• 更新日 : 2024年7月29日

プライバシーポリシーのひな形と書き方!個人サイトでの注意点を解説

プライバシーポリシー(個人情報保護方針)とは、企業や個人が運営するウェブサイトで、利用者のプライバシー保護に関する取り組みを示した文書です。この記事では、プライバシーポリシーの基本的な情報や法的な意味、ひな形やテンプレートの活用方法、書き方のポイントなどを詳しく説明します。

また、プライバシーポリシーを作成する際の準備、掲載場所、個人サイトへの掲載時の注意点についても解説しているので、参考にしてください。

プライバシーポリシーとは?

プライバシーポリシー(個人情報保護方針)とは、企業や組織が個人情報をどのように取り扱うかを明示した文書のことを指します。これには、ウェブサイトなどのネットサービスでユーザーから取得した個人情報をどのように収集・利用・管理するのか、といった内容が記載されています。

プライバシーポリシーを設置することで、利用者に対して企業の姿勢を明確に示すことができます。

プライバシーポリシーの役割

プライバシーポリシーには主に以下のような重要な役割があります。

利用者の信頼を獲得する

プライバシーポリシーを適切に定めることで、ウェブサイトやアプリの利用者に対して、事業者がプライバシー保護に真剣に取り組んでいることを示すことができます。これにより利用者の信頼を得られ、ひいては事業の発展にもつながるでしょう。

法的責任を果たす

個人情報保護法をはじめとするプライバシー関連法規に基づき、適切にプライバシーポリシーを定めることで、法的責任を果たすことができます。これにより、トラブルを回避し、企業イメージの低下を防ぐことが可能です。

事業者の姿勢を明確にする

プライバシーポリシーには、個人情報の取り扱いに関する事業者の姿勢が明確に示されます。このため、利用者に対して事業者の考え方を正確に伝えることができ、利用者の理解を深めることにもつながります。

プライバシーポリシーの対象となる情報は?

プライバシーポリシーの対象となる情報には、以下のようなものがあります。

  1. 個人情報:特定の個人を識別できる情報
    • 氏名
    • 住所
    • 電話番号
    • メールアドレス
    • 生年月日
    • 性別
    • 職業
    • 家族構成
    • 健康状態
    • 購買履歴
    • 位置情報 など
  2. 特記情報:個人の機微に触れる情報
    • 人種、民族
    • 思想、信仰
    • 犯罪歴
    • 病歴
    • 性的嗜好 など
  3. 行動履歴:個人の行動に関する情報
    • Webサイトの閲覧履歴
    • SNSの投稿履歴
    • 検索履歴
    • 購買履歴 など

このように、プライバシーポリシーの対象となる情報は、個人を特定できる情報全般に及びます。適切にプライバシーを保護するためには、これらの情報をどのように取り扱うかを明確にする必要があります。

プライバシーポリシーの掲載は義務?

プライバシーポリシーの掲載は、法律で直接的に義務付けられているわけではありません。

しかし、個人情報を取り扱う事業者には、以下のことが個人情報保護法で義務付けられています。

  • 個人情報の利用目的を本人に伝えること
  • 個人データの開示や訂正の手続きを公表すること

これらの義務を果たすための最も適切な手段が、プライバシーポリシーをウェブサイトに掲載することです。

利用者の個人情報を取得する機会が全くないのであれば、プライバシーポリシーを掲載する必要はありませんが、事業を行う上では必ずや個人情報を取得する機会があるでしょう。

したがって、事業活動の一環としてウェブサイトを運営する場合には、実質的にプライバシーポリシーを掲載する義務があるといえます。

プライバシーポリシーのひな形、テンプレート

プライバシーポリシー(個人情報保護方針)の作成にあたっては、必須内容を記載しているひな形やテンプレートの利用が便利です。

以下のページからプライバシーポリシーのテンプレートを無料でダウンロードいただけます。事業者の方針に合わせて調整のうえ、ぜひ活用してください。

ひな形をもとにしたプライバシーポリシーの書き方

プライバシーポリシーの記載事項

プライバシーポリシーへの記載が必須の事項は、以下のとおりです。

  • 事業者情報:法人名、住所、代表者の氏名など、事業者の基本情報を記載します。
  • 個人情報の取得方法:どのような場面(手段)で利用者の個人情報を取得するのかを記載します。お問い合わせフォームやコメントの送信時に個人情報を取得する旨を記載するのが一般的です。
  • 利用目的:取得した個人情報をどのような目的で利用するかを具体的に記載します。例えば、商品の発送や案内、お問い合わせへの返信、メールマガジンの配信などが考えられます。
  • 個人データの安全管理措置:保有する個人データを漏えい、滅失、毀損から守り、安全に管理するために、どのような措置をとるのかを具体的に記載します。例えば、セキュリティシステムの導入や管理状態の定期的な点検、取扱規程の策定、社内研修の実施などが挙げられます。
  • 個人データの共同利用:個人データを第三者に提供するためには原則として本人の同意が必要ですが、グループ企業などで一定の要件を満たす場合には、本人の同意なしで共同利用することが認められます。個人データを共同利用する場合は、その旨と、共同利用される個人データの項目、共同利用する者の範囲、利用目的、個人データの管理責任者の氏名または名称と住所を記載します。
  • 個人データの第三者提供:個人データは、法令に基づき開示を求められた場合にも、本人の同意なしに第三者へ提供することが可能です。プライバシーポリシーには、法令に定めのある場合を除いて、本人の同意なしに個人データを第三者に提供することはない旨を記載します。
  • 開示・訂正・利用停止の手続き:利用者には、自身の個人データの開示や訂正、利用停止を求める権利があります。そこで、プライバシーポリシーには利用者が個人データの開示、訂正、利用停止を請求するための手続きを具体的に記載します。
  • 連絡先:個人データの取り扱いに関する相談や苦情の連絡先を明記します。事業者の氏名または名称、住所、連絡先を記載しますが、連絡先にはお問い合わせフォームを指定しても構いません。
  • 制定日・改定日:プライバシーポリシーの制定日や最終改定日を記載します。

プライバシーポリシーの書き方のポイント

わかりやすい表現を心がける

プライバシーポリシーを読むのは、一般のユーザーです。読み手が理解しやすいように、専門用語の使用は避けて、わかりやすい表現を心がけましょう。最後まで読んでもらうためには、文章を簡潔にまとめることも大切です。

法令に違反する内容がないか確認する

プライバシーポリシーは、個人情報保護法をはじめとするプライバシー関連法規に基づく事業者の法的責任を果たすために作成するものです。法令に違反する内容を含んでいると損害賠償などの法的問題が発生するおそれがあるので、関連法規の内容を正しく理解してプライバシーポリシーを作成することが重要となります。

免責事項にも触れる

免責事項は個人情報保護法で表示が義務付けられているものではありませんが、企業や個人のウェブサイトには掲載しておいた方がよいでしょう。免責事項とは、当該サイトが発信した情報などにより利用者に何らかの不利益が生じたとしても、事業者は責任を負わない旨を確認するための項目です。プライバシーポリシーが長くなる場合などでは、免責事項を別に作成して掲載しても構いません。

著作権や肖像権にも触れる

利用者の個人情報に関わるものではありませんが、著作権や肖像権に関する事項もプライバシーポリシーで記載するのが一般的です。当該サイトで公開した文章や画像などのコンテンツの著作権や肖像権はサイト運営者に帰属し、無断での転載や転用を禁止する旨を記載します。これにより、コンテンツの盗用を防止する一定の効果が期待できます。

リンクフリーの旨を記載する

利用者が当該サイトのリンクを外部サイトやSNSに貼ることを認める場合は、その旨をプライバシーポリシーに記載しましょう。リンクを認めることで当該サイトへのアクセスが増加し、ひいては業績の向上が期待できます。ただし、悪用されるおそれもあるので、自社にとって好ましくないサイト等へのリンク設置は禁止する旨を付記した方がよいでしょう。

SSLセキュリティやCookieの取り扱いにも触れる

SSLセキュリティは、インターネット上のデータ通信を暗号化することで、利用者の個人情報を守ることに役立つ仕組みです。昨今のウェブサイトの大半はSSL化されていますが、当該サイトをSSL化していることを明記することで、利用者に安心感を与えることができます。

Cookieは、利用者が当該サイトに訪問した情報をブラウザ上に保存する仕組みです。ウェブサイトを運営する際は、アクセス解析や広告配信などを効率的に行うためにCookieを利用するのが一般的となっています。ただし、利用者からみると、Cookieによって個人データが把握されるのではないかというおそれも抱くことがあります。そのため、プライバシーポリシーに、Cookieを利用していることと、どのような目的でCookieを利用するのか、Cookieによって個人を特定するものではないこと、利用者においてCookieを無効にできることなどを記載しておきましょう。

匿名加工情報の取り扱い

匿名加工情報は、取得した個人情報を、特定の個人を識別することができないように加工し、復元できないようにしたデータのことです。匿名加工情報を作成・使用する場合は、匿名加工の方法と、そのデータの利用目的を説明する必要があります。

プライバシーポリシーのサイト上の掲載場所

プライバシーポリシーは、ウェブサイトの利用者が容易にアクセスできる場所に掲載しなければ、個人情報保護法等に基づく法的責任を果たしたことになりません。そのため、ウェブサイトのトップページからワンクリックでアクセスできるようにすべきです。一般的には、下記のような場所にプライバシーポリシーのリンクを設置します。

  • フッター:ウェブサイトのフッター(ページの最下部)には、プライバシーポリシーへのリンクを設置することが多いです。これは、どのページからでもアクセス可能であるため、利用者にとって便利です。
  • ヘッダーメニュー:ヘッダーメニュー(ページの最上部)にプライバシーポリシーへのリンクを設置することもあります。これは、目立つ位置にあるため、利用者がすぐに見つけられます。
  • アカウント作成・ログインページ:アカウントを作成する際やログインする際に、プライバシーポリシーへのリンクを表示することもあります。これは、個人情報を提供する前に、利用者がプライバシーポリシーを確認できるようにするためです。
  • お問い合わせフォーム:お問い合わせフォームの近くにもプライバシーポリシーへのリンクを設置することがあります。これは、利用者が個人情報を送信する前に、どのようにその情報が取り扱われるかを理解できるようにするためです。

プライバシーポリシーを個人サイトに掲載する際の注意点

個人事業主の方が、自身のウェブサイトにプライバシーポリシーを掲載する際には、いくつかの点に注意が必要です。

  • 事業者情報の記載方法
    個人事業主の場合、屋号があったとしても個人の氏名を記載する必要があります。また、個人の住所や連絡先情報も適切に記載しましょう。オフィスがなく、自宅の住所や連絡先を公開したくない場合は、レンタルオフィスやバーチャルオフィスを利用するのもひとつの方法です。
  • 個人情報の取り扱い
    個人事業主であっても、事業のために個人情報を取得・利用する以上は個人情報取扱事業者に該当します。したがって、個人情報の取り扱いについては企業と同等の法的責任を果たさなければなりません。企業と比べ、個人事業主の取り扱う個人情報は限定的かもしれませんが、法令に則り適切に管理・保護する姿勢を示す必要があります。
  • 第三者提供の有無
    第三者提供の有無についても、企業と同等の対応が求められます。企業のように複雑な第三者提供はないかもしれませんが、そのことを明記しておくことが重要です。
  • 個人情報の開示等の手続き
    個人情報の開示等の手続きについても、企業と同等の対応を記載する必要があります。企業ほど複雑ではないかもしれませんが、請求方法や手数料の有無などは明確に示さなければなりません。

このように、個人サイトにプライバシーポリシーを掲載する際にも、個人情報保護法などの関連法規の内容を正しく理解して記載する必要があります。利用者にわかりやすく、かつ法令を遵守した内容となるよう、十分ご注意ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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