- 更新日 : 2024年8月8日
固定資産税を滞納したらいったいどうなる?
固定資産税は土地家屋を所有している人が、その土地・家屋の価格をもとに算定した税額を納める税金です。滞納した場合は、延滞金がかかります。さらに、悪質な場合は財産を差し押さえられることがあります。
この記事では、固定資産税を滞納するとどうなるのか、また、事情があって固定資産税を納められない場合や、固定資産税の課税内容に不服がある場合の対処方法についてお伝えします。
目次
固定資産税を滞納したら財産が差し押さえられる
固定資産税は、土地・家屋・事業用の償却資産について毎年1月1日時点の所有者に課税される市町村税(東京23区は都民税)です。
税額は、市町村が定めた固定資産の価額に税率をかけて計算されます。標準税率は1.4%ですが、自治体によっては上乗せされることがあります。
固定資産税は、市町村から送られる納税通知書に記載された納期限までに納めます。1年に3回または4回の納期に分けて納めるのが一般的です。
納期限までに固定資産税を納めなかった場合は、延滞金が発生するほか、納税の督促、財産の差し押さえなどが行われます。
納期限の次の日から延滞金がかかる
延滞金は納期限の次の日から発生します。本来納めるべき税額に対して、次の表の割合をかけて計算します。納期限から1か月を過ぎると、延滞金の割合は高くなります。
延滞金の割合
| 納期限後1か月経過日まで | 納期限後1か月経過後 | |
|---|---|---|
| 平成12年1月1日から平成13年12月31日 | 4.5% | 14.6% |
| 平成14年1月1日から平成18年12月31日 | 4.1% | 14.6% |
| 平成19年1月1日から平成19年12月31日 | 4.4% | 14.6% |
| 平成20年1月1日から平成20年12月31日 | 4.7% | 14.6% |
| 平成21年1月1日から平成21年12月31日 | 4.5% | 14.6% |
| 平成22年1月1日から平成25年12月31日 | 4.3% | 14.6% |
| 平成26年1月1日から平成26年12月31日 | 2.9% | 9.2% |
| 平成27年1月1日から平成27年12月31日 | 2.8% | 9.1% |
| 平成28年1月1日から平成28年12月31日 | 2.8% | 9.1% |
| 平成29年1月1日から平成29年12月31日 | 2.7% | 9.0% |
| 平成30年1月1日から平成30年12月31日 | 2.6% | 8.9% |
市町村からの督促を経て財産を差し押さえられることも
固定資産税を滞納すると、延滞金がかけられる以外に次のようなことが起こります。
・ 次に文書や電話、訪問などで納税の催告が行われます。
・ 納税するだけの資力がありながら納税しない場合は、財産について調査を行い、差し押さえが行われます。
・ 差し押さえられた財産は、公売を経て滞納した税金に充てられます。
法律では「督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときは財産を差し押さえなければならない」と定められています。ただし、納税できない事情や不注意で納税を忘れている場合などを考慮して、差し押さえの前に納税の催告が行われます。
督促や催告を無視して滞納を続けていると、財産調査が行われます。調査の結果、差し押さえできる財産があれば、財産が差し押さえられます。固定資産税の場合は、その課税対象である土地や家屋などが差し押さえられることになります。
差し押さえの後でも滞納を続けた場合は、差し押さえられた財産は競売にかけられます。
早めの対応が大切
以上お伝えしたように、固定資産税の滞納を続けていると、最終的には課税対象の不動産などが差し押さえられて、競売にかけられることになります。差し押さえや競売までには日数がかかるため、延滞金は相当な額に上ります。
もし、不注意で固定資産税の納税を忘れていた場合は、督促状が送られてきた時点で必ず納税しましょう。
また、事情があって納税できない場合や、課税内容に不服がある場合は次の章でお伝えする方法で意思表示をする必要があります。
事情がある場合は相談を、不服の場合は申立てを
固定資産税を納税できない事情がある場合
経済的に苦しいなど固定資産税を納税できない事情がある場合は、納税の猶予を受けることができます。また、固定資産税の軽減や免除を受けることもできます。
納税が猶予されるのは、災害や盗難の被害にあったときや本人または同一生計の家族が病気にかかったり負傷したりしたときなどです。
固定資産税の軽減や免除は、生活保護を受けている場合や高齢で所得が低い場合、または課税された資産が災害で損害を受けた場合などが対象になります。
固定資産税の減免を受けるためには、市町村に申請する必要があります。詳しい条件は、課税している市町村に確認してください。なお、申請して必ず猶予や減免が受けられるとは限らないので注意が必要です。
固定資産の価格・所有者について不服があるとき
固定資産税の課税のもとになる資産の価格は、毎年3月31日までに決定されます。固定資産の価格について不服があるときは、納税通知書を受け取ってから3か月以内に固定資産評価審査委員会に審査の申し出をすることができます。
また、固定資産の所有者や固定資産税の減免など、価格以外の事項について不服があるときは、納税通知書を受け取ってから3か月以内に市町村長(東京23区は都知事)に審査請求ができます。
なお、これらの場合でも、固定資産税は一度納めなければなりません。審査中であることを理由に固定資産税を納めないでいると、滞納した場合と同じように督促状が出され、延滞金が発生します。審査の結果、税額が減額された場合は、一度納めた固定資産税から差額が払い戻されます。
まとめ
固定資産税を滞納すると延滞金がかかるほか、最終的には課税対象の不動産が差し押さえられて競売にかけられます。滞納していることに気がついた場合は、できるだけ早く納税しましょう。
事情があって納税できないのであれば猶予や減免が受けられるほか、課税に不服があれば申し立ての制度もあります。いずれの場合も市町村に届け出ることが必要です。
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