- 更新日 : 2025年6月27日
北海道で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用感を解説
北海道の事業者が経理代行サービスを利用したいと考えている場合、税理士事務所や会計事務所に相談すると良いでしょう。経理代行サービスの対応範囲は、記帳業務や給与計算、年末調整などの業務です。事業者は、アウトソーシングしたい業務のみを依頼することができます。
この記事では、北海道で経理代行サービスを利用する際の主な依頼先や、依頼すべきタイミング、具体的に依頼できる業務などを解説します。
目次
北海道で経理代行を依頼できる税理士事務所や会計事務所
北海道の事業者が経理代行サービスの利用を検討している場合、税理士事務所や会計事務所に相談が可能です。
マネーフォワード クラウドの税理士検索ページで都道府県を「北海道」に絞り、得意分野の「経理代行」にチェックを入れて検索すると、以下のような事務所が経理代行サービスを提供しています。
北海道に拠点がない税理士事務所であっても、国内であれば全国対応している事務所もあります。経理代行サービスを提供しており、全国対応が可能な主な事務所は、以下の通りです。
また、税理士や公認会計士と連携して、経理代行サービスを提供している会社もあります。経理代行サービスの利用を検討している場合は、このような事務所・会社に相談すると良いでしょう。
経理代行サービスの対応範囲
経理代行サービスの対応範囲はサービスによって異なりますが、大きく「記帳業務」「給与計算」「年末調整」「決算書申告」に分けられます。
それぞれどのような業務を代行してくれるのか、詳しく見ていきましょう。
記帳業務
売上や仕入、預貯金の動きや経費の支払いなど、日々の営業取引を簿記手順に基づき帳簿に記入する業務を「記帳業務」といいます。青色申告をしている法人や個人事業者であれば、複式簿記による会計処理を行わなければなりません。
記帳業務には複式簿記の基礎知識が必要です。雇用している従業員に簿記の知識がなければ習得させるか、あるいは簿記の知識をもった従業員を新たに雇用する必要があります。
教育にかかるコストや時間、新規に雇用する従業員にかかるコストなどを総合勘案した結果、外部の経理代行サービスに業務委託したほうが有利と判断する場合もあるでしょう。
経理代行サービスでは、請求書や領収書、通帳などの書類を提供すると、仕訳の起票、総勘定元帳や売掛帳など帳簿などへの転記、月次決算である試算表の作成までを代行します。
給与計算
役員や従業員に対する役員報酬や給与は毎月発生するので、その都度計算しなければなりません。給与計算には社会保険や労働保険、所得税や住民税などさまざまな知識が必要です。
そこで、毎月のタイムカードなどの勤怠情報や扶養親族の情報を経理代行サービスに提供して、給与計算の代行を依頼します。
年末調整
会社が従業員を雇用し給与を支払っている場合、会社には源泉徴収義務が生じます。年末調整は、給与から源泉徴収した所得税の精算業務であり、大事な経理業務の一つです。
年末調整では、年間の給与支払額にかかる資料(賃金台帳など)と、従業員が記入した「扶養控除等申告書」「生命保険料控除申告書」「基礎控除等申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除等申告書」の3つをあわせて提出します。
経理代行サービスでは、これらの書類をもとに従業員一人一人の正確な所得税(年税額)を計算し、源泉徴収した所得税の過不足を精算します。
決算書申告
会社は年に一回「確定申告書」を作成し、税務署に提出しなければなりません。決算には簿記の知識に加えて専門的な税法の知識も必要です。そのため一般の方が自ら決算を行うのはハードルが高い業務です。
経理代行サービスに月次の記帳業務を委託しているのであれば、決算業務までをあわせて委託可能です。決算書の作成から、申告書の作成、納付税額の計算までが代行されます。
北海道における経理代行サービスの相場
北海道の事業者が経理代行を依頼する際の相場は、依頼する業務範囲や企業の規模、そして取引量(仕訳数)によって変動します。どこまでの業務を委託するかによって料金が大きく変わるため、複数の事務所から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較するようにしましょう。
それぞれの業務の相場感を詳しく見ていきましょう。
記帳代行
記帳代行のみを依頼する場合、個人事業主や小規模な法人であれば、月額1万円~3万円程度が一般的な相場観です。サービスによっては仕訳数に応じてプランが変わることもあります。
目安としての相場感は、下記のとおりです。
プラン | 料金相場(月額) | 備考 |
---|---|---|
仕訳数ベース | 50仕訳まで:5,000円~10,000円 | 1仕訳あたり100円~200円が目安。 |
100仕訳まで:10,000円~20,000円 | 領収書の整理状況が悪い(丸投げ)場合は、追加料金が発生することがあります。 | |
300仕訳まで:30,000円~50,000円 | 特になし。 | |
月額固定 | 10,000円~30,000円 | 比較的小規模な事業者向け。 |
給与計算、年末調整
記帳代行に加えて給与計算も依頼する場合は、従業員数に応じて料金が加算されます。基本料金に従業員1名あたり月額1,000円~2,000円程度が上乗せされることが多く、相場を下記の表にまとめました。
プラン内訳 | 料金相場(月額) |
---|---|
基本料金 | 5,000円~10,000円 |
従業員1名あたり | 500円~1,500円 |
例:従業員10名の場合 基本料金10,000円 + (1,000円 × 10名) = 20,000円(月額)
年末調整は別途料金となる場合が多く、基本料金20,000円~ + 従業員1名あたり2,000円~が相場です。
決算申告
決算申告を依頼する場合は、月額顧問料の4~6ヶ月分程度の決算料が発生することが多く、企業規模に応じて金額が変わります。
企業規模(年間売上高) | 料金相場(年額・スポット) |
---|---|
~1,000万円 | 100,000円~200,000円 |
1,000万円~3,000万円 | 150,000円~250,000円 |
3,000万円~5,000万円 | 200,000円~300,000円 |
5,000万円~1億円 | 250,000円~400,000円 |
これは記帳代行とは別の料金です。月々の記帳代行を依頼している場合は、割引が適用されることが一般的です。
4. その他オプション業務
また、オプションとして「振込・支払代行」や「請求書発行代行」などを行っているサービスもあります。
業務内容 | 料金相場 |
振込・支払代行 | 10件まで:月額5,000円~10,000円 |
請求書発行代行 | 10件まで:月額5,000円~10,000円 |
訪問・打ち合わせ | 1回あたり:10,000円~30,000円 + 交通費 |
自社に合った経理代行サービスの選び方
北海道で経理代行サービスを探す際、自社に合ったサービスを見つけるためには下記3つのポイントを意識すると良いでしょう。
- 依頼したい業務範囲が合っているか
- 料金体系は適切か
- 円滑にコミュニケーションを取れるか
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
依頼したい業務範囲が合っているか
経理代行サービスを選ぶ際は、まず自社の経理において「何に困っていて、どこまで任せたいのか」を明確にしましょう。課題と依頼範囲を整理することで、必要なサービスを提供してくれるサービスかどうか判断しやすくなります。
たとえば「日々の入力作業から解放されたい」と考えている場合は、記帳代行がメインのサービスで十分でしょう。しかし、「税務申告までお願いしたい」と考えている場合は、税理士事務所や税理士法人が運営する経理代行サービスが最適です。
提供されているサービス内容は、サービスによって様々です。「基本プラン」に含まれる業務と、「オプション」となる業務をしっかり確認し、自社のニーズと合致しているか比較するようにしましょう。
料金体系は適切か
料金体系とサービス内容に納得感があるかも確認しておきましょう。
経理代行の料金体系は主に「月額固定制」と「従量課金制」に分かれます。
- 月額固定制:毎月一定の料金で、決められた範囲の業務を依頼できます。予算が立てやすいのがメリットです。
- 従量課金制:仕訳数や業務量に応じて料金が変動します。事業規模が小さい、または依頼する業務量が月によって変動する場合に適しています。
ここで注意したいのは、「料金の安さ」だけで判断しないことです。一見安く見えても、基本プランに含まれる業務が少なく、必要な業務をオプションで追加していくと、結果的に高額になってしまうケースもあります。
必ず複数の会社から見積もりを取り、その料金でどの業務を代行してくれるのか確認しましょう。追加料金が発生するケースも確認した上で、自社の事業規模や業務量に対して適切な金額かどうか判断します。
円滑にコミュニケーションを取れるか
経理は会社のお金に関わる重要な業務であるため、担当者との円滑なコミュニケーションが不可欠です。
サービスを選ぶ際は、自社が希望するコミュニケーション手段(訪問、オンライン会議、チャットなど)に対応しているか確認します。質問や相談に対する返信の速さや丁寧さなど、無料相談の段階で担当者の対応も確認すると良いでしょう。
北海道の事業者であれば、対面での相談を重視するかどうかも考慮しなくてはなりません。札幌市内だけでなく、旭川、函館、帯広、釧路など、自社の事業所からアクセスしやすい場所に拠点があるかを確認しましょう。
また、北海道の主要産業(農業、漁業、観光業、建設業など)に精通した担当者であれば、業界特有の会計処理や商習慣を理解した上でアドバイスをしてくれるかもしれません。地元の金融機関との連携や、北海道で活用できる補助金・助成金といった情報提供も、サービスを選ぶ上で考慮したいポイントです。
オンラインサービスを利用するメリットは?
経理代行サービスを提供している事務所の中には、全国的にオンラインで完結するサービスを提供しているところもあります。
オンラインで完結する経理代行サービスを利用する最大のメリットは、地理的な制約がなくなることです。たとえば道東や道北の企業でも、特定の業界経験が豊富な札幌市の税理士事務所に経理代行を依頼できます。
訪問にかかる時間や交通費といったコストを削減できるだけでなく、選択肢が全国に広がることで、自社に最もマッチした専門家を見つけやすくなる利点もあります。
また、業務の効率化と迅速化も大きなメリットとなります。クラウド会計ソフトを介してデータを事務所と共有すれば、企業側がリアルタイムで業績を把握できます。領収書もスマートフォンで撮影してアップロードするだけで済むなど、書類の郵送にかかる手間やタイムラグが解消され、スピーディーな月次決算が可能になります。
経営判断の迅速化にも繋がり、変化の速い現代のビジネス環境に対応しやすくなるでしょう。
経理代行サービスを利用すべきタイミング
事業者が経理代行サービスの利用を検討すべきなのは、「経理人材が不足している」ことが課題となりそう、もしくは課題となってしまったタイミングです。
たとえば経理担当者がいない、または頻繁に退職してしまう場合は、経理代行サービスの利用がひとつの解決策になります。特に中小企業では、社長自身が経理を兼任していたり、従業員が他の業務と経理業務を兼任していたりすることも少なくありません。
他にも、経営者がコア業務に集中できていない場合や、事業の立ち上げ期で人手が足りていない場合なども、経理代行サービスを利用を検討するとよいでしょう。
専任の経理担当者を雇用するほどの余裕がなかったとしても、正確な会計処理は事業を運営する上で避けては通れません。必要な業務だけを比較的低コストで依頼できる経理代行は、事業基盤を固める上で重要なサービスになります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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