- 更新日 : 2025年2月20日
購入の稟議書の書き方は?テンプレートや例文でポイントが分かる!
購入の稟議書とは、主に会社で物品を購入する際に作成する書類を指します。見やすくまとめることや、購入するメリットを示して必要性を伝えることなどが書き方のポイントです。また、作成する際はテンプレートを活用するとよいでしょう。
本記事では、購入の稟議書の書き方について、例文と一緒に分かりやすく解説します。
目次
購入の稟議書を作成するケース
購入の稟議書とは、会社で物品を購入したりシステムを導入したりする際に、決裁権を有する人から承認を得るために必要な書類です。購入の稟議書を作成する具体的なケースとして、以下が挙げられます。
- 事務所で使用するパソコンを購入する
- 営業中に用いるタブレットを購入する
- シュレッダーや複合機など高額の事務用品を購入する
- 新型の生産設備を導入する
- セキュリティシステムを導入する
- 顧客管理を実現するためPOSシステムを導入する
- 業務効率化のために経費精算システムを導入する
購入の正当性を示したり予算を明確にしたりすることが、購入の稟議書を作成する主な目的です。稟議書を作成したり、決裁に回したりする過程で、物品購入やシステム導入の必要性や金額の妥当性を再確認できます。
購入の稟議書の書き方
購入の稟議書の書き方について、記載項目とポイントに分けて詳しく解説します。
記載項目
購入の稟議書には、購入する物品や導入するシステムの情報を詳しく記載します。名称や価格に加え、物品を特定できるよう型番・モデル番号なども記載しましょう。
また、購入理由も説明が必要です。「なぜその製品を購入しなければならないのか」「ほかの製品と比較してどのようなメリットがあるのか」などが相手に伝わるように記載します。
さらに、物品を購入する店・取引先も書かなければなりません。会社名や連絡先、担当者名などを記載しておくとよいでしょう。
そのほか、支出が可能であることを伝えるため、現時点での予算残高や本件の支払日・支払方法なども記入します。購入後に予算残高がどうなるのかも述べると、より相手が理解しやすいでしょう。
書き方のポイント
購入の稟議書の書き方の主なポイントは、読み手が理解しやすいようにまとめることです。不要な言葉を盛り込んで冗長な文章にならないよう心がけましょう。
必要に応じて箇条書きを活用すれば、読みやすくなります。たとえば、購入理由の部分で、「・業務効率化につながる」「・コスト削減につながる」などと分けてそれぞれ説明していけば、読み手も論点を理解しやすいです。
また、「なぜこのタイミングで〇〇を購入しなければならないのか」をうまく伝えることも書き方のポイントのひとつに挙げられます。具体的な数字を用いて、メリットを説明するとよいでしょう。
さらに、購入のデメリットを明記しておくこともポイントです。そのうえで、どのようにデメリットを解消するのかを説明しておけば、上司や決裁者も安心できます。
なお、書き方以外で、提出前に上司や決裁者に概要を説明しておくことも重要です。読み手に事前情報を与えておくことで、決裁までにかかる時間の短縮につながります。
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購入の稟議書の例文
高額な事務用品を購入する場合、システムを導入する場合に分けて、購入の稟議書の例文を紹介します。
高額な事務用品を購入する場合
高額な事務用品の具体例として、カラー印刷できる複合機が挙げられます。複合機を購入するにあたって作成する稟議書の例文は、以下のとおりです。
No.(稟議番号)11
令和◆年◆月◆日
カラー複合機の購入について
名称:カラー複合機(〇〇社製)
型番:XX-00
合計金額:1,500,000円(単価1,500,000円×1台)
*現在の予算残高:2,000,000円(工具器具備品費)
購入先:△△社
購入理由:現在〇〇部で使用中の複合機が老朽化しており、メンテナンスや修理対応が必要なため、本件購入申請に至るものです。カラー複合機を新たに購入することにより、期待できる効果は以下のとおりです。
- 業務の効率化
現在使用中の複合機は老朽化が進み、頻繁にメンテナンスや修理対応が必要なため業務に支障をきたしておりました。
- 顧客満足度の向上
現在よりも高品質な印刷ができるようになるため、顧客により魅力的な資料を提示できるようになる見込みです。
リースで複合機を利用する方法もありますが、長期的に利用することを踏まえると購入したほうが安くなる(■万円程度)と判断し、本件購入を申請いたします。
添付資料:カタログ、見積書
システムを導入する場合
新たに会計システムを導入する場合に作成する稟議書の例文は、以下のとおりです。
No.(稟議番号)12
令和◆年◆月◆日
会計システムの導入について
名称:クラウド会計ソフト(〇〇社提供)
初期費用:0円
ランニングコスト:60,000円/年
*現在の予算残高:150,000円(通信費)
支払先:〇〇社
導入理由:職員の退職に伴い、昨年まで4名で対応していた会計処理を現在2名体制で実施しております。職員の負担を軽減するため、新たにクラウド型の会計システム導入を申請するものです。
導入により、以下の効果を期待できます。
- 業務の効率化
取引を会計システムに都度入力することにより、今まで手書きで対応していた帳簿作成の作業を自動でできるため、従業員の負担や作業時間を大幅に軽減できます。
- ヒューマンエラーの軽減
従業員による手計算の場面が減る分、計算間違いにより発生するトラブルや、やり直しの作業を省けます。
本件導入に伴い毎年6万円程度の費用が発生しますが、同時に残業代を減らして年間30万円程度の人件費削減につながる見込みです。金額に問題ないものと判断し、本件システム導入を申請いたします。
添付資料:カタログ
購入の稟議書のレビューポイント
購入の稟議書を承認、レビューする際のポイントは、主に以下のとおりです。
- 購入に必然性があり、期待できる効果が示されている
- 購入品の詳細情報が添付されている
- 予算が適切である
各レビューポイントについて、解説します。
購入に必然性があり、期待できる効果が示されている
稟議書を確認するにあたって、購入の必然性や期待できる効果が示されているか確認することがポイントです。ただ購入品の概要が記載されているだけの稟議書を承認してしまうと、経費の無駄遣いになる可能性があります。
部下から提出された稟議書に必要事項が盛り込まれていない場合は、決裁者に回す前に記載を促したほうがよいでしょう。
購入品の詳細情報が添付されている
稟議書に購入品の詳細情報が添付されているかも、チェックポイントとして挙げられます。なぜなら、詳細情報が物品を購入する正当性や必要性を判断する際の材料になるためです。
購入品の詳細情報が分かる資料の具体例は、パンフレットや見積書、仕様書などです。また、資料に名称・型番・単価などが記載されているかもあわせて確認しましょう。
予算が適切である
購入するにあたっての予算や、購入予定品の価格が適切であるか、不自然でないかも、レビューポイントとして挙げられます。得られるメリットと比較して金額が高い場合は、見送る判断も必要です。また、予算残高と比較して本件の金額がどうなのかも見極めましょう。
なお、会社によって金額ごとに決裁権限が異なる場合があります。とくに高額な場合は、決裁者があっているのかも確認しましょう。
書き方を押さえたうえで購入の稟議書を作成しよう
購入の稟議書とは、物品購入やシステムの導入にあたって、決裁権を有する人から承認を得るために作成が必要な書類のことです。稟議書を作成する際は、物品の概要だけでなく、なぜ購入する必要があるのか、購入によりどのような効果が期待できるのかなども盛り込みます。
また、読み手の理解しやすい稟議書を目指すためには、箇条書きを活用して冗長な表現を避けたほうがよいです。スムーズに承認を得るために、ポイントを押さえて分かりやすい稟議書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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