- 作成日 : 2026年10月28日
摘要とは?意味や摘要欄の書き方・記載例を解説
摘要とは、帳簿や請求書で取引の内容・相手・目的を簡潔に記録する情報です。
- 読み方は「てきよう」、「適用」とは別の意味
- 取引先名+取引内容を組み合わせて記載する
- 社内で表記を統一すると検索・照合が効率的
Q. 摘要欄には何を書けばよいですか?
A. 「取引先名+取引内容・用途」を基本に、後から取引を判別できる情報を簡潔に記載します。
「摘要(てきよう)」とは、取引の内容や理由などを簡潔にまとめて記載することです。会計では、仕訳帳や会計ソフトなどに設けられた「摘要欄」に、取引先や購入したもの、支払いの目的などを入力する場面が多くあります。
この記事では、摘要とは何か、備考や但し書きとの違い、仕訳での書き方や記載例などを解説します。
摘要とは?どのような意味?
摘要とは、ある事柄の要点を抜き出して簡潔にまとめた内容を指します。会計では、取引の内容や相手方、目的などを分かりやすく記録するために使われる言葉です。日常生活ではあまり使わない言葉ですが、経理・会計では仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、会計ソフトなどで頻繁に登場します。
摘要の読み方は「てきよう」
摘要は「てきよう」と読み、要点を抜き出して記すという意味があります。 会計業務では、取引について補足するための説明として使用されることが一般的です。たとえば、勘定科目が「消耗品費」だけでは、何を購入したのかまでは分かりません。そこで摘要欄に「○○商店 プリンター用紙購入」などと記載すれば、後から帳簿を確認した人も取引内容を把握しやすくなります。
「適用」も同じ「てきよう」と読みますが、意味は異なります。「適用」は法律や制度などを当てはめることを意味するため、「摘要欄」を「適用欄」と表記しないよう注意しましょう。
会計における摘要は取引内容を補足する情報
会計における摘要には、取引先や商品・サービスの内容、支払いの目的などを記載します。 勘定科目や金額だけでは把握できない情報を補う役割があります。「旅費交通費 10,000円」という仕訳だけでは、誰がどのような目的で支出した費用なのか判断できません。「東京出張 新幹線代 東京―大阪」のような情報が摘要にあれば、取引の背景を確認しやすくなります。
国税庁が示す帳簿の記載事項でも、課税仕入れについては取引相手の氏名または名称、取引年月日、資産または役務の内容、支払対価の額などが挙げられています。したがって、摘要は単なるメモではなく、取引内容を整理して帳簿に残すためにも役立つ欄といえます。
参考:No.6497 仕入税額控除のために保存する帳簿および請求書等の記載事項|国税庁
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摘要欄とは?何のために使う?
摘要欄とは、帳簿や会計ソフトなどで取引の内容を補足するための欄です。 取引内容を後から確認しやすくし、経理処理や決算、税務上の確認をスムーズにする役割があります。「摘要」という名称の欄を設置しなければならないという意味ではありません。税務上は帳簿について一定の記載事項が定められているため、それらを満たす形で帳簿を作成することがポイントとなります。
摘要欄には取引先や取引内容などを記載する
摘要欄には、「誰との、何の取引か」が分かる情報を記載するのが基本です。 取引の実態に応じて、取引先名、商品・サービス名、用途、対象期間などを組み合わせます。国税庁の案内では、個人事業者の帳簿について、売上げや仕入れ、経費などに関して、取引年月日、相手方の名称、金額などを記録することが示されています。
たとえば、文房具を購入したのであれば「○○文具店 事務用品購入」、電車を利用したのであれば「取引先訪問 新宿―品川」のように記載できます。摘要を見ただけですべての事情が分かるほど詳細に記載する必要はありません。領収書や請求書などの証憑と照合したときに、どの取引なのか判別できる状態にしておくと管理しやすくなります。
参考:個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について|国税庁
摘要はどこまで詳しく書けばよいか
摘要には、一つひとつの商品名をすべて書き写す必要はなく、取引内容を判別できる程度の記載でも差し支えない場合があります。請求書に「あじ」「さんま」「いわし」などの商品が多数記載されている場合、帳簿にすべての商品名を転記しなければならないわけではありません。商品の一般的な総称を用いて、申告時に帳簿から取引内容を確認できる程度にまとめる方法が認められています。
摘要を長文化しすぎるよりも、「○○商店 食料品仕入」など、取引を特定できる表現に統一した方が経理処理も効率化できます。ただし、課税取引と非課税取引、標準税率と軽減税率などで処理が異なる場合には、それぞれを判別できる情報を残しておく方が適切です。
仕訳の摘要欄には何を書く?
仕訳の摘要欄には、取引先名と取引内容を中心に、仕訳を確認するために役立つ情報を記載します。 誰に対して、何のために支払った、または受け取った金額なのかを把握できるようにすると分かりやすくなります。
経費を仕訳するときの摘要の書き方
経費の摘要では、「取引先+購入内容・利用目的」を組み合わせると整理しやすくなります。代表的な記載方法を整理すると、次のようになります。
| 勘定科目 | 取引例 | 摘要の記載例 |
|---|---|---|
| 消耗品費 | コピー用紙を購入 | ○○文具店 コピー用紙購入 |
| 旅費交通費 | 電車で取引先を訪問 | △△社訪問 新宿―品川 |
| 通信費 | 携帯電話料金 | ○○通信 9月分携帯電話料金 |
| 会議費 | 打ち合わせ時の飲食 | △△社打ち合わせ 飲食代 |
| 水道光熱費 | 電気料金 | ○○電力 9月分電気料金 |
取引先名だけを書いてしまうと、「何の支払いだったのか」が後から分からなくなる可能性があります。反対に、商品名だけでは取引先を確認しにくくなります。両方を適度に組み合わせる方法が実務では扱いやすいでしょう。
売上を仕訳するときの摘要の書き方
売上の摘要には、取引先と売上の内容、請求対象月などを記録しておくと管理しやすくなります。たとえば、Web制作を行った場合は「○○株式会社 Webサイト制作代」、月額サービスであれば「△△株式会社 9月分保守料金」などと記載できます。
売掛金を使っている場合は、摘要の表記を請求書の内容と合わせておくと、後日の入金消込もしやすくなります。「○○社 9月分制作費」のように、取引先と対象期間を統一した形式で記録すると、同じ相手との継続的な取引でも識別しやすくなります。消費税の帳簿では、資産の譲渡等について取引相手、取引年月日、取引内容、税率ごとに区分した対価の額などを記録する仕組みとなっています。
摘要の表記は社内で統一する
同じ種類の取引では摘要の書き方を統一すると、帳簿の検索や集計がしやすくなります。同じ取引先について「ABC株式会社」「(株)ABC」「ABC社」と複数の表記を使うと、会計ソフトで検索した際に取引が分散してしまう場合があります。
「取引先名+用途」「取引先名+対象月」のように社内ルールを決めると、入力担当者が変わっても摘要の品質をそろえやすくなります。また、一定の条件を満たせば、取引先コードや商品コードなどの記号・番号による記載が認められる場合もあります。ただし、そのコードから取引内容などを判別できる状態になっていることが前提です。
摘要と備考・但し書きは何が違う?
摘要・備考・但し書きはいずれも情報を補足するために使われますが、使用される書類や役割が異なります。 摘要は帳簿や会計データの取引内容、備考は補足情報、但し書きは領収書で支払い内容を示す表現として使われるのが一般的です。
摘要と備考の違い
摘要は取引内容の要約、備考は本文や主要項目に入りきらない補足情報という違いがあります。仕訳帳の摘要には「○○商事 事務用品購入」と記載し、請求書の備考欄には「振込手数料はお客様負担」などの補足条件を書くといった使い分けが考えられます。
もっとも、「摘要」「備考」という欄名自体について全国共通の決まった使い分けがあるわけではありません。会計ソフトや帳票によって名称や用途が異なるため、その書類の設計に合わせて使用します。税務上は欄の名称よりも、必要となる取引内容などが記録されているかどうかを確認する方が適切です。
摘要と領収書の但し書きの違い
摘要は帳簿上の取引説明、領収書の但し書きは領収した金銭が何の代金なのかを示す説明として使われる点が異なります。領収書に「但し、事務用品代として」と記載されていた場合、帳簿の摘要には「○○文具店 事務用品購入」のように記録できます。
なお、インボイスとして領収書を使用する場合には、「但し書き」という名称そのものが必須なのではなく、取引内容など所定の事項を記載する必要があります。インボイスは請求書という名称でなくても、必要事項を満たした領収書や納品書などであれば該当します。
請求書の摘要欄には何を書く?
請求書の摘要欄には、請求対象となる商品・サービスや対象期間など、取引内容を判別するための情報を記載するのが一般的です。 「摘要」という名称の欄そのものがインボイスの必須項目となっているわけではありません。
摘要欄という名称はインボイスの必須事項ではない
適格請求書では「摘要欄」を設けること自体は必須ではありませんが、取引内容の記載は必要です。
適格請求書には、発行事業者の氏名または名称と登録番号、取引年月日、取引内容、税率ごとの対価の額と適用税率、消費税額等、原則として交付先の氏名または名称などを記載します。
「摘要」という見出しがなくても、「品名」や「明細」欄に商品・サービスの内容が記載され、その他の必要事項を含めてインボイスの要件を満たしていれば問題ありません。
摘要欄が設けられていても、登録番号や税率ごとの消費税額など必要な情報が欠けていれば、それだけで適格請求書になるわけではありません。
請求書の摘要には商品・サービスが分かる内容を書く
請求書の摘要には、何を販売・提供したのか判別できる内容を記載します。「商品代」のような非常に抽象的な表現よりも、「事務用品」「システム保守料」「Webサイト制作費」など、取引内容が分かる記載の方が管理しやすくなります。
必ずしもすべての商品名を細かく記載するとは限りません。取引内容が把握できる場合には、一般的な総称や商品コードなどを使用できる場合があります。インボイスでも、一定の条件を満たす商品コードや記号などによる表示が認められています。
インボイス制度では摘要に何を記載する?
インボイス制度では、取引内容や税率区分などを帳簿から判別できる状態にしておくことがポイントです。 摘要欄を利用する場合は、必要な情報の一部を摘要に記録して管理する方法があります。
軽減税率対象の取引は判別できるようにする
軽減税率の対象となる課税仕入れについては、帳簿上でも軽減税率対象であることを判別できる記録が必要です。仕入税額控除のために保存する帳簿には、取引相手、取引年月日、取引内容、対価の額などを記載します。取引内容が軽減税率の対象である場合には、その旨も記録します。
会計ソフトでは税区分を別項目として設定できることも多いため、必ず摘要欄へ「軽減税率」と文字入力するという意味ではありません。帳簿全体として必要事項を確認できる形で記録します。
2026年10月から免税事業者等からの仕入れは70%控除へ移行する
免税事業者などインボイス発行事業者以外からの課税仕入れについて、2026年10月1日から仕入税額相当額の70%を控除できる経過措置へ移行します。 2026年度税制改正により、従来予定されていた50%ではなく70%へ見直されています。
改正後の控除割合は次のとおりです。
| 期間 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023年10月1日~2026年9月30日 | 80% |
| 2026年10月1日~2028年9月30日 | 70% |
| 2028年10月1日~2030年9月30日 | 50% |
| 2030年10月1日~2031年9月30日 | 30% |
| 2031年10月1日以後 | 原則として控除不可 |
この経過措置を適用する場合は、一定の事項が記載された請求書等に加え、経過措置の対象となる課税仕入れである旨を記載した帳簿の保存が必要です。会計ソフトの税区分や摘要を利用して「70%控除対象」などと判別できる状態にしておく方法が考えられます。
摘要を書くときに注意することは?
摘要は、簡潔さだけでなく、後から取引を確認できるかどうかを基準に記載することがポイントです。 「雑費」「商品代」など抽象的な言葉だけでは、時間が経った後に取引の内容を判断できなくなるおそれがあります。
「商品代」「経費」だけで終わらせない
摘要には、取引内容を判別できないほど抽象的な表現だけを記載するのは避けた方がよいでしょう。「商品代」とだけ入力するより、「○○商事 包装資材購入」、「経費」とするより「△△社訪問 タクシー代」のように記録した方が取引内容を確認しやすくなります。
会計処理では勘定科目自体が取引を分類する役割を持っているため、摘要ではその勘定科目だけでは分からない情報を補うと効率的です。国税庁でも、帳簿の「取引内容」は請求書に記載された個々の商品名をそのまま転記するのではなく、申告時に帳簿から仕入控除税額を計算できる程度の内容であれば一般的な総称による記載が認められています。
領収書や請求書と照合できる内容にする
摘要は、保存している領収書や請求書などと対応関係を確認できるように記録すると管理しやすくなります。毎月同じ取引先から複数の請求書を受け取る場合、「○○社 9月分広告費」「○○社 9月分システム利用料」のように対象期間やサービス名を加えることで、証憑との照合が容易になります。
インボイス制度の下では、原則として仕入税額控除を受けるために一定事項を記載した帳簿と適格請求書等を保存します。摘要だけですべてを完結させるのではなく、帳簿と請求書等を対応させて管理するという視点が適切です。
電子帳簿保存法では摘要をどう扱う?
電子帳簿保存法への対応でも、摘要は取引内容を把握するための情報として利用できますが、「摘要」という項目名自体が電子取引データの検索要件になっているわけではありません。
電子取引でも取引情報を整理して保存する
電子メールやWebサービスなどを通じて受け取った請求書・領収書等の電子取引データは、電子データのまま保存することが基本です。電子帳簿保存法に対応する際も、会計ソフトの摘要欄だけに取引内容を入力して、元の電子請求書を保存しなくてもよいという意味ではありません。電子取引に該当するデータは、法令に沿った形で保存する必要があります。
電子帳簿・スキャナ保存・電子取引ではそれぞれ取扱いが異なるため、利用している保存方法に合わせて確認しましょう。
会計ソフトでは摘要と証憑を紐付けると管理しやすい
会計ソフトを利用している場合は、摘要の表記を統一し、取引に対応する電子請求書や領収書と紐付けると確認作業を効率化できます。たとえば「○○商事 9月分事務用品」の仕訳に、○○商事から受け取ったPDF請求書を紐付けておけば、仕訳から証憑を確認しやすくなります。
また、摘要に取引先名や用途を入力すると、会計ソフト内で過去の取引を検索しやすくなる利点もあります。毎月発生する取引については摘要をテンプレート化すると、入力ミスや表記揺れも抑えられます。
摘要の意味を理解して分かりやすい帳簿を作成しよう
摘要とは、取引の内容や要点を簡潔に記録するための情報です。 仕訳や会計帳簿では、取引先、商品・サービスの内容、利用目的、対象期間などを摘要欄に記録すると、後から取引を確認しやすくなります。
「摘要」という名称の欄そのものが一律に法定項目となっているわけではありません。税務上は、取引年月日、相手方、取引内容、金額など、それぞれの制度で定められた情報を帳簿や請求書等から確認できることがポイントです。
摘要や会計ソフトの税区分を活用し、どのような取引なのか後から判別できる帳簿を作成しましょう。
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