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消費税の納税はどっちがオトク?!簡易課税と原則課税の違い

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当然のことですが、消費税率は全国共通、一律です。しかし、事業者が税務署に支払う消費税額は必ずしも同じではありません。個人、法人にかかわらず事業者には納税の義務がありますが、前々年の課税売上高が1,000万円以下の場合は消費税を納税しなくてもいいなどの免除制度があります。また、納税額の計算方法は、「原則課税」と「簡易課税」の2通りあります。

今回は、2つの課税方法の違いと節税効果について考えてみました。

預かった消費税から支払った消費税を差し引く「原則課税」

消費税は、売上にともなって顧客から「預かった消費税」から、仕入れや経費などから実際に「支払った消費税」を差し引いて計算するのが基本です。これを「原則課税」といいます。

単純な例をあげると、税率8%として、税込540円で仕入れた物を、税込1,080円で売ったとします。80円は預かった消費税であり、40円は支払った消費税なので、80-40=40円を税務署に支払うわけです。

また、原則課税では、大規模な設備投資をするなどして、多額の消費税を支払い、預かった消費税を上回った場合には、超えた分が還付されることになります。

支払った消費税額を計算する必要のない「簡易課税」

他方、「簡易課税」とは、課税期間の前々年または前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で、事前に簡易課税制度適用の届出を提出している事業者が受けられる特例です。

これは、原則課税のように実際に預かった消費税から支払った消費税を差し引くのではなく、預かった消費税に、業種によって決められた一定率を乗算した額を、支払った消費税としてみなして納税額の計算を行うことができるものです。

ただし、簡易課税では、預かった消費税額からのみ納税額を計算するため、預かった消費税額を支払った消費税額が上回った場合でも、超えた分が還付されることはありません

中小事業者の事務負担等を軽減する目的で導入された中小事業者にのみ認められた方式です。

事業によって異なる「みなし仕入率」

事業の区分によって、それぞれのみなし仕入率を適用しています。

第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等)70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%

課税方式の比較

[原則課税]
(売上高 × 8%) - (仕入高 ×8%)
[簡易課税]
(売上高 × 8%) - (売上高 ×8% × みなし仕入率)

簡易課税と原則課税ではどちらがお得?

たとえば、サービス業なら簡易課税の「みなし仕入率」は50%。預かった消費税(課税売上高に対する消費税)のうちの半分を支払った消費税とみなし、残りの半分を納税することになります。

パターン①

仮に課税売上高が500万円の場合を見てみましょう。

預かった消費税:課税売上高500万円×消費税率8%=40万円
支払った消費税:仕入費用200万円×消費税率8%=16万円

原則課税の場合
預かった消費税額から支払った消費税額を差し引いて納税額を決定しますので、40万円から16万円を差し引いた24万円を納税することになります。

簡易課税の場合
預かった消費税額の50%、20万円を「支払った消費税」とみなすことができますので、残り20万円を納税することになります。

つまり、この場合では簡易課税を選択したほうが4万円分得することになります。支払った消費税が、預かった消費税にみなし仕入率(今回の場合50%)をかけた額以下の場合には、簡易課税を選択したほうがお得になるのです

パターン②

では次に、大規模な設備投資をして、多額の消費税を支払うことになった場合を見てみましょう。

預かった消費税:課税売上高500万円×消費税率8%=40万円
支払った消費税:店舗の建て替え費用1,000万円×消費税率8%=80万円

原則課税の場合
納税額は40万円−80万円=−40万円となり、40万円分還付されることになります。消費税の還付については「消費税還付の仕組みと還付される条件まとめ」を参考にしてください。

簡易課税の場合
納税額は支払った消費税額に関係なく、預かった消費税額からのみ計算されるため40万円の50%である20万円を差し引いた20万円を納税しなければならないことになります

つまり、この場合では原則課税を選択したほうが60万円分も得をすることになります。このように、支払った消費税が預かった消費税にみなし仕入率(今回の場合50%)をかけた額を超えた場合には、原則課税を選択したほうがお得になるわけです

まとめ

原則課税と簡易課税でどちらが節税につながるかどうかはケース・バイ・ケースです。ただし、いったん簡易課税制度を選択した場合、2年間は原則課税方式に戻すことができないため、設備投資の時期など、先を見越した適用が必要といえるでしょう。



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