• 更新日 : 2025年9月9日

月次決算をExcelで効率化する方法とは?時間短縮のポイントを解説

手間がかかる月次決算処理に、苦労している方も多いのではないでしょうか。実はExcelをうまく使えば、効率化することが可能です。では、具体的にどのようにExcelを活用すればよいのでしょう?

本記事では、月次決算とはどのようなものか年次決算との違いなど基本的なことから、Excelを活用した効率的な月次決算の進め方まで解説します。

用途別テンプレート作成のコツや、作業をスムーズにするショートカットキー、さらにExcelで損益計算書を作成する具体的な手順までを網羅し、実務で役立つ知識をまとめました。

月次決算とは?

月次決算とは、企業が毎月の財務状況や業績を把握するために行う業務のことです。主に売上や経費、利益などを集計し、損益計算書や貸借対照表を作成します。

作成の際、Excelを用いれば数値管理や表作成が効率化し、迅速な分析が可能です。

また、月次決算を実施することで、経営状況をリアルタイムに把握できます。そのため、資金繰りやコスト改善、課題の早期対応に役立てられるのが特徴です。

一方、年次決算は1年間の経営成績を確定するものです。

主に、法人税の申告や財務報告のために実施するのが目的で、法律で作成が義務づけられています。月次決算とは異なり、公的な報告書としての役割をもつ点が大きな違いです。

月次決算に役立つExcelの機能は?7つの便利機能で作業時間を短縮

経理業務では、売上や経費などの入力や計算を繰り返すため、効率化が重要です。

ここでは、月次決算をスムーズに進めるために役立つ、Excelの便利な機能を紹介します。作業時間の短縮や、ミスの防止につなげるポイントをみていきましょう。

1.関数を活用して自動化する

月次決算では、Excelの関数を活用することで作業効率を上げられます。月次決算作成時に役立つ関数の一覧は、下記のとおりです。

関数 機能
SUM関数 合計算出
指定した範囲の合計値を自動計算する
SUMIF関数 条件に適した合計数値を自動計算する
MAX関数 最大値算出
MIN関数 最小値算出
AVERAGE関数 平均値算出
OUND関数 四捨五入
COUNT関数 カウント
COUNTIF関数 条件に合致したセルをカウントする
SUBTOTAL関数 集計
RANK関数 ランキング作成
IF関数 条件指定
VLOOKUP関数 条件に対応する値を抽出
TODAY関数 今日の日付

たとえば「SUM」は、合計を自動算出でき、「VLOOKUP」は、必要なデータを瞬時に抽出可能です。期末には損益計算書や貸借対照表の作成が必要ですが、これらの関数を組み合わせれば集計や転記を自動化できます。

さらにマクロを使えば、複雑な処理もボタンひとつで実行でき、手間やミスを削減できます。

2.ピボットテーブルで複雑なデータ集計を可能にする

Excelのピボットテーブルは、大量のデータから必要な情報を抽出し、自由に集計表を作成できる機能です。

複雑な集計も迅速かつ柔軟にできるため、月次決算の分析作業で役に立ちます。

画面上の専用エリアで、データを整理して表示できるのが特徴です。たとえば、売上データから月別・商品別のデータを抽出してきて、集計表を簡単に作成できるので、複数のExcelシートを行き来する必要がありません。業務効率を大幅に向上できます。

3.テンプレートの作成で単純作業を効率化する

Excelで月次決算用のテンプレートを作成すれば、作業効率を上げられます。自社や部署の業務内容に合わせてカスタマイズすることで、日々の業務をスピーディーにできるでしょう。

月次決算用のテンプレートがあれば、入力や集計の手間を減らせるうえ、ミス防止にもつながります。担当者が不在でも作業を進めやすくなるので、属人化防止にも効果的です。

翌月以降の処理がスムーズになるので、Excelでテンプレートを作成するだけでも十分に作業時間を短縮できます。

4.データの入力規則を設定し、誤入力を防ぐ

Excelでデータの入力規則を設定することで、入力ミスを防げます。主に、セルごとに入力できるデータの形式や、値の範囲を指定するのが効果的です。

たとえば、数値のみの入力や日付の範囲制限など、セルごとに条件を細かく設定可能です。データの入力規則を活用すれば、誤ったデータが入力されるのを防ぎやすくなります。

月次決算の正確性を高めたいときや、複数人で作業を行う場合に、おすすめの機能です。

5.ドロップダウンリストで誤入力を防ぐ

ドロップダウンリストは、あらかじめ用意した選択肢から項目を選んで入力できるExcelの機能のひとつです。手入力ではなくリストから選択するため、表記揺れや誤入力を防ぎやすくなります。

とくに月次決算では、正確な数値や分類が求められるため、ドロップダウンリストを活用することで入力精度が高まります。

6.ソート・フィルター機能で条件検索を可能にする

月次決算を効率よく実施するには、Excelのソート機能とフィルター機能が効率的です。ソート機能は、日付や金額、部門別など、データを昇順・降順に並び替えられます。

また、フィルター機能を活用すれば、特定の条件に一致するデータのみを表示し、不要な情報をなくせます。

たとえば特定のプロジェクトコードや費用項目だけを抽出すれば、該当プロジェクトの経費精査をスムーズにできるでしょう。

7.オートフィル機能でデータを自動入力する

オートフィル機能は、Excelで入力された値や数式をもとに連続データを自動入力できる便利な機能です。

一定パターンのデータを効率的かつ正確に入力でき、ミスの軽減に役立ちます。

データの妥当性チェックを併用すれば、入力可能な形式や範囲を事前に設定できます。誤ったデータの入力を防止し、精度の高い集計が可能です。

用途別|経理・会計業務のExcelテンプレート作成のポイント

ここでは、業務内容や目的に応じたExcelテンプレート作成のコツを解説します。月次決算をより効率的かつ正確に進める方法を、みていきましょう。

経理|分類・集計を効率化する

経理業務では、取引先ごとの売上や経費を正確に管理する必要があるため、分類や集計がしやすいExcelテンプレートを作成することで、作業を効率化できます。

適切なタイミングで税額を計算し、財務状況を把握できるレポート機能を組み込むのもおすすめです。

重要な数値にはシート保護やセルロックを設定して、誤操作による変更リスクを減らしましょう。データの信頼性と安全性を確保できるのはもちろん、余計な修正や確認作業を減らして効率的になります。

会計|入力の正確性を高める

会計専用のExcelテンプレートを作成する際は、経理業務の流れを整理して、必要な入力項目や計算式を明確に定義することが重要です。

加えて、自動集計やドロップダウンリストなどを導入すれば、入力精度の向上と作業効率化が期待できます。

セルの書式設定を工夫し、計算結果を視覚的にわかりやすく表示するのもポイントです。誰が見ても理解しやすい、実用的なテンプレートを作成しましょう。

【一覧】Excelの月次決算に役立つショートカットキー

Excelには、作業効率を上げるショートカットキーが多数あります。

ショートカットキーとは、複数のキーを組み合わせて押すことで、マウス・メニュー操作をせずとも、特定機能を実行できる機能のことです。ファイル保存やコピーなど、頻繁に使う操作を素早く実行でき効率的です。

とくに月次決算で役立つ、主要なショートカットキーを下記の表にまとめました。

ショートカットキー 機能
Ctrl+C コピー
Ctrl+V ペースト
Ctrl+X 切り取り
Ctrl+B 太字にする
Ctrl+U 下線を引く
Ctrl+5 取り消し線を引く
Ctrl+Shift+; 行または列の追加
Ctrl+- 行または列の削除
Shift+F11 ワークシートの追加
Ctrl+S 上書き保存
Ctrl+Z もとに戻す
Ctrl+F 検索
Ctrl+A 全選択
Ctrl+P 印刷
F2 セル内のテキスト編集
Ctrl+; 今日の日付
Ctrl+: 現在の時間
Shift+Ctrl+1 数値に「,(カンマ)」をつける
Shift+Ctrl+5 数値を%表示にする

ショートカットキーを効果的に使うことで、月次決算の作業スピードを効率的に上げられるでしょう。

月次決算を効率化する4つのポイント

ここでは、月次決算の作業をより効率的に進めるための重要なポイントを解説し、業務のスピードアップをサポートします。

単純作業はExcelなどで自動化する

単純作業は、Excelや会計ソフトで積極的に自動化するのがおすすめです。

たとえば、データを入力するだけで自動計算されるように、Excelのマクロを組んでおけば、作業時間が大幅に短縮されます。手入力の必要がなくなるので、ヒューマンエラーの減少も期待できます。

また、業務内容をマニュアル化しておくことで、誰でも作業できる体制を整えておくことも大切です。

締め日を社内に周知する

月次決算のスケジュールは、社内でしっかり共有しておくことが重要です。出張申請や経費精算など、関連するデータ入力や書類の提出期限を、全社で厳守しましょう。

提出期限を守ることで決算作業が滞りなく進み、効率化につながります。

また、各部署や経理担当者間の連携を強化することで情報共有がスムーズになり、月次決算全体の効率アップが見込めます。提出期限が近づいてきたら、リマインドすることも大切です。

着手できるものから進める

業務を進める際は、細かい数字にこだわりすぎず、概算でも入力しながら計算を進めるとよいでしょう。月末よりも前に着手できる作業は、早めに完了させることが重要です。

たとえば、減価償却費引当金など、すでに金額が確定している仕訳は、できるだけ月内に処理します。不明な入出金があれば、速やかに調査することが大切です。

月次決算のチェックリストを作成する

月次決算を円滑に進めるためには、チェックリストの作成が重要です。月次決算のチェックリストは、下記の4つの項目に分けて作成します。

具体的には、帳簿残高や現金出納帳の金額が金庫の現金有高と一致しているか確認したり、売掛金にマイナス残高の顧客がいないかをチェックしたりします。

また、社外に保管している在庫の有無も確認してください。必要に応じて、在庫証明書を取得します。

チェックリストを作成することで、細かいミスを防ぐことが可能です。

Excelでの損益計算書の作り方

ここでは、Excelを使った損益計算書の作成方法をわかりやすく解説します。基本的な手順は、下記のとおりです。

1. 必要な項目をセルに入力する

損益計算書は、一定期間内の収益と損失を示す重要な報告書です。主に、下記の3つのカテゴリに分けられます。

  • 収益
  • 費用
  • 利益

利益については、さらに5つの細かい項目で構成されています。

事業の収益性や経営状況を詳しく把握するための、重要な指標です。

各勘定科目の概要

カテゴリおよび各勘定科目の概要について、下記の表でまとめています。

カテゴリ 勘定項目
収益 売上高、営業外収益、特別利益
費用 売上原価販売費および一般管理費営業外費用、特別損失、法人税、住民税、事業税など
利益 売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益
勘定項目 解説
売上高 商品やサービスの売上総額
営業外収益 営業活動以外から得られる収益
特別利益 一時的に生じる収益
売上原価 商品を生産・販売する際に必要な費用
販売費および一般管理費 ・事務費用
・広告費用など
営業外費用 営業活動以外の活動から生じる費用
特別損失 一時的に生じる損失
法人税、住民税、事業税など 各種税金
(企業が支払う必要があるもの)
売上総利益 売上高から売上原価を差し引いたもの
営業利益 売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いたもの
経常利益 営業利益に、営業外収益と営業外費用を足し引きしたもの
税引前当期純利益 経常利益から、特別利益と特別損失を足し引きしたもの
当期純利益 税引前当期純利益から、法人税等を差し引いたもの

2. 資料を用意する

損益計算書を作成するには、下記のような資料を準備する必要があります。

これらの項目について、以下で詳しく解説します。

決算整理仕訳

決算整理仕訳は、会計年度内の仕訳内容を確認して帳簿を調整する作業です。主に、入金や支払いのタイミング、減価償却費の計上などを見直します。

作業をはじめる際は、いきなり勘定科目に仕訳するのではなく、各項目の発生時期や新たに追加された勘定科目を把握しましょう。

全体の状況を把握することで、正確な仕訳処理が可能になります。

総勘定元帳への転記

仕訳した各勘定科目は、総勘定元帳へ転記します。

総勘定元帳へとは、全取引を科目別・日付順に記録する帳簿のことです。

転記作業では、数字の誤入力や借方・貸方の逆記載、転記漏れなどのミスが発生しやすいため、丁寧な確認が欠かせません。

総勘定元帳は損益計算書だけでなく、貸借対照表など、ほかの決算書類を作成する際にも役立ちます。決算の基礎データとなる重要な帳簿であるため、正確さが大切です。

試算表の確認

試算表は、総勘定元帳への転記で発生するおそれのある記入漏れや、誤りを見つけるために作成します。

試算表の種類は、主に下記の3つです。それぞれの特徴について、下記の表にまとめました。

名前 特徴
合計試算表
  • 貸方の合計一致を確認するもの
  • 主に、一般的な確認作業に使用される
残高試算表
  • 各勘定科目の残高を一覧で把握できるもの
  • 月次決算で、現状把握するのに役立つ
合計残高試算表
  • 合計額と残高を同時に確認できるもの
  • 作成に時間がかかるため、本決算で使われることが多い

3. 損益計算書を作る

損益計算書を正確に作成するには、まず試算表で借方と貸方の金額が一致しているか確認します。

そのうえで費用・収益項目を整理し、適切な勘定科目と金額を記載してください。

一部の勘定科目は、正式な表記に変更します。たとえば、売上は「売上高」、仕入は「売上原価」などです。

損益計算書の作成例として、下記のような数字が挙げられます。

  • 売上高:20,000円
  • 売上原価:14,000円
  • 売上総利益:6,000円
  • 販売費および一般管理費:2,000円
  • 営業利益:4,000円
  • 経常利益:4,200円
  • 当期純利益:3,100円

損益計画書を作成する際には、上手にExcelを活用して、効率的に進めましょう。

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