- 作成日 : 2026年10月28日
銀行口座やクレジットカードと連携できる会計ソフトについて、データ連携の仕組みとできること、選び方を解説
会計ソフトと銀行口座・クレジットカードを連携すると、明細の自動取込と勘定科目の自動提案により、手入力・転記ミスを大幅に削減できます。
- 明細を自動取込し記帳時間を短縮
- AIが勘定科目を自動提案・学習
- 安全性の高いAPI方式連携が推奨
Q. API方式とID・パスワード方式の違いは?
A. API方式はログイン情報を預けず安全性・安定性が高い。対応金融機関ではAPI方式の利用が推奨されます。
銀行口座やクレジットカードと連携できる会計ソフトとは、口座の入出金明細やカードの利用明細を自動で取り込み、仕訳の登録まで効率化できる会計ソフトのことです。
口座連携によって明細を一件ずつ手入力する作業がなくなり、転記ミスの防止や経理業務の時間短縮につながります。
本記事では、会計ソフトのデータ連携の仕組みとできること、導入前に知っておきたい注意点、選び方のポイントを、マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusの例も交えて解説します。
会計ソフトの銀行口座・クレジットカード連携機能とは
会計ソフトの銀行口座・クレジットカード連携とは、会計ソフトが金融機関やカード会社のデータを自動で取得し、その明細をもとに勘定科目の提案や仕訳登録ができる機能です。ネットバンキングやカード会社の会員サイトにログインして明細を確認し、会計ソフトに転記するという一連の作業を自動化できます。
連携できるサービスの種類
連携の対象になるのは銀行口座だけではありません。クラウド会計ソフトでは、一般的に次のようなサービスとデータ連携できます。
- 銀行口座(法人口座・個人口座、ネット銀行を含む)
- クレジットカード(法人カード・個人カード)
- 電子マネー・プリペイドカード(交通系ICカード・流通系ICカード など)
- ECモール・決済サービス・POSレジなどの売上データ
対応するサービスの範囲は会計ソフトごとに異なります。自社で日常的に使っている口座やカードが対応しているかどうかが、選定時の最初の確認ポイントとなります。
データ連携の2つの方式(API方式とID・パスワード方式)
会計ソフトが金融機関の明細を取得する方法には、大きく「API方式」と「ID・パスワード方式」の2つがあります。安定性と安全性の面ではAPI方式が優れており、対応している金融機関であればAPI方式を選ぶのが基本です。
| 項目 | API方式 | ID・パスワード方式(スクレイピング) |
|---|---|---|
| 仕組み | 金融機関が公式に提供するAPI(専用の接続口)を通じて直接明細を取得(連携)する | 利用者のログイン情報を会計ソフトが預かり、代わりにサイトへログインして明細を取得する |
| セキュリティ | 極めて高い(カードのログイン情報を会計ソフトに保存しない) | リスクあり(カードのID・パスワードを会計ソフト側に預ける) |
| 接続の安定性 | 高い(金融機関サイトの画面変更やお知らせ表示の影響を受けにくい) | 低い(サイトの仕様変更などで一時的に取得できなくなることがある) |
| 運用上の手間 | アクセス許可に期限があり、定期的な再認証が必要 | パスワード変更時などに再設定が必要 |
マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusの「データ連携」機能も、この2つの方式のいずれかで連携先の明細を取得しています。API方式は、電子証明書連携ソフトのような専用ソフトウェアを使わずに明細を取得でき、金融機関側のお知らせ表示などによって取得が止まることもないため、より安定した連携が可能とされています。
自動取得から仕訳登録までの流れ
連携設定が完了すると、明細の取得から仕訳の登録までは「自動取得→勘定科目の提案→確認・登録」という流れで進みます。会計ソフトが定期的に金融機関から明細を取得し、取引内容から勘定科目を提案します。
経理担当者は提案内容を確認し、必要に応じて修正して登録するだけで、帳簿への記帳が完了します。
銀行口座・クレジットカード連携でできること
銀行口座やクレジットカードと会計ソフトを連携すると、「利用明細の自動取込」「残高・経費のリアルタイム把握」「証憑管理の効率化」「不正利用の検知」「勘定科目の自動推測」の5つを実現できます。いずれも、日々の記帳作業と月次決算の両方に効果があります。
利用明細の自動取込による時間の削減と転記ミスの防止
最も大きな効果は、明細を一件ずつ会計ソフトに入力する作業がなくなることです。通帳やカード明細を見ながら日付・金額・摘要を転記する作業は、取引件数が多い企業ほど負担が大きくなります。データ連携を使えば、明細が自動で会計ソフトに届き、勘定科目を自動推測し提案まで受けられるため、記帳にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、手入力では金額の桁間違いや日付の誤り、登録漏れなどのヒューマンエラーが避けられません。データ連携では金融機関のデータがそのまま取り込まれるため、転記の段階でミスが入り込む余地がなくなります。入力後の突き合わせ作業も減り、帳簿の正確性と信頼性が高まります。
残高・経費の状況をリアルタイムで把握できる
明細が日々自動で取り込まれることで、月末を待たずに現時点の口座残高や経費の発生状況を会計ソフト上で確認できます。銀行へ出向いて残高を照会する手間もなくなります。資金繰りの把握や、経営者への報告のスピードが上がる点は、実感しやすいメリットです。
証憑データの自動取得で電子帳簿保存法対応が進む
一部の連携サービスでは、明細とあわせて請求書や領収書などの証憑データを自動で取得できる場合があります。マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusでは、データ連携の設定時に「証憑の自動取得」を有効にすると、改正電子帳簿保存法の電子取引データ保存に該当する証憑が自動保存されます。明細と証憑を別々に管理する手間が減り、法令対応もあわせて進められます。
不正利用を検知できる
クレジットカードと会計ソフトを連携すると、カードの利用明細が自動で会計ソフトに取り込まれます。カードの利用状況は、カード会社の明細画面や、翌月に届く利用明細で確認するのが一般的です。そのため、確認が後回しになり、身に覚えのない利用に気づくのが遅れることも少なくありません。
会計ソフトと連携していれば、利用明細が会計ソフト上に自動で反映されます。仕訳の確認や月次の処理をする際に、経理担当者がカードの利用内容を日常的に目にすることになります。「この利用に心当たりがない」「いつもと違う金額や利用先がある」といった異変に早く気づけるため、不正利用の早期発見につながります。
社内で利用されているカードについても同様です。業務に関係のない利用や、経費として説明のつかない利用を、記帳の過程で確認できます。
手入力による記帳では、明細を一件ずつ転記するため、確認の手間がかかるうえ、見落としも起こりがちです。自動で取り込まれた明細を確認する運用にすることで、手間を減らしながら、チェックの精度を高められます。
過去の仕訳内容を学習して勘定科目を自動推測してくれる
銀行やクレジットカードなどから自動取得した明細に対して、過去のパターンをもとに、最適な勘定科目を自動推測・提案してくれます。担当者が毎回科目を判断して入力する必要がなくなるため、入力のブレを未然に防ぎ、仕訳の品質を標準化できます。担当者ごとのやり方に左右される属人化の解消にもつながります。
データ連携の注意点・デメリットについて
銀行口座・クレジットカード連携は便利な一方で、「反映のタイムラグ」「再認証の手間」「私的利用との混在」「連携できない明細への対応」「セキュリティの確認」の5点は導入前に理解しておく必要があります。
明細の反映にタイムラグがある
金融機関で取引が発生してから会計ソフトに明細が反映されるまでには、一定の時間差があります。特にクレジットカードは、利用日から明細が確定するまでにカード会社側で数日かかるのが一般的です。また、取得できる明細の期間は連携先ごとに異なり、連携時点でネットバンキングやカード会社のサイト上で照会できる期間のデータが対象となります。過去の明細をさかのぼって取り込みたい場合は、対応期間を事前に確認しましょう。
API連携は定期的な再認証が必要
API方式は安定性が高い反面、金融機関から付与されるアクセス許可に有効期限があります。マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusの場合、APIのアクセス許可の期間は連携先によって異なるため、期限が来たら再認証を行う必要があります。再認証を忘れると明細の取得が止まるため、再認証通知を確認する運用ルールを決めておくと安心です。
法人カードと個人カードの混在・私的利用の判別
個人名義のカードを事業でも使っている場合、私的な利用分も明細として取り込まれます。取り込んだ明細のうち事業に関係ないものは、仕訳登録の対象外として処理する必要があります。可能であれば、事業用の法人カードやビジネスカードを用意し、個人利用と分けて運用する方が、判別の手間もミスも減らせます。
連携できない金融機関・明細がある場合の対処
すべての金融機関やカードがデータ連携に対応しているわけではありません。連携対象外の口座については、金融機関サイトから明細をCSVでダウンロードして会計ソフトにインポートする、または手入力するといった対応が必要になります。導入前に、自社で利用しているすべての口座・カードについて対応状況を確認しておきましょう。
セキュリティ面の確認
金融機関の情報を会計ソフトに登録する以上、提供会社のセキュリティ体制は必ず確認したいポイントです。ログイン情報が暗号化されて保管されているか、不正アクセスへの監視体制があるか、といった点を公式サイトで確認しましょう。
あわせて、利用者の委託を受けて銀行の口座情報を取得し、利用者に提供するサービスを事業として行う場合、原則として電子決済等代行業の登録が必要です。サービスを選ぶ際は、登録状況に加え、具体的なセキュリティ対策も確認することが大切です。
株式会社マネーフォワードは、電子決済等代行業者として登録されています。また、マネーフォワード クラウドでは、金融機関のログイン情報の暗号化、サーバーへのアクセス制限、自動監視などの対策を公開しています。
マネーフォワード クラウドのセキュリティ対策の詳細は以下をご覧ください。
https://biz.moneyforward.com/security/
銀行口座・クレジットカードと連携できる会計ソフトの選び方
会計ソフトを選ぶ際は、「対応金融機関の範囲」「API方式への対応」「自動仕訳の精度」「他機能との連携」「セキュリティ・サポート体制」の5つの観点で比較すると、自社に合ったものを見つけやすくなります。
自社のメインバンク・法人カードに対応しているか
対応する金融機関の数が多いソフトでも、自社で使っている口座やカードが含まれていなければ意味がありません。公式サイトの連携先一覧や、無料トライアルで実際に登録できるかを確認するのが確実です。
API方式に対応しているか
自社のメインバンクやカード会社との連携がAPI方式で行えるかを確認しましょう。API方式であれば、ログイン情報を預けずに安定して明細を取得できます。将来的にAPI対応の金融機関が増えた際に、切り替えができる仕組みになっているかも確認ポイントです。
自動仕訳の学習機能・精度
取り込んだ明細に対して勘定科目を自動提案する機能は、多くのクラウド会計ソフトに備わっています。差が出るのは、過去の登録内容を学習して提案精度が上がっていくかどうかです。同じ取引先からの入金や毎月の固定費など、繰り返し発生する取引をどれだけ自動で処理できるかが、日々の作業量に直結します。
証憑管理・経費精算など他機能との連携
銀行・カード連携だけでなく、証憑の保存、経費精算、請求書発行、給与計算といった周辺業務とデータがつながるかも確認しましょう。同じ提供会社のサービス群であれば、マスタや仕訳が自動で連携されるケースが多く、経理業務全体の自動化範囲を広げられます。
セキュリティ・サポート体制
金融データを預ける以上、提供会社の信頼性は重要です。暗号化やアクセス制限などの技術的対策に加え、内部統制の評価に使えるSOC報告書の提供有無、導入時や運用中に相談できるサポート窓口の有無も比較の材料になります。
銀行口座・クレジットカード連携に対応したおすすめの会計ソフト
ここでは、銀行口座やクレジットカード連携に対応している会計ソフトを紹介します。連携できる範囲や利用条件はソフトごとに異なるため、詳細は各社の公式サイトで確認してください。
- マネーフォワード クラウド会計
- マネーフォワード クラウド会計Plus
- 弥生会計 Next
- 勘定奉行クラウド
- PCAクラウド 会計
- クラウド発展会計
- Oracle NetSuite
マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusの銀行口座・クレジットカード連携でできることは?
マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusは、2,400以上(2026年9月末時点)の金融関連サービスと連携し、入出金明細や利用明細を自動取得したうえで、AIが勘定科目を提案する仕組みを備えています。ここでは、連携できる範囲と設定手順を紹介します。
連携できる金融機関・カードの範囲
三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・ゆうちょ銀行などの都市銀行や地方銀行、楽天銀行などのネット銀行に加え、JCBカード・楽天カード・dカードなどのクレジットカード、電子マネー・プリペイドカードとも連携できます。
※2026年9月末時点の連携情報です。
API方式とID・パスワード方式の両方に対応
対応する金融機関・連携サービスではAPI方式で連携でき、明細を自動取得できます。API方式に対応していない連携先はID・パスワード方式で連携するため、幅広い金融機関・連携サービスのデータを一つの会計ソフトに集約できます。
AIによる勘定科目の自動提案と学習
自動取得した明細に対しては、AIが取引内容を解析して勘定科目を提案します。登録した仕訳の内容を学習し、使い続けるほど提案の精度が高まっていくため、繰り返し発生する取引の仕訳作業は確認だけで済むようになります。
マネーフォワード ビジネスカードとの連携
マネーフォワードが提供する法人向けカード「マネーフォワード ビジネスカード」と連携すると、利用明細をリアルタイムに自動取得できることに加え、明細に添付した領収書などの証憑データもあわせて取得できます。ビジネスカード側で「証憑・メモ添付機能」を有効にしておくことで、明細と証憑をセットで会計ソフトに取り込み、経費処理と電子帳簿保存法対応を同時に進められます。
銀行口座・クレジットカードと連携できる会計ソフトで記帳作業を効率化
銀行口座やクレジットカードと連携できる会計ソフトを使えば、明細の自動取得と勘定科目の自動提案によって、手入力と転記ミスを大きく減らせます。マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusでは、多数の金融関連サービスとのデータ連携とAIによる仕訳提案に対応しています。
詳細は、マネーフォワード クラウド会計/クラウド会計Plusのサービス資料よりご確認ください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
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