現金過不足の基本を学ぼう!定義と仕訳の方法を解説

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現金過不足は本来起こってはいけないものですが、商売をしている以上ある程度は発生してしまうものでもあります。

ここではこの現金過不足の基本的な考え方と仕訳の方法を解説します。また現金過不足が計上される、雑損失及び雑収入の他の例についても紹介します。

現金過不足の定義と留意点

現金過不足の定義

現金過不足とは現金を管理するための帳簿である現金出納帳に記録されている帳簿上の現金残高と、実際に手元にある現金残高が一致しない場合の差額のことです。

レジでの現金のやりとりが多い場合など、商売をしていればある程度の現金過不足は発生してしまうものです。

しかしその金額があまりにも多い場合、税務署や金融機関などからすれば「お金の管理をおろそかにしている企業」に見えてしまいます。そのため現金過不足の原因の追求と対策は常に怠ってはいけません。

現金過不足の原因と対策

現金過不足の原因のうち代表的なものは「現金の数え間違い」と「記帳ミス」です。現金の数え間違いは現金のやりとりが増えるほど発生する可能性が高くなります。

これを防ぐには支払いなどはできるだけ振り込みを利用するようにします。記帳ミスが起きやすいのは次の4つのケースです。

1.受取小切手の処理:処理を「現金」で行うため、現金化するまでは帳簿上の現金残高と手元の現金残高が一致しません。
2.振出小切手の処理:「現金」ではなく、「当座預金」で処理します。
3.先日付小切手の処理:「現金」ではなく、「受取手形」で処理します。
4.収入印紙・切手の処理:代金の一部を収入印紙や切手で受け取るケースが稀にあります。この場合は「現金」ではなく、「租税公課」や「通信費」で処理します。

できるだけ現金過不足が発生しないようにするには、帳簿上の現金残高と手元の現金残高の照合の回数を増やすことです。これにより万が一現金過不足が発生しても、その原因を追求しやすくなります。

現金過不足の会計上の取り扱い

期中に帳簿と手元の現金残高が一致しなかった場合は、これを「現金過不足」で処理します。これにより両者の現金残高を一致させるのです。しかしこの「現金過不足」という勘定科目は期中にしか使用できません。

期末になっても原因が究明できなかった場合は「雑損失」(現金不足の場合)か「雑収入」(現金超過の場合)に振替処理をする必要があります。

なお、雑損失は損益計算書のうち「営業外費用」の「その他営業外費用」の「雑損失その他営業外費用」に区分され、雑収入は損益計算書のうち「営業外収益」の「その他の営業外収益」の「雑収入その他営業外収益」に区分されます。

現金過不足の仕訳例

現金過不足の仕訳例として、実際に手元にある現金と帳簿上の現金を照合したところ、手元にある現金の方が500円少なかった場合を考えてみましょう。

借方科目金額貸方科目金額
現金過不足500現金500

この場合、実際にあるはずの現金が減っているので貸方科目には「現金」が記入され、金額は500円となります。この現金が減った理由は現在定かではありません。したがって借方科目には「現金過不足」が記入され、金額は500円となります。

摘要欄に記入するのは「現金有高不足」です。

逆に手元にある現金の方が500円多かった場合は貸方科目と借方科目が入れ替わります。摘要欄には「現金有高超過」と書きます。

借方科目金額貸方科目金額
現金500現金過不足500

それぞれを雑損失・雑収入に振替処理する場合の仕訳は次のとおりです。

借方科目金額貸方科目金額
雑損失500現金500
借方科目金額貸方科目金額
現金500雑収入500

「雑損失その他営業外費用」と「雑損失その他営業外収益」

現金過不足以外の「雑損失その他営業外費用」

現金過不足のうち不足分は雑損失に区分されます。雑損失とは金融取引や主たる営業活動以外の取引に伴って発生する営業費用(営業外費用)のうち、発生が稀であって金額的にも重要性が低いものを管理するための勘定科目です。

したがって雑損失に含まれる費用の中でも毎期計上され、かつ金額的に重要性が伴う場合はその費用の内容を示す勘定科目によって損益計算書に表示しなくてはなりません。

どの費用が雑損失に該当するかは企業によって変わるため、目安として営業外費用の総額の10%を超えるかどうかで区分表示をするかどうかが判断されます。

この場合に雑損失とは別に表示される科目例には次のようなものが挙げられます。

・支払利息
・為替差損
・手形売却損
・社債利息
・開業費償却

現金過不足以外の「雑収入その他営業外収益」

現金過不足のうち超過分は雑収益に区分されます。雑収入は営業外収益のうち発生が稀であって金額的にも重要性が低いものを管理するための勘定科目です。

雑損失と同様雑収入に含まれる費用の中でも毎期計上され、かつ金額的に重要性が伴う場合は、別途勘定科目に区分して損益計算書に表示しなくてはなりません。

雑収入に該当するか否かは企業によって変わるため、営業外収益の10%を超えるかどうかを目安に区分表示するかを判断します。

この場合に雑収入とは別に表示される科目例には次のようなものが挙げられます。

・受取賃貸料(受取地代家賃)
・受取手数料
・受取保険金
・受取配当金
・受取利息
・貸倒引当金戻入益

まとめ

確かに現金過不足はどれだけ対策を立てても発生してしまうものです。しかし基本は「起こってはいけないもの」です。

もし発生してしまった場合も現金過不足として処理するだけではなく、原因の追求と今後同じ原因で発生させないための対策を講じましょう。

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