- 更新日 : 2024年7月12日
リソース管理とは?企業が管理すべき要素とポイントを解説
近年では、人材不足に陥る企業が増えており、リソース管理の重要性が高まっています。リソース管理とは、人材や設備、システム、情報などのリソースを効率的かつ効果的に配分し、最大化するためのプロセスです。本記事では、リソース管理の具体的なステップや、効率的な管理につながるツールやテクノロジーについて解説します。
目次
リソース管理とは
リソース管理とは、企業が事業を行ううえで必要な「ヒト」「モノ」「カネ」「時間」「知的財産」などの資源を、無駄なく効率的に利用できるように管理するプロセスです。プロジェクトを完遂するために必要な人員の配置や、テクノロジーを利用した業務プロセスの改善、外部リソースの活用による作業負担の軽減などが含まれます。企業やプロジェクトごとに定めた目標を達成することを目的にリソース管理が実施されます。
リソースの要素
企業の保有するリソースには「ヒト」「モノ」「カネ」のように物理的に存在するものと、「時間」「知的財産」といった形のないものがあります。
- 「ヒト」
事業やプロジェクトを進めるうえで欠かせない人的リソース。 - 「モノ」
事業運営に必要な設備、備品、システムなど。 - 「カネ」
ヒトやモノを準備する際にかかるコスト、投資する予算。 - 「時間」
スケジュールやタスク、納期の順守などの時間的要素。 - 「情報」
顧客情報や市場の動向、売上・在庫状況など意思決定や事業経営に必要なデータ。 - 「知的財産」
会社、組織の競争優位性を確保する独自の権利(特許・商標)など。
リソースの要素ごとの重要性と管理方法
上記で挙げた各リソースの管理方法と重要性について解説します。
「ヒト」を管理する
従業員のスキルや経験は、プロジェクトやビジネスの成功に不可欠です。個々が能力を最大限に発揮できる環境を用意することで、より良い成果を達成できます。
例えば、従業員のスキルやアサイン状況、モチベーションを把握し、それぞれの特性に合わせた業務を割り当てることで、業務効率の改善を図れます。進捗状況を確認し、やるべきことが達成できているかを管理することも重要です。
「モノ」を管理する
必要な資源を適量かつタイミングよく利用できるように、物理的なリソースを管理することは、作業効率の向上につながります。
例えば、設備や備品の状態を定期的に確認し、物品の調達や在庫管理を通じて適切にリソースを活用します。
「カネ」を管理する
事業やプロジェクトを進めていくうえでは、無駄な出費を減らし、コスト効率を最適化することが不可欠です。
計画段階では、過去の実績に基づいた根拠のある予算を設定して、定期的に実際の支出と予算を照らし合わせましょう。予算と乖離がある場合は、原因を分析し、プロジェクトを円滑に進めるために調整を行います。
「時間」を管理する
時間管理は、会社の会計年度やプロジェクトの進捗状況、納期の管理において重要です。
時間は有限であるからこそ、事前に綿密な計画を立てることが大切です。
例えば、現実的なスケジュール計画とともに優先順位を決定し、常にプロジェクトの進捗状況を管理します。想定外のことが起こった際には分析を行い、必要に応じて計画を修正します。
「情報」を管理する
昨今、ビジネスの意思決定においては、正確かつタイムリーな情報管理が求められています。
具体的には、顧客の購買履歴やニーズ、市場動向、他社の戦略に応じて新たな製品やサービスを開発したり、顧客のフィードバックを分析して定期的な改善を図ったりします。また、売上や目的に合った情報を取捨選択し、必要な情報の分析結果から適切な判断につながることも重要です。
「知的財産」を管理する
知的財産の管理は、企業が市場で独自のポジションを確保し、競争上の優位性を維持するために重要です。
特許権や著作権、商標、ライセンス、自社の知的ノウハウや業務秘密などを適切に管理するには、知的財産に関する企業ポリシーを策定し、従業員に周知する取り組みが求められます。
リソース管理のステップ
プロジェクト遂行におけるリソース管理の具体的な手順を解説します。
プロジェクトの目的・要件の把握
プロジェクトの目標と成果を明確にするために、必要な要件をクライアントから引き出します。同時に品質、コスト、納期(QCD)などの観点からプロジェクトに必要なリソースを明確にし、これらを数値化して整理します。
リソース計画の作成
目的や要件に基づき、必要なリソースを戦略的に割り当てる計画を策定します。例えば、必要な設備や材料をいつ利用可能かの確認、メンバーのスキルや経験・希望を考慮したチーム編成、各タスクの割り当てなどが含まれます。さらに、プロジェクトの各フェーズで必要な予算を見積もり、スケジュールに合わせて計画を調整します。
定期的な見直し
プロジェクトの進捗状況を定期的に確認し、計画とずれているから場合は原因を確認して計画を見直します。定期的な評価と調整により、プロジェクトの円滑な管理につながるでしょう。
詳しくは以下の記事でも紹介していますので、ぜひご覧ください。
リソース管理に役立つツールやテクノロジー
管理するべきリソースは多岐にわたるため、特に大規模なプロジェクトではリソース管理が複雑となります。そこで、適切なツールを利用することで、情報のヌケモレがなく効率的に全体を可視化できます。例えば、プロジェクト管理ツールは必要な機能を提供しますが、情報共有の面では機能不足が生じることもあるでしょう。より包括的なリソース管理が求められる場合は、ERPの導入がおすすめです。
ERPの導入
ERPは「Enterprise Resources Planning」の略称で、リソース管理に役立つ機能が多く実装されています。ERPを導入するメリットは次のとおりです。
- 統合されたデータ管理
人事や財務・在庫・顧客情報など異なるシステムに分散したデータの一元管理より、情報へのアクセスが容易となります。 - リアルタイムに更新されるデータと分析
リアルタイムにデータが更新され、ダッシュボードでの可視化や分析機能により、迅速なビジネス上の意思決定をサポートします。 - 業務プロセスの効率化
作業の自動化により、従業員の工数削減につながります。
ERPはシステム間のスムーズな連携ができ、既存のプロジェクト管理ツールや他社システムとの統合も容易です。
まとめ
リソース管理は、事業やプロジェクトに必要なリソースを、無駄なく効果的に利用するために重要です。マネーフォワード クラウドERPは、各システムのデータを一元管理し、リソース状況をリアルタイムで可視化する機能を提供します。社内のリソースを把握・管理し、業務効率を上げるために、ぜひマネーフォワード クラウドERPの活用を検討してみてください。
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