- 作成日 : 2025年8月18日
山形で経理代行サービスを依頼するには?費用・依頼先や対応範囲を解説
山形県で経理代行サービスをお探しですか?この記事では、山形県で経理代行サービスを利用する際の料金相場やメリット、サービスの主な対応範囲、自社に最適なサービスの選び方などを解説します。後継者問題や人手不足の解決、事業集中を実現しましょう。
目次
山形で経理代行を依頼できる税理士事務所や会計事務所
山形県の事業者が経理代行サービスの利用を検討している場合、税理士事務所や会計事務所に相談が可能です。
マネーフォワード クラウドの税理士検索ページで都道府県を「山形」に絞り、得意分野の「経理代行」にチェックを入れて検索すると、以下のような事務所が経理代行サービスを提供しています。
山形に拠点がない税理士事務所であっても、国内であれば全国対応している事務所もあります。経理代行サービスを提供しており、全国対応が可能な主な事務所は、以下の通りです。
また、税理士や公認会計士と連携して、経理代行サービスを提供している会社もあります。経理代行サービスの利用を検討している場合は、このような事務所・会社に相談すると良いでしょう。
山形における経理代行サービスの料金相場(目安)
山形県に限らず、経理代行サービスの料金は、業務範囲や事業規模(仕訳件数、従業員数など)に応じて変動します。ここでご紹介する料金は、全国的な相場から算出したあくまで目安です。
なお、こうした全国的な相場に加え、地域ごとの産業特性が最終的な料金に影響することもあります。例えば山形県の場合、「果樹王国」としての農業や観光業における季節ごとの大きな業務量の変動、そして県内に集積する電子部品・自動車部品といった製造業で求められる専門的な原価計算などが、料金設定の要因となることがあります。
依頼内容 | 料金相場の目安 |
---|---|
記帳代行 | 月額5,000円~または1仕訳あたり50円~。証憑(領収書など)の整理状況で料金が変動します。例えば、月100仕訳の場合、記帳のみなら10,000円、証憑整理から全て任せる「丸投げ」なら20,000円~が料金の目安です。 |
給与計算、年末調整 | 給与計算は月額基本料10,000円~ + 1名あたり 1,000円~。年末調整は基本料+1名あたり1,200円~。給与計算は、基本料金に従業員単価が加算されます。年末調整は別途オプション料金となるのが一般的です。 |
決算申告 | 年額120,000円~。法人の決算・税務申告を依頼する場合の料金です。企業の売上規模や業種によって大きく変動します。県内では「月額顧問料の4~6ヶ月分程度」を料金の目安とする事務所が複数見られます。 |
その他オプション業務 | 請求書発行:1件 1,000円~。月次決算報告:月額 15,000円~。経理業務全般:月額 50,000円~。複数の業務をまとめて依頼する場合は、パッケージ料金が適用されることもあります。 |
経理代行サービスとは?
経理代行サービスとは、記帳、給与計算、請求・支払管理といった企業の経理業務を、外部の専門家が代行するサービスです。
人手不足や後継者問題が深刻化する中で、ノンコア業務である経理をアウトソーシングすることは、経営資源を本業に集中させるための有効な手段です。
特に、繁忙期と閑散期の差が激しい農業や観光業、そして家族経営が多い県内の中小企業にとって、業務の効率化と安定化を両立させるための賢い選択肢と言えます。
経理代行の主なサービス対応範囲
経理代行サービスは、企業のニーズに合わせてさまざまな業務を依頼できます。一般的なサービス範囲は以下の通りです。
記帳業務
「記帳業務」とは、売上や経費の支払い、預金通帳の入出金といった、日々の事業活動におけるすべてのお金の動きを、簿記のルールに従って会計帳簿に記録していく作業です。
法人は、会社法などに基づき会計帳簿を作成・保存することが義務付けられています。 また、青色申告を行う個人事業主の場合、最大55万円(または65万円)の特別控除を受けるためには複式簿記での記帳が必要ですが、10万円の控除であれば簡易な帳簿による記帳も認められています。
この業務には簿記の専門知識が不可欠です。もし社内に経理知識を持つ人材がいない場合、既存の従業員を教育するか、新たに経験者を採用する必要がありますが、それには時間もコストもかかります。
経理代行サービスに記帳業務を委託すれば、そうした負担を解消できます。企業側は領収書や請求書、通帳のコピーといった資料を代行業者に渡すだけで、専門家が仕訳入力から総勘定元帳の作成、月次の経営状況を示す試算表の作成までを正確に行ってくれます。
給与計算
役員報酬や従業員への給与支払いは、毎月決まった時期に必ず発生する重要な業務です。給与計算を正しく行うためには、所得税や住民税の源泉徴収、社会保険料(健康保険・厚生年金)、労働保険料(雇用保険・労災保険)の計算など、税務から労務まで幅広い知識が求められます。
経理代行サービスを利用する場合、タイムカードなどの勤怠データや従業員の扶養情報などを提供することで、これらの複雑な計算をすべて任せることが可能です。多くのサービスでは毎月の給与明細書の作成まで対応可能ですが、基本プランに含まれずオプション扱いとなる場合もあるため、契約前に確認が必要です。
年末調整
従業員を雇用している事業主には、毎月の給与から所得税を天引きして国に納める「源泉徴収」の義務があります。そして年に一度、1年間の給与総額に対する本来の所得税額を確定させ、源泉徴収してきた合計額との差額を精算する手続きが「年末調整」です。
年末調整では、従業員から回収した「扶養控除等申告書」や「保険料控除申告書」などの書類に基づき、一人ひとりの控除額を反映させて正確な年税額を算出しなければなりません。
経理代行サービスに依頼すれば、これらの煩雑な書類のチェックから税額計算、過不足額の精算まで、年末に集中しがちな業務をまとめて代行してもらえます。
決算・申告業務
法人は事業年度ごとに、個人事業主は暦年ごとに、その期間の経営成績と財政状態をまとめた「決算書」を作成し、それに基づいて税額を計算して税務署に「確定申告」を行う必要があります。
決算・申告業務は、簿記の知識に加えて法人税法や消費税法といった専門的な税務知識が不可欠であり、事業者自身で行うには非常にハードルが高い業務と言えます。
日頃から記帳代行を依頼していれば、そのデータをもとにスムーズに決算書の作成から法人税(または所得税)申告書の作成、税金の納付額の算出までを一貫して依頼することが可能です。
経理代行サービスのメリット・デメリット
経理代行は全国共通のメリットに加え、山形県のビジネス環境に特有の利点ももたらします。
メリット
繁忙期・閑散期に応じた柔軟な対応
山形県の基幹産業である農業(さくらんぼ、米など)や観光業(スキー場、温泉地)は、季節によって業務量が大きく変動します。経理代行なら、繁忙期だけ業務量を増やし、閑散期はコストを抑えるといった柔軟な使い方が可能です。
コスト構造の最適化
経理担当の正社員を雇用する代わりに、必要な時に必要な分だけサービスを利用することで、人件費という固定費を変動費化し、経営の安定化を図れます。
専門知識の活用と事業継続
経理のプロが担当することで、会計処理の正確性が向上します。また、担当者の退職に左右されず経理業務が継続できるため、安定した事業運営が可能になります。
デメリット
社内へのノウハウ蓄積が困難
経理業務を完全に外部に任せると、社内に実務知識が蓄積しにくくなります。
情報漏洩のリスク
財務情報という重要なデータを外部に預けるため、セキュリティ対策が万全な、信頼できる業者を選ぶ必要があります。
自社に合った経理代行サービスの選び方
山形県内で自社に最適なパートナーを見つけるために、以下の5つの視点で検討しましょう。
自社の業種と依頼範囲を明確にする
まず、自社が何を求めているかを整理します。一般的な商業簿記か、それとも特殊な農業簿記か。日々の記帳だけで良いのか、経営分析まで求めるのか。目的を明確にすることが第一歩です。
地域性と産業への理解度を見る
山形県は村山・置賜・最上・庄内の4つの地域で産業構造が異なります。自社の業種(例:置賜地方の製造業、村山地方の果樹農業など)に詳しいか、地元の金融機関(山形銀行、荘内銀行など)との連携は円滑か、といった視点が重要です。
料金体系の透明性と納得感を確認する
複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金のバランスを比較します。特に、季節によって業務量が変動する場合、料金体系がどう変わるのかを事前に確認しておくと安心です。
セキュリティ対策の信頼性を評価する
プライバシーマーク(Pマーク)の有無や、具体的な情報管理体制について質問し、大切な会社の情報を安心して任せられるかを見極めましょう。
担当者との相性とコミュニケーションを重視する
最終的には人と人との関係です。特に山形県では、経営者の想いや地域に根差した事業の背景を理解し、親身に相談に乗ってくれるパートナーかどうかが、長期的な成功の鍵となります。
まとめ
山形県内にも、地域の中小企業や個人事業主の経営を力強くサポートする経理代行サービス提供者が存在します。
季節による業務量の変動が激しい業種や、専門的な農業簿記が必要な場合でも、経理を専門家に委ねることで、経営者は安心して本業に専念できます。
まずは本記事を参考に、自社の業種や地域の特性を理解してくれる、信頼できそうな数社へ相談してみましょう。最適なパートナーを見つけることが、事業の効率化と持続的な成長への確かな一歩となるはずです。ぜひ、前向きに経理代行の活用をご検討ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
配賦率とは?間接費における計算方法や配賦基準の決め方などをわかりやすく解説
配賦率とは、複数の部門や製品に共通してかかる間接費を、合理的な基準に基づいて割り振る際に用いられる比率のことです。原価計算や管理会計をはじめ、簿記の学習や実務においても頻繁に登場する重要な考え方です。この記事では、配賦率の基本的な意味から、…
詳しくみる経理で使えるエクセル基礎知識・関数10選!テンプレも100枚以上あり!
経理担当者がマイクロソフト社のエクセル(Excel)を使う場合、フィルター機能・ピボットテーブル・並べ替え機能などをマスターしておくと便利です。また、エクセル関数としては、SUM関数・VLOOKUP関数・RANK関数・IF関数などは、経理担…
詳しくみる軽減税率とは?消費税8%と10%の品目や見分け方を解説
軽減税率とは、原則である10%となる標準税率とし、標準税率よりも低い税率、つまり、現行では消費税率8%のことをいいます。この記事では、軽減税率の対象品目や注意点について解説していきます。 軽減税率とは 消費税は、令和元年10月に8%から10…
詳しくみる法定調書合計表とは?書き方や提出先、提出期限をわかりやすく解説
法定調書合計表は、法定調書の提出にあわせて用意する合計表のことです。 この記事を読めば、「法定調書合計表に何を記載すればよいかわからない」「提出先や提出期限は?」という悩みを解決できます。 本記事で、法定調書合計表の記載項目や提出方法につい…
詳しくみる費用収益対応の原則とは?具体例や発生主義との関係をわかりやすく解説
一般に、費用と収益は同時に発生するものではなく、それぞれの発生に時間差があります。費用や収益、それぞれの発生時においては利益を算出できず、算出できるのは「期間」における利益です。費用収益対応の原則とは、「期間」における利益を求める原則を言い…
詳しくみる設備投資効率とは?計算方法や目安、上げる方法を解説
設備投資効率は、企業の生産設備と付加価値の関係を評価する指標です。設備投資効率を評価することで、企業の有する有形固定資産がどれだけ効率良く活用されているかがわかります。この記事では、設備投資効率の計算方法や目安、設備投資効率を上げる方法につ…
詳しくみる