- 更新日 : 2025年5月15日
企業間決済代行サービスは利用すべき?仕組みとメリット、選び方を解説
企業間決済代行サービスとは、企業間で発生する決済を代行し、請求管理を一元化するサービスです。利用することで、請求業務を効率化できるだけでなく、代金の未回収リスクも下げられます。利用に適したケースや注意点、サービス会社の選び方を解説します。
目次
企業間決済代行サービスとは?
企業間決済代行サービスとは、企業間で取引を行う場合に発生する次の業務をワンストップで請け負うサービスのことです。
- 取引先の与信
- 請求書の送付
- 取引先からの代金回収
- 入金確認
- 未入金の場合は督促の実施
ただし、サービス会社によっては対応する業務内容が異なることもあります。依頼する前に、代行してほしい業務内容に対応しているのか確認しておきましょう。
企業間決済代行サービスが使用される場面
企業間決済代行サービスは、他社と取引のあるすべての企業が利用できるサービスです。とりわけ次のいずれかに該当する企業は、サービスの利用により業務効率の向上を期待できます。
- 新しく取引を開始したい事業者がある
- 取引先が多く、与信管理や請求書発行、消込業務の負担が大きい
- 取引先ごとに決済日が異なり、入金確認や消込業務に手間がかかる
- 入金が遅れがちな取引先があり、督促に時間を割かなくてはいけない
企業間決済代行サービスでは、取引先の与信審査から請求書の発行、回収までトータルで請け負うため、関連業務をすべて一任できます。営業や商品開発などの他の業務に専念することができ、運営効率も向上します。
企業間決済代行サービスのメリット
新規取引先を開拓したい事業者も、すでに多くの取引先を抱えている事業者も、企業間決済代行サービスを利用することで業務効率化を実現できます。メリットとしては、次の3点が挙げられます。
- 請求から決済までがワンストップで実施できる
- 新規ビジネスへのハードルが下がる
- 未回収リスクが下がる
それぞれのメリットについて解説します。
請求から決済までワンストップで実施できる
企業間決済代行サービスは、決済業務だけを請け負うサービスではありません。サービス会社によって対応業務に違いはありますが、与信審査、請求書の発行・発送、代金回収、入金消込、未入金時のフォローまでワンストップで対応していることも多いです。
本来、それぞれの業務には手間や時間がかかります。しかし、企業間決済代行サービスを利用すればまとめて依頼できるので、担当者の負担が減るだけでなく、担当する従業員の数も減らせるかもしれません。
請求から回収までの業務をワンストップで行うことで、業務間の連絡漏れや人為的ミスを減らすこともできます。各業務を別々の部署や従業員が担当すると、連絡漏れや行き違いが生じ、「未回収の企業に連絡できていない」「代金を受領していないのに回収済みの扱いになっていた」などのトラブルが生じることも少なくありません。
取引額と受領額にずれが生じ、経理処理に通常以上に時間がかかる可能性もあります。また、請求書にミスがあったり二重請求をしたりすれば、取引先からの信用を失うことにもなるでしょう。
このようなミスを回避するためにも、請求業務から回収業務までまとめて管理することが必要です。企業間決済代行サービスを利用すれば、各工程がシームレスに管理されるため、連絡漏れや行き違いといった人為的なミスを回避できます。
新規ビジネスへのハードルが下がる
工数のかかる請求業務を企業間決済代行サービスに一任すると、限られたリソースを本業に集中させることができます。請求・回収関連の細々とした業務をすべて任せることができれば、新規ビジネスにも取り組みやすくなるでしょう。
また、取引先を増やすときには、相手企業の与信審査も必要です。とはいえ、相手企業の経営状況や取引を続けるうえでのリスクを詳細に調べることは、容易なことではありません。情報を集めるだけでも時間がかかるうえに、情報を正確に判断することも困難です。与信審査を専門とする会社に依頼して調査してもらうこともできますが、費用が高いため、今後コストに見合うだけの取引が生じない可能性も考慮すると、気軽に利用できません。
与信業務に対応している企業間決済代行サービスに依頼すれば、与信審査もすべて任せることができます。また、審査にかかる時間も短い傾向があり、よりスムーズな取引が実現可能です。未回収リスクを抑えて新規取引先を増やすためにも、与信業務に対応している企業間決済代行サービスの利用を検討してみましょう。
企業間決済代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」では、最短数秒で与信審査を実施しています。ビジネスチャンスを逃さず、新規事業や事業拡大を実現するための手段として、ぜひご検討ください。
未回収リスクが下がる
掛取引など後払いの方法で取引を行うときは、未回収リスクがつきまといます。何度も取引を行い、スムーズに支払ってくれている取引先であっても、経営には波があるため急に支払いが滞るかもしれません。初めて取引を行う相手や、今まで支払い遅れが何度かあった相手の場合であればなおさら未回収リスクが高くなります。
回収できないときは、相手企業に連絡し、新たに支払い期限を定め、入金確認をして……と、通常以上に代金受け取りまでの工程が増えてしまいます。また、1回の督促で入金されるとは限らないため、さらに回収までの工程が増えることもあるでしょう。
未回収の取引先とのやり取りは、精神的にも負担が大きい点に注意が必要です。相手企業が不誠実なときはもちろんのこと、誠実に対応してくれている場合ならなおさら「経営が厳しいときに何度も請求するのはつらい」と感じるかもしれません。
企業間決済代行サービスを利用すれば、未回収のときのやり取りもすべてノータッチで済ませることができます。相手企業とのやり取りに精神的なダメージを受けずに済むのも、企業間決済代行サービスを利用するメリットです。
また、企業間決済代行サービスの中には入金保証付きのサービスを提供している会社もあります。入金保証とは、取引先から代金を回収できたかどうかに関わらず、既定の金額を受け取れる仕組みです。つまり、万が一未入金が発生しても資金繰りに影響が及ばないため、安定した経営を実現できます。
マネーフォワード 掛け払いでは、100%入金保証(※)のプランもご提供しております。取引先からの入金状況に左右されない強固な経営基盤を構築するためにも、ぜひご利用ください。
※当社所定の条件を満たした場合に限ります。
企業間決済代行サービスの注意点
企業間決済代行サービスは、メリットの多いサービスです。特に取引先が多い企業や、今後、事業拡大や新規事業への展開を予定している企業であれば、請求業務や回収業務をアウトソーシングすることで、より事業そのものに専念できるでしょう。
しかし、企業間決済代行サービスにはいくつか注意すべき点もあります。特に次の点については、サービス会社への申し込み前に詳細を把握しておくことが必要です。
- コストがかかる
- 取引上限額を確認する
それぞれの注意点について説明します。
コストがかかる
企業間決済代行サービスを利用するには、手数料がかかります。そのため、実際に入金される金額は、取引額から手数料を差し引いたものとなります。請求業務や回収業務をすべて自社で行うなら取引額全額を受け取れることを考えると、企業間決済代行サービスの利用を躊躇するかもしれません。
企業間決済代行サービスを利用するかどうか迷ったときは、サービス利用により節約できるコストと手数料を比較してみましょう。例えば、請求業務や回収業務に専属の従業員を配置している場合であれば、企業間決済代行サービスを利用することで人件費を抑えることが可能です。手数料よりも人件費が高い場合には、企業間決済代行サービスを利用するほうが良いでしょう。
また、専属の従業員を配置していない場合でも、請求業務・回収業務が立て込む時期に担当従業員の残業が増えているのであれば、企業間決済代行サービスを利用することで残業代の削減が可能になります。手数料よりも残業代が高い場合であれば、企業間決済代行サービスの利用を前向きに検討できるでしょう。
なお、企業間決済代行サービスの手数料は、サービス会社によっても大きく異なります。サービス内容と手数料を比較し、トータルコストを削減できるサービス会社を選ぶようにしましょう。
取引上限額を確認する
企業間決済代行サービスごとに、1社あたりの取引上限額が定められています。取引上限額とは回収を委託できる上限額のことです。例えば、取引上限額が1,000万円の企業間決済代行サービスを利用する場合であれば、委託する取引の回収額が1,000万円を超えないように調整しなくてはいけません。
また、企業間決済代行サービスで規定されている取引上限額と、実際に適用される取引上限額とは異なる点にも注意が必要です。実際の取引上限額は審査によって決まるため、審査結果によっては予想したよりも回収を委託できる取引額が少なくなる可能性があります。
なお、取引上限額を決める審査は、企業間決済代行サービス会社によって異なります。いくつかのサービス会社に問い合わせ、どの程度の金額まで回収を委託可能か確認しておきましょう。
企業間決済代行サービスの選び方
企業間決済代行サービスを提供している会社は多数あります。しかし、どれも同じというわけではありません。サービス会社によって対応している業務内容が異なるので、まずは希望するサービスを提供しているのかを確認しておきましょう。
企業間決済代行サービスで対応できる業務内容には次のものがあります。
- 与信業務
- 請求書作成・送付などの請求業務
- 入金確認・消込処理などの回収業務
- 未入金の取引先に対しての督促業務
- 未入金の取引に対しての入金保証業務
委託したい業務内容に対応しているのか、事前に確認しておきましょう。また、請求書作成においては、2023年10月1日から施行されるインボイス制度に対応しているかどうかも確認しておくことが必要です。
また、企業間決済代行サービスによっては、サービス利用前に初期費用がかかることもあるため、できれば長く利用するほうが望ましいといえます。利用を開始してから「希望する業務に対応していない」「インボイス制度に準じた適格請求書を発行できない」といったことにならないためにも、事前にサービス内容とインボイス制度への対応は確認しておきましょう。
その他にも、次のポイントに注目すると満足度の高い企業間決済代行サービスを選ぶことができます。
- 審査にかかる時間が短いか
- 柔軟な運用ができるか
- 外部システムと連携しやすいか
- 手数料は適切か
それぞれのポイントについて解説します。
審査にかかる時間が短いか
与信業務に対応する企業間決済代行サービスを利用する場合は、与信審査にかかる時間も確認しておきましょう。与信審査に時間がかかるサービス会社を利用すると、ビジネスのスピードが低下し、チャンスを逃すことにもなりかねません。できれば短時間での審査に対応しているサービス会社を選ぶようにしましょう。
与信審査の頻度についても確認しておきましょう。企業間決済代行サービスにおいては、取引の度に対象企業の与信審査を実施することが一般的です。しかし、中には初回のみ審査を実施し、2回目以降は審査せずに取引を行うサービス会社もあります。
ビジネスのスピードが低下しないというメリットはありますが、未回収リスクが高くなる点に注意が必要です。安心して企業間決済代行サービスを利用するためにも、毎回審査を実施しているかどうか確認しておきましょう。
なお、審査基準はサービス会社によって異なりますが、厳しく審査するサービス会社のほうが、未回収リスクが低い分、手数料が低い傾向があります。少ない負担で企業間決済代行サービスを利用し続けるために、審査基準がある程度厳しくても、手数料が低めに設定されているほうが良いでしょう。
柔軟な運用ができるか
柔軟な運用ができることも、企業間決済代行サービスを選ぶ際に注目すべきポイントです。例えば、支払いサイト(取引の締め日から支払い期日までの期間、請求期間のサイクルのこと)が一律に決められている企業間決済代行サービスであれば、取引先に締め日や支払い期日を変更してもらう必要が生じます。了承してくれれば良いのですが、取引先にも資金スケジュールがあるため、取引継続が危うくなる可能性もあるでしょう。
取引先ごとに支払いサイトを設定できる企業間決済代行サービスなら、既存の取引先に迷惑をかけずに済みます。また、新規取引先にも自由に支払いサイトを選んでもらえるので、ビジネスの枠を狭めません。
審査のタイミングにおいても、柔軟性があると良いでしょう。例えば、取引前に与信審査を実施する企業間決済代行サービスであれば、すぐに取引をしたい顧客を逃すリスクがあります。しかし、取引後に与信審査を実施するサービス会社なら、即時掛売りが可能で、顧客を逃しにくくなるでしょう。審査タイミングも自由に選べると、取引ごとの形態に合わせた与信を実現しやすくなります。
外部システムと連携しやすいか
会計システムや受発注システムなどの外部システムと連携しやすいかどうかも確認しておきましょう。すでに導入しているシステムと連携できると、よりスムーズに企業間決済代行サービスを導入できます。導入コストを抑え、業務全体の効率化を図るためにも、外部システムとの連携のしやすさは重要なポイントです。
手数料は適切か
どんなに優れたサービスでも、手数料が高すぎると利用し続けることが難しくなります。導入する前に、手数料は適切か確認しておきましょう。
なお、サービス会社ごとに料金体系は異なりますが、初期費用と月額費用、取引に応じて発生する利用手数料の3つのコストがかかることが一般的です。マネーフォワード 掛け払いでは、それぞれのコストを以下のように規定しています。
| プラン内容 | 与信・入金保証なし | 与信・入金保証あり |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0~5万円 | 0円 |
| 月額費用 | 0~3万円 | 0円~ |
| 利用手数料 | 1件あたり300~500円 | 委託金額の0.5~3.5% |
まとめ
企業間決済代行サービスを利用することで、コスト削減を図れるだけでなく、事業拡大や新規事業の展開も実現しやすくなります。ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。
マネーフォワード 掛け払いでは、掛け売りに必要な与信審査・請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求にかかわるすべてのプロセスを代行します。支払いサイトや審査のタイミングも柔軟に設定でき、高い自由度での利用を実現していただけます。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
債権回収の流れは?支払督促や強制執行の方法、注意すべきポイントを解説
債権とは、特定の相手に対し、特定の行為や給付を請求できる権利のことです。分かりやすくいえば、商品やサービスを販売する側が代金を請求できる権利、買う側が商品やサービスを受け取る権利のことですが、約束通りに受け取れない場合は「債権の回収」を行う…
詳しくみるEMVとは?クレジットカード決済の安全性が高まる仕組みをわかりやすく解説
クレジットカードを使うとき、「情報を盗まれないだろうか」「不正利用されたらどうしよう」と不安に感じる方は少なくありません。実際、従来の磁気ストライプ型カードでは、情報がコピーされる「スキミング被害」が世界中で問題になってきました。 そこで国…
詳しくみるBtoB決済代行とは?導入メリットやサービス選びのポイントを解説
BtoBの決済において、決済代行サービスを利用するという選択肢もあります。仕組みや利用のメリット、注意点について解説するので、ぜひ参考にしてください。また自社に合うサービスの選び方についてもわかりやすく説明します。 BtoB決済代行サービス…
詳しくみる貸倒実績率とは?計算方法をわかりやすく解説!
会計処理、特に期末における決算整理仕訳では、貸倒引当金の計上の要否を検討します。貸倒引当金とは、取引先が倒産等で支払い不能となった状態などに備えて、事前に損失額を予測して計上しておく引当金です。貸倒引当金の計算方法には、取引先の財政状態等に…
詳しくみる相殺精算とは?メリットや請求書の書き方、仕訳方法をわかりやすく解説
相殺精算とは、取引先に対する債権と債務を帳消しにしてしまうことです。債権債務を相殺する取引のため、現金の出入りはありません。ただし、相殺精算は条件がそろっていないとできません。今回は、相殺精算の条件やメリット、具体的なやり方や仕訳方法などを…
詳しくみる購買管理システムのメリットは?主な機能やタイプ、選び方を解説
購買管理システムとは、企業が物品やサービスを調達する一連の流れを一元管理し、業務を効率化するITツールです。発注、納品、検収、支払いまでの各工程を可視化・自動化することで、ミスの防止やコストの最適化を図れます。本記事では、購買管理の基本から…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引