• 作成日 : 2024年7月19日

「御見積書」と「見積書」のどちらが適切?メールや送付状に記載する際のポイントを解説

この記事では、「御見積書」と「見積書」のどちらを使用すべきかについて詳しく解説します。ビジネスシーンでの適切な表現方法を知ることで、顧客や取引先に対する印象を向上させることができます。

結論として、一部の状況では「御見積書」が適切ですが、多くの場合では「見積書」で十分です。これから、具体的な使用場面や注意点についても取り上げます。

「御見積書」と「見積書」のどちらを使うべき?

「御見積書」と「見積書」は同じ書類を指す表現ですが、ニュアンスにわずかな違いがあります。どちらの表現が適しているかは取引相手や状況によって異なるので、表現のニュアンスを正確におさえておきましょう。

「御見積書」と「見積書」の違いとは?

「御見積書」と「見積書」の違いは、主に丁寧さにあります。「御見積書」は「御」を付けることで、相手に対する敬意を示す表現です。

一方、「見積書」は一般的に使われる書類名で、特に特定の相手に対して丁寧さを強調しない場合に使用されます。

ビジネスシーンにおける適切な表現は?

ビジネスシーンにおいて、どちらを使うかは相手や状況によって異なります。新規顧客や重要な取引先に送る場合や、初めてのやり取りの場合は「御見積書」を使うことで、相手に対する敬意を強調することができます。

逆に、長期間の取引関係がある場合や、内部でのやり取りの場合には「見積書」で問題ないでしょう。

社内ルールやマナーとして統一されているケースも

企業によっては、「御見積書」か「見積書」のどちらかを統一して使用するよう社内ルールやマナーが決められている場合があります。自社のルールやマナーに従い、適切な表記を選びましょう。

また、ポリシーがない場合でも、統一感を持たせることは重要です。顧客や取引先に一貫したメッセージを伝えることができるでしょう。

関連する法律や規制の影響

建設業の場合、見積書や御見積書の発行は建設業法20条2項により義務づけられています。しかし、見積書、御見積書どちらを使えば良いかに関しては法的な規制やガイドラインは存在しないため、表記についての選択は企業の裁量に委ねられます。

ただし、書類による取引や契約は法的な効力を持つため、内容に誤りがないように注意が必要です。特に建設法で定められた、金額や条件に関する部分は正確に記載し、必要に応じて確認を取ることが大切です。

「御」をつける人が増えた背景

日本では古くから敬語文化が浸透しており、ビジネスシーンでも敬意を示すことが求められるシーンは少なくありません。「御見積書」のように「御」を付けることで、相手に対する敬意や感謝の気持ちを表現しています。

ビジネス文書においては、取引先や顧客に対して敬意を表すために「御」を付ける習慣が広まったと考えられます。

現代のビジネスシーンにおいては、単に業務を効率的にこなすだけでなく、信頼関係の構築が重要です。このため、メールや文書の表現においても礼儀を重んじるケースは多いでしょう。新入社員研修では、ビジネスマナーとして「御」をつける表現が正式なものとして教えられることもあります。

メールや送付状ではどう表記すべき?

ビジネスマナーを重視する場合

ビジネスマナーを重視する場合、「御見積書」と表記するのが一般的です。特にお客様への敬意を示すためには、「御」をつけることで丁寧な印象を与えることができます。

メールや送付状の本文では、次のように記載します。

例:「御見積書を添付しておりますので、ご確認ください。」

このように記載することで、受け手に丁寧な対応を示すことができます。また、相手方の企業文化や過去のやり取りの慣例に従って適宜変更することも重要です。

カジュアルなビジネス環境の場合

カジュアルなビジネス環境や、取引先と既に信頼関係が築かれている場合は、「見積書」と表記しても問題ありません。

この場合のメールや送付状の本文では、次のように記載します。

例:「見積書を添付しましたので、ご確認お願いいたします。」

カジュアルな表現が適している場合、ビジネスの円滑さを重視し、過度な形式にこだわらない方が良いです。

内部関係者への送付場合

社内の同僚や上司など、内部関係者への送付であれば、「見積書」と表記する方が一般的です。これは内部コミュニケーションで、過度に形式ばらないためです。

この場合のメールや送付状の本文では、次のように記載します。

例:「見積書を添付しました。ご確認ください。」

社内コミュニケーションでは、実務重視の表現が適しています。時間の効率化や円滑なコミュニケーションのためにも適切です。

注意点

メールや文書内で「御見積書」と「見積書」を混在させないことが重要です。統一感のない表記は受け手に対して注意力が散漫な企業である印象を与える可能性があります。

また、受け手の立場や関係性を考慮して適切に使い分けることが重要です。相手のビジネス文化や慣習に合わせることで、スムーズなコミュニケーションが図れます。

会話ではどう表現すべき?

ビジネスシーンでの会話例

ビジネスシーンで「御見積書」と「見積書」をどちら使用すべきかは、相手との関係性や場面によって異なります。例えば、初対面の取引先や重要なクライアントに対しては、より丁寧な言葉遣いが求められます。

例1: 初対面の取引先との会話

「こちらが御見積書でございます。ご確認いただけますでしょうか?」

初対面の取引先には、丁寧さを重視した表現が重要です。「御見積書」と言うことで、相手に対する敬意を示せます。

例2: 親しい取引先との会話

「見積書をお送りしますね。」

親しい取引先とのやり取りでは、相手が形式にこだわらない場合、シンプルな表現でも問題ありません。相手がリラックスして話しやすくなります。

社内での会話例

社内での会話の場合、シンプルに見積書と表現するといいでしょう。

例1: 上司への報告

「先ほど見積書をクライアントに送付しました。」

見積書を御見積書と表記するのは、取引先に対して敬意を表するためです。同じ会社にいる上司に見積書を発行するわけではないので、報告する際は見積書と伝えて問題ありません。

例2: 同僚とのやり取り

「見積書の件、確認してくれた?」

同僚とのやり取りでは、簡潔で親しみやすい表現が適しています。具体的な業務の進捗を把握するためには、無駄な敬語を省くことが有効です。

カジュアルなシーンでの会話例

カジュアルなシーンでは、相手との関係性に応じた自然な言葉遣いが求められます。友人や家族とビジネス関連の話題になったときには、特に丁寧な表現は必要ありません。

例1: 友人への説明

「今見積書を作ってるとこなんだ。」

友人に対しては、無理にビジネス用語を使う必要はありません。「見積書」と言えば、相手にすぐに理解してもらえます。

例2: 家族との会話

「今日、お客様に見積書を渡したよ。」

家族に対しても簡潔な表現が適しています。家庭内での会話では、無駄に丁寧な言葉遣いを避けることで自然なコミュニケーションが取れます。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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