• 作成日 : 2025年4月25日

施主も工事前に近隣挨拶をした方がいい?挨拶文の例を紹介

工事を開始する際、施工業者が近隣住民に挨拶を行いますが、施主も事前に挨拶をすることが大切です。工事中は騒音や振動、ほこり、工事車両の出入りなどで近隣に迷惑をかける可能性があるため、事前に挨拶をしておくことで理解を得やすくなります。

挨拶を行う際には、挨拶状を作成し、直接渡すとより丁寧な印象を与えられます。不在の場合は、挨拶状をポストに投函することで、工事内容や期間を住民に伝えられます。

この記事では、工事挨拶状の作り方や具体的な例文を詳しくご紹介します。

工事前の挨拶まわりはなぜ必要?

工事前に近隣住民に挨拶をしておくことは、トラブルを防ぎ、良い関係を築くために大切です。工事では音や振動、車両の出入りなどがあり、周りの人に迷惑がかかる場合があります。工事前に挨拶や挨拶状を渡しておくと、相手に工事内容を理解してもらいやすくなり不満や苦情を減らすことができます。

また、施主と施工業者が別々に挨拶に行く場合は、なるべく施主が先に訪問し、事前に挨拶状を渡しておくとスムーズです。

近隣トラブルを防ぐ

事前に挨拶をすることで、工事による音や振動について周囲の人々に説明ができ、苦情を減らすことができます。また、挨拶の際にしっかりと説明を行うことで、信頼関係を築くきっかけにもなります。

騒音・振動・粉じん・においに理解を求める

工事中には音や振動、ほこり、塗料のにおいが発生し、近隣の生活に影響を与えることがあります。例えば、洗濯物がほこりで汚れたり、掃除の手間が増えたりする場合もあります。こうした迷惑を防ぐため、事前に工事内容を詳しく伝え、住民の理解を得ることが大切です。

工事車両の出入りで迷惑をかけるおそれがある

工事中はトラックや作業車が頻繁に出入りし、道が狭くなったり通りにくくなることがあります。こういった状況を避けるために、事前に工事のタイムスケジュールや車両の運行予定を伝えておくと、近所の人も状況がわかりやすくなります。

車の養生など近隣への配慮が必要な場合もある

工事中には、ほこりや塗料が車や建物、庭木につくことがあります。その場合は、車などを守るためのカバー(養生)をすることについての説明が必要です。

また、工事車両が道をふさいだり、近くの敷地を一時的に使わせてもらうことがある場合は、工事業者が住民から許可を取る必要があります。こういった配慮をすることで、近所の方と良い関係を作り、工事をスムーズに進めることができます。

施主も工事前に近隣挨拶をした方がいい理由

施主が事前に近隣住民と顔を合わせておくと、工事中に何かトラブルがあったときも、相談や話し合いがしやすくなります。

施主が先に挨拶を行い、その後、もしくは後日の施工業者の挨拶をフォローする形がよいでしょう。

「ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします」と直接伝えることで、丁寧で誠実な印象を持ってもらいやすくなります。

また、挨拶の際に簡単な手土産や粗品を渡すことで、さらに良い印象を持ってもらうことができます。手土産を用意するかどうかはご近所の方との付き合い方によりますが、大切なのは感謝の気持ちとお願いの気持ちをしっかり伝えることです。

特に、工事後も長く付き合うご近所だからこそ、丁寧な挨拶が良好な関係を保つことにもつながります。

工事前の挨拶をする流れ

工事の挨拶は施工業者が行うのが基本ですが、施主が一緒に挨拶に回ることもあります。

別々に挨拶を行う場合でも、業者の挨拶が終わった後に、施主が「改めてよろしくお願いします」と伝えるだけで、誠実な気持ちがしっかり伝わります。

1. 挨拶状の作成

工事の挨拶状には、工事の内容や期間を記載します。書面にすることで、相手に具体的な情報を伝えられます。挨拶状には次の項目を記載すると良いでしょう。

  • 工事の内容(例:新築工事、リフォーム工事)
  • 工事期間(開始日と終了予定日)
  • 作業時間(例:午前8時~午後5時)
  • 工事業者の連絡先
  • ご迷惑をおかけする旨の一言

挨拶状はシンプルでわかりやすい文章を心がけます。

2. 粗品や手土産の準備

挨拶の際に粗品や手土産を渡すことで、感謝の気持ちをより伝えやすくなります。タオルや洗剤、お菓子など、日常的に使えるものが喜ばれることが多いです。

粗品は工事業者が準備して渡す場合が一般的ですが、施主が別途用意することもあります。手土産の有無や内容は、近隣住民との付き合い方に合わせて考えると良いでしょう。

3. 近隣への挨拶(工事1週間前)

ご近所への挨拶は、主に工事業者が担当しますが、施主も一緒に挨拶をするか、事前に挨拶を済ませておくと、より丁寧な印象を与えられます。

もし施主が業者の後に挨拶をする場合でも、「改めてよろしくお願いいたします」と一言添えるだけで、誠実な気持ちがしっかりと伝わります。

4. 工事終了の挨拶

工事が無事に終わった後には、再度ご近所の方に挨拶を行います。「工事が終了しました。ご協力ありがとうございました」とお礼を伝えます。訪問が難しい場合でも、すれ違った際に一言お礼を伝えるだけで、気持ちがしっかり伝わります。

工事前の挨拶まわりをする範囲

工事前の挨拶まわりでは、どの範囲まで挨拶を行うべきなのでしょうか。ここでは、戸建て住宅とマンション・アパートの場合に分けて説明します。

戸建て住宅

戸建て住宅の工事では、直接影響を受ける隣接住民を中心に挨拶を行います。特に、以下の住民には必ず挨拶をしましょう。

  • 左右の隣家:工事の音や振動、ほこりなどで影響を受けやすい。
  • 向かいの家:工事車両の出入りや作業時の騒音が聞こえやすい。
  • 裏手の家:塗装工事や振動などで影響が出ることがある。

一般的には、敷地を囲む3~4軒が挨拶の対象となりますが、工事が大規模な場合はもう少し範囲を広げてもよいでしょう。また、道路が狭い地域では、通行に影響がある家にも挨拶をしておくとトラブルを防ぎやすくなります。

マンション・アパート

マンションやアパートの工事では、戸建て住宅とは異なる範囲での挨拶が必要です。特に、同じ建物内の住民への配慮が求められます。

  • 上下の部屋:工事の音や振動が直接伝わりやすい。
  • 隣接する部屋:騒音や作業員の出入りが気になる場合がある。
  • 管理人や大家:全体の住民に対する周知が必要な場合がある。

マンションやアパートでは、直接の挨拶だけでなく、工事期間中の掲示板などを使って情報を共有するのも効果的です。管理人や大家と相談しながら、必要な範囲を決めることが重要です。

工事前の挨拶状の例文

工事前に近隣住民へ渡す挨拶状に必要な項目や、工事内容ごとの例文を紹介します。もし留守の場合はポストに入れておくと良いでしょう。

1. 解体・新築工事の挨拶文の例

〇〇工事のお知らせ

平素よりお世話になっております。このたび、○○(住所)にて解体工事を行うことになりました。

工事期間:○月○日~○月○日

作業時間:午前8時~午後5時(予定)

工事中は騒音や振動、粉じんなどでご迷惑をおかけすることがあるかと思いますが、安全第一で作業を進めてまいります。何かお気づきの点がございましたら、以下の連絡先までご連絡ください。

施工業者:○○建設株式会社

連絡先:012-3456-7890担当者:山田

ご理解とご協力をお願い申し上げます。

2. リフォーム工事の挨拶文の例

〇〇工事のお知らせ

平素よりお世話になっております。このたび、○○(住所)の住宅にて工事を行うことになりました。

工事期間:○月○日~○月○日

作業時間:午前9時~午後4時(予定)

工事中は騒音や振動が発生する可能性がございますが、できる限りご迷惑をおかけしないよう努めてまいります。

ご不明な点や気になることがございましたら、以下の連絡先までお気軽にご連絡ください。

施工業者:○○リフォーム

連絡先:098-7654-3210担当者:田中

どうぞよろしくお願い申し上げます。

3. 塗装工事の挨拶文の例

〇〇工事のお知らせ

日頃よりお世話になっております。このたび、○○(住所)の建物にて外壁の塗装工事を行います。

工事期間:○月○日~○月○日

作業時間:午前8時~午後5時(予定)

工事中は、においやほこりが発生する可能性がございます。また、作業車両の出入りが増えることがありますので、ご理解いただけますと幸いです。

何かございましたら、下記までご連絡ください。

施工業者:○○ペイント株式会社

連絡先:045-6789-1234担当者:佐藤

よろしくお願い申し上げます。

短期間の工事でも挨拶は必要?

短期間の工事であっても、近隣への挨拶は忘れずに行いましょう。1日や2日程度の工事でも、騒音や振動、ほこり、工事車両の出入りなどが、近隣の生活に影響を与える場合があります。短期間であっても、住民にとっては迷惑に感じる場合があるため、事前に内容を伝えておくことが大切です。

挨拶がないまま工事が始まると、「何をしているのか」「どのくらい続くのか」といった不安を与えてしまうこともあります。事前に丁寧に挨拶をすることで、住民は状況を把握しやすくなり、安心してもらえるでしょう。

挨拶状を活用して工事をスムーズに進めよう

工事前の挨拶は、ご近所の方との信頼関係を築き、工事をスムーズに進めるために必要です。施主が直接挨拶を行うことで、住民の不安や疑問を解消し、誠実な気持ちを伝えられます。さらに、挨拶状を活用することで、工事の内容や期間を分かりやすく説明でき、不在の方にも情報を届けることができるため、とても効果的です。

また、簡単な手土産や粗品を添えると、感謝の気持ちがより伝わり、良い印象を持ってもらいやすくなります。たとえ短期間の工事であっても、丁寧に挨拶を行い、挨拶状をしっかり活用することで、トラブルを防ぎながら、工事後も良好なご近所付き合いを保つことができます。感謝の気持ちをしっかり伝え、安心して工事を見守ってもらえる環境を作りましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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