- 更新日 : 2024年8月13日
売上債権回転率とは?計算式や目安と平均、売上債権回転期間の求め方まで解説
経営指標の一つに「売上債権回転率」があります。
さて、この指標はどのような時に役に立つのでしょうか?
この記事では、売上債権回転率の計算式や値の目安、平均値、さらには売上債権回転期間についてもわかりやすく解説します。
売上債権回転率とは?
売上債権回転率とは、売上高と売上債権の比率のことです。経営取引から生じた売上債権が、どの程度滞留しているかをみるための指標といえます。
経営上、「回転」という言葉をよく使います。ここでの「回転」は、「回収」と同じ意味を持ちます。
そして、売上債権とは、顧客との取引で生じた営業上の債権のことをいい、具体的には受取手形や売掛金などを指します。
会社には種々の債権がありますが、金銭債権とは将来、金銭を持って弁済を受けるべき債権のことをいい、金銭債権は売上手形や売掛金のような営業債権と、貸付金、未収入金のような営業外債権とに分けられます。売上債権と営業債権はほぼ同じ意味で使用されます。
売上債権回転率は、売上債権に占める売上高の割合を計算し、売上債権回転率が大きいほど、売上債権回収までの期間が短いことを意味します。
売上債権回転率は、売上債権を回収する速さを表す指標ともいえます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
請求業務50倍でも1名で対応!売上増加を支える経理効率化の秘訣
債権管理・請求業務効率化が必要と言われも日常業務に追われていて、なかなか改善に向けて動けないというご担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本ガイドでは、請求業務の効率化が必要なのか・効率化することで本業に集中することで得られるメリットを詳しくご紹介しています。
経理担当者向け!Chat GPTの活用アイデア・プロンプトまとめ12選
債権管理担当者や経理担当者がChat GPTをどのように活用できるか、主なアイデアを12選まとめた人気のガイドです。
プロンプトと出力内容も掲載しており、コピペで簡単に試すことも可能です。お手元における保存版としてでだけでなく、従業員への印刷・配布用としてもぜひご活用ください。
経理担当者向け!Excel関数集 まとめブック
経理担当者の方をはじめ、ビジネスパーソンが知っておきたい便利なExcel関数集を初級~上級までギュッと網羅。
新人社員の研修用などにもお使いいただけます。Google スプレッドシートならではの関数もご紹介しています。
会計士監修!簿記の教科書
簿記のキホンについて最低限知っておきたい情報をギュッとまとめた保存版のガイドです。
仕訳例や勘定科目がついており、はじめての方でもイメージをつけながら読むことができるようになっています。
売上債権回転率の計算式
売上債権回転率の計算式は次のとおりです。
なお、売上債権には売掛金、受取手形の他、受取手形を期日よりも早く現金化した割引手形も含め、売上債権に係る貸倒引当金があればマイナスします。
ある月に請求書を発行したうち、1ヶ月後には50%回収できたとすると、
| 当月の仕訳 | 借方 | 貸方 | ||
| 売掛金 | 100,000 | 売上高 | 100,000 | |
| 当月の仕訳 | 借方 | 貸方 | ||
| 預金 | 50,000 | 売掛金 | 50,000 | |
仮にもともと売掛金がないものとすると、翌月末の売掛金残高は
100,000円-50,000円=50,000円
となって、この1か月間の売上債権回転率は、100,000÷50,000=2(回)となります。
これは、2回転すれば売上高がすべて回収されるという意味になります。
しかしながら、通常は売上債権回転率は貸借対照表と損益計算書から求めることが多く、貸借対照表の売掛金や受取手形は決算時点のものであることに対し、損益計算書の売上高は事業年度(通常1年)ですので、通常は売上高の方が大きくなります。
売上債権回転率が大きいほど、売上債権が効率的に回収されていると言えますが、回収されない売掛金が多いと、売上債権回転率が下がっていきます。
売上債権回転率の目安や平均
一般には、会社にとって売上債権回転率が高い方が回収サイクルが早いということで「よい」とされ、回転率が低いと資金の回収サイクルが遅いということで、「悪い」とされます。
店頭で現金販売をする小売業や飲食業では、売上は現金での回収率が高いため、売上債権回転率が非常に高くなる傾向がありますが、これは業態によるものです。
例えば、3ヶ月サイトの受取手形で売掛金を回収することとなっている会社では、売上債権回転率は4回となってしまいますが、これは会社の回収ルールが正常に循環している中での回転率ですので問題ありません。
このように売上債権回転率は業種や業態、規模などによっても異なります。全体的に見れば、年6回以上であれば理想とされ、年3回以下では危険な状態、すなわち回収に問題ありといえます。
中小企業実態基本調査(令和元年確報)で、業態別の売上債権回転率を求めてみますと、次のようになっています。しかしながら、会社規模によっても売上債権回転率は異なってくるため、それぞれの業態平均値となっています。
| 業 態 | 売上債権回転率(回) |
|---|---|
| 建設業 | 9.07 |
| 製造業 | 5.75 |
| 情報通信業 | 6.75 |
| 運輸業、郵便業 | 7.85 |
| 卸売業 | 6.56 |
| 小売業 | 14.44 |
| 不動産業、物品賃貸業 | 10.77 |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 9.55 |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 47.52 |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 34.93 |
【参考】中小企業実態基本調査 / 令和元年確報(平成30年度決算実績) / 確報
売上債権回転率を改善する方法
売上債権回転率を高める、すなわち売掛金等を効率的に回収するためには次の2点が重要となります。
- 回収期日をしっかりと把握し、回収が遅れている取引に対して催促するなど管理を強化すること
- 特定の取引先に売上債権が極端に集中してしまうことがないようにしたり、回収までの期間を早めてもらったりするなどの方法を検討する
こと
などが挙げられます。
売上債権回転期間とは?
売上債権回転率は、売上債権を回収する速さを表す指標ですが、売上債権を回収するまでにかかる期間は「売上債権回転期間」と呼ばれます。
売上債権回転期間の計算式
売上債権回転期間の計算式は次のとおりです。
実際には、日数や月数で表す方が現実的であり、売上債権を回収するまでにかかる期間を日数で示す場合の計算式は、
「売上債権回転期間=売上債権÷売上高×365日」
となり、さらに月数で示す場合の計算式は、
「売上債権回転期間=売上債権÷売上高×12ヶ月」
となります。
売上債権回転期間が短いほど、売上債権を短期間で回収できることになります。
売上債権回転率を求めて効率的に売上債権を回収しよう
売上債権回転率は、売上債権が効率的に回収されることを示す値ですが、債権管理には網羅性と確実性が大切です。
売掛金の管理では、入金担当者が日々入金状況を確認し、滞留債権年齢表などの管理表を作成することが大切です。また、最近では債権管理システムによる債権管理の自動化も行われています。
いずれにせよ、効率的な債権管理を行い、売上債権回転率が低迷しないように管理しましょう。
【期間限定】会計ソフト移行で最大70万円ポイント還元!
オンプレミス型・インストール型をご利用の企業様へ。 移行作業をプロに任せる「導入支援サービス(サクセスプラン)」の費用相当額が、最大70万円分ポイント還元されるお得なキャンペーンを実施中です。
最後までこの記事をお読みの方に人気のガイド4選
最後に、ここまでこの記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。こちらもすべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
インボイス制度 徹底解説(2024/10最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、実務上の落とし穴や対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
電子帳簿保存法 徹底解説(2025年10月 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
マネーフォワード クラウド請求書Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド請求書Plusは、営業事務・経理担当者の請求業務をラクにするクラウド型請求書発行システムです。
作成した請求書はワンクリックで申請・承認・送付できます。一括操作も完備し、工数を削減できます。
マネーフォワード クラウド債権管理 サービス資料
マネーフォワード クラウド債権管理は、入金消込・債権残高管理から滞留督促管理まで、 広くカバーする特定業務特化型のクラウドサービスです。
他社の販売管理システムと連携して、消込部分のみでのご利用ももちろん可能です。
よくある質問
売上債権回転率とは何ですか?
売上高と売上債権の比率のことを売上債権回転率といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
売上債権回転率は、「高い」と「低い」どちらがいい状態ですか?
業種によっても異なりますが、一般的には会社にとって売上債権回転率が高い方が回収サイクルが早いということで「よい」とされ、回転率が低いと資金の回収サイクルが遅いということで、「悪い」とされます。詳しくはこちらをご覧ください。
売上債権回転期間とは何ですか?
売上債権を回収するまでにかかる期間のことを売上債権回転期間といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
約束手形の銀行持ち込みはいつまで?期限を過ぎた場合の対応や廃止に向けた方針も解説
約束手形は、企業間取引における信用決済の手段として長年利用されてきた有価証券です。買掛金の支払いを一定期間先に延ばすことができるため、資金繰りの調整や信用取引の証として機能してきま…
詳しくみる電子記録債権とファクタリングの違いは?どちらを選ぶかわかりやすく解説
電子記録債権とファクタリングは、ともに売掛債権を利用した資金調達の手段です。しかし、貸し倒れのリスクや管理・契約締結の手間などが異なります。それぞれ向いている会社は異なるため、メリ…
詳しくみるアクワイアラとは?仕組みや注意点、よくある質問をわかりやすく解説
キャッシュレス決済の導入や見直しを検討する中で、「アクワイアラって何?」「イシュアとの違いは?」と疑問を持つ方も多いでしょう。 アクワイアラとは、クレジットカード決済において加盟店…
詳しくみるVLOOKUP関数で突合する方法は?活用例や手順をわかりやすく解説
業務において、エクセルを利用してデータの抽出や比較をする機会はよくあります。エクセルで非常によく使われる関数として挙げられるのが、VLOOKUP関数です。VLOOKUP関数は、大量…
詳しくみる回収業務とは?手作業を減らして経理の負担を軽減する方法を解説
回収業務は、提供したサービスや商品に対する代金を受け取るために行う業務です。企業の資金繰りを円滑に進めるために重要ですが、同時に多くの課題が生じやすい業務でもあります。正しい回収業…
詳しくみるSaaSとは?サービス例やメリット・デメリット、IaaS・PaaSとの違いを解説
SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアをネットワーク経由で利用するサービスのことです。「サース」や「サーズ」と発音します。 従来のようにパッケージ…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引






.png)

