- 更新日 : 2024年8月8日
合鍵・スペアキー作成費の勘定科目と仕訳例を解説
会社における現物管理のひとつに鍵の管理があります。
部屋や車の鍵だけでなく、ロッカー、金庫、倉庫など多くのカギを管理する必要があり、合鍵を作ることも考えられます。
業務によっては、合鍵の利用頻度が高く、定期的に摩耗等を点検し合鍵を作成する場合もあるでしょう。セキュリティ対策における現物管理という意味で、合鍵の管理は重要です。
この記事では合鍵・スペアキーを作ったときの勘定科目や仕訳について解説します。
合鍵・スペアキーを作った場合の勘定科目は「消耗品費」で仕訳する
合鍵やスペアキーなどを作成した場合の仕訳においては、「消耗品費」使って処理することが多いです。
鍵の種類によってはスペアキー作成に相当時間がかかるものもありますが、発注した時点ではなく、スペアキーができあがって支払をした時点で起票します。
業務でよく使う鍵や日ごろはあまり使わない鍵があると思いますが、利用頻度に限らず、消耗品費での処理ができます。
雑費で仕訳する場合
会社によっては、スペアキーの作成が頻繁ではないため、「雑費」を使って記帳することもあります。
このような場合には、後でわかりやすいように摘要欄には、どこの鍵を作成したのかを記載するなどの運用も考えられます。
(No.***abc、No.999***など) |
10万円を超える場合
スペアキーを作成する場合だけでなく、鍵付きのドアなどの鍵のついた設備そのものを取り替えることもあります。
このような場合には高額になることも考えられます。
鍵の取替は、経年劣化に対する原状回復費用となりますので、「修繕費」を使って処理するとよいでしょう。
ただし一度に多くの合鍵を作る場合、10万円以上の支払になったとしても「消耗品費」で計上して問題ありません。なぜなら通常、取得価額は通常「1単位」として取引されるその「単位ごとに判定」するからです。そこで、合鍵の複製で10万円以上支払った場合にも、摘要欄には「○○本」とわかるようにしておきます。
一方、あまり例がないかもしれませんが、1本の合鍵を作成するのに10万円以上かかった場合には、固定資産として「備品」勘定に計上することになります。
また、10万円を超える場合だけでなく、一般にセキュリティ上の問題がある場合には仕訳の摘要欄には鍵番号や鍵のある場所といった特定情報を付さず、別途管理することをおすすめします。
(No.999****) |
消耗品、雑費などの仕訳は摘要欄の充実を
合鍵、スペアキーなどはあまり頻繁に仕訳に登場しない経費かもしれません。
しかし事業継続性の観点から、以前の仕訳がどのようになっていたかを振り返ることがよくあります。
その際に決め手となるのは、いかに仕訳の摘要欄に明確に書いているかということです。
仕訳の摘要欄に詳細に記載することは、将来の仕訳処理を助けてくれることもあります。仕訳の摘要欄を充実させましょう。
よくある質問
合鍵を作った場合の勘定科目は?
一般には「消耗品費」勘定で問題ありません。詳しくはこちらをご覧ください。
雑費で仕訳しても良い?
継続的に雑費としているのであれば「雑費」勘定で問題ありません。詳しくはこちらをご覧ください。
10万円を超えた場合は?
1本で10万円を超えると「備品」勘定に計上することになります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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