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免税事業者は消費税を請求していいのか?

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消費税は、特定のサービスや品物に課税する個別間接税とは違い、消費に対して広く公平に負担を求める一般間接税です。原材料販売から製造業者、卸売業者、小売業者などそれぞれの段階で、原料や製品などが販売されるたびに、その販売価格に上乗せされていきます。

つまり、価格への転嫁によって、商品を購入する消費者が最終的な消費税の支払い者となるわけです。

納付税額の計算では、売上の消費税額から仕入れの消費税額を差し引きます。各事業者が納付した消費税額を合わせると、消費者が支払う消費税額と一致することになっています。

2015年現在での消費税の税率はご存じの通り8%ですが、内訳としては消費税率6.3%、このほかに地方消費税が別途消費税額の63分の17(消費税率に換算して1.7%相当)課税されることから、これらを合わせた税率が8%となります。

基本的にはすべての消費者が払う消費税ですが、個人事業者をはじめ中小事業者に対する事務負担を軽減するために、納税義務の免除があります。

では、どのような場合に消費税が免除される免税業者(免税事業者)になるのでしょうか。また、免税業者(免税事業者)は顧客に対して消費税を請求してもいいのでしょうか。それとも、消費税を免除されている(払わない)のであれば、請求するべきではないのでしょうか。

今回は、中小事業者における納税義務の免除と、免税業者(免税事業者)が消費税分を請求する仕組みについて解説したいと思います。

免税業者(免税事業者)の条件は?

消費税とは、国民が広く公平に負担すべきですが、一定の条件を満たせば免除される場合があります。個人事業主や中小事業者など小規模事業者の事務負担を軽減するために、課税売上高が1,000万円以下の事業者は納税義務が免除されることになっています。

課税売上高とは、前々事業年度(個人事業主の場合は前々年)における課税売上高のことをさす。新規事業者や設立されたばかりの法人に関しては、前々期の売上高がないため、原則として消費税の納税は免除されます。

ただし、基準期間のない事業年度であっても、資本金の額や出資金が1,000万円以上ある場合は、納税義務は免除されません。また前々期に1,000万円以上の売り上げがなくても、事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間(個人事業者の場合は、その年の前年の1月1日から6月30日までの期間)における課税売上高が1,000万円を超えた場合には免除されません。なお、課税売上高は税抜きで、返品処理などをした後の額となります。

前々期の基準期間において消費税が免除されていた場合には、その年の売上高に消費税は含まれていないはずですから、課税売上高を算定するに際して、当然、税抜き処理は行ないません。売上が1,000万円以下であれば消費税は免除されるわけですが、こうした免税業者(免税事業者)が顧客に対して消費税を加算して請求できるのでしょうか。

免税業者(免税事業者)の消費税請求について

「消費税の納税を免除されている場合には、顧客に対して消費税を請求してはいけない」と思う方もいるようですが、そんなことはありません。免税者(免税事業者)でも消費税は請求できます

消費税は、免税事業(免税事業者)であるか否かにかかわるものではありません。消費税法において免税事業者は消費税を上乗せして請求してはいけないとは記されていませんし、また、取引相手が免税事業者か課税事業者なのかを確認することはできません。

そもそも消費税は、売上先に請求した消費税から仕入れ先に支払った消費税を差し引いて納税することになっています。免除されるのは、その納める消費税分です。免除されている消費税というのは、仕入れ時に支払った消費税に上乗せして顧客に請求した分の消費税です。顧客から預かった消費税を免除されているわけであって、仕入れ先に支払った消費税が免除されているわけではありません。

仕入先や外注費、そのほかの経費に対して消費税を払っているので、その分を売上で請求しなければ、自分で負担することになってしまいます。免税業者が消費税を請求することは後ろめたいことではありませんので、ためらわず、堂々と請求しましょう。

「消費税転嫁対策特別措置法」について

免税事業(免税事業者)であっても堂々と請求できるはずの消費税ですが、なかには「免税されているのだから消費税分を値引きして」という取引先がいるかもしれません。

増税も相まって、このように値引きを強要される可能性から消費税の価格転嫁が適正に行われないことが懸念され、対策として「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されています。これは、中小企業・小規模事業者が消費税を価格へ転嫁しやすい環境をつくるためのものです。そのなかで、商品やサービスの提供事業者や個人事業主と継続的な取引を持つ小売業者や法人事業者が行なう下記のことを禁じています。

・減額
・買いたたき
・商品やサービスを購入するよう要請したり、リベートを要求すること
・本体価格での交渉の拒否報復行為※公正取引委員会などに消費税の転嫁拒否があったことなどを知らせたことへの報復行為

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