- 更新日 : 2026年1月27日
差入保証金の仕訳を理解しよう!具体例と考え方を解説
差入保証金とは敷金や営業保証金などを処理するための勘定科目です。以下では差入保証金の基本的な考え方と会計上・税務上の取扱ルール、敷金をはじめとする主な差入保証金について解説します。
またセットで知っておきたい勘定科目「長期前払費用」についても解説します。
差入保証金の基本
差入保証金とは?
差入保証金とは債務者が債権者に対して取引や賃貸借の契約の履行を担保するために差し入れる現金のことです。
原則契約終了時に全額返還されますが、何か問題が起きれば一部差し引いて返還される場合や、契約内容によってはあらかじめその一部が返還されないと決まっている場合もあります。
なお、差入保証金として計上できるのは決算日の翌日から1年を超えて返還されるものだけとされています。
差入保証金の取り扱い
差入保証金は会計上、貸借対照表の資産の部にあたる固定資産の「投資その他の資産」に区分されます。この区分には投資有価証券や出資金、長期貸付金などがありますが、差入保証金はそのうち「その他」に分類されています。
税務上この勘定科目について押さえておくべきポイントは以下の2点です。
・消費税の課税対象外。
・個別評価債権または一括評価債権としての貸倒引当金の設定はできない。
個別評価債権とは部分的に回収ができないと想定される金銭債権を指し、一括評価債権とは個別評価債権以外の売掛金や貸付金などの金銭債権を指します。貸倒引当金とはこれらの金銭債権のうち、一部が回収不能になるなどの事態を想定してその額を見積もっておくものです。
差入保証金は契約期間が終わると債務者に返還を請求する権利が発生する点や、通常無金利である点などから金銭債権として単純には認められないため、貸倒引当金の設定が税務上できないのです。
長期前払費用と差入保証金
長期前払費用は貸借対照表において差入保証金と同じ区分にある勘定科目です。
差入保証金との違いは「返還されるか、されないか」です。差入保証金は原則全額返還ですが、契約によって返還されない部分がある場合もあります。これを長期前払費用などの勘定科目を使って処理し、そのあと償却します。
ただし長期前払費用に該当する部分の金額が20万円未満だった場合は、これを支払手数料などとして費用計上することもできます。なお、決算日の翌日から1年以内に費用化される(返還されない)ものは、前払費用と呼ばれます。
差入保証金 4つの具体例
敷金
原則契約期間が終わると返還される点、通常は無金利である点など敷金は差入保証金の最もわかりやすい例だと言えます。そのため貸倒引当金の設定は基本的にはできません。
建設協力金
建設協力金とは賃貸契約をすでに結んでいる建物の建設時に預託保証金として差し入れるお金です。これは建物完成後に賃貸契約がスタートすると、契約時に定めた期日に返還されます。契約によっては金利が発生し、長期前払費用などによる会計処理が必要な場合があります。
営業保証金
営業保証金とは取引先と営業取引をする際に、債務不履行が起きたときのために差し入れておく保証金です。一般的に無利息で返済期日は不明確、取引額によって金額の変動がある場合もあります。
ゴルフ会員権の保証金
ゴルフ会員権は会員が出資するという形をとる「株主方式」と、ゴルフ運営会社が返済義務を負う「預託保証金方式」が一般的です。このうち預託保証金方式のゴルフ会員権に支出した場合は、これを差入保証金として処理することができます。
差入保証金の仕訳例
最後に差入保証金の実際の仕訳例を見ておきましょう。まず店舗家賃の保証金として60万円を普通預金口座から振り込んだとします。この場合の仕訳は次のとおりです。
預金から60万円が減っているので貸方科目は「普通預金」、預金が減った理由が店舗家賃の保証金なので借方科目は「敷金・保証金」となります。金額はどちらも60万円です。
ではこのときの賃貸契約書に「契約期間は5年、明け渡し時10%償却、更新手数料あり」と記されていたとしましょう。この場合は返還されないと想定される部分が発生するので、長期前払費用の処理が必要となります。
60万円の50%にあたる30万円が長期前払費用として処理され、残りの30万円が敷金・保証金として処理されます。減少する預金は60万円で変わりないので貸方科目は普通預金、金額は60万円です。
まとめ
差入保証金の基本的な性質を理解しておけば、ここに挙げた4つの例以外のケースに直面しても、それが差入保証金なのかどうかの判断ができるはずです。
特に長期前払費用との関係に注意して、間違いのない対応ができるように理解を深めておきましょう。
関連記事
・郵便代について知っておきたいポイント3選
・法人税申告書の書き方をわかりやすく解説!
・税効果会計における繰延税金資産とは?
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025/10 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
インボイス制度 徹底解説(2024/10 最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
よくある質問
差入保証金とは?
債務者が債権者に対して取引や賃貸借の契約の履行を担保するために差し入れる現金のことを差入保証金といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
長期前払費用と差入保証金の違いは?
最大の違いは、「返還されるか、されないか」です。詳しくはこちらをご覧ください。
差入保証金の具体例は?
敷金・建設協力金・営業保証金・ゴルフ会員権の保証金などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
受取利息とは?どんな勘定科目?計算方法や仕訳、消費税・源泉徴収税まで簡単に解説
お金を金融機関に預けたり、他者に貸し付けたりすると、対価として利息を受け取ることがあります。この受取利息について、会計処理や税金の計算で戸惑ったことはないでしょうか? この記事では…
詳しくみる手許商品区分法の仕訳と会計処理をわかりやすく解説
手許商品区分法は手許にある商品とない商品を区分して処理する方法です。受託者に商品の販売を任せる委託販売や、試用期間を設けてから販売につなげる試用販売のときに用いられます。 手許商品…
詳しくみる諸掛の意味と仕入諸掛・売上諸掛の仕訳を解説
諸掛とは、商品に対して係る保険料や運送料などの費用を指します。諸掛には「売上諸掛」と「仕入諸掛」の2種類があり、それを自社と取引先のどちらが負担するかで使う勘定科目が異なるのです。…
詳しくみる電子マネーの仕訳に使う勘定科目まとめ
確定申告の段階で「どの勘定科目を使えばいいの?」とならずに済むよう、電子マネーによる支払いや売上、チャージの管理や取り扱いも、しっかり理解しておきたいものです。 ここでは、電子マネ…
詳しくみる有償支給取引の仕訳とは?会計処理や消費税の扱いをわかりやすく解説
製造業や委託加工を行っている企業では、「有償支給」の取引がよく行われます。しかし、実際に仕訳をしようとすると、「どの勘定科目を使えばいいの?」「消費税はどう処理するの?」など、悩ま…
詳しくみる門松の勘定科目は?購入した際の仕訳をわかりやすく解説!
企業の経理担当者や自営業者の中には、門松の購入費用が経費に計上できるか気になっている方もいるでしょう。立派な門松を購入・レンタルすると高額になる場合もあるため、可能であれば経費に計…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引




