所得税の予定納税

通常は、申告する所得にたいして、翌年の2月16日から3月15日の期間内に確定申告を行い、支払うべき所得税が決まり、納税します。その支払う所得税について、おそらく前年と同じくらいだろうと予想して、所得税の一部を前払いする制度があります。これを「予定納税」といいます。

予定納税では、その年の5月15日時点ではっきりと定まっている前年度の所得金額や税額などを基準に算出した金額が15万円以上ある場合、その年の所得税の一部を先に納付することになります。
今回は、確定申告と予定納税の関係について説明します。

予定納税の対象となる人

予定納税が必要な場合には、その年の6月15日までに税務署から書面で知らせがきます。所得税の予定納税基準額が15万円以上になる人は必然的に予定納税をしなければならないのです。

予定納税額基準額の計算方法

次の両方に該当する人は、前年分の申告納税額が予定納税基準額となります。

・前年分の所得金額のうちに、山林所得、退職所得等の分離課税の所得(分離課税の上場株式等の配当所得等を除きます。)及び譲渡所得、一時所得、雑所得、平均課税を受けた臨時所得の金額(以下「除外所得の金額」といいます。)がないこと。

・前年分の所得税について災害減免法の規定の適用を受けていないこと。

上記(1)に該当しない人は、前年分の課税総所得金額及び分離課税の上場株式等に係る課税配当所得等の金額に係る所得税額(除外所得の金額がある場合には、除外所得の金額がなかったものとみなして計算した金額とします。また、災害減免法の規定の適用を受けている場合には、その適用がなかったものとして計算した金額とします。)から源泉徴収税額(除外所得の金額に係るものを除きます。)を控除して計算した金額及び当該金額の復興特別所得税額の合計額が予定納税基準額となります。

予定納税基準額が15万円以上になる人は、予定納税の納税義務者となり、通知が届きます。

納税期間および納税方法

予定納税は、3分の1の第1期分を7月1日から7月31日までに、残り3分の2の第2期分を11月1日から11月30日までに納めることになっています。

納税方法には、様々な方法があります。納付書を添えて金融機関または所轄の税務署の納税窓口で納付する方法、バーコード付き納付書(納付額30万円以下に限る)でコンビニエンスストアで納付する方法、クレジットカードにより納付する方法(1,000万円未満に限り、別途決済手数料が生じます)があります。

また、口座振替の申請を済ませておけば、指定した金融機関の口座から自動的に振替納付することができます。
事前に税務署に届出をしておけば、e-Taxを利用して簡単な操作で納付することができるダイレクト納付やインターネットバンキング等を使って電子納税することもできます。

延滞した場合

所得税に限らず、税金を支払わずに延滞すれば延滞税が加算されます。予定納税も同様です。

延滞税は、納付期限の翌日から完納するまでの日数に応じて課税されます。納付期限の翌日から2ヶ月を経過するまでの期間については、平成26年12月までは年2.9%、平成27年1月1日から平成28年12月31日までは年2.8%、平成29年1月1日から平成29年12月31日までは年2.7%、平成30年1月1日から平成30年12月31日までは年2.6%となります。

2ヶ月を過ぎると、原則として年14.6%です。ただし、平成26年1月1日以後の期間は、「年14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い方が適用されます。このように、延滞税は固定税率ではなく、特例基準割合によって変動するものです。

具体的には、平成26年1月1日から平成26年12月31日までの期間は年9.2%、平成27年1月1日から平成28年12月31日までの期間は年9.1%、平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間は年9.0%、平成30年1月1日から平成30年12月31日までの期間は年8.9%と、かなりの割合の延滞税が加算されるので、納め忘れがないように注意が必要です。

予定納税の減額申請について

予定納税はあくまでも見込みですから、実際には業績が悪化し、所得税が少なくなりそうな場合もあるでしょう。あるいは廃業に追い込まれ、所得税が支払えなくなる場合もあるかもしれません。その場合は、予定納税が減額される制度があります。

まずは6月30日時点での業績をもとに見積額を計算しなおしましょう。もし、その見積額が予定納税基準額よりも少なくなる人は、7月15日までにご自身の所轄税務署に「予定納税額の減額申請書」を提出します。承認されれば、減額することができます。

それ以降になった場合でも減額申請は可能で、その場合、第2期分だけの減額申請となり10月31日の状況において見積もりをして、11月15日までに減額申請書の提出が必要です。

あえて減額申請しない選択

実際は見積もられた予定納税よりも下回りそうだったとしても、そのまま予定納税を納付して、後で還付してもらうこともできます。還付金には「還付加算金」という利子を付けて還付してくれます。還付加算金の利率は、平成26年12月までは1.9%、平成27年1月1日から平成28年12月31日までは1.8%、平成29年1月1日から平成29年12月31日までは年1.7%、平成30年1月1日から平成30年12月31日までは年1.6%です。

参考:予定納税|延滞税の割合|国税庁



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監修:大道 智之 (税理士)

税理士法人ナレッジラボ 代表社員
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