、経営に関するさまざまなデータやその会社にしかないノウハウなど、無形資産全般を指します。
具体的には次のとおりです。
- 売上データ
- 顧客情報
- 競合他社の情報
- 顧客や地域などコミュニテイとのつながり
昨今、IT関連ではAIやビッグデータなどの革新的な技術が次々と生まれています。
そのような背景もあり、ビジネスにおいても情報的資源の重要度が急速に高まっています。
知的財産
知的財産とは、組織内に蓄積されたノウハウやプロセスをはじめ、特許や著作権、商標権、商号、独自ブランドも含まれます。また、営業秘密なども知的財産に分類されます。
いずれも企業の「強み」として、競合他社に対する競争力の源泉となるのが特徴です。
時間的資源
時間的資源とは、企業が経営活動を行うにあたって必要となるさまざまな「時間」を指します。
製品の製造はもちろん、研究開発などは多大な時間を要するのが特徴です。
また、採用活動や人材育成にも時間が必要です。当然ではありますが、「時間」は有限な要素であるため、効率的に活用することが求められます。
経営資源を効率的に管理するポイント
経営資源は、蓄積すればよいというものではありません。
例えば、人的資源は新たに従業員を雇用すれば増加しますが、適切な業務を与えないと成果につながりません。
また財務的資源も、獲得した利益を次世代の柱となる事業へ投資するなどしてはじめて、企業の持続的な成長に寄与するのです。
ここでは、経営資源を効率的に管理するポイントを解説します。
現状把握
経営資源は有限です。特に大企業と比較すると、中小企業は経営資源に限りがあるケースが多いといえます。
ビジネスを取り巻く環境は日々移り変わるため、経営資源の状況も目まぐるしく変化します。
経営資源を効率的に管理するためには、まず自社がどのような経営資源をどの程度保有しているかを、正確かつリアルタイムに把握することが重要です。
配分計画の立案および実行
経営資源は、配分計画の立案および実行も重要なポイントです。
有限である経営資源を、どの事業(あるいは部門)に配分するかを計画する必要があります。
配分計画を検討する際の代表的なフレームワークとしては、PPM分析などが有名です。
PPM分析では、市場成長率と市場占有率で事業を分類することで、経営資源の配分や今後の戦略方針を検討する材料とします。
なお、経営資源の配分は、タイミングを逃さず速やかに実行することが重要です。
定期的な評価および見直し
経営資源の配分は、定期的に評価および見直しを行うことが重要です。
ビジネスの状況は逐一変化します。以前はベストだった配分計画も、時間の経過とともに適切なものではなくなってしまう恐れがあります。
経営資源を効率的に管理するためには、投下した資源によってどの程度の利益を創出できたか(あるいはどのような効果が得られたか)を定期的に評価することが重要です。
また、評価結果をもとに「配分計画の見直し→配分実行」という流れを繰り返し、適切なタイミングで適切なポイントへ投資する必要があります。
経営資源管理におけるよくある課題と解決策
経営資源の管理には、明確な正解があるわけではありません。そのため、多くの企業や経営者が頭を悩ますことが多いようです。
ここでは、経営資源に関するよくある課題と解決策を解説します。
よくある課題と解決策
| よくある課題 | 解決策 |
|---|---|
| 資源不足(人材不足・資金不足・時間不足など) | ・外部資源の活用 人的資源の場合は外部企業への発注やアウトソーシングなどを活用しましょう。また、財務的資源の場合は資金調達なども検討してください。 ・人材の教育・研修 人的資源の場合は既存社員に対する教育・研修などにより人材不足を解消できる可能性があります。 ・生産性向上 既存業務のシステム化により生産性向上→人的資源・情報的資源・時間的資源不足を改善することが可能です。 |
| 資源の過剰使用 | ・効率性の分析と改善 財務的資源を過剰使用している場合は精緻な原価管理や分析が重要です。 |
| 不適正な資源配分 | ・配分に関する優先順位の明確化 不適正な配分は、配分計画立案時の情報不足に起因するケースが多いです。 そのため、さまざまな経営データをもとにした根拠のある配分計画が必要です。 |
| あいまいかつ即時性がない経営資源管理 | ・経営資源管理のシステム化 各種の経営資源をExcelなどで管理・運用している企業も少なくありません。しかしExcelでは精緻な管理が難しい上、各種指標をリアルタイムで確認できません。システム化により、精緻かつリアルタイムな経営資源管理が可能となります。 |
経営資源管理の課題改善にはERPの活用がおすすめ
経営資源管理の課題改善には、ERPの活用がおすすめです。
マネーフォワード クラウドERPは、クラウドベースのシステムであり、データの一元管理が可能です。
そのため、経営に関するデータをいつでもリアルタイムに確認できます。
また、さまざまなサービスを柔軟に導入できる点、各種システムとのデータ連携が可能である点も特徴です。
経営資源の効率的かつ正確な管理を実現したい方は、ぜひマネーフォワード クラウドERPの導入をご検討ください。
まとめ
企業が経営を維持・成長させるために、経営資源は重要な要素です。
経営資源には限りがあるため、現状を正しく把握した上で、最適な配分を計画・実行することが求められます。
ERPを活用することで、経営資源を精緻かつリアルタイムに管理することが可能です。
資源を効率的に管理したい方は、マネーフォワード クラウドERPの活用をおすすめします。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
財務会計と管理会計の基本
予実管理の煩雑さは大きな課題です。手作業に依存した業務プロセスやデータの連携不足、エクセルによる予実管理に悩む企業も多いのではないでしょうか。
財務会計と管理会計の基本を押さえつつ、予実管理の正確性とスピードを両立させるためのポイントと具体的な解決策を詳しく解説しています。
間接部門のコスト削減ガイド
バックオフィスのスリム化にお悩みではないでしょうか。経営改善の一環としても、バックオフィスの業務効率化はとても重要です。
本書では、間接部門の役割や抱えがちな課題に加えて、コスト削減のメリットとその進め方について解説します。
2025年の崖までに中堅企業がやるべきこととは
2025年の崖は、大企業だけではなく、中堅企業においても対応が求められる重要な課題です。
2025年の崖の現状や解決に向けて中堅企業がやるべきこと、バックオフィスシステムの見直し方を解説した人気のガイドです。
マネーフォワード クラウドERP サービス資料
マネーフォワード クラウドERPは段階的に導入できるコンポーネント型クラウドERPです。
会計から人事労務まで、バックオフィス全体をシームレスに連携できるため、面倒な手作業を自動化します。SFA/CRM、販売管理、在庫・購買管理などの他社システムとも連携できるため、現在ご利用のシステムを活かしたままシステム全体の最適化が可能です。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
グループ経営における数値管理を最適化する方法とは?
グループ経営を進めるなかで直面する数値管理の課題として、経営状況の可視化やデータ収集のための労力、データのばらつきなどが挙げられます。これらの課題を解決し、経営をより効率的にするためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。 本記事では…
詳しくみるスピンアウトとは?スピンオフとの違いやメリット・成功事例を解説
スピンアウトとは企業が子会社や事業を新たな会社として独立させることを指す言葉です。 スピンアウトにより親会社と子会社の資本関係が解消される点が特徴で、新たな事業価値を創出する手段として注目が集まっています。 本記事では、スピンアウトの概要に…
詳しくみる資本提携とは?種類やメリット・デメリットに加えて、手続きの流れや事例を解説
資本提携とは、複数の企業が相互に株式を持ち合うことにより、ビジネス上の関係強化を狙う手法です。資本提携を行うことで各社が持つ強みの共有が可能となり、単独の企業では実現できない成果を目指すことができます。 この資本提携にはさまざまなメリットが…
詳しくみるカンパニー制とは?仕組みやメリット・デメリットを解説!
カンパニー制とは、社内の事業を、それぞれ独立した会社としてみなす組織形態のことです。各カンパニーに権限を委譲し、収益力の向上や事業の効率化を図ります。今回は、カンパニー制の仕組みやメリット・デメリット、成功させるポイントを解説します。カンパ…
詳しくみる需要予測とは?概要や具体的な手法、成功事例などを解説
需要予測は、自社製品やサービスの売上など、将来の「需要」をさまざまな観点から「予測」することを指します。企業がコストを削減し利益を最大化するためには、需要予測が重要です。 本記事では、需要予測の概要から、種類や手法、事例、課題と対策について…
詳しくみる特例事業承継税制とは?一般措置との違いや申請の流れを解説
特例事業承継税制は、2009年度に定められた事業承継税制の中でも10年間限定の措置として利用可能な制度です。事業承継を検討している中小企業にとっては、より納税の猶予や免除が受けやすい制度となっています。 本記事では、特例事業承継税制の概要に…
詳しくみる


