- 作成日 : 2024年12月5日
【電子帳簿保存法】社内マニュアル作成のポイントを詳しく解説
電子帳簿保存法の改正により、電子データで授受した請求書や領収書、見積書などは、電子データのまま保存することが義務化されました。
保存時の要件を満たすために事務処理規程を策定・運用しているものの、社内にルールが浸透せず、別途社内マニュアルの作成を検討している企業の経理担当者もいるのではないでしょうか。
本記事では、電子取引データ保存に関する社内マニュアル作成のポイントを詳しく解説します。記事を読むことで、社員全員が理解しやすいマニュアルの作成方法や、業務効率を向上させるコツがわかるでしょう。
関連記事:電子帳簿保存法とは?2024年からの改正内容・対象書類を簡単に解説
目次
電子帳簿保存法の社内マニュアルには国税庁のサンプルを活用できる!
社内マニュアルの作成には、国税庁が公開している事務処理規程のサンプルを活用するとスムーズです。
国税庁が提供しているサンプル「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」よると、事務処理規程の主な記載項目は以下の通りです。
| 記載項目 | 概要 |
|---|---|
| 目的 | 電子取引のデータ保存に関する規程である旨を記載 |
| 適用範囲 | 事務処理規程が適用される対象者の範囲(役員・従業員など)を記載 |
| 管理責任者 | 事務処理規程の責任者を記載 |
| 電子取引の範囲 | 電子メールやEDIシステムなど、自社で扱う電子取引の範囲を記載 |
| 取引データの保存 | データの保存先や保存年数を記載 |
| 対象となるデータ | 保存するデータの範囲(請求書、領収書など)を記載 |
| 運用体制 | 管理責任者および処理責任者を記載 |
| 訂正削除の原則禁止 | データの訂正や削除を禁止する旨を記載 |
| 訂正削除を行う場合 | データの訂正や削除を行う場合の申請・承認フローを記載 |
| 施行日 | 事務処理規程の施行日を記載 |
国税庁のサンプルは、Wordファイルでダウンロードできるため、社内で周知したい内容を追記するとよいでしょう。
関連記事:電子帳簿保存法における事務処理規程の作り方やサンプルを解説
電子帳簿保存法の社内マニュアルに盛り込むべき3つのポイント
社内マニュアルを作成する際は、下記3つのポイントを追記するとより分かりやすくなります。
- ポイント①データ保存業務の全体像を示すフローチャート
- ポイント②データ保存業務に関する補足説明
- ポイント③データ保存業務に関するFAQ
ポイント①データ保存業務の全体像を示すフローチャート
保存業務の全体像を示すことで、対応方法を理解しやすくなります。たとえば、取引先から請求書を受領した場合の業務フローは以下のように示せます。
| 営業部門 | 担当者 | ①下記の確認項目をチェック
②電子データをメールで責任者へ送付 |
|---|---|---|
| 責任者 | ③確認項目をチェック ④承認する旨を担当者にメールで通知 | |
| 担当者 | ⑤電子データを経理部にメールで送信 | |
| 経理部門 | 担当者 | ⑥確認項目をチェック ⑦電子データをメールで責任者へ送付 |
| 責任者 | ⑧確認項目をチェック ⑨承認する旨を担当者にメールで通知 | |
| 担当者 | ⑩取引先に支払いを行う ⑪会計システムに仕分入力を行う ⑬電子データをクラウドストレージ上に保存する |
電子データの受け渡し方法は、実際の業務に合わせて「クラウドストレージ上にアップロードする」など、適切にアレンジしてください。
電子データの種類が異なっても、業務フローはいくつかのパターンに分類できるため、よくあるパターンを掲載しておくとよいでしょう。
ポイント②データ保存業務に関する補足説明
事務処理規程の記載項目に加えて、以下の項目も入れると、より分かりやすくなります。
- 他部署へのデータの受け渡し方法
- 保存時のファイル名
他部署へのデータの受け渡し方法として、メール、チャット、クラウドサービス上など、受け渡し方法を記載しておくとデータの紛失や保存漏れの防止が可能です。
また、経理部署以外の担当者がデータを保存する場合、ファイル名の付け方を掲載しておきましょう。社内で同じルールに従ってファイル名を付けることで、後々のデータ検索や管理がスムーズに行えます。
関連記事:電子帳簿保存法のルールに則したファイル名の付け方とは
ポイント③データ保存業務に関するFAQ
社内でよくある質問を記載しておくと、経理部門以外の社員に分かりやすくなります。経理担当者にとっても、問い合わせや保存方法の誤りを訂正する手間が減り、業務を効率化できるでしょう。
たとえば、以下のような質問と回答を記載しておくと有効です。
| 質問 | 回答 |
|---|---|
| 紙とデータで同じデータを受け取った場合、どちらを保存すべき? | 電子データを保存してください。 |
| 1つのPDFに複数の書類が含まれる場合はどうしたらいい? | 各書類に分割し、それぞれ適切なファイル名を付けて保存してください。 |
| ファイル名の日付は、データの発行日か受取日どちらにすべき? | データの発行日を基準にしてファイル名を付けてください。 |
対応方法に迷った場合は、国税庁のサイトに公開されている「電子帳簿保存法一問一答」も参考にしてみてください。
電子帳簿保存法における社内マニュアル作成時の手順3ステップ
電子帳簿保存法における社内マニュアル作成時の手順3ステップを紹介します。
- ①保存するデータの種類を把握する
- ②データ保存の業務フローを再確認する
- ③保存業務に関する不明点を社内でヒアリングする
ステップ①保存するデータの種類を把握する
すでに法令に則って電子データを保存している場合であっても、把握していないデータがないか、改めて確認するのがおすすめです。代表的なデータとして、以下のような種類が挙げられます。
- 見積書
- 契約書
- 注文書
- 請求書
- 領収書
- 納品書
すべてのデータに漏れなく対応することで、法令の遵守だけでなく、情報管理の徹底にもつながるでしょう。
ステップ②データ保存の業務フローを再確認する
現在の保存方法を再確認し、法令に準拠しているかを確認しましょう。現場では、ルール通りに運用されていない場合もあるため、マニュアル作成時に業務フローを再確認することをおすすめします。
ステップ③保存業務に関する不明点を社内でヒアリングする
営業部門など他部署から、保存業務に関して分かりにくい点がないかをヒアリングすることで、社内マニュアルの実効性が高まります。もし課題が見つかった場合は、ルールや手順の見直しを検討するのも選択肢のひとつです。
電子帳簿保存法の対応にはシステム導入がおすすめ
社内マニュアルを整備し、手作業で電子データを保存することは可能です。しかし、管理に手間がかかったり、人的ミスが生じたりするリスクがあります。
そのため、電子帳簿保存法へ対応するには、以下の3つの理由からシステム導入をおすすめします。
- 業務効率化を図れる
- 社内外でのデータ共有がスムーズになる
- データ管理の手間が省ける
業務効率化を図れる
電子帳簿保存システムには、以下のような特徴を持つタイプもあり、業務効率化が期待できます。
- データをアップロードすると、自動的に要件を満たした状態で保存される
- 請求書や領収書のデータが会計システムに自動的に反映される
- 経費精算システムと連動し、仕訳入力が自動的に反映される
データを自動的に保存する機能により、手動で保存したり、ファイル名を付けたりする手間が省けます。また、他の業務システムにデータが反映されることで、手作業でのデータ登録が不要になり、入力ミスの防止や作業時間の削減が可能です。
業務を機械化でき、人員不足の解消にもつながるでしょう。
社内外でのデータ共有がスムーズになる
社内外とのデータ共有機能を備えた電子帳簿保存システムを活用すれば、取引先とのデータ授受がシステム上で完結します。書類のやり取りがシステム上で行われ、ファイルの添付やメール送信の手間が省けます。
さらに、社内でもシステム上でデータを共有でき、リアルタイムで内容の確認が可能です。異なる部署間でも同じルールに基づいてデータを管理できるため、情報共有がスムーズになるでしょう。
データ管理の手間が省ける
システムを導入すると、改ざん防止に関する要件や保存期間を遵守し、手作業でのミスを防げます。法令に則ったデータ保存が容易になり、税務調査で指摘されるリスクの軽減も期待できます。まずは、自社の業務に適したシステムを選ぶことから始めましょう。
関連記事:電子帳簿保存法対応のおすすめ会計ソフトは?選び方のポイント
社内マニュアルを作成して電子帳簿保存法に対応しよう
電子帳簿保存法に対応するための社内マニュアルを作成する際は、国税庁が提供している事務処理規程のサンプルを活用するとスムーズです。社内マニュアルには以下のポイントを追記すると、社員全員にとって分かりやすくなります。
- データ保存業務の全体像を示すフローチャート
- データ保存業務に関する補足説明
- データ保存業務に関するFAQ
さらに、データの種類を整理して業務フローを再確認する、保存業務に関する不明点を社内でヒアリングすることにより、より実効性の高いマニュアルを作成できます。
すべての社員がマニュアルを理解し運用することで、会社全体での法令順守につながるでしょう。
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最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
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