• 更新日 : 2021年8月30日

使途不明金に要注意!注意すべきポイントと使途不明金の税務処理方法とは?

使途不明金に要注意!注意すべきポイントと使途不明金の税務処理方法とは?

勘定科目には、給与賃金や水道光熱費はもちろん、旅費交通費のほか、さまざまな経費項目がありますが、曖昧でわかりにくい項目のひとつに、「接待交際費」があります。実際はどこまでが接待交際費として認められるものなのでしょうか? そして、接待交際費として認められず、使途不明金と扱われた場合はどのようになるのでしょうか。

接待交際費は使い道が明確

そもそも「接待交際費」とは、得意先や仕入れ先など、仕事上付き合いのある取引先との関係を円滑にするための営業活動費であり、収益につなげるために支出する費用です。

しかし、交際費などの中には、つい浪費してしまったものや無駄遣いといえる支出が出てくることもあります。そのため、法人税においては交際費を抑えるために限度額を設け、その限度額を超える額については経費に算入しないこととされています。

つまり、法人税では全額が経費になるわけではなく、一定額を超えた交際費などに対しては税金が課されることになっているのです。これを交際費課税といいます。経費に算入されない金額は基本的に期末資本金の額によって定取扱いが異なります。

3月決算法人が接待交際費を支出した場合、平成25年度までは、期末資本金が1億円を超える企業の場合は、損金として算入できる額はなく、すべてが交際費課税対象でした。平成26年度からは、交際費に関する条件が緩和され、接待飲食費の50%が損金算入できることになりました。期末資本金が1億円以下の中小企業に関しては、もともとあった800万円の控除限度額と、接待飲食費の50%との、金額の高い方を損金算入額として採用することができることになりました。

なお、接待交際費として認められるためには、相手先の名称や個人名、住所、所在地、用途などを帳簿書類に記載していることが条件です。また、その接待交際費が接待飲食費の場合には、さらにその飲食に参加した得意先・仕入先等の名称・氏名など、所定の事項を記載しなければなりません。

詳細は「交際費等の損金不算入制度の改正を図解でわかりやすく説明!」を参考にしてください。

1人当たり5,000円はOK、さらに5,000円を超えても接待飲食費の50%は損金算入が可能!

接待飲食費は1人当たり5,000円以下であれば期末資本金の額にかかわらず交際費に含めなくても損金に算入することが認められています。さらに、5,000円を超えたとしても、その額の50%が損金算入できます。

ポイントは「主たる目的が飲食である」ということです。また、飲食店での接待後、その飲食店からお持ち帰りをする「おみやげ代」も50%を損金算入することができます。この場合も、相手先の名称や個人名、住所、所在地、飲食の年月日、参加者の名称や関係、参加人数、飲食などをした場所、金額などの記載は必須です。

使途不明金は使い道が不明

会社としては交際費や接待費として支出しても、領収書の紛失、記録忘れなどで使用目的を明確にできない場合は「使途不明金」となり、損金には算入されません。

「使途不明金」とは、法人の支出のうち、支払先や金額がわかっているものの、目的や内容が明らかでないものです。たとえば、領収書がもらえない謝礼やリベートの費用はこれに該当します。

使途不明金とは、会社で負担するべきなのか、事業の成長などに繋がる費用なのかが判断できないために、経費にできないものです。たまたま記録していなかった、たまたま領収書が紛失した場合も、「使途不明金」になってしまうと、経費として認められず、課税されてしまうので注意が必要です

要注意!「使途秘匿金」は追徴課税40%

さらに、支払先も内容も目的も不明であれば、経費として認められないばかりではなく、通常の法人税だけでなく、その支出額の40%相当が追徴課税として課される「使途秘匿金」になります。

さらに、使途秘匿金であるにもかかわらず、ほかの科目と偽って計上した場合、悪質とみなされ重加算税の対象にもなるため、さらに負担額が大きくなります(使途秘匿金は、金銭による支出だけとは限りません)。

まとめ

領収書などの履歴を証明するものがないと使途不明金となるため、経費として計上できず不必要に税金を払う必要がでてきます。領収書をしっかり管理し、日頃から記帳のくせをつけておくと、後々使途不明金として処理するしかない・・・。といったことを回避することができます。手間がかかる日々の記帳はクラウド会計ソフトで自動化すると、手間が大幅に削減できます。

よくある質問

接待交際費とは?

得意先や仕入れ先など、仕事上付き合いのある取引先との関係を円滑にするための営業活動費であり、収益につなげるために支出する費用です。詳しくはこちらをご覧ください。

使途不明金とは?

会社で負担するべきなのか、事業の成長などに繋がる費用なのかが判断できないために、経費にできないものです。詳しくはこちらをご覧ください。


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