• 作成日 : 2026年10月28日

IT導入補助金はデジタル化・AI導入補助金へ!2026年度の対象・補助額・申請方法を解説

Pointデジタル化・AI導入補助金とは?

IT導入補助金は2026年に「デジタル化・AI導入補助金」へ改称し、中小企業・個人事業主のITツール導入費用を最大450万円補助する制度です。

  • AI非搭載の会計・請求ソフトも対象
  • 小規模事業者は補助率が最大4/5
  • 7次締切は2026年12月1日17時

Q. インボイス対応類型の補助上限額はいくら?
A. ソフト関連費用は最大350万円で、補助額50万円以下の部分は中小企業3/4・小規模事業者4/5、超過分は2/3が適用されます。

IT導入補助金は、中小企業や個人事業主による業務効率化を支援する制度です。2026年は「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わり、会計ソフトや請求・受発注システムなどの導入を支援しています。 AIを搭載した製品だけを対象とする制度ではありません。

この記事では、IT導入補助金の対象者、申請枠ごとの補助率・上限額、必要書類や申請期限を解説します。

IT導入補助金は2026年も利用できる?

IT導入補助金は、生産性向上につながるITツールの導入費用を一部補助する制度です。 2026年の名称は「デジタル化・AI導入補助金」で、中小企業や小規模事業者、個人事業主などが対象になります。

2026年はデジタル化・AI導入補助金に名称が変更された

デジタル化・AI導入補助金は、AIを使わない会計・受発注・決済ソフトにも利用できます。 名称にAIが含まれていても、AI機能の搭載がすべての申請で必須になるわけではありません。

請求情報の二重入力を減らす、売上データを会計処理につなげるなど、自社の課題に合うツールを選びます。対象になるのは制度に登録されたITツールであり、市販のソフトを自由に購入して補助を受けられる仕組みではありません。

参考:デジタル化・AI導入補助金 公式ページ

中小企業だけでなく個人事業主も申請できる

通常枠などは、国内で事業を営む中小企業・小規模事業者が対象で、個人事業主も申請できます。 会社の規模は、業種別に定められた資本金または従業員数で判定します。

たとえば、小売業は資本金5,000万円以下、または常時使用する従業員50人以下が基準です。会社の場合、原則として両方ではなく、いずれかを満たすかで確認します。大企業の支配下にある企業などは対象外になるため、規模の条件だけで利用できるとは限りません。

参考:申請対象となる事業者の条件|デジタル化・AI導入補助金2026

小規模事業者には補助率の優遇がある

小規模事業者に該当すると、インボイス対応類型などで補助率が高くなります。 会社・個人事業主の場合、商業・サービス業は常時使用する従業員5人以下、宿泊業・娯楽業や製造業その他は20人以下が基準です。

たとえば、従業員3人の小売店は小規模事業者の基準に該当します。インボイス対応類型では、補助額50万円以下の部分について、補助率が最大4/5になります。

デジタル化・AI導入補助金はいくらもらえる?申請枠ごとの違いは?

補助額は申請枠・対象経費・補助率によって異なり、通常枠では最大450万円です。 会計や請求業務を改善する場合は、通常枠とインボイス対応類型が主な比較対象になります。上限額がそのまま支給されるわけではなく、対象経費に補助率を掛け、各枠の上限などを踏まえて計算します。

通常枠は5万円以上450万円以下

通常枠の補助率は原則1/2以内で、一定の最低賃金近傍の事業者は2/3以内です。 補助額に応じて、導入するソフトに含まれる業務プロセス数の条件が変わります。

補助額 業務プロセス数
5万円以上150万円未満 1つ以上
150万円以上450万円以下 4つ以上

業務プロセスは、会計、販売管理、在庫管理、給与計算などの業務区分を指します。ソフトを4本買えば、必ず4プロセスになるわけではありません。

補助率2/3の対象は令和7年10月から令和8年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上~令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上 ある事業者です。

インボイス対応類型はソフト関連費用を最大350万円補助する

インボイス対応類型は、インボイス制度に対応する会計・受発注・決済ソフトなどの導入を支援します。 ソフト関連費用の補助上限は350万円で、補助額によって補助率と機能要件が変わります。

補助額の区分 補助率 ソフトの機能要件
50万円以下の部分 中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内 会計・受発注・決済のうち1機能以上
50万円超~350万円の部分 2/3以内 会計・受発注・決済のうち2機能以上

50万円という区切りは購入費ではなく、補助額の区切りです。 補助額が50万円を超える場合も、50万円以下の部分には3/4または4/5の補助率を適用します。

電子取引・セキュリティ対策・複数者連携にも専用枠がある

取引先との受発注連携や情報セキュリティ対策には、別の申請枠があります。

インボイス枠の電子取引類型は、発注側が受注側へ無償アカウントを提供できる受発注システムなどが対象で、上限は350万円です。単に電子請求書を発行するだけで、この類型に該当するわけではありません。

セキュリティ対策推進枠は、登録された「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の利用を5万~150万円の範囲で支援します。商店街などが共同で取り組む場合には、複数者連携デジタル化・AI導入枠もあります。

デジタル化・AI導入補助金で何を購入できる?

主な対象経費は、登録ソフトの購入費やクラウド利用料、導入支援費用です。 パソコンやレジなどのハードウェアは、インボイス対応類型などで対象ソフトと組み合わせる場合に補助されます。

登録ソフトや最大2年分のクラウド利用料が対象

通常枠やインボイス対応類型では、クラウド利用料を最大2年分まで補助対象にできます。 ソフト購入費のほか、条件を満たす導入設定、操作研修、導入・活用コンサルティング、保守サポートなども対象です。

同じ製品名でもプランや登録内容が異なる場合があるため、IT導入支援事業者と対象範囲を確認します。補助期間が終わった後の利用料も含めて比較すると、導入後の予算を組みやすくなります。

パソコンやレジは対象ソフトと一緒に導入する

インボイス対応類型では、ハードウェアだけの申請はできません。 対象ソフトの使用に必要な機器として導入する場合、次の範囲で補助されます。

ハードウェアの区分 補助率 補助上限額
パソコン・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 1/2以内 10万円
POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 1/2以内 20万円

上限額は1台ごとの金額ではありません。また、レジ・券売機は、登録された決済機能を持つソフトとの組み合わせなどの条件があります。

未登録ツールや申請代行費・消費税などは対象外

未登録のITツールや、補助金の申請・報告に関する代行費、消費税などは補助対象外です。 中古品や交通費・宿泊費なども対象になりません。

また、原則として交付決定前に契約・購入したものは対象外です。「業務で使う費用だから補助される」と考えず、購入時期と経費区分を確認してください。スマートレジの事前着手制度については、通常の取扱いと分けて後述します。

デジタル化・AI導入補助金の申請方法・必要書類は?

通常枠やインボイス対応類型は、登録されたIT導入支援事業者と協力して電子申請します。 申請前にはアカウント取得、セキュリティ対策の自己宣言、必要書類の準備を進めます。申請には審査があり、提出すれば必ず採択されるわけではありません。

GビズIDプライムとSECURITY ACTIONを準備する

申請には「GビズIDプライム」の取得と「SECURITY ACTION」の自己宣言が必要です。 GビズIDプライムは行政サービスへのログインに使う事業者向けアカウントです。

SECURITY ACTION(セキュリティアクション)は、情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度で、一つ星または二つ星を選びます。申請直前に不足が判明しないよう、早めに準備しましょう。ログイン情報を支援事業者などの第三者へ渡してはいけません。

支援事業者と計画を作り、法人・個人別の書類をそろえる

必要書類は法人と個人事業主で異なり、財務状況を確認する書類も提出します。 通常枠の主な必要書類は次のとおりです。

申請者 主な必要書類
法人 履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)、税務署で発行された直近分の法人税納税証明書「その1」または「その2」、直近分の貸借対照表・損益計算書
個人事業主 運転免許証・運転経歴証明書・住民票(発行から3か月以内)のいずれか、税務署で発行された直近分の所得税納税証明書「その1」または「その2」、税務署で発行された受領済みの確定申告書控え、所得税の青色申告決算書または収支内訳書

履歴事項全部証明書や住民票には発行時期の条件があります。支援事業者とは、導入する機能、費用、改善する業務を整理し、申請者自身が内容を確認して提出します。

交付決定後に発注・導入・支払い・実績報告を行う

原則として、契約・発注は申請後ではなく「交付決定後」に行います。 交付決定は、審査を経て補助対象として認められたことを示す通知です。

その後、期限内に導入と支払いを済ませ、請求書、支払証拠、ツールの利用状況などを提出します。実績報告の確認を経て補助額が確定し、補助金が振り込まれます。購入時点で補助金分が値引きされる制度ではありません。

デジタル化・AI導入補助金はいつまで申請できる?

2026年10月時点で、通常枠などの7次締切は12月1日17時と公表されています。 申請期限と導入・実績報告の期限は別なので、両方を確認してください。また、スマートレジについては通常の公募とは異なる事前着手制度も案内されています。

通常枠などの7次締切は2026年12月1日

通常枠、インボイス枠の両類型、セキュリティ対策推進枠の7次締切は、2026年12月1日(火)17時です。

手続き 公表日程
交付申請の締切 2026年12月1日(火)17時
交付決定 2027年1月19日(火)予定
事業実施・実績報告の期限 2027年7月30日(金)17時予定

交付決定日と事業実施・実績報告期限は予定です。上記の日程は、IT導入支援事業者の公表情報でも確認できます。

申請締切と実績報告期限は別の期限です。 締切当日はアクセスが集中する可能性があり、17時を過ぎると申請できません。今後の募集日程は随時更新されるため、申請前に公式スケジュールを確認し、余裕を持って手続きを進めましょう。

スマートレジには例外的な事前着手制度が案内されている

対象となるスマートレジの導入やPOSレジの改修には、実施後の申請を認める事前着手制度が案内されています。2027年4月からの消費税率引下げ方針を受けた支援で、2026年9月15日以降の対象導入・改修について、事後申請できる仕組みです。申請受付は2027年1月頃の予定とされています。

公募要領は後日公開とされています。通常枠のソフト購入も事後申請できると解釈せず、対象経費や証拠書類などの詳細条件を確認してください。

デジタル化・AI導入補助金の自己負担や返還で注意することは?

補助金は後払いであり、受給後にも報告や要件の履行が伴います。 補助率だけで導入を決めず、支払時点の資金、補助対象外の費用、継続利用料まで見積もりましょう。過去の交付決定歴によって賃上げ要件が変わるため、以前利用した事業者も今年の公募要領を確認してください。

補助金が入る前に導入費用の全額を支払う

申請者は、補助金を受け取る前に導入代金を支払います。 たとえば、小規模事業者が税抜50万円の対象ソフトを導入し、インボイス対応類型の補助率4/5が適用されると、補助額は40万円です。

税抜費用の最終的な自己負担は10万円ですが、支払時には消費税を含む代金を用意します。対象外の費用があれば、その分も自己負担です。

また、「キャッシュバックで実質無料」と勧められても、費用の還流によって自己負担をなくす取引は不正に該当するおそれがあります。

賃上げ要件や効果報告を満たさないと返還の可能性がある

賃上げ要件は、申請額と過去の交付決定歴によって異なります。 通常枠で150万円以上を申請する場合、原則として3年間の事業計画で、1人当たり給与支給総額の年平均成長率3%以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金より30円以上高くすることなどが条件です。

2022~2025年に交付決定を受けた事業者は、通常枠の申請額が150万円未満でも、原則として給与の年平均成長率3.5%以上などが条件になります。インボイス対応類型にも、過去の交付決定事業者に対する賃上げ要件があります。医療・介護など一定の事業者は適用除外です。

受給後はツールの継続利用状況などを報告します。必須目標の未達や報告未提出、利用停止などにより、補助金の全部または一部の返還になる場合があります。

デジタル化・AI導入補助金を受け取ったら税金はかかる?仕訳と計上時期は?

デジタル化・AI導入補助金は、原則として所得税・法人税の計算に含まれます。 ただし、補助金額だけに税率を掛けるのではなく、売上や他の収益から経費・損金を差し引いた所得や利益に対して課税されます。補助金自体は消費税の課税対象外です。

補助金は原則として「雑収入」で処理する

法人は益金、個人事業主は事業所得の収入として扱うのが基本です。 帳簿では「雑収入」などの勘定科目を使用します。たとえば補助金80万円の受給額が確定した場合は、「借方:未収入金80万円/貸方:雑収入80万円」と仕訳します。

補助金は商品販売やサービス提供の対価ではないため、消費税区分は「対象外」です。「非課税売上」ではない点に注意しましょう。

実際の入金日ではなく補助金額が確定した時点で計上する

原則として、採択日や最初の交付決定日ではなく、実績報告後に補助金額が確定し、受給する権利が確定した時点で収益を計上します。 入金が翌期になる場合も、金額確定時に未収入金を計上します。

その後、80万円が振り込まれたときは「借方:普通預金80万円/貸方:未収入金80万円」とし、未収入金を消し込みます。

ITツールの購入費と補助金は分けて記帳する

ソフトやパソコンの購入費を補助金相当額だけ減らさず、支出と補助金を別々に記帳するのが基本です。 クラウド利用料は契約期間などに応じて費用処理し、取得したソフトウェアや機器は金額・使用期間に応じて固定資産に計上します。

国庫補助金等で固定資産を取得し、税法上の条件を満たす場合は圧縮記帳を検討できます。ただし、税金の免除ではなく将来への繰延べとなるため、対象資産や申告方法を確認したうえで適用します。

IT導入補助金を会計・請求業務の改善に生かそう

IT導入補助金は、2026年に「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変わりました。会計・請求業務の改善には、通常枠やインボイス対応類型が選択肢になります。ただし、対象ツール、契約時期、申請要件を満たさなければ補助は受けられません。

まずは減らしたい作業を整理し、登録された支援事業者へ相談しましょう。補助額だけでなく、自己負担、継続利用料、受給後の報告まで確認して導入計画を立てることが、無理のない運用や利活用へとつながっていきます。

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