• 更新日 : 2025年9月9日

ファクタリングを断られた!審査に通らない理由と資金調達を成功させるための対策

「ファクタリングを断られる理由が知りたい」
「ファクタリング会社の選び方を知りたい」
「審査を通過するためのポイントはある?」

上記のように、ファクタリングの審査についてお悩みの方もいるでしょう。

本記事では、ファクタリングを断られる理由や会社の選び方、審査を通過するためのポイントについて詳しく解説します。

また、ファクタリング会社の選び方や、ファクタリング以外の資金調達についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ファクタリング審査に落ちる理由

ファクタリング審査に落ちる主な理由は、売掛先の信用力が低いことです。

ファクタリング会社は、買い取った売掛金を最終的に売掛先から回収する必要があるため、売掛先の支払い能力を重視します。

ここからは、審査に落ちる理由について、詳しく解説していきます。

売掛先に問題がある

ファクタリングの審査では、利用者の信用力よりも売掛先の信用力が重要視されます。これは、ファクタリング会社が買い取った売掛金を、最終的に売掛先から回収するためです。

売掛先の支払い能力が低いと判断されると、ファクタリング会社は貸し倒れのリスクを懸念し、審査に通らないことがあります。

たとえば、売掛先が赤字経営であったり、債務超過に陥っている場合です。

売掛先の経営状況が悪化している場合、ファクタリング会社は倒産や支払い遅延のリスクが高いと判断し、審査に落ちる原因となります。

ファクタリングの利用を検討している場合は、売掛先の経営状態も事前に確認しておくことをおすすめします。

売掛債権に「債権譲渡禁止特約」があった

ファクタリング審査に落ちる理由のひとつとして、売掛債権に「債権譲渡禁止特約」が付いている場合が挙げられます。

2020年4月の民法改正によって、特約が付いている債権でもファクタリング自体は原則として有効になりました。

しかし、実際にはファクタリング会社が契約を断るケースも多く見られます。

これは、特約を無視して債権が譲渡された場合、売掛先がファクタリング会社への支払いを拒否するリスクがあるためです。

売掛先が特約を理由に譲渡を認めず、二重払いなどのトラブルを避けるため、ファクタリング会社は、特約付きの債権を敬遠する傾向があります。ファクタリングを検討する際は、売掛債権に特約が付いていないか事前に確認することが大切です。

売掛先が個人事業主であった

ファクタリング審査に落ちる理由のひとつに、売掛先が個人事業主であることが挙げられます。

法人の場合は、商業登記簿や信用調査会社を通じて経営状況を客観的に確認できます。

しかし、個人事業主の場合は事業に関する情報が少ないため、ファクタリング会社は支払い能力を判断しにくくなるためです。

とくに、取引実績が少ない個人事業主が売掛先の場合、ファクタリング会社はその債権が実在するかどうか疑うことがあります。結果、リスクが高いと判断され、審査に通らないケースも少なくありません。

個人事業主との取引でファクタリングを利用したい場合は、取引の実態を証明できる書類をあらかじめ用意するなど、ファクタリング会社の不安を解消する工夫が大切です。

利用者の信用力が低い

ファクタリングの審査では、利用者の信用力も重要な要素です。ファクタリングは売掛債権の売買であるため、売掛先の信用力が最も重視されます。しかし、利用者の信用力が低い場合も、審査に落ちる可能性があります。

たとえば、利用者が多額の負債を抱えていたり、税金を滞納している場合、ファクタリング会社は次のような点を懸念します。

  • 売掛金を回収した際に、利用者が適切にファクタリング会社へ支払いを行えるか
  • 二重譲渡などの不正行為が行われるリスクがないか

とくに、2社間ファクタリングでは売掛先にファクタリングの利用を知られず、利用者が売掛先から入金された売掛金をファクタリング会社に支払う形式のため、利用者の返済能力や信頼性が審査の重要なポイントとなります。

信用力が低いと判断されると、審査に落ちることがあります。

提出書類に不備があった

ファクタリングの審査に落ちる主な理由のひとつは、提出書類に不備があることです。書類に不備が多いと、経営管理が十分でないとみなされ、信用力が低いと判断される場合があります。

ファクタリング会社は、提出された書類をもとに売掛債権の存在や売掛先の支払い能力を厳格に審査します。しかし、必要書類が揃っていなかったり、記載内容が不明瞭だったりすると、正確な判断ができず、審査自体を進められません。

たとえば、請求書の宛名が間違っていたり、金額の記載がはっきりしない場合、審査担当者はその取引の信頼性に疑問を持つことになります。

そのため、スムーズに審査を受けるためには、提出前に書類を十分に確認することが大切です。

税金の滞納がある

ファクタリングの審査では、税金の滞納が審査に落ちる大きな原因となります。

税金を滞納していると、資金繰りが厳しいだけでなく、経営管理能力が十分でないと判断されるためです。

ファクタリング会社は、売掛金を確実に回収したいと考えています。しかし、税金を滞納していると、国によって売掛金が差し押さえられるリスクが生じるため、ファクタリング会社が売掛金を回収できなくなる可能性があります。

上記のリスクを避けるため、多くのファクタリング会社は審査の際に納税証明書の提出を求めています。

税金を後回しにしている企業とは取引を控えるのが一般的なため、ファクタリングを利用する前に、税金をきちんと支払っておくことが大切です。

ファクタリング会社を選ぶポイント

ファクタリング会社を選ぶ際には、契約方式、会社の信頼性、そして手数料の安さや透明性が重要なポイントとなります。

それぞれのポイントについて解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

また、ファクタリング会社の選び方について、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

手数料の安さと透明性

ファクタリング会社を選ぶ際には、手数料が安いことが重要なポイントです。しかし、手数料の安さだけに注目しすぎると、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

手数料が相場より極端に安い場合、後から追加費用を請求されたり、隠れた手数料が発生したりすることがあるためです。

ファクタリング会社を選ぶ際には、手数料の安さだけでなく、手数料の計算方法や追加費用の有無をきちんと説明してくれる会社を選ぶことが大切です。

また、事前に手数料の相場を調べておくことで、不当に高い手数料を避け、信頼できるファクタリング会社を選びやすくなります。

契約方式(2社間・3社間)

ファクタリング会社を選ぶ際には、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」のどちらを利用するかが重要なポイントとなります。この2つの方式の主な違いは、売掛先(取引先)がファクタリングの取引に関与するかどうかです。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2社だけで取引が完結するため、売掛先に知られることなく資金調達が可能です。

一方、3社間ファクタリングは、売掛先の承諾が必要ですが、その分、手数料が安くなる傾向があります。

資金調達のスピードを重視する場合は2社間ファクタリングを、手数料の安さを重視する場合は3社間ファクタリングを選ぶなど、自社の状況や目的に応じて最適な契約方式を選ぶことが大切です。

会社の信頼性・実績

ファクタリング会社を選ぶ際には、その会社の信頼性と実績がとても重要です。残念ながら、悪質な業者も存在するため、安心して取引できる会社かどうかをしっかり見極める必要があります。

会社の公式サイトで、所在地や代表者名、電話番号がはっきりと記載されているかを確認しましょう。情報が不透明な会社は避けるのが賢明です。

また、創業年数や取引実績も信頼性を判断するための重要な材料です。実績が豊富な会社は、トラブルが発生した際にも適切に対応できる可能性が高いといえます。

さらに、実際にサービスを利用した人の口コミや評判も参考にしましょう。手数料の分かりやすさや担当者の対応など、公式サイトだけでは分からない情報を得られます。複数の情報源を比較して、慎重に会社を選ぶことが大切です。

ファクタリングの審査に通過する方法

ファクタリングの審査を通過するためには、信用力の高い売掛債権を選んで申し込むことが大切です。申込書類の内容が不明瞭だと、経営管理が十分でないと判断され、審査に通らない可能性があります。

ここからは、ファクタリングの審査に通過する方法について解説していきます。

信用の高い売掛債権を選んで申し込む

ファクタリングの審査をスムーズに通過するためには、信用の高い売掛債権を選んで申し込むことが重要です。ファクタリング会社は、売掛先から確実に売掛金を回収できるかどうかを重視して審査を行います。

信用の高い売掛債権とは、以下のような特徴を持つものです。

  • 売掛先が上場企業や大企業、公的機関である
  • 売掛債権の支払期日が短い
  • 「債権譲渡禁止特約」が付いていない

これらの条件を満たす売掛債権を提示すれば、ファクタリング会社は貸し倒れリスクが低いと判断し、審査に通りやすくなります。複数の売掛債権がある場合は、信用の高いものから優先して申し込むことをおすすめします。

必要な書類を準備する

ファクタリング審査の通過率を高めるには、必要な書類をしっかりと準備することが重要です。書類に不備があると、審査担当者から「経営管理がずさんである」と見なされ、審査に落ちる可能性があります。

ファクタリングに必須となる書類は以下のとおりです。

  • 身分証明書(経営者の運転免許証など)
  • 通帳のコピー(過去3〜6ヶ月分の入出金履歴)
  • 売掛金の存在を証明する書類(請求書、発注書など)

上記に加え、会社の謄本や決算書、納税証明書などが追加で求められるケースもあります。書類を事前に揃え、不明な点がないか確認してから提出することで、審査がスムーズに進み、資金調達までの時間も短縮できます。

利用者の信用力を高める

ファクタリング審査では、売掛先の信用力が重視されます。しかし、利用者自身の信用力も審査において重要な要素となります。

とくに、売掛先に知られずに取引を行う2社間ファクタリングの場合は、利用者の信用力がさらに重要となります。これは、ファクタリング会社が利用者との信頼関係を重視して取引を進めるためです。

審査に通過するためには、以下の点に注意して、信用力を高めていきましょう。

注意点理由
税金を滞納しない税金を滞納していると、資金繰りが悪化していると判断されることがあります。
虚偽の申告をしない嘘の申告は、ファクタリング会社との信頼関係を大きく損ないます。
誠実な対応を心がける審査担当者とのやりとりも、信用力を評価するうえで重要なポイントです。

上記の点を守ることで、ファクタリング会社からの信頼を得やすくなり、審査にも通りやすくなるでしょう。

ファクタリング以外の資金調達方法も検討する

ファクタリング以外にも、さまざまな資金調達方法があります。

ここからは、銀行融資、日本政策金融公庫からの融資、ビジネスローンについて詳しく解説します。

また、資金調達計画について、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

銀行融資・信用金庫

ファクタリングだけでなく、銀行融資や信用金庫からの借り入れも有効な資金調達手段です。銀行融資の最大のメリットは、ファクタリングに比べて金利が大幅に低いことです。

また、ファクタリングは売掛金の範囲内でしか資金調達できませんが、銀行融資の場合は、より多くの資金を調達できる可能性があります。

しかし、銀行融資は審査が厳しいため、創業間もない企業や赤字経営の企業は審査に通りにくい傾向があります。さらに、融資が実行されるまでに数週間から数ヶ月かかる場合もあり、急な資金調達には向いていません。

事業計画に基づいてまとまった資金が必要な場合は銀行融資を検討し、急な支払いなどで、どうしてもすぐに、資金が必要な場合はファクタリングを利用するなど、状況に応じて資金調達方法を使い分けることをおすすめします。

また、中小企業の資金調達の現状と課題について、下記の記事で詳しく解説しています。中小企業の課題について知りたい方は、ぜひご覧ください。

日本政策金融公庫

ファクタリング以外の資金調達方法として、日本政策金融公庫からの融資も検討してみましょう。日本政策金融公庫は、民間金融機関からの融資が難しいとされる創業間もない企業や個人事業主にも、積極的に融資を行っています。

最大のメリットは、民間の金融機関よりも低い金利で借り入れができる点です。さらに、「新創業融資制度」など、一定の条件を満たせば担保や保証人が不要となる制度も利用できます。

ただし、申し込みから融資が実行されるまでには2週間から1ヶ月程度かかるため、急いで資金が必要な場合はファクタリングと使い分けることが大切です。事業の将来的な成長を見据えた資金調達方法として、日本政策金融公庫の利用も検討すると良いでしょう。

日本政策金融公庫の新規開業資金について、下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

ビジネスローン・事業者ローン

ファクタリング以外にも、ビジネスローンや事業者ローンは資金調達の有効な選択肢です。

これらのローンは、急いで資金が必要な場合や、銀行融資の審査に通らなかったときのつなぎ資金として利用できます。

最大のメリットは、最短で即日から数日という短期間で融資が受けられることです。

たとえば、急な仕入れや人件費の支払いなど、緊急に資金が必要な場合に役立ちます。ただし、銀行融資と比べると、金利が高めに設定されている点がデメリットです。

また、一度に借りられる金額も、銀行融資より少なくなる傾向があります。そのため、利用する際は、必要な資金の期間や金額を明確にし、計画的に利用することが大切です。

助成金・補助金

助成金や補助金は、資金調達の有力な選択肢のひとつです。

最大のメリットは、原則として返済の義務がないため、資金繰りを圧迫する心配がないことです。

ただし、助成金と補助金では、それぞれ審査や条件が異なります。

助成金は、比較的要件を満たせば受給しやすい傾向があります。一方、補助金は予算や採択件数が決まっているため、審査に通らないこともあります。また、申請から実際に支給されるまでに数ヶ月から1年以上かかる場合もあるため、緊急の資金調達には適していません。

さらに、受け取った金額は収益として法人税や所得税の課税対象となるため、税金対策も考慮する必要があります。これらの点を踏まえた上で、自社の事業計画に合った制度を選ぶことが大切です。

まとめ

ファクタリング審査に落ちる主な原因は、売掛先の信用力の低さ、売掛債権に特約が付いていること、利用者自身の信用力の不足、提出書類の不備、そして税金の滞納です。

審査に通過するためには、信用力の高い売掛債権を選ぶことや、必要な書類を事前に準備すること、税金を滞納しないことなど、利用者自身の信用を高める取り組みが重要です。

資金調達の方法はファクタリングだけではなく、銀行での融資からビジネスローン、助成金や補助金など、さまざまな手段があります。

急ぎで資金が必要な場合はファクタリングやビジネスローンが適しており、低金利でまとまった資金を調達したい場合は銀行融資が有効です。

自社の状況に合わせて最適な方法を選び、資金繰りを改善しましょう。


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