- 作成日 : 2025年9月9日
クレジットカード決済のオーソリとは?よくある事例3つや対処法を解説
クレジットカードで決済しようとしたとき、「オーソリでエラー」「オーソリ済みなのに請求が来ない」など、見慣れない表示に戸惑った経験はありませんか?
「オーソリ(オーソリゼーション)」は、カード決済前に行われる重要な確認プロセスです。
購入の確定ではなく、支払能力や不正リスクをチェックする事前承認の役割を果たしています。
本記事では、オーソリの仕組みと役割から、エラーの原因とその対処法までわかりやすく解説します。
オーソリのしくみを正しく理解しておけば、トラブル時も慌てずに対応できるようにしておきましょう。
目次
オーソリとは|クレカ・デビットカード決済前の事前確認
オーソリ(オーソリゼーション:Authorization)とは、クレジットカード決済時に、カードの有効性や利用者の支払い能力を事前確認するプロセスです。
「Authorization」を直訳すると「承認」や「認可」であり、カード決済においては「与信照会」「信用照会」の意味合いがあります。
オーソリの段階では実際の引き落としは発生せず、与信枠が一時的に確保されるのみです。
そのため、在庫切れやキャンセルが発生した場合は、後から決済が取り消される場合もあります。
また、オーソリには「自動オーソリ」と「手動オーソリ」の2種類があります。
- 自動オーソリ:購入と同時に与信枠の確保まで完了する仕組み
- 手動オーソリ:加盟店が必要に応じてあとから与信を行う仕組み
自動オーソリは購入と同時に与信確保まで完了する仕組みです。
一方、手動オーソリは、予約商品や在庫状況の確認が必要な場合など、決済タイミングを柔軟に調整したい取引で利用される方法です。
与信の確保を任意のタイミングでおこなうことで、在庫切れやキャンセル発生時にも請求処理を避けやすく、トラブル防止にもつながります。
なお、デビットカードで行われるオーソリは「デビットオーソリ」と呼ばれます。
デビットカードは即時引き落としの性質があるため、オーソリ後すぐに残高が減るなど、クレジットカードとは挙動が異なる点に注意が必要です。
オーソリの役割|クレジットカード決済で重要な理由2つ
クレジットカード決済における「オーソリ」は、単なる事前承認にとどまらず、支払い能力の確認や不正利用の防止といった役割も果たしています。
事業者にとってはリスク管理の要であり、ユーザーにとっても安全な取引環境を支える仕組みです。
ここではオーソリの代表的な2つの役割について、詳細を解説します。
支払い能力を確認する
クレジットカード決済時に行われるオーソリでは、カードの有効性だけでなく、利用者の「与信枠(利用可能残高)」も確認します。
利用者の支払い能力を事前確認する仕組みにより、実際の引き落としが後になる場合でも、支払い不能となるリスクの防止につながります。
たとえば、10万円の商品を購入しようとしても、カードの利用枠が5万円しかなければオーソリは通らず、決済は成立しません。
オーソリの段階で「この金額を支払える状態か」をチェックしており、承認が下りなければ取引は止まります。
実際の請求処理(売上処理)は後で行われ、オーソリが通っていない注文については基本的にストップされる仕組みです。
オーソリは、カード会社・販売者・利用者の三者にとって、安心して取引を進めるために欠かせない最初の確認ステップです。
クレジットカードの不正利用やなりすましを防止する
クレジットカードの不正利用・なりすまし防止は、オーソリの重要な役割のひとつです。
前提として、クレジットカード支払いの際には、利用金額・利用地域・時間帯・過去の購入履歴などのデータをもとに、通常と異なる不審な動きを自動的に検出しています。
たとえば、深夜に海外のECサイトから高額商品を購入しようとした場合など、利用者本人であっても、異常とみなされてブロックされるケースがあります。
しかしオーソリによって不正とみなされた取引はストップされるため、利用者は身に覚えのない請求を回避でき、事業者も売上の取消対応や返金トラブルを未然に防げるでしょう。
また、クレジットカードによっては、不正利用による損害に備えて保険(盗難・不正利用補償)が付帯している場合もあります。
オーソリによる事前防止とあわせて安心の仕組みが整っています。
オーソリ期間とクレジットカード決済完了までの3ステップ
クレジットカード決済は、購入と同時にすぐ引き落とされるわけではありません。
ここでは、ユーザーが予約・注文をしてから最終的に引き落としが完了するまでの流れを、3つのステップに分けてわかりやすく解説します。
①予約・注文完了と同時にオーソリが発生する
自動オーソリの場合、予約や注文の完了と同時に自動でオーソリを実行します。
表面上は一瞬で終わる処理に見えても、裏側ではカード会社と加盟店のシステムが連携し、リアルタイムで与信確認が進められます。
支払い可能な状態かどうかを瞬時に判定した後、「オーソリ済み」となり、与信枠の確保に進む仕組みです。
一方で、カードの有効期限切れや限度額オーバー、セキュリティ上の理由などでオーソリが通らない場合はエラーが表示され、決済は不成立となります。
つまり、ユーザーにとっては注文完了のように見えても、実際には決済成立の審査段階で、本処理は先にあります。
②与信枠を一時的に確保して「オーソリ済み」になる
注文完了後、オーソリが通過すると、カードの与信枠が一時的に確保され、「オーソリ済み」の状態になります。
実際の請求がまだ発生していなくても、金額分の利用枠が仮押さえされているイメージです。
また、オーソリ済みの段階でカードの利用明細に該当金額が表示される場合があります。
しかし、あくまで現段階では決済予定として反映されているにすぎず、キャンセルや在庫切れなどが発生すれば、後から取り消されます。
なお、明細表示のタイミングと、実際の処理にタイムラグが発生するケースもあります。
オーソリ済みの段階でも、決済完了ではない点を理解しておきましょう。
③売上処理が完了、引き落としが実行される
「オーソリ済み」の後、加盟店側が売上処理を行ってはじめて請求が確定します。
売上処理時点で、利用者のクレジットカード会社から実際に代金が引き落とされる流れです。
売上処理が完了するまでは、カード明細に「オーソリ済み」と表示されていても、実際の支払いはまだ発生していません。
また、売上処理のタイミングは、店舗側の運用によって異なります。
たとえば、「商品発送後」「宿泊完了後」など、サービスの提供状況に応じて設定されています。
タイミングに差があることで「注文したのにいつまでたっても引き落とされない」「二重請求では?」と不安になる場合もあるため、流れを理解しておくと安心です。
オーソリが通らない原因とは?承認エラーが起きる理由3つ
オーソリが通らない場合、単なる入力ミスだけでなく、カード自体に問題があるケースもよくあります。
特に限度額の超過やカード会社の不正検知など、ユーザー側の意図とは関係なくブロックされてしまうケースも多いようです。
ここでは、代表的なオーソリ承認エラーの原因3つをご紹介します。
①カード番号や暗証番号の入力ミス
オーソリが通らない原因として、もっとも単純でよくあるのが、カード番号や暗証番号の入力入力ミスです。
特にスマートフォンでの手入力時は、タップミスや見落としが起こりやすく、意図せず誤った情報を送信してしまうケースがあります。
また、不正防止対策として、複数回の入力エラーで即座に取引をブロックする仕様を導入している決済サイトも存在します。
そのため、「もう一度入力すれば通るかも」と何度も試した結果、かえってロックされてしまう場合もあるので注意が必要です。
カード情報はあらためて手元で確認しながら、落ち着いて正確に打ち込むようにしましょう。
②カードの有効期限切れや利用限度額のオーバー
カードの有効期限切れや、利用限度額のオーバーは、オーソリが通らない原因としてよく見られるエラーです。
たとえば、高額な予約や、同じタイミングで複数の買い物の際、一時的に限度額を超えてしまう場合もあるでしょう。
また、サブスクなどで長期間使い続けているカードが、有効期限切れになっていることに気づかないケースもあります。
オーソリの段階では、こうした情報がリアルタイムで照会されるため、少しでも条件に合わないと決済がブロックされます。
「エラーの理由が分からない」と感じたときは、登録カードの有効期限や利用可能額を一度確認してみると良いでしょう。
③不正利用の疑いによりカード会社がブロックしている
クレジットカードのオーソリが通らない原因として、カード会社の不正検知によるブロックがあります。
カード会社によるブロックは、 盗用やなりすましといった不正利用を未然に防ぐための仕組みです。
カード会社は、普段とは異なる金額や地域、購入内容、時間帯、デバイスからの利用があると、自動的に「不審な取引」と判断しています。
たとえば、国内利用が多い人がいきなり海外サイトで高額決済を行った場合、本人による正当な利用であっても、カード会社が承認を拒否するケースがあります。
また、初めて使う端末や、普段と異なるIPアドレスからのアクセスも警戒対象です。
高額決済や普段と異なる環境からのアクセスを行う際は、あらかじめカード会社に利用予定を伝えておくと、オーソリがスムーズに通るケースもあります。
オーソリで困ったときの対応方法
クレジットカードのオーソリでエラーが発生すると、決済が進まず戸惑う方は多いでしょう。
ここでは、入力ミスや限度額オーバー、不正検知など、前章で紹介した原因ごとに、ユーザーが簡単に試せる対処方法を解説します。
すぐに試せる対応策をチェックしておいて、スムーズな再決済につなげましょう。
別カードでの再決済を試す
オーソリが通らない原因が不明な場合、手軽で即効性のある対処法が別カードでの再決済を試す方法です。
とくに、カード会社側のセキュリティ判定や一時的な制限が影響しているケースなど、ユーザー側では解除が難しくなります。
オーソリが通らない原因が不明な場合も、カードを変えるとスムーズな決済につながるケースがあります。
利用前にはカード番号・有効期限・セキュリティコードなどの情報に誤りがないかを必ず確認しましょう。
海外サイトや高額取引においては、カード会社ごとにオーソリ通過率に差が出る場合もあるため、確認してみるのも有効です。
また、決済システムによっては再オーソリ処理が可能なケースもあります。
条件を変えて再手続きできるかどうか、カード会社に問い合わせてみるのもおすすめです。
カード会社に問い合わせる
オーソリが通らない原因が不明、または何度試してもエラーが出る場合は、カード会社に直接問い合わせるのが確実です。
サポート窓口に連絡すると、現在の利用可能残高や制限状況、不正検知によるブロックの有無などを確認できます。
とくに高額な決済や海外サイトでの利用、短期間に複数回の決済を行った場合などは、カード会社の判断で一時的に利用制限がかかっている場合もあります。
本人確認を通じて解除できるケースもあるので、早めの確認が安心です。
また、カード会社への問い合わせは決済履歴の確認や利用明細の見落とし防止にもつながります。
問い合わせ時には、カード番号や本人確認情報の提示が求められるため、手元にカードを用意しておくとスムーズです。
本人確認と再手続きを行う
オーソリが通らない原因が、SMS認証の失敗や本人確認の未完了によるケースもあります。
というのも、カード会社や加盟店によっては、セキュリティ強化のために「3Dセキュア」などの認証サービスが導入されています。
しかし、認証サービスに対応できていない利用者の場合、決済が通りません。
また、何度か決済に失敗している場合や不正検知により一時的にカードがブロックされた場合は、新たに手続きが必要になります。
この場合、再度オーソリを試みても通らないため、事前の認証解除や別の端末・環境でのやり直しが求められる場合もあります。
SMS認証が届かない場合は、携帯番号の登録情報が古くなっていないか、迷惑フィルターに引っかかっていないかを確認してみましょう。
確実な認証と正確な情報入力が、スムーズな決済につながります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
売掛金回収方法とは|未払金の回収方法と回避方法をケース別に紹介
掛取引では、売掛金回収が重要なポイントになります。回収できないと収入を計上できないばかりか、事業継続にも影響が及びかねません。売掛金回収が遅れているときの対応や、買い主が支払いに応じないときの対応、未回収を防ぐための対策をまとめて紹介します…
詳しくみるファクタリングが違法とされるケースとは?合法な仕組みと違法業者の見分け方
ファクタリングは売掛債権の売買という合法的な資金調達の手段で、中小企業をはじめ多くの企業に利用されています。しかし手数料を不当に高く設定したり、分割払いを認めたりと、実質的には貸付のような契約をもちかける業者も存在するため注意が必要です。 …
詳しくみる割引手形とは?種類や不渡手形になるまでのプロセスを解説
販売代金を現金ではなく約束手形で受け取った場合に「受取手形」で仕訳を起こすことは良く知られていますが、「割引手形」や「裏書手形」、「不渡手形」がどういった種類の手形であるのか意外と知らない人が多いのではないでしょうか? ここでは、割引手形と…
詳しくみる入金消込をエクセルで自動化!関数・マクロの活用やポイント解説
売掛金や未収入金の照合や消込を自社のエクセルのテンプレートで行っている会社も少なくありませんが、その作業には時間と労力がかかります。今回はエクセルの関数・マクロを使って債権の入金の照合・消込を行う方法についてご紹介します。入金の消込処理の自…
詳しくみる仕入債務回転期間と売上債権回転期間の正しい見方と解説!計算方法も紹介
資金繰りの状況判断に必要な指標として、仕入債務と売上債権の回転期間があります。この2つの回転期間を正しく把握することは、自社のキャッシュフロー管理にとても大切です。経営状態の把握にもつながるでしょう。 本記事では、仕入債務と売上債権の回転期…
詳しくみる中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは?掛金や、加入資格、メリット・デメリット
経営セーフティ共済は、取引先の倒産による中小企業の連鎖倒産を防ぐために創設された制度です。 共済への掛金は法人の損金や個人事業主の必要経費として処理されるため、節税対策としても効果的だといわれています。 そこで、今回は経営セーフティ共済につ…
詳しくみる会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引