- 更新日 : 2024年9月10日
売上高成長率・売上高伸び率の計算式や目安を解説!
売上高成長率(英語表記:Sales Growth Rate)とは「売上高伸び率」とも呼ばれ、企業の売上がどの前期と比較してどの程度伸びているかを表す指標のことです。売上高成長率やその平均値を見ることで、現在の成長率だけでなく、今後数年にわたる成長率の見通しを分析することができます。
今回は「売上高成長率」の計算方法、成長率の目安や平均、成長率が低下する原因、財務諸表の数値を使って分析する方法などを解説します。
目次
売上高成長率(売上高伸び率)とは
「売上高成長率(英語表記:Sales Growth Rate)」は「売上高伸び率」とも呼ばれ、前期比較で売上高がどれくらい伸びているのかを表す指標です。
※見出しは「売上高成長率(売上高伸び率)」としていますが、両者は同義ですので本文中は「売上高伸び率」と表記します。
売上高の成長を指標化することで、自社の売上高の伸び率を数値として認識できるのはもちろん、同業他社の平均値と比較することも可能となります。
売上高成長率が上がっているときは、販売する商品の競争力が高いなどの理由が考えられます。逆に売上高が下がっているときには、一時的な問題によるのか、戦略に問題があり競争力が落ちているのかを分析し、必要な対策をする必要があります。
会社の経営が好調で成長している時期には、利益が上がり、売上高成長率も上昇するが、業績が下がってくると売上高成長率が自然と落ちてくる傾向があります。さらに会社の規模が大きくなるにつれ、伸び率を上げるのが難しくなる傾向があります。だからこそ、今の成長率を見るだけでなく、長中期的に成長できるように、売上高成長率を分析することが必要です。
売上高成長率(売上高伸び率)の計算式
「売上高伸び率」は次の計算式により求めることができます。
当期と前期の「売上高」を比較して、伸び率を計算することになります。
ここで注意するのは「比較対象の期間を揃える」ということです。
当期と前期、それぞれ同じ長さの期間でなければ比較になりません。
対象とする期間は知りたい情報に応じて変わってきます。
例として以下の3つを挙げてみます。
- 中長期的な観点から決算期ごとの「売上高伸び率」を知りたい場合
「当期と前期の期首~期末(12ヶ月)の売上高」

- 売上高の季節的な変動を比較したい場合
「12ヶ月を4つ(四半期)に分けた売上高」

- 売上高伸び率の最新の動向を知りたい場合
「当期と前期の同月売上高」

売上高成長率(売上高伸び率)の目安・平均は?
では「売上高成長率」から読み解くことができる企業の現状分析や目安・平均といった目標値、分析する際の注意点などを挙げてみます。
「売上高伸び率」が表すもの
「売上高伸び率」の見方としては、単純に伸び率が高ければ良いという面があります。
売上高が伸びる要因には、得意先が増えた、商品やサービスの魅力をアピールできている、などがあります。それはマーケティングの方向性が間違っていないことを意味します。
方向が正しければ、今後の営業活動も自信をもって進めいていくことができるでしょう。
また、売上高が伸びるということは動かす資金も大きくなりますので「スケールメリット」による生産性や収益性の更なる向上も見込めます。
「売上高伸び率」だけでは分析が不十分になる
反面、「売上高伸び率」はあくまで経営指標のなかの1つでしかありません。
後述しますが、単純に売上高が増えればよいというだけではなく、売上高の伸びに伴う財務内容の変化にも充分注意しなければなりません。
例えば「売上高は伸びたが売上総利益率が著しく低下してしまった」というような場合には売上高の「伸ばし方」に問題があるということです。これは正しい成長とは言えません。
「売上高伸び率」の目安・目標
目安や平均値というのは業種や事業規模によって異なりますが、従業員のモチベーションを高めるためには、やはり目標は必要です。
例えば、自社の成長目標を「10年後に売上高を倍増する」に設定すれば、年間の「売上高伸び率の目標値」は約8%となります。
売上高成長率(売上高伸び率)が低下する原因は?
「売上高伸び率」が低下する要因を「外的要因」と「内的要因」に分けて考えてみましょう。
外的要因として考えられるもの
- 昨今の新型コロナウイルス感染症にみられるように、外出自粛により集客ができず
売上高が減少するといったケース - 景気後退などにより、消費者全体の購買意欲が低下しているケース
また、一時的に「売上高伸び率」が低下する原因として次のようなケースが考えられます。
- マスクや消毒液など、商品の欠品により販売できる商品がないケース
- 消費税増税時にみられたような、増税前の「まとめ買い」増税後の「買い控え」が起こったケース
内的要因として考えられるもの
- 販売員やドライバーなど、人員不足が原因で思うような販売活動ができないケース
- 新商品がリリースされ、自社が販売している商品やサービスが陳腐化し魅力がなくなっているケース
- 対象とするマーケットに対して売上高を伸ばすための積極的な営業活動ができていないケース
- 仕入価格の改定などにより、同一商品の販売価格を値下げしたケース
「外的要因」は主に消費者の動向が要因となっているケースが多いのは事実です。
飲食店がデリバリーを始める、といったように、改善するためには営業方針の大幅な方向転換が必要になることもあります。
売上高成長率(売上高伸び率)を経営に活かす方法は?
「売上高伸び率」を単体で見ただけでは、充分に経営に活かすことはできません。
「木を見て森を見ず」とならないために注目したい2点について解説します。
「売上総利益率」にも注目
「売上高伸び率」を分析する際に必ず併せて確認したいのが「売上高総利益率」です。
「売上総利益」は売上高から商品仕入等の売上原価を差し引して求めます。
単純に「仕入れて売って」の部分でどれだけ利益を出したかを表しています。

ここで「売上総利益」を「売上高」で除したのが「売上総利益率」です。
売上によりどれくらいの割合で儲けているかを表しています。
せっかく「売上高伸び率」が上昇していても、この「売上高総利益率」が低下したとすればあまり良い売上の伸ばし方であるとはいえません。
少し極端ですが、わかりやすいように以下のようなケースを例示してみます。

前期の売上高は1,000万円で売上総利益は200万円、売上総利益率は「200万円÷1,000万円=20%」であったとします。
この会社が「50%の売上高伸び率」を達成するため、損益を度外視して売上高を伸ばしたとしましょう。

「売上高伸び率」は「500万円÷1,000万円=50%」で確かに伸びてはいます。
しかし、損益を無視した結果「売上総利益」は0円となってしまいました。
目標値を達成した!と喜んではいられないわけです。
「売上高伸び率」を分析する際には必ず「売上総利益率」を併せて確認することを忘れないでください。
「固定経費」も大切な要素
「売上高伸び率」を分析するにあたってもう一つ大切な要素が「固定経費」です。

「仕入れて売って」で稼ぎ出した「売上総利益」から、販売するために要した人件費や交通費、水道光熱費などの諸経費を引き算して最終的な「当期純利益」を求めます。
「固定経費」も「売上総利益率」と同じ考え方をします。

「売上高伸び率」を達成するために、過剰な設備投資や人件費を投入して「固定経費」をむやみに増やしてしまうのは良い方策ではありません。
目標は達成できても結果として「当期純利益」が減少してしまいます。
固定経費の増加額の上限は「売上高伸び率」と同じ割合にとどめておくべきでしょう。
「売上高伸び率」が10%であれば「固定経費」の増加率も10%に…といった具合です。
売上高成長率(売上高伸び率)について理解できましたか?
経営はスケールの大きさだけではなく財務内容も大事な要素なのは確かです。
とはいえ、やはり「売上高」が増加すれば企業の成長が決算書ではっきりと見て取れますし対外的にも信頼を得やすくなります。
「売上高伸び率」が示す内容を充分理解し、経営活動に活かしていきましょう。
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よくある質問
「売上高伸び率」とは何か?
前期と比較して、当期の売上高がどれだけ伸びたかを示す指標です。詳しくはこちらをご覧ください。
「売上高伸び率」の具体的な計算方法は?
以下の式になります。「売上高伸び率=当期の売上高-前期の売上高)÷前期売上高」詳しくはこちらをご覧ください。
「売上高伸び率」を分析する際のポイントは?
「売上高伸び率」だけではなく「売上総利益率」と「固定経費」を併せて確認する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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