- 更新日 : 2025年4月23日
法人税の修正申告のやり方は?書き方や税額が変わらない場合の対応も解説
法人税の修正申告は、確定申告後の誤りを訂正する重要な手続きです。この記事では、経理担当者や中小企業経営者向けに、具体的な書き方や仕訳、注意点、更正の請求との違いなどを実践的にまとめました。適切な修正申告の理解は、企業の納税義務を果たす上で不可欠です。ぜひ、最後までお読みください。
目次
法人税の修正申告とは?
法人税の修正申告とは、確定申告後に申告内容の誤りや漏れを発見した場合に、自主的に修正を行う手続きです。修正申告が必要となる状況には、次のようなものがあります。
修正申告を行った場合、追加の税金納付や事務負担が必要です。しかし、加算税が軽減される可能性や税務調査のリスクが低減されるというメリットがあります。
さらに、修正申告を通じて、自社の信頼性が高まるだけでなく、経理体制や内部統制の改善点が可視化されることも大きな利点です。
このような観点から、経理担当者は、日々の正確な会計処理を行うだけでなく、誤りを発見した際に迅速に対応できる体制づくりも常に心掛けておきましょう。
修正申告と更正の請求の違い
修正申告と更正の請求は、どちらも確定申告後の訂正手続きです。しかし、それぞれの目的と適用する状況が異なります。
修正申告は、企業自らが申告内容に誤りがあったことを認め、納付すべき税額を増加させる場合や還付税額を減少させる場合の手続きです。
一方、更正の請求は、納付した税額が過大であった場合や還付されるべき税額が過少であった場合に申請する手続きを指します。
更正の請求の提出期限は、原則として法定申告期限から5年以内で、確定申告書を提出した後すぐに行うことが可能です。一方、修正申告は確定申告書の提出期限後に行うもので法定の提出期限はありませんが、税務調査前にできるだけ早く提出することが推奨されています。
法人税の修正申告のやり方
法人税の修正申告は、申告内容に誤りがあると判明した時点で、速やかに修正申告書を作成し、必要な書類を揃えて提出します。
ここでは、修正申告書の作成・記入方法、税務署への提出の流れ、修正申告での代表的な仕訳例について説明していきます。
修正申告書を作成する
修正申告書の作成は、以下の手順で行います。
- 修正申告書の入手方法
- 国税庁のウェブサイトからダウンロード
- 最寄りの税務署で入手
- 必要な書類
- 主要な記入項目
- 事業年度・法人名・所在地・代表者名
- 修正前後の所得金額と税額
- 修正の理由
- 記入時の注意点
- 修正箇所を赤字で記入
- 金額は千円単位で記入(端数切捨て)
- 修正理由は具体的かつ簡潔に記載
記入ミスを防ぐため、必ずダブルチェックを行ってください。会計システムでの自動計算が可能な場合でも、手作業での確認は欠かせません。
特に注意すべき点は、訂正理由をわかりやすく明確に記載することです。これによって、税務署側の確認が円滑に行われることが期待できます。
少しでも不明な点があれば、税理士等の専門家に相談してください。
修正申告書を税務署に提出する
修正申告書の提出方法と必要な添付書類は、以下の通りです。
- 郵送:簡易書留等の追跡可能な方法で送付
- 電子申告(e-Tax):基本的に24時間365日提出可能
- 窓口提出:最寄りの税務署に直接持参
提出時に必要な添付書類
- 修正申告書(正本・副本)
- 修正後の決算書
- 修正の根拠となる資料
電子申告は、提出の手間を減らし、処理も迅速に行われるため、近年では主流になっています。提出履歴が残る点や申請状況をオンラインで確認できることなども、メリットの1つです。
提出後は、税務署からの通知を待ちます。通常は数週間以内に結果が出ますが、案件によっては時間がかかる場合もあります。
追加納税が必要と判断した場合、税務署から納付書が送付されるため、期日までに納付を行ってください。
修正申告の仕訳を行う
修正申告に伴う会計処理は、適切な期間損益計算を行うためにも重要です。以下に一般的な修正申告の仕訳例を示します。
例:請求済みの10万円の売上が計上漏れだった場合の修正仕訳
売上の修正(売掛金を11万円で計上し、売上高および仮受消費税を記録する)
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 売掛金 | 110,000円 | 売上高 | 100,000円 | 前期売上 計上漏れ修正 |
| 仮受消費税 | 10,000円 | |||
法人税等の追加計上(税率30%と仮定)
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 法人税等 | 30,000円 | 未払法人税等 | 30,000円 | 修正申告に伴う前期法人税等の追加計上 |
参考:納付書が到来し、法人税3万円、消費税1万円を現金で支払った場合の仕訳
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 未払法人税等 | 30,000円 | 現金 | 40,000円 | 修正申告に伴う法人税等納付 |
| 未払消費税 | 10,000円 | |||
仕訳時には、以下の注意も必要です。
- 修正内容に応じて適切な勘定科目を選択する
- 過年度の修正の場合は前期損益修正損益を使用する
- 消費税の正確な計上する
- 法人税等の計算は、適用税率や各種控除を考慮する
また、経理システムへの対応は次の通りです。
- 修正仕訳を入力し、再度決算処理を行う
- 更新後の財務諸表を出力し、確認する
不明点がある場合は、税理士や会計士にご相談ください。
法人税の修正申告書の書き方・記載例
ここでは、修正申告書の記入方法について、ステップごとに説明していきます。
1. 修正箇所の確認と下書き準備
- まず、元の申告書と修正が必要な箇所を特定します。
- 次に、売上の計上漏れや経費の計上誤りなどを確認し、修正内容を裏付ける資料(帳簿、領収書など)を準備します。
- 修正が影響する書類(例: 別表4、 別表5)を準備し、どの項目が修正されるかを明確にしておきます。
2. 正しい金額を算出
- 修正する項目について、正しい金額を算出します。
- 例えば、売上の計上漏れがあった場合、漏れていた分を加算した正しい金額を計算し、それを元に修正後の課税所得や納税額を再計算します。
3. 第一表の作成
- 第一表の上部に「修正」と明記します。
- 修正前の課税額(当初申告した金額)を記入し、その下に正しい金額(修正後の金額)を記入します。
- 還付を受けていた場合は、以前申告した税額の頭に「△」をつけて記入します。

4. 別表の作成
- 別表4:会計上の利益と税務上の所得を調整します。売上や経費などの修正を明確にし、最終的な課税所得金額を算出します。
- 別表5(一):純資産を調整します。
- 別表5(二):修正後の確定税額を記載し、未納税額を計算します。
5. 提出前の最終確認
- 入力した内容が正しいか再確認します。
- 必要な書類がすべて揃っているか確認します。
- 署名や日付が抜けていないか確認します。
修正申告は、正確性が求められる重要な手続きです。複雑な修正や高額な修正の場合は、税理士などの専門家にご相談ください。
法人税の修正申告・更正の請求の期限
納税額や申告の内容に誤りがあった場合、申告期間内に訂正申告を行えば加算税は課されませんが、期限を過ぎた場合は状況に応じて修正申告または更正の請求が必要になります。
- 修正申告:納税額を過少申告していた場合や還付金が多すぎた場合
- 更生の請求:納税額を多く申告してしまった(払い過ぎた)場合
修正申告に法定期限はありません。しかし、納付する税額を過少に申告していたことに気づいてからできるだけ早く申告しましょう。法人税の納期限の翌日から納付日までの期間に延滞税がかかるためです。
また、税務調査によって指摘される前に自主的な修正申告を行うことで、加算税の軽減や免除を受けられる可能性があります。
一方で、「更生の請求」ができる法定期限は、原則として法定申告期限から5年以内です。例えば、3月決算の法人の場合、法定申告期限は5月31日で、その日から5年以内に修正申告を行わなければなりません。
- 修正申告:法定期限はなし。できるだけ早く修正申告を行う
- 更生の請求:原則として法定申告期限から5年以内に行う
経理担当者にとって、税務の期限管理ほど重要なものはありません。以下のような対策を行い、余裕を持ったスケジュールで取り組むように心掛けましょう。
- 申告期限をカレンダーに記入し、定期的に確認する
- 経理システムにアラート機能を設定する
- 税理士と連携し、定期的なチェックを行う
法人税の修正申告の注意点
法人税の修正申告を行った場合、加算税などのペナルティが発生する可能性があります。また、修正内容によっては、税額が変わらない場合もあり、その際は別の手続きを検討する必要が生じます。これらが想定される場合は、大きなトラブルを回避するために事前に税務署とよく相談してください。
ここでは、この2点の対処法について詳しく説明していきます。
加算税などのペナルティが課せられる
修正申告を行った場合、以下のような加算税などのペナルティが課される可能性があります。
- 過少申告加算税:本来納めるべき税額より少なく申告した場合に適用。通常10%ですが、更正予知前の自主申告で5%に軽減されることがあります。
- 無申告加算税:期限内に申告しなかった場合に適用。50万円までが15%で、50万円超は20%。更正予知前の申告で5%に軽減可能です。
- 不納付加算税:源泉徴収税等を期限内に納付しなかった場合に10%で課税。
特に悪質な場合、隠蔽や仮装行為に対して重加算税(過少申告35%、無申告40%)が課されることもあります。
ペナルティを軽減するためには、誤りに気付いた時点でできるだけ早く自主的に修正申告を行うことが重要です。いずれにせよ、早めの税務署への相談と正確な申告書提出が不可欠となります。
税額が変わらない場合は修正申告ができない
税額が変わらない場合、一般的に修正申告はできません。
税額変更を伴わない修正が必要な場合は、以下の対応を行ってください。
- 税務署に相談し、適切な対応方法を確認する。
- 必要に応じて修正申告等を行う。
- 修正内容を記録として残し、将来の税務調査に備える。
法人税の修正申告を適切に行い、コンプライアンスを維持しよう
法人税の修正申告は、税務コンプライアンスを維持するための重要な手続きです。
特に中小企業の経理担当者にとって、税務処理は重要な業務の1つであり、正確性が求められます。修正申告に関する知識を身につけ、日々の業務に活かしてください。また、税務署との良好な関係構築も重要です。
もし、不明点がある場合や複雑な状況に直面した際は、躊躇せずに税理士などの専門家に相談しましょう。
専門家のアドバイスによって、さらに適切な対応が可能になり、企業の税務管理体制を強化できます。
適切な修正申告は、税務リスクの軽減だけでなく、企業の信頼性向上にもつながる重要な取り組みの1つです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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