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正しく理解していますか?消費税の仕入税額控除を徹底解説!

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消費税とは、商品の購入やサービスを受けたときの支払いに対して課税される間接税です。最終的には消費者が負担しますが、生産や流通の段階でも支払いが生じるたびに課税されます。日本における消費税の制度は「多段階累積控除型」と呼ばれる構造になっています。生産から流通まで、それぞれの段階で売買価格に対して消費税が発生します。生産の途中段階にある企業にとっては、消費税は最終的な消費者が支払う分を預かっている、という状況であり、預かった消費税は、課税事業者の要件を満たしていれば納付する義務があります。

消費税の仕入税額控除とは

課税事業者が納付する消費税額は、支払いを受けて預かった消費税額と同じではありません。仕入などで支払いをした際に課税された消費税額を預かった額から差し引いたものになります。これが仕入税額控除です。免税事業者は仕入税額控除を適用することはできません。

仕入税額控除を行うのは、生産や流通の段階で支払いが行われるたびに発生する消費税の累積を解消するためです。したがって、他の税で行われる税額控除とは性格が異なります。納税に対する優遇措置や特典ではないからです。消費税の仕入税額控除は、生産や流通の段階で消費税が受け渡されるための転嫁手続きに必要なものなのです。

消費税の仕入税額控除の仕組み

仕入税額控除の仕組みについて以下のケースで具体的に見ていきましょう。

ある商品が、Aという工場で原料の生産が行われ、Bという加工工場を経て、Cという販売店によって売られてた場合
Aから1,000円でBに売られ、Bからは1,200円でCに売られ、最終的にCは1,500円で消費者に販売していたとする


消費税の流れ

Aは1,000円でBに対して売るので、販売価格は1,080円となり、80円の消費税を受け取ります。Aは生産者なので、受け取った80円の消費税を納付する義務があります。

Bは1,200円でCに対して売るので、販売価格は1,296円となり、96円の消費税を受け取ります。Bはすでに80円の消費税を支払っているので、Bが納付しなければならない消費税は16円となります。

Cは1,500円で消費者に対して売るので、販売価格は1,620円となり、120円の消費税を受け取ります。Cはすでに96円の消費税を支払っているので、Cが納付しなければならない消費税は24円となります。

Aの納付すべき消費税80円と、Bの16円、Cの24円を足すと、120円となり、これは消費者がCに対して支払った消費税の額と一致します。

すなわち、消費者が支払った120の消費税をA、B、Cのそれぞれが、仕入れに対して自社が付けた分の付加価値に相当する消費税額を負担しながら、納付する責務を負う、という構造になっているのです。

消費税の仕入控除の対象

サービスの提供を受けたり、事業に関する資産の購入や借り受けをした場合を課税仕入といいます。仕入税額控除とは、この課税仕入を差し引くことです。

課税仕入には以下のようなものがあります。

1.原材料の購入
2.棚卸資産(商品など)の購入
3.修繕費
4.外注費
5.事業用資産(機械、建物、車両、器具備品など)の購入・賃借
6.水道光熱費、通信費、広告宣伝費、接待交際費、厚生費など
7.消耗品、事務用品などの購入

なお、事業として提供される人材派遣料や加工賃などサービスに対する支払いには消費税が課税されるので、課税仕入に当たります。給与は消費税の課税対象外なので、課税仕入には含まれません。

消費税の仕入税額控除の計算方法

仕入税額控除の計算方法は、次の条件で異なります。

・課税対象となる期間中の課税売上高が5億円以下で課税売上割合が95%以上ある場合
課税売上の消費税額から課税仕入の消費税額の全額を控除します。

・課税対象となる期間中の課税売上高が5億円を超えるか、または課税売上割合が95%未満の場合
課税売上に対応する部分のみから課税仕入の消費税額を控除します。

控除の計算方法には個別対応方式と一括比例配分方式があります。

課税売上割合とは、課税対象となる期間中の課税売上高(税抜き)を課税期間中の総売上高(税抜き)で割った値です。

個別対応方式と一括比例配分方式

課税売上に対応する部分のみから課税仕入の消費税額を控除する計算方法には2種類あります。なお、課税期間が平成24年4月1日以降になるものは、課税売上割合が95%以上であっても課税対象となる期間中の課税売上高が5億円を超えた場合には全額控除にはならず、個別対応方式と一括比例配分方式のいずれかを選ぶことになります。

個別対応方式

課税期間中の仕入に課税された消費税額を以下の3つに区分します。

1.課税売上に対応する課税仕入の消費税額
2.非課税売上に対応する課税仕入の消費税額
3.課税売上と非課税売上に共通して対応する課税仕入の消費税額

この区分をもとに、次の計算式で仕入控除の税額を求めます。

仕入税額控除の金額=〔課税売上に対応する課税仕入の消費税額〕+(〔課税売上と非課税売上に共通して対応する課税仕入の消費税額〕×課税売上割合)

一括比例配分方式

課税期間中の課税仕入の消費税額が個別対応方式のようには区分されない場合や、区分されても選択によって、一括比例配分方式を適用できます。計算式は次のとおりです。

仕入税額控除の金額=課税仕入にかかった消費税額×課税売上割合

なお、一括比例配分方式から個別対応方式への変更は、2年以上の継続適用後でなければできないという制約があります。

簡易課税制度

消費税の納付税額の計算では、実際の課税仕入などの税額を計算する必要のない簡易課税制度が設けられています。

この制度の適用を受けるには、課税期間の前々年・前々事業年度の課税売上高が5000万円以下という条件を満たしていることと、事前に届出書を提出する必要があります。

この制度では、業種ごとに一定の割合の仕入率を適用し、これをもとに仕入税額控除の計算をします。業種の区分や計算方法については、「消費税の納税はどっちがオトク?!簡易課税と原則課税の違い/」を参照ください。



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