• 更新日 : 2024年8月8日

平均課税を正しく理解して節税対策に役立てよう!

所得税は、所得の種類によって固定の税率または超累進税率を乗じた税額の合計となっています。

固定税率とは、例えば、利子所得や株の譲渡などで得た所得に対するもので、それぞれ固定の税率が適用されます。

課税総所得は、金額に応じて税率が変わる累進課税が適用されます。

累進税率には、単純累進課税といって、課税の対象となる金額全体に税率を乗じる方法がありますが、所得税は課税の対象となる金額を何段階かに分けて課税する「超過累進税率」を採用しています。「超過累進税率」では、課税所得の浮き沈みが激しい業種や職種の場合は、複数年で見れば税負担が重くなることが考えられます。

こうしたことなどから、臨時所得なども含め収入が急に増えた場合や変動が激しい方に対する調整措置として「平均課税」という課税方法が設けられています。

今回は、この「平均課税」について解説します。

超過累進課税率の場合

ある年の課税される所得が340万円で翌年が40万円の人、ある年の課税される所得が190万円で翌年が190万円の人では、2年間の課税所得金額の合計は同じ380万円です。

しかし、所得税額はどうでしょうか。

前者は25万2500円と2万で合計27万円2500円、後者は各年9万5000円なので19万円です。

課税所得金額税率控除額
195 万円以下5%0 円
195 万円を超え 330 万円以下10%97,500 円
330 万円を超え 695 万円以下20%427,500 円
695 万円を超え 900 万円以下23%636,000 円
900 万円を超え 1,800 万円以下33%1,536,000 円
1,800 万円を超 4,000 万円以下40%2,796,000 円
4,000 万円超45%4,796,000 円

(参考:所得税の税率|国税庁

平均課税制度について

こうした超過累進課税の差を調整するために採用されているのが「平均課税制度」です。

平均課税制度とは、変動所得や臨時所得において、所得税の負担を軽くするために税額を算出する方法であり、通常の超過累進税率よりも税率が低く設定されています。

ただし、平均課税制度を適用させるには条件があります。

「変動所得」と「臨時所得」

平均課税の前提として「変動所得」と「臨時所得」について知っておきましょう。

漁業や養殖による所得、原稿料、印税、著作権料などの事業所得雑所得に分けられるものを、「変動所得」といいます。

「臨時所得」とは、契約金や不動産の権利金などの対価、公害の保証金などが「臨時所得」にあたり、不動産所得、事業所得または雑所得に区分されます。

平均課税適用の条件

多いときには平均課税を利用して、少ないときには超過累進課税を利用する、というようなことはできないように平均課税適用には条件があります。

・所得が変動所得だけのとき、変動所得額がその年の総所得額の20%以上であること。
※過去2年間に変動所得がある場合、その平均額を超える場合にかぎります。
・所得が臨時所得だけのとき、臨時所得額がその年の総所得額の20以上%であること。
・変動所得と臨時所得の両方の所得があるとき、その年の変動所得額と臨時所得額の合計がその年の総所得金額の20%以上であること。
※その年の変動所得が、過去2年間の変動所得額の平均額以下であれば、その年の臨時所得額のみが総所得額の20%以上であること。

平均課税の手続き

平均課税適用のためには申告が必要です。

「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」に必要事項を記載して、確定申告書に添えて税務署へ提出します。記入用紙は、国税庁のホームページからもダウンロードできます。

「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」の書き方

「変動所得・臨時所得の平均課税の計算書」は申告書に添えて提出します。

変動所得とは別の所得があれば、必要経費も別に書かなければいけません。青色申告をしていれば、変動所得とそのほかの所得の金額比率によって青色申告特別控除を割り振ることになります。また、前々年または前年の申告で平均課税を適用したかどうかではなく、それぞれの年の変動所得の金額を記入します。

まとめ

以上のように平均課税について確認し、それを利用してうまく節税することができることも見てきました。

所得税の「超過累進税率」は、収入の変動が激しい職種や業種には不公平な側面もあります。

そこで、「平均課税」を利用して節税を考えたいものです。平均課税は、変動所得や臨時所得における所得税の負担を軽くするために税額を算出する方法であり、通常の超過累進税率よりも低い税率が適用されます。節税対策は円滑な事業を続けるための大切な手立てです。

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