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  3. 前受金とは?仕訳例から、前受収益・仮受金との違いまで解説!
  • 更新日 : 2026年1月27日

前受金とは?仕訳例から、前受収益・仮受金との違いまで解説!

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決算書の負債の部に表記される勘定科目の中に「前受金」というものがあります。商品の販売引き渡しや役務提供が完了する前に受け取った金銭を、前受けとして処理する際に使用する勘定科目です。

金銭を受け取った際に使用する勘定科目にはその他にも「前受収益」「仮受金」「預り金」などがありますが、今回は「前受金」とその他の勘定科目の違いと会計処理について解説していきます。

目次

  • 前受金とは?
    • 前受金は負債扱いになる?
    • 前払金は前受金と逆の勘定科目
  • 間違えられやすい勘定科目
    • 前受収益との違いは?
    • 仮受金との違いは?
    • 売掛金との違いは?
    • 預り金との違いは?
  • 前受金の見分け方
  • 前受金が関連する帳票
  • 正しい勘定科目を理解して適切な会計処理を

前受金とは?

商品売買などを行った際に、「商品代金として」その一部または全部を前もって受取った場合に使用する勘定科目です。 なお、有形の商品だけでなく、無形の役務提供サービスの場合も同様に用いられます。
販売先が「商品を購入する」という意志を示すために頭金として支払う場合や、契約として金額の一部または全額を支払う場合があり、前受金を受け取った売主は買主に対して商品を引き渡す義務が生じます。

例えば、携帯やネットゲームが普及する前の、据え置き型ゲーム機が一般的であった頃には、人気ゲームソフトの発売前に先にお金を払って予約をしていたこともあるかと思います。このような場合、お店側では将来にゲームソフトを引き渡す代わりに、先に代金を受け取っており、前受金勘定を用いることになります。

前受金は負債扱いになる?

前受金は、一般的には「内金」や「手付金」のことであり、前受金を受け取る時点では製品やサービスをまだ提供していないため、契約上は「預り金」的な意味合いを持ちます。仮にキャンセルとなった場合は前受金を返還しなければならないため、貸借対照表においては「負債の部」の流動負債に分類され、製品やサービスの提供後には売上などの勘定科目に振替えられます。

<前受金の仕訳例>
「商品150,000円分をこれから納品する」という買主との合意のもとで、内金として50,000円を受け取ったときの仕訳は以下の通りです。

借方
貸方
現金50,000前受金50,000

また、「商品150,000円分を無事に納品し、残金の100,000円は後日支払う」とした場合の仕訳は以下の様になります。

借方
貸方
前受金50,000売上高150,000
売掛金100,000

なお、同じく流動負債に分類される勘定科目に「預り金」がありますが、「預り金」はその名の通り一時的に金銭を預かるだけであり、原則として収益に計上されることはありません。最終的には預けた相手に返金するか、あるいは第三者に支払いをして完結するものです。

会計上、以下のようなものは前受金として処理されます。

 

  • 受注品、受注工事等に対する前受金
  • 受託買付時に委託者から受け取った前受金
  • 不動産業、映画業、倉庫業等の給付を営業目的とする営業収益

 

なお、会計でいう流動負債とは、企業が有する負債のうち貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に支払期限もしくは給付引渡期限が来る負債のことです。これは短期負債とも言われ、前受金の他には支払手形・買掛金・短期借入金等が分類されます。
前受金による売上は現金資産となりますが、前受金を受け取ることによって「商品を引き渡さなくてはならない」という費用をともなう義務が生じます。このことから、前受金は流動負債と考えることが適切であるといえます。

前払金は前受金と逆の勘定科目

前払金は、前受金とは逆に、商品の引き渡しを受けるよりも先に商品代金を支払った場合に使用する勘定科目です。また、不動産を購入する際には、手付金を支払う実務が一般的であることから、不動産を購入する場合の手付金にも前払金を用います。

<前払金の仕訳例>
「商品150,000円分をこれから手許に届けてもらう」という売主との合意のもとで、内金として50,000円を支払ったときの仕訳は以下の通りです。

借方
貸方
前受金50,000現金 50,000

また、「商品150,000円分を無事に仕入れ、残金の100,000円は後日支払う」とした場合の仕訳は以下の様になります。

借方
貸方
仕入  150,000前払金50,000
買掛金100,000

間違えられやすい勘定科目

会社が受け取る預貯金には、収益である「売上高」や未実現の利益である「前受金」がありますが、それ以外にも特別な意味合いを持って負債計上する勘定科目があります。経理担当者でも仕訳を間違えやすい取引を、それぞれの違いを解説しつつ例示してみましょう。

前受収益との違いは?

前受収益は、継続的な役務提供契約において、将来の収益にかかる部分を期間按分して負債計上したものであり、収益を翌期以降に繰越すための「経過勘定」です。
前受金も前受収益も「未実現の利益」という点では同じですが、将来の商品納入や役務提供をもって収益計上する「前受金」に対し、期間の経過とともに収益化されるのが「前受収益」です。

「前受収益」で仕訳処理されるものとしては

 

  • 不動産賃貸借契約に基づき受け取る「前受地代」「前受家賃」
  • 金銭消費貸借契約に基づき受け取る「前受利息」

などがあります。

<前受収益の仕訳例>
前受収益の仕訳は下記のようになります。
例えば、12月決算の会社が10月に建物賃貸借契約(月額50,000円)に基づき1年分の家賃600,000円を一括で受け取ったとしましょう。

借方
貸方
現金  600,000受取家賃600,000

12ヶ月分の家賃のうち、受け取った期に属する月数は3ヶ月であり、残り9ヶ月は翌期に属することになります。従って一括受取した家賃から9ヶ月分450,000円を「前受家賃」に振り替えます。

借方
貸方
受取家賃450,000前受家賃450,000

翌期になったら、前期に「前受家賃」として負債計上した金額を、当期の収益として振り替えます。

借方
貸方
前受家賃450,000受取家賃450,000

仮受金との違いは?

仮受金は、相手方からお金を受取っているという点では前受金と同じです。但し、前受金は「商品代金としてお金を受け取った」というように、お金を受取った目的が明確であるのに対し、仮受金は、お金を受取った目的がわからなかったり、最終的な会計処理を確定できない場合に利用するという勘定科目になります。

<仮受金の仕訳例>

仮受金勘定を使用して仕訳をきると下記のようになります。
例えば、受取った現金が既に商品を販売した代金なのか、前受金なのかが分からない場合を想定しています。

借方
貸方
現金○○仮受金○○

その後、現金を何のために受取ったのかが判明した時点で適切な仕訳を切って仮受金を消し込みます。
以下は、受取ったお金が仮に売掛金の回収代金だったという場合の仕訳例です。

借方
貸方
仮受金○○売掛金○○

仮受金が実は前受金だった、という可能性もあります。そういった場合は、下記のように仮受金から前受金に勘定科目を修正するというケースもありえます。

借方
貸方
仮受金 ○○  前受金 ○○  

売掛金との違いは?

売掛金は、売り上げた代金を現金などで即座に受取る場合ではなく、後日に回収する場合(いわゆる掛売り)に用いる勘定科目です。
前受金は「先にお金を受取っているが」「商品を引き渡していない」場合に使用し、売掛金は「先に商品を渡しているが」「お金をまだ受取っていない」場合に使用するという違いがあります。

<売掛金の仕訳例>
売掛金は、まず商品を引き渡した際に仕訳を切り、再び入金のタイミングが再び仕訳を切ることになります。
まず、商品を引き渡した際の仕訳は以下の通りです。

借方
貸方
売掛金○○ 売上 ○○ 

そして後日、当座預金へ入金があった時の仕訳は下記の通りです。

借方
貸方
当座預金○○  売掛金 ○○  

預り金との違いは?

預り金とは、会社が第三者のお金を預かった際に使用する勘定科目です。
一般的な経理実務の中では、毎月の役員報酬や給料から、税金や社会保険料を天引きした際などに利用されます。
会社には、役員報酬や給料を支払う際に、所得税、住民税、社会保険料を徴収し、本人に代わって納める義務があり、その徴収したお金を預り金として仕訳を切ります。
また、企業活動を行う上では、第三者から一時的にお金を預かるということもあり、その際にも、預り金勘定を用いることになります。
それでは、預り金に関して、社員の給料から天引きしたときと、金融機関を通して税務署に納付した場合の2種類のパターンで例を見てみましょう。
社員の給料から源泉所得税を差し引いて、給料の振込みをした時は下記の仕訳になります。なお、単純化のため、住民税や社会保険の徴収は考慮していません。

<預り金の仕訳例>

借方
貸方
給与   250,000 普通預金 235,000  
預り金(所得税)15,000

預かっている源泉所得税を税務署に現金で納付したときの仕訳は以下の通りです。

借方
貸方
預り金(所得税)15,000   現金   15,000  

前受金の見分け方

上記のように、前受金には似たような勘定科目があって紛らわしいのですが、ポイントは代金が入金された日と商品や役務を提供した日です。

例えば、4月1日にある商品の代金5万円が入金され、4月30日に商品を納入した場合、その5万円は「前受金」として扱われます。逆に4月1日に商品を納入し、4月30日に入金があった場合は、それまでの間「売掛金」が発生していることになります。支払われた代金が何に対するものなのかわからない場合は、「仮受金」として処理します。

適切な仕訳を行うためにも、支払いを受けた現金がどの商品・役務の対価なのか、商品・役務を提供した日はいつで、その代金はいつ入金されるのか、請求書や納品書、入金記録をもとにしっかり把握しておきましょう。

前受金が関連する帳票

前受金が発生した際には、前受金元帳に取引先ごとの前受金と売上高への振替を記録しましょう。これによって、前受金の状況を確認することができます。債権元帳は、発生した債権や回収状況について記録する帳票です。主に売掛金の状況を記録する帳票ですが、前受金の記録にも使われます。

前受金を受け取る機会が多い場合は、前受残高一覧表を作成しておくと便利です。取引先ごとに繰越残高、貸方、借方、差引残高を記録します。また、請求書を発行した取引先ごとに、入金予定日や入金予定金額などを記録する入金予定一覧表を作成するのもおすすめです。

これらの帳票を作成し、前受金の状況と商品・役務の提供状況を正しく把握・管理しましょう。

正しい勘定科目を理解して適切な会計処理を

企業会計の一般的なルールを示した「企業会計原則」において「明瞭性の原則」として、「財務諸表によって利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」とされています。勘定科目を正しく使い分けなければ利害関係者の判断を誤らせる要因になりかねません。
まずは取引内容を正確に理解し、それに見合った勘定科目を使うよう心がけましょう。

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よくある質問

前受金とは?

商品売買などを行った際に、「商品代金として」その一部または全部を前もって受取った場合に使用する勘定科目です。詳しくはこちらをご覧ください。

前受金は貸借対照表でどこに分類される?

「負債の部」の流動負債に分類されます。詳しくはこちらをご覧ください。

前受収益との違いは?

前受収益は、継続的な役務提供契約において、将来の収益にかかる部分を期間按分して負債計上したものであり、収益を翌期以降に繰越すための「経過勘定」です。詳しくはこちらをご覧ください。


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