- 作成日 : 2025年2月12日
請求書作成アプリとは?メリットや選び方、無料テンプレートも紹介
請求書作成アプリとは、パソコンやスマホで簡単に請求書を作成できるアプリのことを指します。これらのアプリは、必要な情報を入力するだけで、手間をかけずに請求書を作成できます。この記事では、請求書作成アプリの基本から、スマホアプリを使うメリット、選び方まで解説します。また、PCでの作成が適している場合や無料でダウンロードできるインボイス対応のテンプレートも掲載しています。業務効率化やコスト削減を目指す方に特におすすめです。
目次
請求書作成アプリとは?
請求書作成アプリは、スマートフォンやタブレット、パソコンを使って簡単に請求書を作成、管理できるツールです。従来の紙ベースやエクセルでの請求書作成に比べ、効率的かつ正確に業務を遂行できるツールとして注目されています。
請求書作成アプリの主な機能
多くの請求書作成アプリには以下のような機能が搭載されています。
これらの機能により、ユーザーは煩雑な計算や入力作業から解放され、ビジネスの本質的な部分に集中できるようになります。
請求書作成アプリの種類
請求書作成アプリは、主に以下の種類に分類されます。
汎用型請求書作成アプリ
様々な業種や企業規模に対応した汎用性の高いアプリです。カスタマイズ性が高く、多くの企業のニーズに応えることができます。
業種特化型請求書作成アプリ
建設業、医療業、フリーランスなど、特定の業種に特化した機能を持つアプリです。業界特有の要件に細かく対応しています。
クラウド型請求書作成アプリ
データをクラウド上で管理するタイプのアプリです。複数のデバイスでデータを共有でき、チーム作業に適しています。
請求書作成に使えるスマホアプリ
最近では、スマートフォンで請求書を作成できるアプリが多数登場しています。ここでは、人気の高い請求書作成アプリをいくつかご紹介します。
- リモデラ事務:建設現場で見積書や請求書を作成できるアプリです。スマホから手軽に書類作成ができます。
- SmartForm(スマートフォーム):請求書や見積書の作成ができるアプリです。シンプルな操作で使いやすく、必要な情報を入力するだけで請求書が完成します。
- Misoca (ミソカ) :項目を埋めるだけでスマホから請求書を作成できるアプリです。フリーランスや小規模事業者に適しています。
- ジムー(Jimuu):スマホから相手先にメールやFAXで送信できる請求書作成アプリです。手間を省いて請求書を発行できます。
- freee (フリー) 請求書:スマホとパソコンの両方で使えるアプリで、外出先でも書類作成ができます。顧客情報の管理もできます。
- Square (スクエア) 請求書:請求書の作成と管理ができるアプリです。使いやすさとセキュリティに配慮されています。
- SpeedInvoice(スピードインボイス):請求書や見積書の作成ができるアプリで、iOSとAndroidに対応しています。手軽に請求書を作成したい方におすすめです。
請求書作成にスマホアプリを使うメリット
手軽さと利便性
スマホアプリの最大の魅力は、その手軽さと利便性です。スマホさえあれば、いつでもどこでも請求書を作成・送信することができます。例えば、現場で作業が終わった直後に、その場で請求書を作成し、即座に送信することができます。これにより、後回しにしがちな事務作業を迅速に終わらせることができ、業務の効率化が図れます。
時間の節約
スマホアプリを使用することで、手作業での請求書作成に比べて大幅な時間の節約が可能です。多くのアプリはテンプレートを使用しており、基本情報を入力するだけで簡単に請求書を生成できます。また、過去の請求書をコピーして新しい請求書を作成する機能もあるため、反復作業が軽減されます。
データの一元管理と分析
請求書作成アプリは、作成した請求書を自動的にクラウド上に保存する機能を持っていることが多いです。これにより、いつでも過去の請求書を確認することができ、必要なときにすぐにアクセスできます。さらに、データのバックアップが取れるため、データ紛失のリスクも軽減されます。
また、過去の請求データを一元管理し、売上の推移や顧客ごとの取引状況を簡単に把握できるようになります。これらのデータを分析することで、経営判断や営業戦略の立案に活用できます。また、確定申告や会計処理の際にも、整理されたデータが役立ちます。
郵送コストの削減
紙や印刷にかかるコストを削減できるだけでなく、請求書の郵送費や保管スペースの節約にもつながります。デジタル化によって、経費の削減と環境への配慮を両立することができます。さらに、多くのアプリが無料版や低価格のプランを提供しているため、初期投資を抑えて導入することが可能です。
顧客への素早い対応
請求書の作成から送付までの時間が短縮されることで、顧客への素早い対応が可能になります。急な請求にも即座に対応できるため、取引先との良好な関係維持につながります。また、請求書のデジタル送付により、相手先での受け取りや処理も迅速化され、双方にとってメリットがあります。
セキュリティの向上
クラウドベースのアプリを使用することで、データの紛失や盗難のリスクを軽減できます。多くのアプリはデータの暗号化や定期的なバックアップ機能を提供しており、重要な請求情報を安全に保管できます。また、アクセス権限の設定により、情報漏洩のリスクも最小限に抑えることができます。
インボイス制度への対応
2023年10月から開始されたインボイス制度に対応した請求書の作成が、多くのアプリで可能になっています。登録番号の自動記載や、適格請求書の要件を満たすフォーマットの提供により、制度変更へのスムーズな対応をサポートします。これにより、法令遵守と業務効率化を同時に実現できます。
他のビジネスツールとの連携
請求書作成アプリは、会計ソフトや顧客管理システム(CRM)など、他のビジネスツールと連携できるものが多くあります。これにより、データの二重入力を避け、業務フローの全体的な効率化を図ることができます。例えば、請求データを会計ソフトに自動連携させることで、経理作業の大幅な時間短縮が可能になります。
請求書作成スマホアプリの選び方
スマホアプリで請求書を作成するためには、自社に合ったアプリを選ぶことが重要です。
自分の業務スタイルに合った機能を確認する
まず、請求書作成アプリにはさまざまな機能が備わっていますが、自分の業務に合った機能が搭載されているかを確認することが大切です。例えば、頻繁に請求書を送る場合は、テンプレート機能や定期請求書の作成機能が便利です。また、クライアント情報の管理機能や自動計算機能もチェックポイントです。
試用期間があるか、無料で利用できるかどうか
請求書作成アプリの中には、無料の試用期間があるものがあります。実際に使用してみて、アプリの使い勝手や機能の種類を確認することができます。また、無料版と有料版を比較し、自社のニーズに合った適切なプランを選びましょう。初期費用や月額料金だけでなく、機能の拡張性や将来的なコスト増加の可能性も考慮に入れる必要があります。多くのアプリは無料トライアル期間を設けているので、実際に使用してみてから判断するのも良い方法です。
セキュリティ対策
請求書には重要な取引情報や個人情報が含まれるため、セキュリティ対策は必須です。データの暗号化やクラウドバックアップ機能を備えたアプリを選ぶことで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。また、二段階認証などのセキュリティ機能が搭載されているアプリも安心です。
クラウド連携や同期ができるか
スマホとPCの両方で請求書を管理したい場合、クラウド連携と同期機能は非常に重要です。クラウドストレージサービスとの連携や、複数デバイス間でのデータ同期機能があるアプリを選ぶことで、いつでもどこでも最新の請求書データにアクセスできます。例えば、GoogleドライブやDropboxとの連携機能があるアプリは、データのバックアップや共有が容易になります。
カスタマイズはどうか
業種や取引内容によって、必要な請求書の形式や項目は異なります。そのため、自社のニーズに合わせてカスタマイズできるアプリを選ぶことが重要です。ロゴの追加、項目の追加・削除、レイアウトの変更などができるアプリを選べば、自社のブランドイメージに合った請求書を作成できます。
インボイス制度に対応しているか
2023年10月から導入されたインボイス制度に対応しているアプリを選ぶことが重要です。登録番号の記載や適格請求書の作成機能があるアプリを選ぶことで、法令遵守と業務効率化を両立できます。将来的な制度変更にも柔軟に対応できるよう、定期的なアップデートが行われているアプリを選ぶのも良いでしょう。
サポート体制はどうか
アプリの使用中に問題が発生した場合、迅速なサポートが受けられるか確認します。カスタマーサポートの質や対応時間、問い合わせ方法などを確認し、充実したサポート体制があるアプリを選ぶことで、トラブル時も安心して利用できます。FAQやヘルプセンター、チャットサポートなどが充実しているアプリは、使用中の疑問点をすぐに解決できるでしょう。
ユーザーレビューと評判
口コミやユーザーの声は、アプリを選ぶ上で貴重な情報源となります。App StoreやGoogle Playのレビューを確認し、多くのユーザーから高評価を得ているアプリを選ぶことで、信頼性の高いアプリを見つけることができます。ただし、レビューの中には偏った意見や古い情報も含まれる可能性があるので、複数の情報源を参考にすることが大切です。
データのエクスポート機能
将来的にアプリを変更する可能性も考慮し、データのエクスポート機能があるアプリを選ぶことをおすすめします。CSV、Excel、PDFなど、複数の形式でデータをエクスポートできるアプリを選ぶことで、他のシステムへの移行や長期的なデータ保管が容易になります。これにより、アプリの変更やシステムの更新時にも、過去のデータを失うリスクを軽減できます。
多言語・多通貨対応
海外取引のある企業や、今後海外展開を考えている企業にとっては、多言語・多通貨対応のアプリを選ぶことが重要です。複数の言語で請求書を作成でき、異なる通貨での金額表示や為替レートの自動計算機能があるアプリを選ぶことで、国際的なビジネスにも対応できます。これにより、海外クライアントとのスムーズなコミュニケーションと正確な請求書作成が可能になります。
アプリ以外の方法で請求書を作成したい場合
請求書作成アプリは便利ですが、状況によってはアプリ以外の方法を選択することもあります。ここでは、アプリを使用せずに請求書を作成する方法について詳しく解説します。
エクセルやGoogleスプレッドシートを活用する
エクセルやGoogleスプレッドシートを使用して請求書を作成する方法は、依然として人気があります。これらのツールは馴染み深く、柔軟性が高いという利点があります。
Microsoft Excel(エクセル)は、請求書作成に広く利用されているツールです。
エクセルの利点は、複雑な計算式を組み込むことができ、大量の請求書を効率的に管理できる点です。また、データの並べ替えや検索も簡単に行うことができ、必要な情報を素早く抽出することが可能です。
Googleスプレッドシートでも同様の機能を提供しつつ、クラウドベースのサービスならではの利点を持っています。インターネットに接続できる環境であれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなど、どのデバイスからでも請求書データにアクセスできます。加えて、クラウド上で作業するため、複数人で同時に編集することもでき、チームでの作業も効率的に行えます。
クラウド型会計ソフトを活用する
請求書作成を効率的に行うために、クラウド型会計ソフトを活用するという方法もあります。クラウド型会計ソフトとは、インターネット上で提供される会計ソフトのことです。これらのソフトは、PCやスマホアプリを通じて利用でき、データはクラウド上に保存されます。そのため、デバイスや場所に関係なく、どこからでもアクセスできるのが特徴です。
クラウド型会計ソフトは、財務管理と一体化した請求書作成が可能です。
クラウド型会計ソフトの中でも特におすすめなのが「マネーフォワードクラウド請求書」です。このソフトは、請求書の作成だけでなく、請求書の送付、保管まで一元管理でき、経理業務全般をサポートしてくれるため、手間やコストを大幅に削減でき業務効率化が実現します。
手書きで請求書を作成する
デジタルツールを使用せず、手書きで請求書を作成する方法もあります。小規模事業者やフリーランス、個人事業主の中には、この方法を好む方もいます。
手書きの請求書は、個人的な温かみがあり、クライアントとの関係性を重視するビジネスでは効果的な場合があります。ただし、正確性と読みやすさに注意を払う必要があります。
請求書作成代行サービスを利用する
時間や労力を節約したい場合、請求書作成を外部に委託する選択肢もあります。会計事務所や専門の請求書作成代行サービスを利用することで、正確で専門的な請求書を効率的に作成できます。
このサービスを利用することで、請求書作成に関わる時間を他の重要な業務に充てることができ、事業の生産性向上につながります。ただし、コストがかかるため、費用対効果を十分に検討する必要があります。
PCで請求書作成をした方がよいケース
請求書作成アプリは便利ですが、状況によってはパソコンでの作成が適している場合があります。以下に、PCで請求書を作成した方が良いケースを詳しく解説します。
大量の請求書を一括作成する場合
多数の取引先に一度に請求書を発行する必要がある場合、PCの方が効率的です。エクセルやアクセスなどのデータベースソフトを使用することで、大量のデータを一括処理できます。これにより、時間の節約だけでなく、入力ミスも減らすことができます。
複雑な計算や多数の品目を含む場合
建設業や製造業など、多岐にわたる品目や複雑な計算を含む請求書を作成する必要がある場合、PCでの作業が効率的です。
PCでの請求書作成は、スマホアプリと比べて画面が大きく、詳細な情報を一覧できるため、複雑な計算や多数の品目を扱う際には便利です。また、PC上の請求書作成ソフトウェアは、計算機能が充実しているものが多く、税率の計算や割引率の適用など、複雑な計算もスムーズに行えます。
例えば、建築業やリフォーム業など、一つのプロジェクトで多数の材料や作業を請求する必要がある場合、それぞれの品目の単価と数量、そしてそれらの合計を正確に計算する必要があります。このような場合、PCでの請求書作成は、間違いを防ぎ、効率的な作業を可能にします。
特に、エクセルなどの表計算ソフトを使用すれば、複雑な計算式や関数を活用して、正確かつ効率的に請求書を作成できます。
カスタマイズされたデザインが必要な場合
企業ブランディングに合わせた高度なデザインカスタマイズが必要な場合、PCの方が柔軟に対応できます。イラストレーターやInDesignなどのデザインソフトを使用することで、プロフェッショナルな見た目の請求書を作成できます。
大規模な事業者や法人向けの請求書作成
大企業や官公庁向けの請求書は、特定のフォーマットや詳細な情報が要求されることがあります。このような場合、PCでの作成が適しています。ワードやエクセルを使用することで、細かい要求に対応し、必要に応じて修正や調整を行うことができます。
過去のデータとの連携や分析が必要な場合
請求書のデータを過去の記録と連携させたり、詳細な分析を行う必要がある場合、PCでの作成が有利です。エクセルやアクセスを使用することで、
- 過去の請求データとの比較
- 売上傾向の分析
- 顧客ごとの購買パターンの把握
などが可能になります。これにより、経営判断に役立つ情報を得ることができます。
セキュリティ要件が厳しい場合
取り扱う情報が機密性の高いものである場合、PCでの作成の方が安全性を確保しやすいです。社内のセキュリティポリシーに沿ったソフトウェアを使用し、暗号化やアクセス制限を設けることで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。
他のシステムとの連携が必要な場合
請求書データを会計ソフトや在庫管理システムなど、他のビジネスシステムと連携させる必要がある場合、PCでの作成が有利です。多くの業務用ソフトウェアはPC向けに開発されており、データの互換性や連携機能が充実しています。
請求書の無料テンプレート-インボイス対応あり
請求書を効率的に作成するには、テンプレートを活用すると便利です。
2023年10月から施行されたインボイス制度により、多くの事業者が新たな形式の請求書作成に取り組む必要が生じました。
この変更に対応するため、様々な種類のテンプレート(エクセル)を無料で提供しています。
以下より、ダウンロードいただき、事業にご活用ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
バックオフィス業務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
出精値引きとは?活用メリットや法律違反になるケースを解説
出精値引きとは、売り手が買い手に対して提供する割引のひとつです。出精値引きは一般的な値引きとは異なり、取引の基礎となる契約などに基づいた割引のため、事前に合意された基準や条件に沿って計算される特徴があります。 本記事では、出精値引きの正しい…
詳しくみる【一人親方向け】人工代の請求書はどう作る?テンプレをもとに書き方を解説
この記事を読むことで、一人親方が人工代の請求書を正確かつ効率的に作成する方法を理解できます。具体的な記載項目や各項目の書き方、インボイス制度に基づく適格請求書の要件も詳しく解説しています。 また、請求書作成時に注意すべき点や効率化のためのツ…
詳しくみる工事見積書とは?無料テンプレートをもとに書き方や各費用を解説
工事見積書とは、工事内容と費用を明示した文書で、発注者と施工者間との工事に関する共通の理解を構築するために大変重要です。両者の認識を一致させ、トラブルを未然に防ぐ役割を果たします。この記事では、工事見積書の基本的な知識から作成方法まで、幅広…
詳しくみる見積書を英語で言うと?便利なフレーズや英語での見積書の書き方を紹介
見積書は英語で「Estimate」や「Quotation」と表現します。この記事では、これら2つの英単語の使い分けや、英語での見積書作成の方法を紹介します。また、英語で見積書の作成を依頼したり、提出したりする際に必要なフレーズも紹介します。…
詳しくみる領収書は自作でも良い?無料フォーマット・テンプレートや書き方を解説
領収書の無料フォーマット・テンプレート領収書とは、商品やサービスの代金が支払われ、その支払いが受け取られたことを証明する書類です。領収書を発行する際には、収入印紙の必要性や印鑑の使用、宛名の記載など、様々な点に注意が必要です。 この記事では…
詳しくみる工事見積書における諸経費の相場は?費用内訳の具体例や計算方法、書き方を紹介
諸経費とは、工事や建設現場で発生する様々な間接的な費用のことです。工事を行う上で、直接的な工事費用(材料費、外注費、労務費など)以外にも、さまざまな間接的な経費がかかります。諸経費の相場はおおよそ5%から10%と言われています。この記事では…
詳しくみる