- 更新日 : 2024年7月17日
建設業向け工程表アプリとは?利用メリットや選び方、各OS対応のおすすめサービスを紹介
工程表アプリとは、スマホやタブレットで手軽に使える工事現場の工程表を管理するアプリです。建設現場の進捗管理や工程管理、写真・図面管理、日報作成などがアプリ上で簡単に行えます。
この記事では、おすすめの工程表アプリを紹介するほか、アプリの選び方のポイントも詳しく解説していきます。一人親方や小規模会社など、現場管理に悩む方々にぜひ参考にしていただきたい内容となっています。
工程表アプリとは?
工程表アプリとは、工事現場や建設業でのプロジェクト管理を助けるためのアプリケーションのことです。工事の工程を時系列で把握し、進捗状況を一目で確認できます。
工程表アプリは、スマホやタブレットから簡単に工程表を作成でき、リアルタイムに情報の共有や更新ができるため、場所を問わずにスムーズなやり取りができるのが特徴です。
さらに、現場の監督と職人とのコミュニケーションを1つのアプリで行えるため、業務報告の漏れを防ぐこともできます。
工程表アプリの主な機能
工程表アプリには、主に以下のような機能が備わっています。
- 工程管理:工事の全体像を視覚化し、各タスクがどのように連動しているかを一目で確認することができます。また、工事の進行状況をリアルタイムで追跡し、遅延や問題が発生した場合にすぐに対応することが可能です。
- 写真管理:現場の写真を撮影して保管・管理することができます。施工状況や施工経過などを記録するために必要です。
- 情報共有: 現場と事務所の担当者が工程表データを共有したり、一緒に編集したりすることができます。そのため、スムーズに情報を共有できるようになります。
- 図面管理:工事現場で使用する図面データの閲覧や保管をする機能です。
- チャット機能:手軽にコミュニケーションをとることができます。一対一だけではなく、複数人と同時にやりとりすることが可能になります。
- 帳票作成・請求管理など:日報の作成や、請求書の管理など、業務の効率化に役立つ機能を備えているものもあります。
工程表アプリの特徴・メリット
工程表アプリを導入する主なメリットとして、下記の3点が挙げられます。
- スマホ・タブレットからリアルタイムに工程表を確認できる
- チャットでコミュニケーションを促進できる
- 工程表の作成時間を短縮できる
それぞれのポイントについて、詳しく見てみましょう。
スマホ・タブレットからリアルタイムに工程表を確認できる
工程表アプリは、パソコンだけではなくiPhoneやAndroidのスマートフォン、タブレットなどで利用できるものもあります。工程表アプリを導入すると、場所を問わず手軽に工程表を確認・更新できるようになります。
例えば、工事現場の作業員は現場でスマホを使って、その日の作業内容や進捗状況を入力することができます。一方、事務所にいる担当者はパソコンから、リアルタイムに現場の情報を確認できるのです。
このように、どこにいてもプロジェクトの進行状況を把握し、必要な対応を行うことができます。
チャットでコミュニケーションを促進できる
アプリ内にチャット機能がある場合、アプリを通したコミュニケーションを促進することができます。これにより、プロジェクト全体の生産性を高めることにもつながります。
チャットの履歴を記録しておけば、後々の振り返りや分析にも活用できるでしょう。関係者全員が同じ情報を共有できるので、業務報告の漏れを防ぐこともできます。
もし、作業上の問題が生じた場合でも、素早く情報共有して迅速に対応することが可能になります。
工程表の作成時間を短縮できる
アプリ上で工程表を作成・更新できるため、手書きで書いたり、手作業で入力・計算したりする手間を減らすことができます。事務作業の効率化が図れるため、現場での生産性向上にもつながります。
工程表アプリのデメリット
程表アプリを導入するデメリットとしては、下記の3点に気をつけると良いでしょう。
- 通信環境に依存する
- 慣れるまでに時間がかかる
- 月額料金がかかる
こちらも、それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
通信環境に依存する
アプリを使って工程表を共有・確認するためには、常にインターネット接続が必要です。そのため、現場での通信環境が悪い場合、スムーズな情報共有ができないという課題があります。
慣れるまでに時間がかかる
新しいアプリを使いこなすためには、その操作方法を学ぶ必要があります。工程表アプリの機能は豊富なため、十分活用するには一定の学習時間が必要となります。
月額料金がかかる
クラウド型のアプリは、初期費用は比較的低いものの、ユーザー数や利用期間に応じて月額料金が発生します。大規模なプロジェクトを抱える企業では、長期的に見ればコストがかさむ可能性があります。
おすすめの工程表アプリ8選(無料あり)
建築業・建設業などの現場管理に活用できる、おすすめの工程表アプリをご紹介します。
KANNA(カンナ)
KANNAは、初期費用無料で利用できます。工事現場の施工管理、製造業、物流業の工場や物品管理、プロジェクトの進捗状況など、ありとあらゆる現場の情報を見える化し、クラウドでまとめて管理することができます。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 初期費用:0円 月額:プランにより変わる |
対応OS |
|
運営会社 | 株式会社アルダグラム |
現場ポケット
現場ポケットは、建設・塗装・リフォーム現場に特化したコミュニケーションアプリです。初期費用が無料で利用でき、最大2ヶ月間無料で利用できるお試し期間があります。
その日の作業内容を瞬時に記録できるワンタッチ日報機能や、工事現場の写真をトークに投稿するだけで、自動的にアルバムに集約される機能があります。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 初期費用:0円 月額:13,200円 |
対応OS |
|
運営会社 | 株式会社アステックペイント |
現場Plus
現場Plusは、コストパフォーマンスと使いやすい操作性で高評価を集めている施工管理アプリです。住宅会社や工務店向けのアプリで、月々約1万円から利用することができます。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 60IDまで:月額11,000円 |
対応OS |
|
運営会社 | 株式会社ダイテック |
Photoruction(フォトラクション)
Photoruction(フォトラクション)は、工務店やリフォーム会社向けの施工管理システムです。Excelをベースにした誰でも使いやすいデザインが魅力です。住宅会社や工務店向けのアプリで、月々1万円から利用することができます。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 30日間無料体験 月額3,980円~ |
対応OS |
|
運営会社 | 株式会社フォトラクション |
AnyONE(エニワン)
AnyONE(エニワン)は、約150,000件のプロジェクトに導入された実績があり、1人親方から大手のゼネコン会社にも採用されています。特に写真の整理・活用に強みがあります。また、タスクを見える化し一元管理や、通知機能もあるため、確認漏れを防ぐこともできます。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 要問い合わせ |
対応OS |
|
運営会社 | エニワン株式会社 |
スパイダープラス
スパイダープラスは、大量の図面管理や工事写真の撮影・管理をタブレット一つで実現することができます。あらゆる現場業務を一気通貫でカバーしている製品です。国内1,800社以上の会社の導入実績があります。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | サーバー初期設定費用:44,000円 1IDにつき月額3,300円 |
対応OS |
|
運営会社 | スパイダープラス株式会社 |
ダンドリワーク
ダンドリワークは、現場経験者が開発したあらゆる施工現場に必要な機能を網羅したアプリです。
利用社数80,000社以上に導入された実績があります。機能の特徴としては、工程表機能は、ガントチャート・横断工程表・カレンダー式工程表の3種類が利用できます。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 初期費用:200,000円〜 月額:19,800円〜 |
対応OS |
|
運営会社 | 株式会社ダンドリワーク |
Kizuku (キヅク)
Kizuku (キヅク)は、見やすさ・作成のしやすさにこだわった工程表アプリです。
アプリ上のグループトークを使って、現場の職人たちが工程の進捗状況やメッセージ、写真、図面、報告書などをアップロードできます。これによって、現場の詳細な進捗状況を一目で確認できるようになります。
主な機能 |
|
---|---|
基本プラン | 初期費用:110,000円 月額:22,000円〜 |
対応OS |
|
運営会社 | コムテックス株式会社 |
工程表アプリの選び方
使いやすいか
直感的に操作できるか、使いやすさに注目しましょう。無料トライアルやデモを試してみると良いでしょう。
利用したい機能が備わっているか
自社に必要な機能が全て揃っているか確認しましょう。例えば、以下のような機能が必要かどうかを検討しましょう。
- 工程管理: 工程の進捗状況を可視化できる機能
- 写真・図面管理: 現場の写真や設計図面を一元管理する機能
- 日報作成: 作業内容や進捗状況を日報として記録・共有する機能
- リマインダー: 期限や重要な工程をリマインドしてくれる機能
- チャット機能: 現場と事務所でリアルタイムにコミュニケーションが取れる機能
- 帳票出力: 請求書や納品書などの帳票を出力する機能
利用しない機能が多数あると、かえって使いづらくなる可能性があります。必要最小限の機能を備えたアプリを見つけることが重要です。
また、将来的な業務の拡大も見据えて、機能の拡張性や柔軟性も考慮するとよいでしょう。
iPhoneやAndroidに対応しているか
ほとんどの方が、日常的にスマートフォンを利用しています。工程表アプリを選ぶ際は、iPhoneやAndroidのスマホに対応しているかどうかをチェックしましょう。
もし、iPhoneのみに対応しているアプリや、Androidのみに対応しているアプリでは、一部の従業員しか使えない可能性があります。建設現場では、従業員それぞれが異なるスマホを使っていることも考えられるため、iPhoneとAndroidの両方に対応しているアプリを選ぶのが理想的です。
これなら、現場の作業員全員が自身の端末で利用できるようになり、情報共有も円滑に行えるでしょう。
サポート体制が充実しているか
工程表アプリを選ぶ際は、サポート体制も確認しましょう。実際に利用していく中で何か問題が生じた際に、ユーザーサポート窓口の有無や、サポート時間、障害発生時の対応体制など、アプリ提供会社の体制を確認しておく必要があります。
適切なセキュリティ対策が取られているか
工程表アプリを選ぶ際には、セキュリティ対策が適切に行われているかを確認することも重要です。工程表には、工事の詳細な情報や工事関係者の個人情報など、機密性の高いデータが含まれる可能性があります。
そのため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えるセキュリティ対策が不可欠です。アプリのアクセス制限や、二段階認証に対応しているかも確認しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
バックオフィス業務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
注文書とは?必要なケースや書き方をテンプレつきで紹介
注文書とは、商品やサービスの購入意思を示すために発行される書類です。注文書には、注文者情報や受注者情報、商品・サービスの詳細などを記載するため、双方の合意に基づいた取引を証明する役割があります。 この記事では、注文書の概要や注文書を発行する…
詳しくみるフリーランス新法とは?建設業界における対象者や求められる対応を解説
フリーランス新法とは、個人で企業などから業務の委託を受けて働くフリーランスの労働環境を整備するために新設された法律です。フリーランス新法が施行されると、建設業もその適用対象となります。 本記事では、フリーランス新法の概要や、建設業界における…
詳しくみる建設業法とは?ルールや該当工事をわかりやすく解説
建設業法とは、建設業に関する多くのルールを定めた法律です。この法律は、建設業者の資質向上、請負契約の適正化といった目的を持っています。 この記事では、建設業法の基本的な内容から対象範囲、該当しない工事、主なルールをわかりやすく解説します。ま…
詳しくみるエクセルで間取り図を無料作成する方法は?セル設定のコツや見やすい図を作るポイントを解説
間取り図とは、建物内部のスペースの配置を平面的に示した図面のことで、家を建てる際の設計や、お客様への提案資料として活用できます。無料のツールを使えば、コストを抑えつつ効率的に間取り図を作成できます。 この記事では、間取り図を作成する方法や見…
詳しくみるタイムスケジュール表とは?無料テンプレートやアプリの紹介【建設業界向け】
タイムスケジュール表とは、時間と行動を組み合わせて一定の計画を立てることを指します。特に一人親方や建設業に従事する方々にとって、プロジェクトの進捗管理や日々の業務スケジュールを明確に管理することは、業務の効率化と品質の維持に直結します。この…
詳しくみる発注内示書とは?作成するメリットや書き方、注意点を解説
建設業における発注内示書は、発注書を送付する前に建設工事の発注を予定していることを伝えるための書類です。 この記事では、建設業における発注内示書の概念や書き方、さらに実務上のポイントについて詳しく解説します。 内示書とは? 内示書とは、発注…
詳しくみる