• 作成日 : 2026年10月28日

消費税減税で外食はどうなる?店内飲食・テイクアウト・宅配の税率と飲食店への影響を解説

Pointt消費税減税で外食の税率はどうなる?

2027年4月から飲食料品は1%へ引き下げられますが、外食(店内飲食)は10%のままです。

  • 店内飲食は減税対象外で10%継続
  • テイクアウト・宅配は原則1%に
  • ケータリングは外食扱いで10%のまま

Q. 同じ料理でも税率が変わるのはなぜ?
A. 店内飲食は「食事の提供」、テイクアウトは「飲食料品の譲渡」と区分され、販売時点の提供形態で税率が決まるためです。

飲食料品の消費税率を2027年4月1日から2年間、1%へ引き下げる改正案が示されています。レストランなどでの外食は引下げ対象に含まれず、10%のままとなる予定です。一方、テイクアウトや出前・宅配は飲食料品の譲渡に当たるため、1%の対象となる予定です。

本記事では、消費税減税と外食の関係、店内飲食と持ち帰りの違い、飲食店のレジ・価格表示・インボイスへの影響などを解説します。

消費税減税で外食の税率はどうなる?

現在公表されている消費税率引下げ案では、レストランや飲食店などの「外食」は減税対象にならず、消費税率10%が続く予定です。現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品は、2027年4月1日から2年間、1%へ引き下げられる案となっています。飲食店では「店内で食べるか」「持ち帰るか」によって、同じ料理でも適用税率が大きく異なる状態になる可能性があります。

店内で食べる外食は10%のままとなる

レストラン、ファストフード店、社員食堂など、飲食設備のある場所で食事を提供する取引は外食に該当し、消費税率10%のままとなる予定です。現行制度では、外食は軽減税率の対象となる「飲食料品の譲渡」から除外されています。外食とは、おおむね飲食店営業などを行う事業者が、テーブルや椅子などの飲食設備のある場所で飲食させるサービスを指します。

2027年4月から予定されている税率引下げについても、対象となる飲食料品の範囲は現在8%となっている飲食料品と同じとされています。現在10%である外食は1%への引下げ対象には入りません。

参考:飲食料品に係る2年間の消費税率引下げについて|国税庁

飲食料品は2027年4月から1%へ引き下げられる

2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、対象となる飲食料品の消費税率は8%から1%へ引き下げる案が示されています。1%は国税と地方消費税を合わせた税率で、国の消費税率0.78%と地方消費税率0.22%相当で構成されます。対象となるのは、原則として2027年3月31日まで8%が適用されている飲食料品です。

定期購読契約に基づく一定の新聞は現在の8%が維持され、外食などその他の課税取引は10%となる予定です。、改正案が成立すれば「1%・8%・10%」という3つの税率が並存することになります。

参考:消費税率引下げ特設サイト|国税庁

外食とテイクアウトでは消費税減税の扱いがどう違う?

最大の違いは、店内飲食は「食事の提供」として10%、テイクアウトは「飲食料品の譲渡」として減税対象になる点です。 改正案が予定どおり成立した場合、2027年4月以降は店内飲食10%に対し、テイクアウトは原則1%となります。

テイクアウトは原則として1%の対象となる

料理を持ち帰り用の容器に入れたり包装したりして販売するテイクアウトは、外食ではなく飲食料品の譲渡に当たります。現行制度では、例えばファストフード店でハンバーガーを店内で食べれば10%、持ち帰れば8%です。2027年4月からの改正案では、持ち帰り部分の8%が1%へ引き下げられる予定であるため、店内飲食10%、テイクアウト1%という扱いになります。

適用税率は料理の種類ではなく、商品を提供する時点で店内飲食か持ち帰りかによって判断します。そのため、同じハンバーガーや弁当でも利用方法によって税率が異なります。

店内飲食か持ち帰りかは販売時点で判断する

店内飲食とテイクアウトのどちらに該当するかは、飲食料品を提供する時点で顧客の意思を確認するなどして判定します。ファストフード店で注文を受ける際に「店内でお召し上がりですか、お持ち帰りですか」と確認する方法が代表的です。店内で食べる意思を示している顧客に持ち帰り用の容器で提供したとしても、それだけでテイクアウトになるわけではありません。

2027年4月以降、予定どおり税率が引き下げられる場合は10%と1%という9ポイントの差が生じるため、飲食店では注文時の区分とPOSレジ上の税率設定を一致させる運用がこれまで以上に問題となりやすくなります。

出前・宅配・ケータリングの消費税はどうなる?

出前や宅配とケータリングでは扱いが異なります。単に料理を届ける出前・宅配は飲食料品の譲渡となりますが、配達先で調理や配膳などを行うケータリングは原則として外食等と同じ扱いです。そのため、2027年4月以降の改正案では、宅配ピザなどは原則1%、ケータリングは10%になると考えられます。どこで食べるかだけでなく、販売事業者が提供場所でどのようなサービスを行うかが判断材料になります。

出前や宅配は原則1%になる

そばの出前や宅配ピザなど、料理を届けるだけの取引は外食には当たらず、飲食料品の譲渡として1%の対象になる予定です。料理を顧客の自宅や会社へ届けても、それだけでケータリングにはなりません。届け先で加熱、調理、配膳などのサービスを伴わない一般的な出前やデリバリーは、現行制度では軽減税率8%の対象です。

改正案では、現在8%となっている飲食料品の範囲をそのまま1%の対象とする方針のため、通常のフードデリバリーや宅配についても1%となる予定です

ケータリングは原則10%のままとなる

顧客が指定した場所で調理、加熱、盛り付け、配膳などを行うケータリングは、飲食料品の単なる販売ではないため10%の対象です。例えば、料理を会場まで運ぶだけなら飲食料品の譲渡となる余地があります。一方、会場で食材を調理する、料理を盛り付ける、食器を配置するなどのサービスを行えば、ケータリングに該当する可能性があります。

この区分も2027年4月から予定されている飲食料品減税によって変更されるものではありません。現在の8%対象範囲が1%へ移行する仕組みのため、もともと10%のケータリングは引下げ対象外となる予定です。

コンビニやフードコートで食べる場合の税率はどうなる?

イートイン設備を利用して食べる場合は10%、持ち帰る場合は1%となる予定です。 コンビニ、スーパー、ファストフード店などでは、飲食設備を利用する意思があるかどうかによって税率を判定します。

店の近くにベンチがあるだけで必ず外食になるわけではなく、その設備が事業者の管理する「飲食設備」に当たるかどうかも判断に関係します。

コンビニのイートイン利用は10%になる

コンビニで購入した弁当などを店内のイートインスペースで食べる意思を示して購入する場合は、外食として10%が適用されます。反対に、同じ弁当を持ち帰る場合は飲食料品の譲渡となるため、現行制度では8%、予定される改正後は1%となります。

つまり、商品自体が1%対象かどうかだけを見るのではなく、販売時の提供形態も確認しなければなりません。コンビニやスーパーなどイートイン設備のある店舗では、税率変更後も店内飲食と持ち帰りを区分する仕組みが残ります

フードコートでの飲食も原則10%になる

飲食店が利用できるテーブルや椅子などを設けたフードコートで、その設備を利用して飲食する場合は、原則として外食に該当します。セルフサービスで料理を運ぶ形式であっても、店員による配膳がないことを理由に軽減税率になるわけではありません。飲食設備のある場所で飲食させるサービスであれば、基本的に外食として扱われます。

2027年4月から飲食料品の税率が1%へ引き下げられた場合も、フードコートで食べる料理は10%、持ち帰る料理は原則1%という区分が想定されます。

消費税減税で外食価格はどう変わる?

外食そのものの税率は10%のままなので、飲食料品減税だけを理由として店内飲食価格が直接引き下がる仕組みではありません。 テイクアウトは税率が8%から1%へ下がる予定であるため、税込価格の設定によっては店内飲食との価格差が広がります。

ただし、税率が下がった割合だけ販売価格が必ず下がるとは限りません。実際の税込価格は、事業者が設定する本体価格との組み合わせで決まります。

店内飲食とテイクアウトの税込価格差が広がる可能性がある

同じ税抜価格を設定している場合、10%の店内飲食と1%のテイクアウトでは税込価格に大きな差が生じます。例えば税抜1,000円の料理で単純計算すると、店内飲食が10%なら税込1,100円です。一方、テイクアウトが1%なら税込1,010円となり、90円の差が生じます。

ただし、飲食店が店内と持ち帰りで異なる税抜価格を設定することはあり得るため、必ずこの金額差になるわけではありません。消費者は「税率が違うこと」と「最終的な販売価格がいくらになるか」を分けて考える必要があります。

飲食店は仕入税率と売上税率が異なる場合がある

飲食店では、仕入れた食材と店内飲食として販売した料理で適用税率が異なる状態になります。改正案が成立した場合、対象となる食材の仕入れには原則1%が適用される一方、その食材を調理して店内で提供する外食売上には10%が適用されます。反対に、テイクアウトとして販売する場合は売上側も原則1%です。

このため、飲食店側では「食材を何%で仕入れたか」と「料理を何%で販売したか」を別々に記録する必要があります。消費税の申告では、売上税額から一定の仕入税額を控除して納付税額を計算するため、仕入税率が下がることは消費税計算にも影響します。

消費税減税に向けて飲食店はどのような対応が必要?

飲食店では、税率変更が正式決定した場合、レジ設定、価格表示、商品マスター、会計処理、インボイスなどを見直すことになります。 店内飲食だけを扱う店舗であっても、仕入れに1%対象の商品が含まれるため、売上税率が10%のままだから何も対応しなくてよいとは限りません。テイクアウトを扱う店舗では、1%と10%を正しく区分して処理できる体制がより直接的に影響します。

POSレジで1%と10%を区分できるようにする

テイクアウトを扱う飲食店では、1%と10%を商品や提供方法に応じて切り替えられるレジ設定が必要になります。現在でも店内飲食10%、テイクアウト8%という複数税率への対応が行われていますが、改正案が成立すれば8%部分を原則1%へ変更する作業が発生します。

また、新聞など8%が残る取引もあるため、事業内容によっては1%・8%・10%を扱えるシステムが必要です。税率設定だけでなく、レシート、売上集計、会計ソフトとの連携なども合わせて確認するとよいでしょう。

インボイスも新しい税率への対応が必要になる

1%の対象取引を行う適格請求書発行事業者は、インボイスでも1%の取引を区分して記載することになります。2027年4月前後をまたぐ請求では、改正前の8%と改正後の1%の商品が同じ請求書に含まれるケースも想定されます。また、店内飲食を法人向けに提供する場合などは10%の取引も発生します。

現在公表されているQ&Aでは、1%対象取引についても適用税率や税率ごとに区分した消費税額等を記載する考え方が示されています。飲食店側では、レジだけでなく請求書発行システムや会計システムについても新税率への対応状況を確認しておく必要があります。

参考:飲食料品に係る2年間の 消費税率引下げに関するQ&A|国税庁

価格表示には一時的な特例も予定されている

飲食料品の税率変更への対応が間に合わない事業者向けに、総額表示について一時的な特例を設ける案も示されています。税率引下げに対応した総額表示へ直ちに変更することが難しい場合、2027年2月1日から5月31日まで、実際の支払額と誤認させない表示を行うことなどを条件として、飲食料品について8%または1%の総額表示を残すことが認められる予定です。

ただし、これは飲食料品の表示に関する経過的な取扱いです。外食の税率そのものを引き下げたり、店内飲食を1%にしたりする措置ではありません。

消費税減税で外食産業の売上や客数にどんな影響がある?

飲食料品の消費税率が引き下げられても外食が10%のままであれば、外食産業の売上や客数に影響する可能性があります。テイクアウトとの価格差、原材料費、人件費、各店舗の価格設定など複数の要因によって影響は変わります。

テイクアウトとの税率差が広がり、店内飲食の客数に影響する可能性がある

2027年4月から予定される飲食料品の税率引下げでは、外食は10%のまま、対象となるテイクアウトは1%となるため、両者の税率差が広がります。 現行制度でも外食10%、テイクアウト8%という違いがありますが、改正後はその差が2ポイントから9ポイントになります。

同じ料理でも持ち帰りの税込価格が低く設定されれば、価格を重視する消費者がテイクアウトを選ぶ場面が増える可能性があります。その結果、ファストフード店やカフェなど、店内飲食と持ち帰りを併用する業態では、売上構成や客数の変化が生じることも考えられます。

外食産業の売上が一律に減少するとは限らない

消費税減税によって外食産業全体の売上が必ず減ると断定することはできません。 外食には、料理だけでなく店舗の空間、接客、調理直後に食べられる利便性など、テイクアウトでは代替しにくいサービスも含まれるためです。

また、飲食店が店内飲食とテイクアウトの税抜価格を調整したり、セット商品やサービス内容を変更したりすれば、税込価格差を小さくすることも可能です。

食材の仕入れには引下げ後の税率が適用されるため、仕入税額控除や納付税額にも影響します。実際の売上・客数への影響は、税率差だけでなく価格戦略やコスト構造も含めて見る必要があります。

店内飲食とテイクアウトを同じ税込価格にしても問題ない?

店内飲食とテイクアウトで適用される消費税率が異なっていても、税込価格を同じ金額に設定することは可能です。 ただし、税込価格を統一しても適用税率まで同じになるわけではありません。販売時には店内飲食か持ち帰りかを判定し、それぞれの税率で区分経理する必要があります。

税抜価格を調整すれば税込価格を同じにできる

事業者がどのような価格設定をするかは原則として任意であり、税抜価格を調整して店内飲食とテイクアウトの税込価格を統一できます。 現行制度でも、店内飲食は10%、テイクアウトは8%と税率が異なりますが、税抜価格をそれぞれ調整して同じ税込価格を表示する方法が認められています。

2027年4月から予定される飲食料品の消費税率引下げが成立した場合も、店内飲食は10%、対象となるテイクアウトは1%となる予定ですが、考え方は同様です。たとえば税込価格を1,100円に統一する場合でも、それぞれの税率に応じて税抜価格や消費税額の内訳は異なります。

同じ価格でも店内飲食とテイクアウトは区分して経理する

税込価格を統一しても、店内飲食とテイクアウトを同じ税率で処理することはできません。 販売時に顧客へ利用方法を確認するなどして、店内飲食か持ち帰りかを判定し、それぞれの適用税率で売上を記録します。

たとえば同じ税込1,100円で販売していても、店内飲食が10%、テイクアウトが1%であれば、その内訳となる税抜価格と消費税額は異なります。POSレジや会計ソフトでも税率を正しく区分できる設定が必要です。そのため、「同一価格だから税率の判定も不要」と考えないよう注意しましょう。

消費税減税後の外食とテイクアウトの違いを確認しよう

2027年4月1日から2年間、現在8%の対象となっている飲食料品の消費税率を1%へ引き下げる一方、外食は10%のままとなる予定です。 飲食店では店内飲食10%、テイクアウト・通常の出前や宅配1%、ケータリング10%という区分が基本となります。

テイクアウトを扱う飲食店では、消費税減税に合わせてPOSレジ、価格表示、インボイス、会計処理などの変更が発生する可能性があります。実施時期や制度内容については、今後成立する法律と最新の公表資料を確認する必要があります。

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