- 更新日 : 2025年5月15日
収納代行と集金代行(口座振替)の違いとは?選び方も解説
代金回収をスムーズに進める代表的な代行サービスとして、収納代行と集金代行(口座振替)が挙げられます。いずれの代行サービスも業者によって手数料や対応業務が異なるため、慎重に選ぶことが必要です。各サービスの違いや選び方をわかりやすく解説します。
目次
収納代行と集金代行(口座振替)の違い
収納代行も集金代行(口座振替)も、それぞれ代行会社を通して代金を回収する方法です。集金業務の負担が大きく減るだけでなく、入金確認や督促などの業務も代行会社に一任できることもあり、本業に集中しやすくなります。
各代行サービスの仕組みや販売する側のメリット・デメリットについては、以下をご覧ください。
代金回収方法 | 収納代行 | 集金代行(口座振替) |
---|---|---|
仕組み | 払込票や払込番号を使って代金を支払う | 代金が口座から自動的に引き落とされる |
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
収納代行サービスとは?
収納代行サービスとは、主にコンビニ払いを扱う代行サービスを指すことが多いです。商品・サービス購入者と販売者、収納代行会社の3者間における利用の流れは以下をご覧ください。
- 購入者が商品・サービスを購入する
- 収納代行会社が払込票や払込番号を購入者に提供する
- 購入者は払込票・払込番号を使ってコンビニ等で支払いを済ませる
- 収納代行会社が販売者に手数料を差し引いた代金の送金を行う
販売者は直接集金する必要がなく、ほぼリアルタイムで入金確認できます。また、クレジットカードやインターネットバンキングを利用しないため、キャッシュレス決済に不安を感じる購入者にとってはハードルの低い方法でしょう。
しかし、手数料がかかる点と、購入者の支払い忘れなどによる未回収リスクには注意が必要です。
集金代行サービスとは?
集金代行サービスとは、主に口座振替を扱う代行サービスを指すことが多いです。商品・サービス購入者と販売者、集金代行会社の3者間における利用の流れについては、以下をご覧ください。
- 購入者が商品・サービスを購入する
- 購入者の口座から代金が引き落とされ、集金代行会社に送金される
- 集金代行会社が販売者の口座に手数料を差し引いた代金を送金する
販売者が直接集金する必要がない点は、収納代行サービスと同じです。また、直接購入者の口座から代金が引き落とされるため、払い忘れなどの未回収リスクが低い点もメリットといえるでしょう。
また、コンビニまで支払いに行く手間がかからないため、購入者にとっても負担の少ない方法といえます。ただし、手数料がかかることや、購入者の口座情報を登録するまでに時間がかかることには注意が必要です。場合によっては1~2ヶ月かかることもあるため、最初のうちは別の方法で集金することもあります。
収納代行サービスの選び方
収納代行サービスを提供している業者は多数あります。代行会社によって使いやすさやサービス内容が変わるため、比較してから契約することが大切です。
自社に合う代行会社を見つけるためにも、次のポイントに注目してください。
- 手数料
- 取り扱っているコンビニの種類の多さ
- セキュリティ対策
それぞれのポイントを解説します。
手数料
収納代行サービスを利用するには、以下の手数料が必要です。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
決済手数料は、決済1件ごとにかかることが一般的です。収納代行サービスの利用により期待できる売上増加額が手数料よりも多いのか、具体的に試算してから導入しましょう。
取り扱っているコンビニの種類の多さ
取り扱うコンビニの数が少ない場合は、商品・サービスを購入する側にとって利用しにくくなってしまいます。全国的に商品・サービスを販売したいと考えているのであれば、全国的にチェーン展開しているコンビニで取り扱っていることが望ましいでしょう。
全国的にチェーン展開しているコンビニであれば店舗数が多いため、購入者も代金を支払いやすくなります。未回収リスクが減り、販売者側のキャッシュフローが安定しやすくなるでしょう。
セキュリティ対策
収納代行会社のセキュリティ対策についてもチェックしておきましょう。売上や入金情報、顧客情報を収納代行会社と共有することになるため、重要な情報が流出しないためにも、適切にセキュリティ対策を実施している業者を選ぶことが大切です。万が一、顧客情報が流出すると、購入者からの信用を失うだけでなく、社会的にも信用を失うことになりかねません。
集金代行サービスの選び方
主に口座振替を扱う集金代行サービスを提供している会社も多数あります。次のポイントに注目すると、自社に合う集金代行会社を選びやすくなるでしょう。
- 手数料
- 取り扱っている金融機関の種類の多さ
- サービス利用までの手続き
- 委託できる業務内容
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
手数料
集金代行サービスを利用するときには、次の手数料がかかります。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
決済手数料は、決済1件ごとに発生することもありますが、請求額に応じて決まることもあります。件数が多い場合は請求額に応じて手数料が決まる業者、決済件数が少なく請求額が多い場合なら件数に応じて手数料が決まる業者のほうがよいでしょう。また、初期費用や月額費用はかからない業者もあります。
取り扱っている金融機関の種類・多さ
集金代行会社によって、対応している金融機関の種類が異なります。
商品・サービスの購入者が特定エリアに限られる場合は、取り扱っている金融機関をある程度限定しても支障はないと考えられますが、全国的に商品・サービスを販売したい場合は取り扱う金融機関の種類が多いほうがよいでしょう。
サービス利用までの手続き
集金代行サービスを利用するには、次の手続きが必要です。
- 販売者と集金代行会社間で利用契約を締結する
- 購入者が口座振替の登録手続きをする
近年では口座振替の登録は紙ではなくオンラインでできることも多く、その場でミスをチェックできるだけでなく、届出印を押印する必要がないため、短時間で口座振替を開始できます。よりスムーズに口座振替を利用するためにも、オンライン登録に対応している集金代行会社に注目してみましょう。
委託できる業務内容
集金代行会社によっては、集金業務以外にも、督促や入金保証サービスなどにも対応していることがあります。
たとえば、督促業務に対応している集金代行会社であれば、口座残高不足などにより代金を引き落とせないときに、購入者に連絡して支払いを促してもらえます。督促業務は手間がかかるだけでなく、精神的にも負担が大きい業務のため、業者に委託できるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、入金保証サービスに対応している集金代行会社であれば、購入者から代金を回収できないときでも決まった金額を保証してもらえます。キャッシュフローが安定しやすくなるため、経営も安定するでしょう。
まとめ
収納代行サービスも集金代行サービス(口座振替)も、いずれも手間をかけずに代金を回収できるため、販売者にとっては役立つサービスです。
各サービスを選ぶときは、自社に合った代行会社を選ぶことも大切です。「マネーフォワード 掛け払い」の請求代行サービスでは、請求書の作成・発行から送付、入金確認までワンストップで対応しています。また、口座振替の手続きに対応しているのも「マネーフォワード 掛け払い」の特徴です。
ご興味のある方はぜひお問い合わせください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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