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  2. 会計の基礎知識
  3. 用度品とは?意味や消耗品・備品との違い、勘定科目を解説
  • 作成日 : 2026年10月28日

用度品とは?意味や消耗品・備品との違い、勘定科目を解説

監修:中野 裕哲(税理士,特定社会保険労務士,行政書士,ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士))
Point用度品とは何か?勘定科目は?

用度品とは業務で使う事務用品・消耗品などの管理上の総称で、独立した勘定科目はありません。

  • 会計処理は物品の性質・金額で判断
  • 文房具などは主に消耗品費で処理
  • 高額・長期使用品は固定資産になる場合も

Q. 用度品を購入したときの勘定科目は?
A. 少額の消耗品なら「消耗品費」、未使用在庫は「貯蔵品」、高額で長期使用するものは「工具器具備品」など、物品の性質と金額で選びます。

「用度品(ようどひん)」とは、企業や官公庁などが業務を行うために使用する事務用品や消耗品などをまとめて表す言葉です。税法や企業会計で全国一律の範囲が定められている勘定科目ではなく、組織によって対象となる物品が異なる場合があります。

用度品を購入したときは、「用度品」という勘定科目を使うのではなく、その物品の性質や金額、使用期間などに応じて「消耗品費」「事務用品費」「貯蔵品」「工具器具備品」などに分けて会計処理するのが一般的です。

本記事では、用度品とは何を指すのか、消耗品や備品との違い、経費にするときの勘定科目などを解説します。

目次

  • 用度品とは?
    • 用度品は業務で日常的に使う物品を指す
    • 用度品には文房具や事務用品などが含まれる
  • 用度品と消耗品・備品・事務用品は何が違う?
    • 用度品と消耗品の違い
    • 用度品と備品の違い
    • 用度品と事務用品の違い
  • 用度品を購入したときの勘定科目は?
    • 文房具などは「消耗品費」で処理する
    • 未使用の用度品は「貯蔵品」になる場合がある
    • 高額で長期間使う用度品は「工具器具備品」などで処理する
  • 用度品を購入したときの仕訳は?
    • 少額の用度品を購入した場合
    • 決算時に未使用の用度品を貯蔵品へ振り替える場合
  • 用度品の税務上の扱いで注意する点は?
    • 10万円未満なら原則として一時に費用処理できる
    • 2026年4月から中小企業者等の特例は40万円未満に拡大された
    • 用度品の購入は消費税の課税仕入れになることが多い
  • 用度品はどのように管理するとよい?
    • 用度品の範囲と勘定科目を社内で統一する
    • 決算時には未使用在庫も確認する
  • 用度品は物品管理上の名称と会計処理を分けて考えよう

用度品とは?

用度品とは、事業所や店舗などで日常業務に使用する事務用品・消耗品などの総称です。 文房具やコピー用紙、封筒、清掃用品などが代表例ですが、対象範囲について統一された会計上の定義があるわけではありません。

官公庁や企業では、物品購入や在庫管理を効率化するための管理上の区分として「用度品」という名称が使われるケースがあります。

用度品は業務で日常的に使う物品を指す

用度品は、日常的な業務を行うために購入・使用する物品をまとめて表す言葉です。ボールペン、ノート、コピー用紙、ファイル、封筒といった事務用品のほか、組織によっては清掃用品や包装資材なども用度品として扱います。

自治体の物品管理規則にも用度品という分類があります。たとえば那珂川市では、消耗品のうち各所属で使用する事務用品で、会計課がまとめて購入・管理するものを「用度品」と定義しています。

この例からも分かるように、「用度品」は物品そのものの性質だけではなく、購入・管理方法を表すために使われる場合があります。

参考:那珂川市物品規則|那珂川市

用度品には文房具や事務用品などが含まれる

企業で用度品と呼ばれるものには、文房具、事務用品、包装用品、店舗運営用品などがあります。コピー用紙やボールペンのように使用するにつれて消費されるものは、用度品の代表例です。店舗ではレジ袋や包装資材などを用度品と呼ぶ場合もあります。

机や椅子、パソコンなど長期間使用する物品まで社内の「用度品管理」の対象に含める企業もあります。その場合でも、会計処理まで同じになるとは限りません。

国税庁では、帳簿、文房具、用紙、包装紙などについて「消耗品費」の例として示しています。日常的な用度品の多くは、税務・会計上は消耗品として処理するケースが中心となります。

参考:消耗品費|国税庁

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用度品と消耗品・備品・事務用品は何が違う?

用度品と消耗品、備品、事務用品は重なる部分がありますが、同じ意味ではありません。 用度品は主に物品管理上の呼称であるのに対し、消耗品や備品は物品の性質や会計処理を判断するときにも使われます。

違いを整理すると、次のようになります。

用語 主な意味 例 会計上の扱いの例
用度品 業務用物品をまとめた管理上の呼称 文房具、コピー用紙、封筒など 消耗品費など
消耗品 使用に伴い消耗する物品 文房具、用紙、包装紙など 消耗品費
事務用品 事務作業で使用する物品 ペン、ノート、ファイルなど 消耗品費・事務用品費など
備品 一定期間継続して使用する物品 机、椅子、パソコンなど 消耗品費または工具器具備品など
貯蔵品 未使用の消耗品などを資産計上するときの科目 未使用の文房具、切手など 流動資産

用度品と消耗品の違い

用度品は管理対象となる物品の呼称であり、消耗品は使用によって消耗する物品を表すという違いがあります。会社がボールペンを「用度品」として一括購入していても、そのボールペンは物品の性質から見ると消耗品です。購入時の会計処理では「消耗品費」を使用できます。

法人税上も、事務用消耗品や作業用消耗品などについて、一定の条件のもとで購入した事業年度の損金として処理する取扱いがあります。

「用度品=独立した会計分類」と考えるのではなく、「社内では用度品として管理し、経理では消耗品費として処理する」という整理が分かりやすいでしょう。

用度品と備品の違い

用度品のうち長期間使用できる物品は、会計上「備品」に該当する場合があります。100円のボールペンと20万円のオフィス家具を会社がまとめて「用度品」と呼んでいたとしても、両者を同じ会計処理にするとは限りません。

取得価額が10万円未満の減価償却資産や使用可能期間が1年未満のものについては、一定の条件のもとで取得時に全額を費用処理できます。一方、それを超える机、椅子、パソコンなどは、原則として固定資産として計上し、耐用年数に応じて減価償却するケースがあります。

つまり、社内で「用度品」と呼んでいるかではなく、取得価額や使用期間などから税務処理を判断します。

用度品と事務用品の違い

事務用品は用度品に含まれることが多いものの、用度品のほうが広い意味で使われる場合があります。事務用品は、ペン、ノート、コピー用紙、ファイル、ホチキスなど、事務作業で使う物品を表します。一方、用度品には、事務用品だけでなく包装資材や店舗用消耗品などを含める組織もあります。

「用度品=事務用品」と完全に置き換えられるとは限りません。自社で用度品という名称を使う場合は、どこまでを対象とするのか社内規程などで明確にしておくと経理処理や在庫管理を統一しやすくなります。

用度品を購入したときの勘定科目は?

用度品専用の勘定科目を必ず使用する決まりはなく、購入した物品の性質に応じて勘定科目を選びます。 少額で短期間に消費する物品なら「消耗品費」、未使用在庫なら「貯蔵品」、長期間使用する高額な物品なら「工具器具備品」などが候補になります。

文房具などは「消耗品費」で処理する

コピー用紙やペン、ファイルなどの日常的な用度品は、「消耗品費」で処理する方法が一般的です。たとえば、事務所で使用するコピー用紙を5,500円で購入した場合、購入時に5,500円を消耗品費として計上します。

企業によっては「事務用品費」などの勘定科目を独自に設ける場合もあります。勘定科目名そのものよりも、同じ性質の取引を継続して同じ基準で処理できているかがポイントになります。

未使用の用度品は「貯蔵品」になる場合がある

購入した用度品が決算時点で未使用のまま大量に残っている場合は、「貯蔵品」として資産計上する場合があります。会計では、原則として使用した時点で費用となるため、まだ使用していない物品をすべて当期の費用とすると期間損益が適切に表れないケースがあります。

ただし、事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料などについて、毎期おおむね一定量を購入し、経常的に消費しており、継続して購入時に費用処理している場合には、その方法が税務上認められています。

したがって、期末にペンが数本残っているだけで必ず貯蔵品へ振り替えるわけではありません。金額や在庫量、継続的な処理方法を踏まえて判断します。

高額で長期間使う用度品は「工具器具備品」などで処理する

パソコンやオフィス家具など長期間使用する物品は、社内で用度品と呼んでいても固定資産として扱う場合があります。一般的な税務処理では、取得価額10万円未満または使用可能期間1年未満の減価償却資産は、一定の条件のもとで取得時に全額を費用にできます。10万円以上20万円未満であれば、一括償却資産として3年間で均等に費用化する方法もあります。

さらに一定の中小企業者等については、2026年4月1日以後に取得した40万円未満の減価償却資産について、年間合計300万円まで即時に損金算入できる特例があります。

参考:令和8年度法人税関係法令の改正の概要|国税庁

用度品を購入したときの仕訳は?

用度品の仕訳は、購入時に費用とするのか、資産として管理するのかによって変わります。 通常の文房具などであれば消耗品費として処理できますが、決算時に多額の未使用分が残っている場合には貯蔵品への振替を検討します。

ここでは、税込経理をしている会社が現金で購入した例で見ていきます。

少額の用度品を購入した場合

すぐに使用する少額の用度品なら、購入時に「消耗品費」として費用計上できます。

たとえば、コピー用紙やボールペンなど11,000円分を購入し、現金で支払った場合は次のように仕訳します。

借方 貸方
消耗品費 11,000円 現金 11,000円

「事務用品費」という科目を設定している会社であれば、消耗品費ではなく事務用品費を使用しても構いません。社内の経理ルールに合わせ、継続して処理することが基本です。

決算時に未使用の用度品を貯蔵品へ振り替える場合

決算時に未使用の用度品を資産として残す場合は、消耗品費から「貯蔵品」へ振り替えます。

たとえば、期中に消耗品費として計上した事務用品のうち、決算時点で30,000円分が未使用だった場合は、次のような決算整理仕訳を行います。

借方 貸方
貯蔵品 30,000円 消耗品費 30,000円

これにより、まだ使っていない30,000円分は当期の費用から除かれ、貸借対照表上の資産として翌期へ繰り越されます。

経常的に購入・消費する少額の事務用消耗品などは、一定の条件を満たせば購入時に費用処理する継続的な方法も認められています。

用度品の税務上の扱いで注意する点は?

用度品という名称だけでは税務処理を決められません。 消耗品なのか減価償却資産なのか、取得価額はいくらか、購入した年度中に使用したのかといった条件から判断します。

10万円未満なら原則として一時に費用処理できる

取得価額が10万円未満、または使用可能期間が1年未満の減価償却資産は、一定の条件のもとで事業に使用した年・事業年度に全額を費用または損金として処理できます。たとえば8万円のオフィスチェアであれば、耐久性があり固定資産に該当する性質の物品であっても、税務上の少額減価償却資産として取得価額を一時に費用処理できる場合があります。

10万円未満かどうかは、通常1単位として取引される単位を基準に判定します。複数の商品を購入した場合でも、必ず請求書全体の金額で判断するわけではありません。

2026年4月から中小企業者等の特例は40万円未満に拡大された

2026年4月1日以後に取得する資産について、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は「30万円未満」から「40万円未満」へ引き上げられています。一定の要件を満たす中小企業者等が40万円未満の減価償却資産を取得し事業に使用した場合、年間合計300万円まで取得価額を全額損金算入できます。適用期限も2029年3月31日まで延長されています。

2026年4月1日から、対象となる法人の従業員数要件も見直されました。「40万円未満ならすべての企業が消耗品費にできる」という制度ではありません。

用度品としてパソコンや高額な事務機器を購入するときは、通常の10万円未満の基準と、中小企業者等に適用される40万円未満の特例を分けて確認しましょう。

用度品の購入は消費税の課税仕入れになることが多い

事業用の文房具や消耗品などの購入は、通常、消費税の課税仕入れに該当します。

国税庁が示す課税仕入れの例にも、事務用品や消耗品の購入が含まれています。課税事業者が仕入税額控除を行う場合は、インボイス制度に基づく帳簿・請求書等の保存要件も確認します。

ただし、切手や収入印紙などは通常の文房具と同じ消費税処理にならない場合があります。用度品という管理上の分類だけで一律に消費税区分を設定せず、購入した物品ごとに確認する方法が適しています。

用度品はどのように管理するとよい?

用度品は、会計処理だけでなく数量や購入ルールも統一して管理すると、過剰在庫や重複購入を抑えやすくなります。 用度品の範囲、購入担当者、会計処理、在庫確認方法をあらかじめ整理しておくと、経理と現場の運用を合わせやすくなります。

用度品の範囲と勘定科目を社内で統一する

用度品を管理するときは、どの物品を用度品として扱うのか、その購入時にどの勘定科目を使うのかを社内で統一すると運用しやすくなります。

「文房具・コピー用紙・ファイルは消耗品費」「10万円以上の機器は経理担当者が固定資産該当性を確認する」といった基準を設ける方法があります。

用度品は法律上統一された物品分類ではないため、企業独自の定義を設けても差し支えありません。税務上の費用計上や資産計上については、社内で用度品と呼んでいるかどうかとは別に判断します。

決算時には未使用在庫も確認する

大量の用度品を保管している企業では、決算時に未使用在庫を確認しておくと適切な会計処理につながります。

日常的に少量ずつ使用する文房具であれば、毎年継続して購入時に費用処理できる場合があります。一方、決算直前に大量購入した高額な消耗品などまで無条件に全額費用へ計上できるとは限りません。

使用状況や在庫金額を確認し、必要に応じて貯蔵品として資産計上することで、当期に実際に消費した分と翌期以降に使用する分を区分できます。

用度品は物品管理上の名称と会計処理を分けて考えよう

用度品とは、会社や官公庁などが業務で使用する事務用品や消耗品などをまとめて表す言葉です。 ただし、税法上の独立した資産区分や勘定科目ではなく、その範囲は企業や組織によって異なります。

コピー用紙や文房具などは消耗品費として処理するケースが一般的ですが、決算時に未使用で残っているものは貯蔵品となる場合があります。パソコンや机など長期間使用する物品については、取得価額によって固定資産として扱うケースもあります。

2026年4月からは一定の中小企業者等に適用される少額減価償却資産の取得価額基準が40万円未満へ引き上げられました。用度品の経理では、社内での名称だけで判断せず、物品の性質、取得価額、使用期間、在庫状況を確認して適切な勘定科目を選びましょう。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:中野 裕哲(税理士,特定社会保険労務士,行政書士,ファイナンシャルプランナー(CFP(R)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士))

    V-spiritsグループ/税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人V-spirits、V-Spirits総合研究所株式会社代表。起業準備から起業後の経営まで、窓口ひとつで支援するV-Spiritsグループを主催。年間約300件の起業相談を無料で受け、多くの起業家を世に送り出している。経済産業省後援の起業経営支援ポータルサイト「DREAM GATE」にて11年連続相談件数日本一、最優秀賞受賞他8部門受賞。 専門分野はビジネスプランのブラッシュアップ、事業計画書作成、融資・補助金・助成金の支援、税務会計、人事労務、会社設立、許認可等。その他にも、ブランディング、マーケティング、集客・販促などのアドバイス、人脈の紹介まで行う。

    著者・監修書に『一日も早く起業したい人が「やっておくべきこと・知っておくべきこと」』(明日香出版社)、『オールカラー 個人事業の始め方』『オールカラー 一番わかる会社設立と運営のしかた』(ともに西東社)、『相談件数No.1のプロが教える 失敗しない起業 55の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

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