- 更新日 : 2025年2月19日
預金科目の種類とは?普通預金以外の銀行の口座科目を解説!
銀行の預金科目は普通預金以外にも、さまざまな種類があります。定期預金や当座預金などはよく知る科目でも、通知預金・別段預金などはあまり馴染みがないかもしれません。通常よりも高い金利で預け入れできるものや利息が非課税になる口座などがあり、用途に合わせて利用できます。
本記事では預金科目の主な種類について紹介するとともに、普通預金と定期預金をまとめて管理できる総合口座についてもお伝えします。
目次
預金科目の種類は?
預金科目は普通預金や定期預金などはよく知られていますが、ほかにも通知預金や別段預金などさまざまな種類があります。日常生活で便利に利用できる普通預金や着実に預金を増やせる定期預金、業務上の支払いに使う当座預金など、目的に合わせて使い分けることができます。
ここでは、預金科目のうち代表的な8つを紹介しましょう。
普通預金とは
普通預金とは、自由にお金の預け入れや引き出しができる預金科目です。普通預金を扱うほとんどの金融機関がATMに対応しており、ATMを使って自由にお金の出し入れができます。銀行に口座を開設する場合、最初に作るのが普通預金です。
金利は変動金利で、定期預金と比べると低い設定となっています。給与や年金などの受け取り、公共料金など各種口座引き落としに利用されています。
当座預金とは
当座預金とは、事業用に使われる口座で、企業や個人事業主が業務上の支払いに利用する預金科目です。小切手や手形を振り出すために利用されています。普通預金は預入金額と期間に応じて利息が支払われますが、当座預金の場合は利息がつきません。
預金保護制度の対象となり、万が一銀行が破綻した場合には全額が保護されます。
当座預金と普通預金の違いについては、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひ、参考にしてください。
定期預金とは
定期預金とは、最初に1カ月、3カ月など期間を指定し、資金を預け入れる預金科目です。指定した期間は預金の引き出しができませんが、普通預金に比べて金利が高いため資産形成に役立ちます。
定期預金には、普通預金から自動的・定期的に積み立てる「積立定期預金」や、1,000万円以上の金額を預けることで金利が優遇される「大口定期預金」などがあります。
貯蓄預金とは
貯蓄預金とは、預金残高が定められた金額以上になると、普通預金より金利が高くなる預金科目です。入出金は自由にできますが、公共料金の自動支払いや給与などの自動受け取りといったサービスは利用できません。
預入れ残高が一定の金額以上ある場合に高い金利がつく「金額別金利型」のほか、預金残高に応じて金利が変わる「金額階層別金利型」といった種類があります。
外貨預金とは
外貨預金とは、日本の通貨「円」ではなく、諸外国の通貨で預金する口座科目です。円預金よりも金利が高い傾向がありますが、預金保護の対象になりません。
為替レートにより預金の価値は日々変わり、円安で高い利益を得る場合もあれば、円高により元本割れする場合もあります。
為替変動によるリスクを伴いますが、それを回避する方法に「為替予約」があります。預入日から満期日の前日までの間に、満期日の為替レートを確定させる方法です。満期日の受け取り額を確定できるため、為替変動リスクがなくなります。ただし、為替レートを確定した以降に円安になった場合、為替差益を得ることはできません。
通知預金とは
通知預金とは、まとまった資金を短期間預ける場合に利用できる預金科目です。預け入れてから7日間は据え置きになり、解約できません。その後は2日前に事前通知をすることで引き出しができます。
普通預金よりも金利が高い傾向があり、できるだけ高い金利で資金を預けたい場合に適しています。
通知預金についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
別段預金とは
別段預金とは、銀行などの金融機関で行われるさまざまな取引に付随して発生する資金について、一時的に預かる口座科目です。金融機関の内部勘定で、雑預金とも呼ばれています。
業務上、通常の預金科目では処理できないため、便宜的に設けられている口座科目です。
別段預金については以下の記事が詳しく解説しているため、合わせてチェックしてみてください。
納税準備預金とは
納税準備預金とは、税金を納付するための資金を預ける預金科目です。納税者が納税資金の確保を忘れ、税金を滞納してしまうことを防ぐ目的があります。
一般的に金利は普通預金よりも高く設定されており、税金納付のために引き出された場合は利息にかかる所得税が免除されるのが特徴です。
一方、納税目的以外で引き出しを行う場合、利息は通常通り課税されます。
総合口座なら普通預金と定期預金をまとめて管理できる
単体の預金科目のほかに、普通預金や積立型定期預金、公共債がひとつになった総合口座もあります。定期預金や公共債を担保にした自動融資も利用できる口座です。
普通預金として日常的なお金の出し入れや給与・年金等の受け取り、公共料金等の引き落としができ、普通預金にお金が不足している場合は自動的に貸付をする機能もあります。普通預金から積立預金や定期預金が利用でき、着実に預金を増やすことも可能です。
総合口座で運用する定期預金や公共債などの金融商品は銀行ごとに異なるため、比較して自分に合うものを選ぶとよいでしょう。
銀行の口座科目は普通預金だけではない!
銀行の口座科目は、普通預金や定期預金以外にもさまざまな種類があります。普通預金を中心に、ライフプランに合わせて便利に使い分けることができます。総合口座であれば普通預金を利用しつつ、定期預金や公共債で資産形成することも可能です。
この記事も参考に、用途に合った口座科目を上手に利用してみましょう。
よくある質問
預金口座にはどのような種類がありますか?
普通預金や当座預金など、主に8種類があります。詳しくはこちらをご覧ください。
普通預金と当座預金の違いは?
当座預金は利息がつかず、原則、預け入れや払い戻しは窓口で行います。詳しくはこちらをご覧ください。
総合口座とは?
普通預金と定期預金をまとめて管理できる口座です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
勘定科目の福利厚生費とは?経費計上の条件や事例、課税対象になる基準まで解説!
福利厚生費は会社が従業員のために支出する費用です。一定の要件を満たすと経費計上でき、税負担軽減の目的で活用することもできます。 ここでは主な福利厚生費を、その経費計上の要件とともに紹介します。 勘定科目『福利厚生費』とは? 給料や賞与以外に…
詳しくみるシュレッダーの代金を仕訳する場合の勘定科目まとめ
シュレッダーの購入費は、消耗品費や工具器具備品、一括償却資産などの勘定科目で仕訳ができます。金額によって勘定科目が変わるので、仕訳をする際には注意が必要です。それぞれの勘定科目や仕訳例、法定耐用年数を紹介するので、ぜひ参考にしてください。 …
詳しくみるその他有価証券とは?仕訳とその他有価証券評価差額金について解説
有価証券は大きく分けて4つのグループに分かれます。「売買目的有価証券」「満期保有目的債券」「子会社株式・関連会社株式」の3つに該当しない有価証券を「その他有価証券」としてまとめているのです。ここではその他有価証券やその他有価証券評価差額金の…
詳しくみる食材を経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
事業に関係のある食材であれば、かかった費用は経費として計上できます。例えば、レシピを考案するために購入した食材や、グルメ記事を執筆する際に注文した食事代などもすべて経費の対象です。どのような勘定科目を使えるのか、仕訳例を挙げて説明します。 …
詳しくみる雑給とは?給与との違いは?定義の解説から仕訳例まで紹介
雑給という勘定科目は、それ自体の理解は難しくありません。しかしこれを理解するためには「給与」について理解が必要です。ここでは雑給の定義や仕訳について解説するとともに、法律における給与についても解説します。 雑給の定義と仕訳の考え方 雑給の定…
詳しくみる車を経費にする場合の仕訳に使う勘定科目まとめ
車関連の費用は、事業で使用する場合は経費として計上できることがあります。また、車に必要な保険料や自動車税なども、経費計上可能なことがあるので、正しく仕訳をしておきましょう。仕訳に使う勘定科目や中古車を購入した場合の仕訳について解説するので、…
詳しくみる