- 更新日 : 2025年6月10日
請求代行とは?導入のメリットや選ぶポイントをご紹介
日本においてBtoB(企業と企業)での取引の支払いは「掛け売り」「請求書払い」と呼ばれる後払いが一般的です。掛け売りが広く普及している理由は、取引のたびに経理処理をせずに、月1回の請求・支払いにまとめられることが大きな理由です。しかし一方で「後払い」であるリスクや、「月末締め」によって毎月特定の時期に業務負荷が集中するといった課題に悩む企業も多くあります。
そのような請求業務の悩みの解決におすすめなのは「請求代行サービス」の導入です。本記事では、BtoB取引の請求業務を「請求代行サービス」にアウトソーシングする3点のメリットをお伝えします。
目次
メリット1:コア業務に集中することで、売上が向上する
掛け売りによる請求書支払いでは、月初に前月末までの取引を締めて、支払期限を月末に設定した請求書を発行することが一般的です。そのため、請求書の発行・入金の確認・それらに付随した問い合わせやトラブルの対応などすべてが、月末から月初の短期間に集中して発生します。中小企業ではこれらの請求業務を営業・事務・サポートなど他の業務と兼任した社員が担当しているケースが非常に多いです。本来の主業務があるため、月末・月初は残業をして請求業務対応をせざるをえないという辛い話もよく聞きます。
「請求代行サービス」にアウトソーシングをすれば、これらの月末・月初に集中して発生する社内の請求業務を大幅に減らすことができます。煩雑なバックオフィス業務である請求業務をアウトソーシングすれば、社員は月間を通して、商品開発や経営戦略など自社の価値を向上する業務や、サービス向上や営業活動など顧客と対面する重要な業務に取り組むことができます。これらの重要なコア業務に使える時間が増えれば、今の社員数のままで企業の売上・利益を向上することができます。
メリット2:代金未回収の経営リスクを回避し、精神的な負担からも解放される
「掛け売り」の後払いは、先に商品・サービスを提供し、後で支払いをする商習慣です。そのため、原材料費や人件費をかけて商品・サービスを提供したのに、何らかの理由で代金が支払われずに経済的な損害を受けるリスクがあります。
マネーフォワードケッサイが2018年に企業経営者・役員、経理・財務会計部門担当者1,000人を対象に実施したアンケートでは、66%が取引先の貸し倒れ(入金遅延)に困った経験があると回答しました。
このような事態を避けるために、「与信審査」「与信管理」と呼ばれる業務を通常行っています。これは初めての取引開始時、もしくは都度の取引ごとに「掛け売りをして安心な取引先か?」を審査する業務です。これを通過した企業にのみ掛け売りを行うことで、安心して取引を行うことができます。
与信管理では、取引先の社内格付制度の整備や、データに基づいた与信限度額の設定、取引全体のポートフォリオ分析といった専門性が高く、手間のかかるタスクが必要になります。自社内での与信管理には「人員が確保できない」「十分な時間やコストが割けない」といった課題が発生しがちです。十分な与信管理ができていない状況で掛け売りを行うことで、代金未回収のリスクが増大します。また、十分な対応ができない状況下で取引の可不可を判断しなければならない精神的な負担もかかります。
請求業務をアウトソーシングすれば、与信審査の委託もできることに加え、掛け売りに対する入金保証があります。万一、未回収が発生しても請求代金の保証が行われるため、代金未回収による経営リスクを回避し、精神的な負担からも解放されます。
メリット3:多様な支払い方法を提供することで、取引顧客が拡大する
銀行振込だけでなく、より取引先企業の希望にあった決済方法があれば、取引顧客の拡大やリピートの増加が期待できます。例えば、マネーフォワードケッサイの請求代行サービスでは、「銀行振込」以外に、「コンビニ払い」「LINE Pay」「口座振替での引き落とし」が可能です。また、請求書の送付方法も、従来からの郵送だけでなく、請求書PDFをメールで送信するなど取引先企業のニーズに合わせた形式で対応できます。
これらを社内対応による請求業務で実現するには、煩雑で大変な手間がかかりますが、アウトソーシングにすることで、取引先ごとのニーズに対応し、より取引顧客の拡大が見込めます。
まとめ
請求業務をアウトソーシングする3つのメリット
- コア業務に集中することで、売上の向上につながる
- 代金未回収の経営リスクを回避し、精神的な負担からも解放される
- 多様な支払い方法を提供することで、取引顧客が拡大する
をお伝えしました。現在の自社の請求業務に、工数やリスクの面で悩みがある場合は、この3つの観点から、アウトソーシングによって解決できないかを検討してみてください!
カンタンであんしんな企業間請求代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」
企業間取引の9割を占める「請求書による後払い」に関わる、 様々な負担やリスクを解決できるのが BtoB後払い決済サービスです。 掛け売りに必要な与信審査・請求書の発行発送・入金管理・未入金フォローなど、請求にかかわるすべてのプロセスを代行します。
もし未入金が発生した場合にも入金を保証。リスクなく掛け売りが可能です。
請求業務とリスクからあなたを解放し、ビジネスの成長を支援します。
▼企業間後払い請求代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
掛取引とは?仕訳の具体例と健全な割合を解説
掛取引(かけとりひき)とは、簡単にいうと後払いのことです。 個人に置き換えると、買い物でクレジットカード払いをするのとほぼ同じです。後日口座から引き落とされるものの、財布の現金を減らさずに商品を手に入れることができます。 会社同士で大量に取…
詳しくみる相殺とは?相殺精算、相殺取引についてわかりやすく解説
相殺とは、商取引において、双方が有する同じ種類の債権債務を消滅させることです。相殺精算、相殺取引、相殺処理といわれることもあります。会計処理上、押さえておきたい処理のひとつです。今回は、相殺の方法やメリット、仕訳、請求書や領収書での処理につ…
詳しくみる繰越金とは?会計処理や請求書での書き方をわかりやすく解説(テンプレート付き)
繰越金とは、請求書の請求金額のうち、入金のなかった金額のことです。また、決算では次年度へ持ち越した金額を指します。請求書の繰越金が発生したら、入金まで管理が必要です。 本記事では、繰越金の意味や会計処理、請求書の記載方法、発生する原因などを…
詳しくみる売掛金回収業務の営業と経理の役割分担は?方法やポイントを紹介!
売掛金を回収する際、皆さんの会社では営業と経理でどのように役割分担をしていますか?企業によっては、売掛金回収の役割があいまいなことが原因で生じるトラブルや回収遅延に悩まされているかもしれません。 売掛金を確実かつスムーズに回収するためには、…
詳しくみる売掛金と買掛金を相殺する会計処理・仕訳方法は?事例や注意点も解説
売掛金と買掛金は、条件が合えば相殺できます。そもそも、売掛金と買掛金を相殺するとはどういうことなのでしょうか。この記事では、売掛金と買掛金を相殺する事例や相殺できる条件、会計処理の方法などを解説します。 売掛金と買掛金は相殺できる? 売掛金…
詳しくみる完成工事未収入金とは?仕訳・勘定科目や、建設業の会計基準の違いも解説
完成工事未収入金は、建設業の会計で用いられる勘定科目のひとつです。建設業は通常の会計処理と異なる部分があり、どのような勘定科目なのかなどがわかりにくいことがあるでしょう。 今回の記事では、完成工事未収入金とは何か、建設業の工事進行基準と工事…
詳しくみる