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  1. クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」
  2. 会計の基礎知識
  3. 資本金の仕訳に使う勘定科目まとめ
  • 更新日 : 2024年8月8日

資本金の仕訳に使う勘定科目まとめ

会社を興す際は資本金の設定が必要です。資本金には経営者が持っている元手資金だけでなく、株主や投資家から調達した資金も含まれます。資本金を設定したときは仕訳が必要となり、個々のケースに応じて会計処理は異なるのがポイントです。

今回は資本金の定義や概要、経費の処理を行う際の勘定科目や仕訳例を紹介します。はじめて経理を担当した職員やこれから起業をされる方はぜひ参考にしてください。

目次

  • 資本金とは
  • 資本金の仕訳
    • 増資したとき
    • 減資したとき
  • 資本金の増資・減資の会計処理は煩雑なため仕訳は正確に

資本金とは

ビジネスを始める際に必要となる元手金を指し、経営者自身が準備する手元資金のほか、株主や投資家からの資金も含まれます。資本金は借金とは異なり、返済義務がないのが特徴です。企業規模や資金力を示す目安でもあり、貸借対照表では純資産の部に記載します。

資本金が多い企業は経営体力を有し、企業としての信頼性も高いと考えられます。総務省・経済産業省の「平成28年経済センサス活動調査」によると、資本金額3,000万円以下の企業が全体の87%を占め、なかでも300万円以上500万円未満の企業の割合が最も多い結果となりました。

300万円以下だと競合他社と比べて見劣りしてしまうかもしれません。資本金は取引先からの信用も考慮して金額を設定しましょう。

また、資本金の設定金額によって節税につなげることも可能です。事業を営む企業が負担する税金は主に、消費税・法人税・地方税・登録免許税の4つ。

消費税は資本金が1,000万円未満の場合、初年度の課税は免除されます。2年目も前年度の期首から6ヶ月間の課税売上高が1,000万円以下、もしくは給料の支払合計額が1,000万円以上であれば免除されます。

法人税も資本金の額に応じて税率が異なるため、額が少ない方が税金面では有利です。資本金1億円以下の企業は中小企業だとみなされ、優遇措置を受けられます。具体的には年800万円以下の部分には15%、800万円を超える所得金額は23.2%の法人税率が適用される規定です。

中小企業でない企業は所得額にかかわらず一律23.2%で法人税が算出されるので、税金の金額は変わってきます。税金の負担を考えると資本金額は大きければよいものではありません。

参考:経済産業省 「平成28年経済センサス活動調査」|結果の概要

資本金の仕訳

資本金に関しては会社設立時はもちろん、増資や減資の際にも仕訳が必要です。増資・減資にはいくつかの方法があり、調達方法によって仕訳処理が変わってきます。

増資の場合、株主から出資を受けて増資する「有償増資」と、剰余金等を資本金に組み入れる「無償増資」に分かれます。一方減資は株主等に金銭を交付する「有償減資」と、シンプルに資本金の額を減少させる「無償減資」の2種類です。

ここではシチュエーションごとの仕訳方法や仕訳例を紹介します。

増資したとき

有償増資は「払込期間を設定して資金提供を受ける場合」「自社で持っている株式を処分する場合」に大分できます。

1つ目のパターンは、払込期日を決めて出資者から払い込みを受ける形式です。仕訳が必要なのは【新株申込時〜払込期日の前】と【払込期日】の2パターンです。

【新株申込時~払込期日の前】

仕訳例)新たに新株を700万円分発行し、700万円の出資を受ける場合

借方貸方摘要
別段預金7,000,000円新株式申込証拠金7,000,000円新株発行による増資

ポイントは現金預金ではなく別段預金勘定を使用することです。期日前に振り込まれた資金は株式割り当て数の調整等を理由に返還する場合があるため、この段階では会社の資金として使用できません。

【払込期日】

借方貸方摘要
現金預金
新株式申込証拠金
7,000,000円
7,000,000円
別段預金
資本金
7,000,000円
7,000,000円
新株発行による増資

払込期日が到来したときに、別段預金や現金預金へ移し替えます。支払済み額の半額までは資本金に組みこまず、資本準備金として扱うことも可能です。

有償増資の2つ目のパターンは、自己株式を処分して処分差益が生じた場合です。

仕訳例)募集株式100株のうち、80株は新株を発行し、残り20株は処分した。※払込総額2,000,000円。処分する自己株式の帳簿価額300,000円。

借方貸方摘要
現金預金2,000,000円資本金
自己株式
その他資本剰余金
1,600,000円
300,000円
100,000円
新株発行および自己株式の
処分による増資

自己株式の処分差益を求め、仕訳に反映させる必要があります。上記の場合、払込総額2,000,000円のうち、自己株式の割合は1/5(100株中の20株)の400,000円です。取得価額の帳簿価額を差し引いた100,000円が処分差益となります。

自己株式の処分によって処分差損が生じるパターンもあります。この場合、増加した資本金額を減らす仕訳が必要です。

仕訳例)上記の事例で自己株式の帳簿価格が500,000円だった場合

借方貸方摘要
現金預金2,000,000円資本金
自己株式
1,500,000円
500,000円
新株発行および自己株式の
処分による増資

支払い総額のうち株式に相当する400,000円から、帳簿価格500,000円を差し引いた100,000円が処分差損です。払込金額のうち資本金に相当する1,600,000円から100,000円を控除してください。

最後に紹介するのが、出資金ではない資金源を活用して資本金を増加させる無償増資です。(自己株式の処分)

端的にいうと、資本準備金や利益準備金を資本金に振り替える処理です。資本準備金は株主から受けた出資のうち資本金に組み入れてこなかったお金を示します。利益準備金は利益を中心とした剰余金のうち、配当金として株主に還元せず内部に蓄えるものです。

仕訳例)利益準備金5,000,000円を資本金に組み入れた場合

借方貸方摘要
利益準備金5,000,000円資本金5,000,000円利益準備金の資本金への組み入れ

減資したとき

有償減資の場合、減資と剰余金の配当を同時に決議した上で行われます。資本金をそのまま配当にするのは認められておらず、まず資本金や資本準備金を取り崩して「その他資本剰余金」に振り替える必要があります。

仕訳例)資本金500,000円と資本準備金500,000円を取り崩し、その他資本剰余金1,000,000円に振り替えた後、株主に1,000,000円の配当を行う

借方貸方摘要
資本金
資本準備金
500,000円
500,000円
その他資本剰余金1,000,000円有償減資

 

借方貸方摘要
その他資本剰余金1,000,000円現金
預り金(源泉所得税)
897,900円
102,100円
有償減資

※「預り金」は税務上配当とみなされる金額に対する源泉所得税

無償減資は資本金を減少させてその他資本剰余金に振り替えるパターンと、資本金を欠損補填に回すパターンに分かれます。

資本金を減少させてその他資本剰余金に振り替える場合の仕訳は以下のとおりです。

仕訳例)資本金1,000万円を減額して「その他資本剰余金」に振り替えた場合

借方貸方摘要
資本金10,000,000円その他資本剰余金10,000,000円無償減資

その他資本剰余金は資本準備金以外の資本剰余金を記帳する勘定科目です。

あえて資本金を減らす主たる理由は、税務上の優遇措置を受けられる可能性が出るためです。たとえば資本金5億円の企業がその他資本剰余金に4億円を振り替えると、中小企業の特典を利用できるようになり法人税の節税につながります。

■資本金を減少させて欠損補填に充てる場合

資本金の減少分を繰越利益剰余金のマイナスの補填に回します。

仕訳例)資本金30,000,000円を減額して繰越利益剰余金30,000,000円に振り替えた場合

借方貸方摘要
資本金30,000,000円繰越利益剰余金30,000,000円無償減資

繰越利益剰余金は過年度の利益累計額に当期の利益を加算した金額で、利益準備金および任意積立金以外のものです。欠損金が減ると信用が高まり、金融機関から資金調達を受けやすくなる効果があります。

資本金の増資・減資の会計処理は煩雑なため仕訳は正確に

資本金はビジネスを始める際の元手資金のことです。1円からでも可能ですが、資本金額は多い方が金融機関や株主からの信用を得やすくなります。一方、多すぎると税金の負担が大きくなるため、資本金額はよく考えた上で決めましょう。

事業開始後の増資・減資も可能でその際は仕訳が必要です。ひとくちに増資や減資といっても、有償・無償に分けられます。

有償のなかでも複数の調達方法・仕訳があるので、会計処理を間違えないよう注意が必要です。はじめのうちは覚えきれないと思うので、スマホやパソコンで本記事をチェックし、帳簿と照らし合わせて記帳するとミスを防げます。

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よくある質問

資本金とは?

起業やビジネスを始める際の元手資金のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

資本金の仕訳のポイントは?

減資や増資の仕訳はパターンごとに会計処理が細かく分かれるため、勘定科目を間違わないことです。詳しくはこちらをご覧ください。


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