- 更新日 : 2026年1月27日
営業利益とは?計算方法や経常利益との違いをわかりやすく解説
会社の利益を知ることができる決算書類として損益計算書があります。収益・費用・利益が記載されており、英語の「Profit and Loss Statement」を略して「P/L」とも呼ばれます。
複数の利益区分がありますが、いずれも企業の収益力の判断材料になるものです。そのひとつである営業利益は何を表しているのでしょうか。
この記事では、営業利益にスポットを当て、経常利益や売上総利益など、その他の利益区分との違いについて解説していきます。
目次
営業利益とは
「営業利益」とは、損益計算書上に表される利益のひとつであり、法人が本業で稼いだ利益のことです。個人事業主であれば「所得金額」が営業利益に相当します。
例えば、物品販売であれば、仕入れた商品を販売して得られた利益が営業利益に該当します。
営業利益の計算方法
商品を販売すれば、売上の合計額として「売上高」が得られますが、そこには「売上原価」が含まれています。
そこで「売上原価」を差し引くと「売上総利益」が得られます。「粗利益」とも呼ばれています。
実際には、売上原価のほかにも、広告宣伝費、販売促進費、通信費などの「販売費」、オフィスの賃貸料、社員の給料、水道光熱費、消耗品費、租税公課などの「一般管理費」があります。これらを「販売費および一般管理費(販管費)」といいます。
「売上総利益」から「販管費」を差し引いて得られたものが「営業利益」ということになります。
つまり、次のような計算式になります。
売上総利益-販管費=営業利益
営業利益と他の利益との違い
損益計算書には、他の利益区分もあります。営業利益と何が違うのでしょうか。
経常利益との違い
実際のビジネスでは、本業で得られる営業利益だけでなく、預貯金や貸付金の利子である「受取利息」や、国債や地方債、社債などの債券や株券から発生する「有価証券利息」など、財務活動による収益もあります。これらを「営業外収益」と呼びます。
その一方で借入金の利息、社債の発行に必要な費用、株式の売却損など本業における営業活動以外において継続的に発生する費用もあります。これらを「営業外費用」と呼んでいます。
「営業外収益」から「営業外費用」を差し引いて計算したものを「営業外損益」と呼びます。
「営業利益」に「営業外損益」を加減して計算すると、通常行なっている業務においてコンスタントに得ている利益がわかります。
これが「経常利益」であり、損益計算書では、事業の経営状態や実力を示す重要な勘定科目です。
次のような計算式になります。
売上総利益との違い
前述のように「売上高」から「売上原価」を差し引いたものが「粗利益」とも呼ばれる「売上総利益」です。
税引前当期純利益との違い
ビジネスでは、通常の事業活動で得られた経常利益のほか、臨時的に不動産や株式、証券などの売却益である「特別利益」および火災、自然災害、盗難などによる損失である「特別損失」(まとめて「特別損益」)が発生します。
この「特別損益」を加減算して計上した利益が事業活動によって得られたすべての利益額になります。これを「税引前当期純利益」と呼んでいます。
次のような計算式になります。
当期純利益との違い
すべての利益額である「税引前当期純利益」からは別に計算した法人税などの税金が差し引かれます。また、税効果会計により生じる「法人税等調整額」を控除し(税効果会計を適用している法人だけが対象)、法人税等還付金を加算することになります。
次のような計算式になります。
当期純利益は、損益計算書上において最も下位に位置する損益区分であり、企業の毎期の利益を示す一般的な損益でもあります。
限界利益との違い
限界利益とは、会社が儲かっているかどうかを確認するための指標として活用される利益のことです。
企業が利益を得るためには費用がかかります。売上高に関係なく一定の額が発生し続ける人件費、オフィスの賃貸料などの「固定費」と、売上の増減に比例する仕入費用や材料費などの「変動費」に分けることができます。
限界利益は、売上高と変動費の差のことで、指標としてはすべての固定費を回収できる地点を示しています。
固定費と変動費を合わせたものが総費用ですが、売上高と総費用が等しくなり、損も利益も出ていない地点を「損益分岐点」と呼んでいます。
限界利益とともに損益分岐点を算出することで、経営状況が赤字か黒字かを判断することができます。
売上高との違い
「売上高」は、前述のように商品を販売した場合であれば、売上の合計額です。
売上の規模は売上高でわかりますが、そこには原価も含まれています。一方、営業利益は本業でどのくらい稼いでいるかがわかります。

営業利益を活用する方法
営業利益は、以下の3つの要素に分けることができます。
- 売上高
- 売上原価
- 販売費及び一般管理費
営業利益を改善する場合は、この3つのうち単独または複数にアプローチしていくことになります。
まず、単独的なアプローチとして売上高を例に解説しましょう。
売上高を上げるためには通常、販売数量を増やすか、販売価格を上げるかのどちらかの方法をとります。
販売数量を増やすのであれば、新たな販路を開拓したり、広告宣伝を行い商品やサービスの認知度を上げていったりします。
販売価格を上げるためには、単純に値上げをする、複数の商品を組み合わせて付加価値を上げるなどの方法が考えられます。
次に、複合的なアプローチとして売上高と売上原価を例に解説しましょう。
商品やサービスのクオリティーを上げる方法をとると、結果的に売上高と売上原価が増加します。一般的には売上高のほうが多く増えるため、営業利益を上げられるのです。
売上高営業利益率で総合的な収益性を計る
営業利益の金額はもちろん大切ですが、営業利益率も併せて確認するようにしましょう。営業利益率は以下の計算式で求めることができます。
営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
営業利益率は、売上高のうちどのぐらいが営業利益として残るかを割合で示す指標です。どの程度の水準が適切かということは、業種によって異なります。
一般的に、不動産業や専門技術サービス業などは、営業利益率が高くなる傾向にあります。反対に、小売業や卸売業は営業利益率が低くなることが多いでしょう。
営業利益率についてまとめると、営業利益率が高い場合は、商品に高付加価値を与える戦略をとっていることが多いようです。反対に営業利益率が低い場合は、薄利多売(はくりたばい)の戦略をとるケースが多く見受けられます。
薄利多売とは、1つの取引自体での利益は小さいものの、取引数を増やすことで結果的に利益を上げることをいいます。
>>売上高営業利益率とは?財務分析に必要な計算式や業種別平均を紹介
その他財務諸表分析にも
営業利益を使った重要指標の1つに、総資本営業利益率(ROA)という指標があります。総資本営業利益率の計算式と意味は以下の通りです。
- 計算式
総資本営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 総資本 × 100
- 意味
総資本営業利益率は、会社の総資本がどの程度の営業利益を生み出しているかを表す指標です。総資本営業利益率が高いほど経営効率が良いと判断されます。
総資本営業利益率の補足として、一般的には営業利益だけでなく当期純利益や経常利益を使って分析することが挙げられるでしょう。この記事では、本業の利益に対する経営効率を測る指標として解説しています。
賞与原資を算出する業績指標にも
営業利益は、社長・取締役などの役員や従業員のボーナスを決定する指標として用いられることがあります。
このような賞与を特に、業績連動型賞与といいます。
業績連動型賞与は、営業利益の一定割合を賞与原資とすることで、役員や従業員のインセンティブ(役員や従業員のモチベーションアップのための施策)に充てるのです。
営業利益の意味を理解して経営に活かそう!
営業利益とは本業の成績を表す利益で、売上高から売上原価・販売費及び一般管理費を差し引いて計算されます。
営業利益の意味や計算式、活用方法を把握しておけば、本業の成績を上げるための分析に役立つでしょう。
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よくある質問
営業利益とは?
本業としての成績を表す利益、つまり、主たる営業活動の成績を表す利益のことをいいます。詳しくはこちらをご覧ください。
営業利益と経常利益の違いは?
資金運用の成績が反映されているかいないかという違いがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
営業利益を改善する方法は?
「売上高」「売上原価」「販売費及び一般管理費」のいずれかにアプローチしていく必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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