- 更新日 : 2025年2月20日
社用車を経費にする方法まとめ
法人名義で購入した社用車は、経費に計上できます。ほかにも社用車にかかるガソリン代や保険料、車検費用といった費用も経費計上が可能です。経費にする方法は、ローンを利用した購入やリース契約などで異なります。
本記事では、社用車の経費計上の方法や経費にできる費用を紹介します。
目次
社用車の経費計上の方法
法人名義で購入した社用車は、一般的に経費計上が可能です。さらにガソリン代・駐車代など、自動車の使用に関わる費用も経費にできます。経費の処理方法は、ローンを利用した場合やリース、中古車の購入などで異なります。
それぞれの方法について、仕訳例とともにみていきましょう。
ローンで購入した場合
社用車の購入では、カーローンを利用する場合も多いかと思います。ローンで購入した場合は、現金購入と同じく「車両運搬具」の勘定科目で固定資産に計上し、毎年減価償却を行わなければなりません。ローンについては、「長期未払金」で処理します。
固定資産に計上できるのは車両本体の価格だけではなく、カーナビなどの付属品や検査・車庫証明の登録といった法定費用も含みます。
ローンの元金と一緒に支払う利息分は「支払利息」として経費計上が可能です。
ローンを利用して社用車(普通車)を200万円で購入し、頭金として30万円を支払った場合の仕訳をみてみましょう。
まずは、頭金の支払いを仕訳します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 前払金 | 300,000円 | 普通預金 | 300,000円 | 社用車購入の頭金 |
次に、社用車のローン購入を仕訳します。
普通車の法定耐用年数は6年で、200万円を6年かけて減価償却します。定額法で計算する場合、以下の計算式で計上します。
決算にあたり、当期分の減価償却費を計上する場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 33,400円 | 車両運搬具 | 33,400円 | 社用車の減価償却 |
リース契約した場合
社用車をリースする場合は、リース会社と契約して毎月リース代金を支払います。リース費用には車両本体価格だけでなく自動車税や新車登録諸費用、自賠責保険料などの費用が含まれ、リース費用としてまとめて経費処理できるのがメリットです。
リース契約には「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」があり、それぞれ処理方法は異なります。ファイナンス・リース取引は中途解約できない契約で、修理は利用者が行う方式です。購入の場合と同じく、資産計上と減価償却が必要になります。ファイナンス・リース取引は「所有権移転ファイナンス・リース取引」と「所有権移転外ファイナンス・リース取引」に分けられ、所有権移転ファイナンス・リース取引は契約終了後、利用者に所有権が移ります。
一方、オペレーティング・リース取引は単に貸与を受ける契約で、会計では賃貸借処理を行います。自動車の所有権はリース会社にあるため固定資産に計上する必要もなく、減価償却を計算する手間がありません。リース料金をすべて経費計上でき、購入と比較して節税が可能です。
オペレーティング・リース取引で5年契約・毎月1万円のリース代で契約した事例では、以下のような仕訳を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| リース料 | 10,000円 | 普通預金 | 10,000円 | 社用車のリース代金 |
中古車を購入した場合
中古車を購入した場合も処理は新車と同様で、固定資産に計上して減価償却を行います。普通自動車の耐用年数について、新車では以下のように定められています。
- 一般事業者:6年
- タクシー会社などの運送事業者:4年
中古車は新車よりも耐用年数が短くなり、中古車の状態により以下の計算式による算出が必要です。
- 法定耐用年数のすべてを経過している場合:法定耐用年数の20パーセントに相当する年数
- 法定耐用年数の一部を経過している場合:法定耐用年数から経過した年数を差し引いた年数に、経過年数の20パーセントに相当する年数を加えた年数
計算結果が2年に満たない場合は、一律2年となります。
一般事業者が7年経過した中古車を30万円で購入した事例では、中古車の耐用年数は「6年×20%=1.2年」です。
2年に満たないため、償却期間は2年になります。
まず、購入時は以下のように仕訳します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 車両運搬具 | 300,000円 | 現金 | 300,000円 | 社用車を購入 |
決算時は、耐用年数2年に基づいて減価償却を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 減価償却費 | 150,000円 | 車両運搬具 | 150,000円 | 社用車の減価償却 |
社用車関連の費用で経費にできるもの
社用車の購入や利用に際して、以下のような費用が必要になります。
- ガソリン代
- 税金
- 保険料
- 車検費用
- 洗車費用
- 修理費
- 駐車場代
- 備品代
これらはすべて経費計上が可能です。それぞれの内容と処理方法について紹介します。
ガソリン代
ガソリン代は、「車両費」「燃料費」「旅費交通費」などの勘定科目で処理します。自社で会計処理をしやすい科目を選んで処理しますが、一度決めた科目は途中で変えずに以後も統一することが大切です。
社用車に1ヵ月かかったガソリン代が1万円だった場合、以下のように仕訳します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 車両費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 | 社用車のガソリン代 |
税金
社用車を購入した際には、自動車税環境性能割や自動車税・自動車重量税などの税金がかかります。これらの税金は「租税公課」で処理します。
社用車購入時に税金15万円を支払った場合の仕訳例は、以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 租税公課 | 150,000円 | 現金 | 150,000円 | 社用車購入時に 自動車税環境性能割・自動車税・ 自動車重量税を支払い |
保険料
社用車購入の際は、一般的に強制保険の自賠責保険と任意保険に加入します。これら保険料は、「車両費」または「保険料」の勘定科目を使います。
1年以上の契約で支払った場合、自賠責保険と任意保険では処理方法が異なるため注意しましょう。
強制加入の自賠責保険は支払った会計年度に全額を経費計上できますが、1年以上の任意保険は「長期前払費用」として資産に計上し、経過期間ごとに按分して計上します。
社用車購入時に自賠責保険と1年の任意保険に加入し、合計3万円を支払った場合の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 保険料 | 30,000円 | 現金 | 30,000円 | 社用車の自賠責保険と 任意保険 |
車検費用
車検費用は大きく分けて、「法定費用」「整備・点検費用」の2つに分類されます。
法定費用には「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」が挙げられます。
これらの車検費用はひとつの勘定科目で計上できません。会計処理で使う勘定科目は、以下の5種類です。
- 車両費:整備・点検費用、部品交換費用など
- 租税公課:自動車重量税、印紙代など
- 保険料:自賠責保険料など
- 支払手数料:車検代行手数料
- 事業主貸:プライベートでも使用している分
車検代で13万円支払った場合、以下のように仕訳します。
洗車費用
洗車費用は一般的に、「車両費」「消耗品費」「雑費」の勘定科目で仕訳します。車両にかかる経費が多い場合、車両費でまとめると処理しやすくなるでしょう。
ガソリンスタンドで洗車を行い、洗車代として1,000円支払った事例では、以下のように仕訳します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 車両費 | 1,000円 | 現金 | 1,000円 | 洗車代 |
修理費
パンクなど修理にかかった費用は、「車両費」または「修繕費」で処理します。故障など通常の修理にとどまらず、改良を加えたり新しい機能を追加したりして車の価値を高めた場合、「資本的支出」に該当する場合もあります。そのようなケースでは車両運搬具に計上して減価償却が必要になるため、注意が必要です。
営業の途中に社用車がパンクした事例で、修理に1万円支払った場合、以下のように仕訳します。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 修繕費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 | 社用車のパンクを修理 |
駐車場代
駐車場代は、月極駐車場と不定期で発生するものとで勘定科目が異なります。
月極駐車場は「地代家賃」で毎月計上し、コインパーキングなど不定期で発生する駐車代は「旅費交通費」「車両費」「雑費」のいずれかで処理します。
月極駐車場を利用し、5万円を駐車場代を支払った際の仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 地代家賃 | 50,000円 | 現金 | 50,000円 | 月極駐車場〇月分を支払い |
備品代
社用車を購入した際、タイヤのホイールやエアコンなどの備品代は車両本体と一緒に購入した附属品として自動車の購入価格に含めます。「車両運搬具」として固定資産に計上しましょう。
洗車用品などの商品は、「車両費」または「消耗品費」で計上します。
社用車と一緒に洗車用品1万円を購入した事例について、仕訳は以下のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 車両費 | 10,000円 | 現金 | 10,000円 | 社用車と一緒に購入した 洗車用品の代金 |
社用車は経費にできるものをチェックしよう
社用車を購入した場合は新車も中古車も車両運搬具として資産計上しますが、中古車の場合は耐用年数が異なり、減価償却の処理も変わります。リース契約の場合はリース代金のみのシンプルな計上で、担当者の負担がありません。
社用車に関連する費用は幅広く経費に計上できるため、どのようなものができるのかチェックしておくとよいでしょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025年10月 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
よくある質問
社用車を経費にする方法は?
車両運搬具として固定資産に計上し、ローンを利用した場合は長期未払金で処理します。詳しくはこちらをご覧ください。
社用車で経費にできるのはどんなもの?
ガソリン代や保険料、税金など、社用車に関連する費用は経費に計上できます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
小口現金の立替精算で領収書がない場合はどうする?小口精算の流れや確認のポイントを解説
小口精算とは、従業員が経費を立て替えた場合に、会社が小口現金から精算する手続きのことです。小口精算手続きについては、領収書がない場合などのイレギュラー対応も多いことから、社内環境の…
詳しくみる経費精算の間違いやミスを減らす方法とは?
経費精算における入力ミスや処理漏れなどの間違いは、どの会社においても発生します。なぜ経費精算における間違いは起きてしまうのでしょうか。経費精算で間違いが起きる原因と間違いやミスを減…
詳しくみる社員が経費精算しない理由は?時効や効果的な対策を解説
社員が経費計算をしない理由としては、申請が面倒であったり、期限に間に合わなかったりすることが挙げられます。しかし、社員が経費精算をしないことは企業にとって問題があり、対策を講じなけ…
詳しくみる小口精算とは?経費精算は給与振込でやるべき?
少額の精算のために社内に用意された小口現金による経費精算を小口精算といいます。経費精算の方法には、小口精算のほかに都度振込や給与振込時の精算などの方法がありますが、どの方法を用いる…
詳しくみる個人所有のポイントを利用して経費精算は可能か?
ポイントサービスが広く普及した昨今においては、従業員自身が保有するポイントを利用して経費を立て替えるといったケースも考えられます。個人がポイントを使用した場合、経費精算の対象とする…
詳しくみる経費精算で税金はどう扱う?節税のポイントや課税・非課税の対象を解説
経費精算における税金を正しく理解すると、適切に処理ができるため、節税にもつながります。ただし、経費精算には支出の内容に応じた課税と非課税の判断や、消費税の仕入税額控除など、注意する…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引



