- 更新日 : 2026年1月30日
決算整理仕訳とは?やり方やポイントをわかりやすく解説!
企業は年に1回決算をする必要があり、決算作業の一つに決算整理仕訳の作成があります。
決算整理仕訳は、簿記のやり方に従って、減価償却費の計上や貸倒引当金の繰入、売上原価の計算・仕訳など期中では行わない処理を行います。
また、似ている言葉で決算振替仕訳がありますが、決算整理仕訳とは異なります。
今回は、決算整理仕訳の概要やそのやり方について、初心者でも分かりやすいように解説していきます。
目次
決算整理仕訳とは?
決算整理仕訳とは決算の際に最終修正を行うために計上する仕訳のことを指します。
企業は日々の取引を複式簿記に従って仕訳することで、毎月・一定期間の試算表が作成され、業績や財産状況などを随時把握することができます。
期中ついては、基本的に期中仕訳のみで完結しますが、決算では企業の数字を確定させる必要があるため、期中仕訳とは異なる決算整理仕訳を作成しなければなりません。
また、決算整理仕訳は業種よっても異なります。取引が少なく規模が小さい企業であれば、決算整理仕訳も少なく簡単なケースもありますが、取引が煩雑で期末に多くの調整を要する企業については決算整理仕訳も複雑となります。
決算整理仕訳については、仕訳パターンを暗記する必要はありません。
基本的な決算整理仕訳の仕組みを理解することで、その企業に必要な決算整理仕訳をすることが可能となります。
精算表は決算整理仕訳から財務諸表作成の過程の一覧表
精算表とは決算整理仕訳を計上する前の各勘定科目の残高と、決算整理仕訳の計上額、決算整理後の各勘定科目の残高を表した一覧表です。
精算表を作成することで、決算において必要な貸借対照表や損益計算書の作成をよりスムーズに行うことが可能になります。
また、精算表作成後の各勘定科目の残高を最終チェックできる点がメリットです。
これまでは手書きで作成されていたことも多かった精算表ですが、現在では会計ソフトに決算整理仕訳を計上することで自動的に精算表の作成が可能となり、比較的簡単に作成ができます。
決算整理仕訳で必要な会計処理一覧
決算整理仕訳では、主に期中では行えない会計処理を行うことになります。
基本的に期中では、現預金など変動のある取引に従って仕訳を計上していくのに対し、決算整理仕訳では売上原価の計算や減価償却費の計上など、1年の取引を整理した後でしか仕訳できないものについて計上していきます。
次に、よく使用する決算整理仕訳を解説していきます。
売上原価の計算のやり方・仕訳例
決算においては、仕入金額がそのまま費用(売上原価)として計上されるわけではありません。「期首棚卸金額 + 仕入金額 – 期末棚卸金額」の算式により求めた売上原価が、費用として計上されることになります。
よって、決算整理仕訳を計上する前に期末棚卸を実行し、棚卸金額を確定させることが必要です。棚卸と同時に棚卸表も作成しましょう。
期首棚卸金額が10,000円で期末棚卸金額が20,000円の場合
また、期中の仕入金額が100,000円の場合
この決算整理仕訳によって、この決算での売上原価は「10,000円 + 100,000円 – 20,000円 = 90,000円」となります。
決算整理仕訳を計上することで、貸借対照表に期末残高の状態を反映することができるようになります。
貸倒引当金の設定のやり方・仕訳例
貸倒引当金とは期末時点で取引先などに対して有する売掛金や未収入金等の債権について、将来貸倒れが発生する可能性を考慮して算出した貸倒見積額のことです。
貸倒引当金として繰り入れた金額については、法人税法で認められた範囲内で経費として認められるため、会社の利益を圧縮し節税にもつながります。
貸倒引当金の計算方法は大きく分けて2通りあります。
1つ目は、期末時点で有する売掛金などの債権の総額に対して一定の率を乗じて貸倒引当金を計算する方法。この一定の率は、過去の貸倒実績率に基づく方法等の合理的な方法で算定された率を用います。(一括評価)
2つ目は、一定の事由に該当する場合に、対象となる債権の全額又は一定額を貸倒引当金として計算する方法です。(個別評価)
一括評価方法で計算するのが一般的とされています。
期末時点の売掛金の合計額が10,000円ある場合で、その5.5%を貸倒引当金として計上する。
10,000円 × 5.5% = 550円が貸倒引当金勘定で計上されます。
550円が貸倒引当金繰入額として費用に計上されると同時に、同額が貸倒引当金として負債に計上されます。
減価償却費の計上のやり方・仕訳例
減価償却費とは時間の経過や、使用により価値が減少する固定資産を取得した際に、取得するための支払額をその耐用年数に応じて費用計上する会計処理のことをいいます。
10万円未満の固定資産については購入時の費用として認められますが、原則として10万円以上の固定資産については、購入した期に全額を費用計上することができません。
よって、減価償却を行って翌期以降にわたって費用化する必要があるのです。
減価償却の計算方法は、毎期定額の金額を計上する「定額法」と、固定資産の残存価額に一定の割合を乗じて計上する「定率法」の2種類があります。
また、決算整理仕訳の方法は、固定資産の金額から減価償却費を直接差し引く「直接法」と、減価償却累計額を計上する「間接法」の2種類です。
決算において建物の減価償却費10,000円を計上する。
(直接法の場合)
(間接法の場合)
経過勘定項目の計上のやり方・仕訳例
会計のルールとして、期間損益計算という概念があります。
これは該当期間中に発生した収益と費用を正しく対応させて、損益を確定させるために必要な概念です。
決算においては、期中で処理した仕訳の中に前期発生分が含まれていたり、来期発生分が含まれていたりすると期中仕訳だけでは正しい損益を反映することができません。
そこで、決算整理仕訳として4種類の経過勘定を使用することで、正確な期間損益計算を実現できます。
4種類の経過勘定とは、発生分を見越して計上する「見越勘定」と未発生分を繰延べて計上する「繰延勘定」。さらに、「見越勘定」は未払費用・未払金項目と未収収益項目があり、「繰延勘定」は前払費用項目と前受収益項目に分類されます。
前払費用の計上のやり方・仕訳例
前払費用とは当期中に代金の支払は済んでいるものの、そのサービスを受けるのが翌期になる費用になります。
支出時には一旦費用として計上した場合でも、決算において処理をしなければ支出金額の全額が当期の費用として処理され、正しい期間損益計算をすることができません。
そこで、決算整理仕訳として一定の処理をする必要があります。
当期中に火災保険料(1年分)10,000円を支払っているが、当期に対応する部分は(6か月分)5,000円であるため、決算において翌期分を前払費用に振替える。
(支払時)
(決算整理仕訳)
前受収益の計上のやり方・仕訳例
前受収益とは当期中に代金の受取は済んでいるものの、そのサービスを提供するのが翌期になる収益のことです。
当期中に利息(1年分)10,000円を受け取っていたが、当期に対応する部分は(6か月分)5,000円であるため、決算において翌期分を前受収益に振替える。
(受取時)
(決算整理仕訳)
未払費用・未払金の計上のやり方・仕訳例
未払費用とは、当期中に提供されたサービスに対して、当期中に対価の支払が済んでいない負債となります。
なお、未払金とは当期中に購入した固定資産などに対して、当期中に対価の支払が済んでいない負債のことです。
20日締翌月払の給料について、21日から月末までの日割り金額50,000円を、決算において未払費用として計上する。
未収収益の計上のやり方・仕訳例
未収収益とは、当期中に提供を受けたサービスに対して、当期中に対価の受取が済んでいない資産のことをいいます。
当期対応分の受取利息1,000円について、翌期に支払を受けるため、決算において未収収益を計上する。
決算整理仕訳で気を付けるべきポイント
決算整理仕訳で気を付けるべきポイントについて解説します。
決算整理仕訳は決算時にしか行わないため、期中仕訳よりもより注意をしなければいけません。
ポイント1:決算整理仕訳後の各勘定科目残高をチェックする
決算整理仕訳は決算において数字を確定させるための最終修正です。
この決算整理仕訳を計上した後の各勘定科目残高が貸借対照表や損益計算書に反映されて決算が完了しますので、決算整理後の各勘定科目残高を間違えてしまうと、間違った決算になってしまいます。
決算整理仕訳を計上した後は、精算表など用いて、実際の残高と各勘定科目の残高が適合しているか最終チェックが必要です。
ポイント2:期中仕訳を念入りに確認
決算整理仕訳を行う際は、既に計上してある期中仕訳の確認が重要です。
貸倒引当金の設定や経過勘定項目の計上については、期中の仕訳を参考に計上されます。
決算整理仕訳だけに重点をおかずに、まずは期中仕訳から念入りに確認しましょう。
ポイント3:仕訳漏れがないか前期比較をする
決算整理仕訳については、仕訳の計上漏れが発生する危険性があります。
まずは仕訳の計上漏れを防止するために、前期に計上した決算整理仕訳を確認し、同じように仕訳を計上してみましょう。
そのうえで、当期の取引の状況を期中仕訳から分析し、期間損益計算を正しく反映させるように決算整理仕訳を構築していく必要があります。
決算整理仕訳をした後は決算振替をして決算書作成へ
決算整理仕訳がすべて完了した後は、決算振替仕訳を行い、当期純利益を確定させます。
決算振替仕訳とはすべての収益勘定残高と費用勘定残高を損益勘定に振替え、損益勘定の差額を繰越利益剰余金へ振替える仕訳のことです。
決算振替仕訳がすべて完了すれば、当期の決算の数字が確定しますので、
後は確定した数字を損益計算書と貸借対照表に転記することで決算書が完成します。
従来であれば、手書きで一つ一つの勘定科目を決算書に転記する方法が一般的とされていましたが、会計ソフトの普及によって、期中仕訳と決算整理仕訳を入力することで自動的に決算書が作成できるようになりました。
マネーフォワードクラウド 会計なら決算整理仕訳もラクラク
決算整理仕訳の計上は複雑で、従来の手書き帳簿を作成し、そこから転記して決算書を作成するには手間も時間もかかります。
マネーフォワード クラウド会計を使用することで、会計初心者の方にとっても簡単で、わかりやすく決算整理仕訳を計上することが可能です。
さらに、自動的に決算書も作成することができます。
また、マネーフォワード クラウド会計は、従来のパッケージ型会計ソフトと異なり、クラウドシステムであるため、ネット環境が整っている場所であればどこでも使用することができます。
決算について詳しくない方にとって、マネーフォワード クラウド会計を使用することで決算整理仕訳も簡単にできるので、オススメです。
決算整理仕訳の登録もかんたん
マネーフォワード クラウド会計では、仕訳登録機能を使用することで毎期使用する決算整理仕訳を登録しておくことができます。
決算整理仕訳を登録しておくことで、決算整理仕訳のパターンを覚える必要はなくなりますし、計上漏れを防ぐことにもつながります。
また、複雑な減価償却費の計上についても、固定資産台帳機能を使用することで自動的に減価償却費の計算ができ、さらに決算整理仕訳の自動作成まで行えます。
固定資産の登録さえすれば、決算整理仕訳が登録されるので、大変便利な機能となります。
マネーフォワード クラウド会計を使用して、複雑な決算整理仕訳を簡単に計上してみましょう!
自動で決算書を作成
マネーフォワード クラウド会計では、決算整理仕訳まで計上することで自動的に決算書を作成することができます。
従来の手書き仕訳では、決算整理仕訳まで集計し、精算表を作成し、さらに決算書に転記するといった作業が必要でしたが、その必要もありません。
また、他社の会計ソフトでは、仕訳入力業務と決算書作成業務が別となっていたり、会計、税務の知識がなければソフトの操作をすることが難しいケースがありました。
しかし、マネーフォワードクラウド会計では、初心者の方にとっても操作がしやすいように設計されており、決算整理仕訳まで入力することができれば、自動的に決算書を作成することができます。
ミスが起こりやすい、転記作業なども自動的にされることで、ミスの発生を抑制します。
決算整理仕訳の理解を深め、決算書を作成してみよう!
決算整理仕訳について難しいイメージを持っていた方は多いと思いますが、仕組みと一定のパターンさえ覚えてしまえば難しくはありません。また、気を付けるべきポイントについても把握することで、正確な決算が可能です。
マネーフォワード クラウド会計を使用することで、決算書も自動的に簡単に作成することができます。
この機会に自分で決算書を作成してみてはいかがでしょうか?
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よくある質問
決算整理仕訳とは?
決算の際に最終修正を行うために計上する仕訳のことを指します。詳しくはこちらをご覧ください。
決算整理仕訳を計上する際の注意点は?
決算整理仕訳を計上する前に期末棚卸を実行し、棚卸金額を確定させることが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
決算整理仕訳で気を付けるべきポイントは?
「決算整理仕訳後の各勘定科目残高をチェックする」「期中仕訳を念入りに確認」「仕訳漏れがないか前期比較をする」ことがポイントです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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