• 更新日 : 2025年8月21日

京都で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用などを解説

京都府で事業を営む方々、日々の経理業務に追われ、本業に集中できないと感じることはないでしょうか。人材の確保や、インボイス制度電子帳簿保存法といった度重なる法改正への対応は、特に中小企業や個人事業主にとって大きな負担となりがちです。

こうした課題を解決し、事業成長を後押しするのが「経理代行サービス」です。本記事では、京都府で経理代行の利用を検討している方に向けて、サービスの対応範囲から料金相場、メリット、注意点、そして自社に最適なパートナーを見つけるための選び方のポイントまでを分かりやすく解説します。

京都で経理代行を依頼できる税理士事務所や会計事務所

京都府の事業者が経理代行サービスの利用を検討している場合、税理士事務所や会計事務所に相談が可能です。

マネーフォワード クラウドの税理士検索ページで都道府県を「京都」に絞り、得意分野の「経理代行」にチェックを入れて検索すると、以下のような事務所が経理代行サービスを提供しています。

京都府に拠点がない税理士事務所であっても、国内であれば全国対応している事務所もあります。経理代行サービスを提供しており、全国対応が可能な主な事務所は、以下の通りです。

また、税理士や公認会計士と連携して、経理代行サービスを提供している会社もあります。経理代行サービスの利用を検討している場合は、このような事務所・会社に相談すると良いでしょう。

京都における経理代行サービスの料金相場(目安)

京都府に限らず、経理代行サービスの料金は、依頼する業務の範囲や企業の規模によって大きく異なります。ここでは、経理代行を依頼する際の一般的な料金体系をご紹介します。

記載した料金はあくまで一般的な目安です。実際の料金は、仕訳件数、従業員数、訪問の有無、使用する会計ソフトの種類、年末調整や各種申告業務を含むか否かなど、多くの条件によって変動します。

また、会計処理の複雑さが料金に影響を与えることもあります。例えば京都府では、国際的な観光業や先端技術産業、伝統産業といった多様なビジネスが共存しています。こうした業種特有の業務として、インバウンド需要に伴う会計処理や、研究開発費の管理などは、一般的な経理処理よりも工数がかかり、料金設定に影響を与える可能性があります。

依頼内容料金相場の目安
記帳代行月額5,000円~30,000円程度。「1仕訳あたり50円~100円」の従量課金制や、両者の組み合わせなど料金体系はさまざまです。料金は主に月々の仕訳数によって変動しますが、その他にも領収書などの資料の整理状況や、クラウド会計ソフトとのAPI連携の有無といった条件で上下します。
給与計算、年末調整基本料金(月額10,000円~)に従業員単価(1名あたり500円~2,000円)が加算されるのが一般的です。料金は、勤怠データの集計方法(手作業かシステム連携か)、給与明細の発行方法(紙か電子か)、賞与計算の回数などによって変動します。 年末調整は別途オプション料金となり、基本料金(10,000円~)に従業員単価(1名あたり2,000円~3,000円程度)が加算されるのが一般的です。
請求書処理代行1件あたり500円~2,000円程度。請求書の発行や封入・発送を代行するサービスです。この単価は、毎月の発行件数や郵送代行の有無によって変動します。さらに、売掛金の入金消込や未入金時の督促業務まで含める場合には、業務の難易度に応じて1件あたり3,000円程度になることもあります。
月次決算代行月額15,000円~50,000円程度。記帳代行とセットで依頼されることが多く、月次試算表や簡単な経営状況レポートの作成などが主な業務範囲です。報告の形式(オンラインか対面か)やレポートの詳細度、仕訳数によって価格帯が変動します。
決算申告年額150,000円前後が目安。料金は、企業の売上規模、取引の複雑さ、消費税の申告方式、契約形態(月次顧問かスポットか)といった要素で変動します。小規模は120,000円程度から、規模が大きければ200,000円を超えることもあります。料金の決め方として「月額顧問料の4~6ヶ月分」が目安になることも多いです。

経理代行サービスとは?

経理代行とは、企業の経理業務を外部の専門家へ委託できるサービスです。経理担当者を自社で雇用するのではなく、必要な業務を必要な分だけアウトソーシングできるため、特に中小企業やスタートアップ、個人事業主にとって柔軟で効率的な経営体制を築くための強力なパートナーとなり得ます。

業務範囲は日々の記帳や給与計算、会社法に基づく決算書作成の補助、年末調整の事務処理支援まで多岐にわたります。ただし、税理士の独占業務である税務申告書の作成は含まれず、年末調整などの最終責任は委託元の会社が負う点に注意が必要です。

記帳代行との違い

経理代行と混同されやすいサービスに「記帳代行」があります。経理代行と記帳代行の主な違いは、その業務範囲の広さにあります。「記帳代行」が証憑の整理から会計ソフトへの入力までを指すのに対し、「経理代行」はそれに加えて請求書の発行や支払管理、売掛金の回収管理といった業務までをカバーします。

つまり、記帳代行は経理代行という大きな枠組みの一部と位置づけることができるでしょう。

税理士の独占業務と注意点

税務申告書の作成・税務代理・税務相談は、税理士の独占業務です(税理士法第2条)。税理士でない者は、有償・無償を問わず、これらの業務を「業として」(反復継続する意思をもって)行うことは法律で禁じられています(同法第52条)。

一方で、納税者本人が自分で申告書を作成・提出することは何ら問題ありません。重要なのは、税理士以外の第三者が、本人に代わって「業として」これらの業務を行えないという点です。 このため、経理代行会社が申告業務まで請け負う際は、提携する税理士と連携して対応するのが一般的です。

出典:税理士法 | e-Gov 法令検索

経理代行の主なサービス対応範囲

経理代行サービスは、企業のニーズに合わせてさまざまな業務を依頼できます。一般的なサービス範囲は以下の通りです。

記帳業務

「記帳業務」とは、売上や経費の支払い、預金通帳の入出金といった、日々の事業活動におけるすべてのお金の動きを、簿記のルールに従って会計帳簿に記録していく作業です。

法人は、法律に基づき会計帳簿を作成し、一定期間保存することが義務付けられています。また、主に個人事業主が対象となりますが、青色申告の特別控除を受けるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 65万円控除:複式簿記での記帳、貸借対照表(B/S)・損益計算書(P/L)の添付、期限内申告に加え「e-Taxによる電子申告」または「優良な電子帳簿保存」のいずれかを満たす
  • 55万円控除:上記の電子申告・電子帳簿保存の要件を満たさないが、複式簿記など基本的な要件は満たす
  • 10万円控除:上記の要件に満たない青色申告者

この業務には簿記の専門知識が不可欠です。もし社内に経理知識を持つ人材がいない場合、既存の従業員を教育するか、新たに経験者を採用する必要がありますが、それには時間もコストもかかります。

経理代行サービスに記帳業務を委託すれば、そうした負担を解消できます。企業側は、クラウドシステムやスキャンを通じて領収書や請求書などのデータを提供します。専門家はそれに基づき経理処理を行いますが、取引内容に不明な点があれば、都度確認のやり取りが発生します。 正確な経理処理のためには、依頼者側の協力も不可欠です。

給与計算

役員報酬や従業員への給与支払いは、毎月決まった時期に必ず発生する重要な業務です。給与計算を正しく行うためには、所得税や住民税源泉徴収社会保険料(健康保険・厚生年金)、労働保険料雇用保険・労災保険)の計算など、税務から労務まで幅広い知識が求められます。

経理代行サービスを利用する場合、タイムカードなどの勤怠データや従業員の扶養情報などを提供することで、これらの複雑な計算をすべて任せることが可能です。多くのサービスでは毎月の給与明細書の作成まで対応可能ですが、基本プランに含まれずオプション扱いとなる場合もあるため、契約前に確認が必要です。

年末調整

従業員を雇用している事業主には、毎月の給与から所得税を天引きして国に納める「源泉徴収」の義務があります。そして年に一度、1年間の給与総額に対する本来の所得税額を確定させ、源泉徴収してきた合計額との差額を精算する手続きが「年末調整」です。

年末調整では、従業員から回収した「扶養控除等申告書」や「保険料控除申告書」などの書類に基づき、一人ひとりの控除額を反映させて正確な年税額を算出しなければなりません。 経理代行サービスに依頼すれば、これらの煩雑な書類のチェックから税額計算、過不足額の精算まで、年末に集中しがちな業務をまとめて代行してもらえます。

決算・申告業務

法人は事業年度ごとに、個人事業主は暦年ごとに、その期間の経営成績と財政状態をまとめた「決算書」を作成し、それに基づいて税額を計算して税務署に「確定申告」を行う必要があります。決算・申告業務は、簿記の知識に加えて法人税法や消費税法といった専門的な税務知識が不可欠であり、事業者自身で行うには非常にハードルが高い業務と言えます。

日頃から記帳代行を依頼していれば、そのデータをもとにスムーズに決算・申告の準備を進めることが可能です。報酬を得て他人の申告書を作成・提出することは税理士の独占業務であるため、経理代行会社は提携する税理士と連携して対応するのが一般的です。記帳は代行会社、最終的な申告は税理士という役割分担になります。

経理代行サービスを利用するメリット

経理代行サービスを導入することで、具体的にどのようなメリットが得られるのかを確認していきましょう。

1. コア業務への集中と生産性の向上

経理代行サービスを導入することで、請求書の発行や経費精算、記帳といった経理業務から解放されます。その結果、経営者は本来注力すべき事業戦略の策定や営業活動といったコア業務に時間とリソースを集中できます。

例えば、月次決算が早期化すれば経営判断のスピードが上がり、経理担当者を雇用する人件費と比較してコストを抑えられるなど、企業全体の生産性向上が期待できます。

2. 経理担当者の採用・育成コストの削減

経理担当者を一人雇用する場合、給与や社会保険料だけでなく、求人広告費や教育・研修費用など、多くのコストが発生します。理代行を利用すれば、これらのコスト削減につながる可能性があります。特に、経理担当者の採用が難しい地域や、業務量の変動が大きい場合に有効です。

3. 専門家による高品質で正確な経理処理

経理代行サービスを提供する業者は、経理・会計の専門家です。専門知識と豊富な経験に基づき、正確で質の高い経理処理が期待できます。人為的なミスを防ぎ、月次決算などを通じて自社の経営状況を正確かつ迅速に把握できるようになるでしょう。

4. 複雑な法改正へのスムーズな対応

近年、インボイス制度や電子帳簿保存法など、経理・税務に関する法改正が頻繁に行われています。これらの最新情報に自社だけで対応し続けるのは大きな負担です。経理の専門家である代行業者に任せることで、法改正へ迅速・適切に対応しやすくなり、申告誤りなどによる追徴課税のリスクを低減できます。

経理代行サービスを利用する際の注意点

多くのメリットがある一方で、経理代行の利用にはいくつかの注意点も存在します。契約後に後悔しないためにも、以下のポイントを事前に確認しておきましょう。

1. 情報漏洩のリスク

経理業務を委託するということは、売上や経費、取引先情報といった企業の機密情報を外部に渡すことになります。これらの情報には、売上や原価といった経営の根幹をなす数字から、取引先との契約内容、従業員の給与といった極めて繊細なデータまで含まれます。

万が一これらの情報が外部に漏洩すれば、直接的な金銭被害だけでなく、社会的な信用の失墜や競争上の不利につながる深刻な事態に発展しかねません。

2. 丸投げによる社内ノウハウの空洞化

経理業務をすべて「丸投げ」してしまうと、社内に経理に関する知識やノウハウが蓄積されにくくなる可能性があります。将来的に経理部門を内製化したいと考えている場合は、業者と連携し、業務フローを可視化してもらうなど、情報共有の仕組みを整えておくことが重要です。

3. コミュニケーションの重要性と業務範囲の明確化

円滑に業務を進めるためには、代行業者との定期的なコミュニケーションが不可欠です。報告・連絡・相談のルールを事前に決めておきましょう。また、「どこからどこまでの業務を依頼するのか」という業務範囲を契約前に明確に定義しておくことで、「やってもらえると思っていた業務が範囲外だった」といったトラブルを防ぐことができます。

自社に合った経理代行サービスの選び方

自社の成長を共に支えてくれる最適なパートナーを見つけるために、以下の視点でサービスを比較検討しましょう。

1. 自社の依頼目的と業務範囲を明確にする

まず、なぜ経理代行を導入したいのか、目的を整理することが重要です。単に日々の記帳を効率化したいのか、それとも専門的な原価計算や、補助金・助成金の申請までサポートしてほしいのか。自社の業種特性(製造業、IT、小売・サービス業、物流業など)と合わせて、「依頼したい業務のゴール」を明確にすることで、必要なサービスを提供してくれる業者を的確に絞り込めます。

2. 地域・産業特性への理解度を確認する

京都府は、多様な産業が独自の文化と共に発展している都市のため、自社のビジネス領域に深い知見を持つパートナーを選ぶことが成功の鍵となります。

例えば、世界的な観光都市であることから、インバウンド需要の大きい宿泊業・飲食業における外貨建て取引や、海外OTA手数料の消費税処理(事業者向け電気通信利用役務の提供)などに精通しているかが重要です。また、任天堂や京セラといったグローバル企業を輩出したハイテク産業が集積しているため、研究開発費の会計処理や国際税務に関する知見も求められます。

さらに、西陣織や京友禅といった伝統産業では、材料の評価や在庫管理に特殊な配慮が必要となる場合があります。数多くの大学が集まる学生の街として、大学発ベンチャーの会計支援に強いことも重要なポイントです。

もちろん、これらはエリア特性に応じた代表例であり、実際に求められるスキルは、個々の企業の規模や上場・非上場の別などによって異なります。

3. 料金体系の透明性と費用対効果を見極める

必ず複数の業者から見積もりを取り、サービス内容と料金のバランスを慎重に比較しましょう。「月額〇円~」といった表示だけでなく、仕訳数や従業員数に応じた追加料金の有無、決算料が別途必要なのかなど、料金体系の細部まで確認することが大切です。単に安いだけでなく、自社が得られるメリットとの費用対効果で判断しましょう。

4. セキュリティ対策の信頼性を評価する

世界的なハイテク企業が持つ最先端の技術情報、国内外から訪れる観光客の膨大な個人情報、伝統産業が守り続ける意匠や製造ノウハウなど、京都の企業が扱う情報には極めて高い機密性が求められます。「プライバシーマーク(Pマーク)」や「ISMS(ISO27001)」認証の有無は、客観的な判断材料になります。

あわせて、これらの認証の有無だけでなく、通信・データの暗号化といった技術的な対策、担当者へのセキュリティ教育、そして契約書に盛り込まれる機密保持契約の具体的な内容までを直接確認し、総合的に評価することが大切です。

まとめ

本記事では、京都府で経理代行サービスの利用を検討している経営者や担当者の方に向けて、サービスの対応範囲から料金相場、メリット、注意点、そして自社に最適なパートナーを見つけるための選び方のポイントまでを解説しました。

経理代行は、単なる業務の外注ではありません。煩雑な経理業務から解放され、貴重な経営資源をコア業務に集中させるための戦略的なパートナーです。 自社の課題を明確にし、本記事でご紹介したポイントを参考に、ぜひ貴社に最適な経理代行サービスを見つけて、事業のさらなる発展にお役立てください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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