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  3. 買掛金とは?未払金との違いや仕訳例をわかりやすく解説
  • 更新日 : 2026年1月8日

買掛金とは?未払金との違いや仕訳例をわかりやすく解説

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買掛金とは、企業の営業活動において、仕入における掛取引の処理で用いる勘定科目です。支払義務がある仕入にかかわる科目であることから、仕入債務にも区分されます。

この記事では、買掛金の概要や買掛金と未払金や未払費用との違い、買掛金の仕訳、残高確認や指標として知っておきたい回転期間についてわかりやすく解説します。

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目次

  • 買掛金とは
    • 未払金との違い
    • 未払費用との違い
    • 売掛金との違い
  • 買掛金の会計処理の流れ
  • 買掛金の具体的な仕訳例・勘定科目
    • 商品を掛けで仕入れた
    • 掛仕入の分を支払った
    • 値引きや返品があった
    • 掛仕入について約束手形を振り出した
    • 同一の取引先の売掛金と相殺した
  • 買掛金の残高について
  • 買掛金の残高が合わない原因
    • 計上漏れ
    • 計算ミス
    • 検収漏れ
  • 買掛金を管理するポイント
    • 請求書が到達しているか確認する
    • 仕入先ごとに管理する
    • 支払い漏れがないか確認する
  • 買掛金の回転期間と回転率
  • 買掛金・売掛金・未払金管理表テンプレート
  • 買掛金は仕入債務のうち掛取引にかかわる勘定科目

買掛金とは

買掛金とは、掛取引(商品やサービスの代金を後日支払う約束をした取引)の際に使われる勘定科目です。すべての掛取引ではなく、販売する目的で商品を仕入れたとき、商品を製造する目的で材料を仕入れたときなど、「仕入」に関連して使われる仕入債務の性格をもった科目になります。

買掛金の発生する掛取引の特徴は以下のとおりです。

 

  • まとめて支払いを行うため管理がしやすい
  • 現金取引と比べて大きな額の取引に向いている
  • 信頼のうえに成り立つ取引である

 

買掛金と同じ仕入債務にあたる支払手形と違って、特定の書類でやり取りするといった決まった形のある取引ではありませんが、現金取引と比べると便利がよいためよく使われます。

企業の決算書である「貸借対照表」にも表示される科目で、貸方(左側)の負債の部のうち、流動負債の部に表示されます。流動負債に区分されるのは、一般的に支払期間の短い債務であり、営業循環の中で発生する科目だからです。

未払金との違い

後日支払わなければならない点で、買掛金と未払金は似ています。未払金が買掛金と違うのは、商品などの仕入れに関連して発生するものではない点です。未払金は、後日支払う約束をした、固定資産の購入代金の未払い、消耗品や工具備品の購入代金の未払いなどといった会計処理に使う勘定科目です。仕入にひもづかない、一時的な取引の債務を処理する際に使います。

未払費用との違い

未払費用も、後日支払う義務がある点で、買掛金や未払金と似た勘定科目です。異なるのは、買掛金にも未払金にも該当しない継続的な契約で生じる費用に関する科目であることです。貸借対照表上で明確に未払い分を表示するために、決算のときなどに使われる科目です。

例えば、水道料金や電気料金は決まった期日に支払う契約が多いですが、いずれも一定期間の利用分について、後日支払います。決算をまたぐときは、決算日以前に発生した(当期分)ものと来期以降の費用に分け、当期分のみ計上する必要があります。

売掛金との違い

買掛金とともに、商品の掛取引で用いられる勘定科目が「売掛金」です。買掛金が商品の購入時に使う勘定科目であるのに対し、売掛金は商品の販売時に使う科目です。
商品を掛で販売する際には、売上高の相手勘定として売掛金を使い、代金の回収時には売掛金が回収された処理を行います。ただし、掛取引(売掛金や買掛金)は原則、5年で時効が来るため、回収忘れに注意する必要があります。

買掛金の会計処理の流れ

買掛金が生じる掛取引は、おおまかに以下のような流れで行われます。

  1. 商品を注文する取引先に注文を出します。全額掛取引が前提の場合、この段階では商品の引き渡しも代金の支払いもないので、会計処理は発生しません。
  2. 商品を仕入れる商品を仕入れたときに、仕入と掛取引の会計処理を行います。商品を仕入れた時点とは、商品の引き渡しが行われた段階のことをいいます。一般的に仕入と認識されるのは、取引先が出荷した時点、商品を実際に受け取った時点、商品の検収を終えた時点です。認識の基準は各社で異なります。
  3. 請求書を受け取る仕入れた商品について、取引先から請求書の送付があります。請求書には支払期限が記載されており、期限までに掛取引で処理した未払分を支払うようにします。請求書を受け取った時点での会計処理はありません。
  4. 商品の代金を支払う買掛金として処理した未払分を、現金や預金口座などから支払います。代金の支払いを行った時点で、支払った額分の買掛金が消滅しますので会計処理が必要です。
  5. 買掛金残高を確認する
    取引先に支払った額と相違がないか、仕訳に誤りがないか、取引先の売掛金残高(自社で買掛金として処理している分)と相違がないか、買掛金残高を確認します。

買掛金の具体的な仕訳例・勘定科目

買掛金が発生する取引の中で、会計処理が必要になる部分があると説明しました。具体的にどのような処理を行っていくのか、また、買掛金に関連する仕訳にはどのようなものがあるか、基本的な買掛金の仕訳を解説します。

商品を掛けで仕入れた

(例)取引先から、商品50万円を掛けで仕入れた。

商品を全額掛けで仕入れたときの基本的な仕訳です。仕入れた商品が到着したなど、会社の基準で商品を受け取ったときに仕入の処理を行います。このとき、代金未払分は買掛金となり、負債が生じます。

借方貸方
仕入 500,000買掛金500,000

掛仕入の分を支払った

(例)掛仕入50万円を当座預金から支払った。

借方貸方
買掛金 500,000当座預金500,000

値引きや返品があった

(例)仕入れた商品に汚れや破損があったため2万円分を返品した。

借方貸方
買掛金 20,000仕入 20,000

仕入れた商品について汚れや破損、数量違い(本来注文した数より少ない)があったとき、掛取引による場合は、買掛金から返品や値引き分を減額することが多いです。「仕入戻し」や「仕入値引」などの勘定を使わない仕訳では、仕入と買掛金を相殺します。

掛仕入について約束手形を振り出した

(例)掛仕入50万円について、同額の約束手形を振り出した。

借方貸方
買掛金 500,000支払手形 500,000

買掛金の支払いについて、約束手形を振り出すことがあります。この場合、買掛金を解消すると同時に、支払手形が負債として生じたという会計処理を行います。

同一の取引先の売掛金と相殺した

(例)買掛金があるA社について、A社の了解を得て、A社に対する売掛金25万円と相殺することにした。

借方貸方
買掛金 250,000売掛金 250,000

仕入先と売上先が同一である場合に生じる可能性のある取引です。負債として抱える買掛金について、同じ会社に債権である売掛金がある場合、取引先の同意を得て、買掛金と売掛金とを相殺することがあります。このとき、売掛金・買掛金それぞれの残高から相殺金額を減額する会計処理を行います。

買掛金の残高について

買掛金が生じる掛取引の流れで、買掛金残高の確認を行うことを説明しました。買掛金残高の確認は取引のたびに実施するようなものではありませんが、適切に会計処理が行われているか見るために、定期的な確認が必要です。少なくとも、決算前には残高を確認して、内容を検証する必要があるでしょう。

しかし、掛取引の多い会社では、買掛金残高にひもづく取引が多数あると推測され、総勘定元帳などを使ってひとつひとつ検証するのは時間がかかります。

買掛金の残高を確認するために主に活用するのは補助元帳の一種である「買掛金元帳」です。総勘定元帳が、各科目のすべての取引、買掛金なら買掛金に関連するすべての取引が記載されているのに対して、買掛金元帳は取引先ごとの残高や取引が確認できる帳簿です。

会計ソフトを使って会計処理を行っているなら、買掛金に取引先名の補助科目をつけることによって、自動的に買掛金元帳が作成されます。買掛金元帳を使って買掛金の残高を確認する主な理由は以下のとおりです。

  • 買掛金の会計処理の漏れがないか確認するため
  • 会計処理の金額に誤りがないか確認するため
  • 監査を受けている取引先の残高確認に対応するため

このように、会計処理に誤りがないか確認するための意味もありますが、自社や取引先の監査に対応するためにも買掛金の残高確認は重要なフローとなっています。

買掛金の残高が合わない原因

買掛金の帳簿残高と実際の残高が合わない場合、以下の3つの原因が考えられます。

計上漏れ

計上漏れとは、実際に取引が行われたにもかかわらず、会計処理が行われていないために買掛金が計上されていない状態のことです。買掛金の計上漏れの原因として、自社以外の外注先に在庫が存在することによる確認ミス、複数人で会計処理を行うことによる計上漏れ、などが考えられます。

計算ミス

買掛金の残高が過剰な場合、あるいは不足している場合には、計算ミスも考えられます。買掛金残高の不一致の原因が計上漏れでないときは、仕訳を行った金額に誤りがないか確認しましょう。

また、取引先との契約によっては、振込手数料を値引きして支払うケースもあります。振込手数料が自社負担の場合は、振込手数料の額も含めて買掛金を消し込む必要があるため、適切に処理が行われているか確認します。

検収漏れ

買掛金の認識のタイミングは、発送日に認識する出荷基準、入荷日に認識する入荷基準、検収後に認識する検収基準の、いずれかの基準に準じて行います。

企業が取引先から商品などを入荷したら、商品の数や品質に問題はないかなどの検収作業を行います。検収漏れにより買掛金の残高が合わなくなる可能性があるのは、検収基準を採用している場合などです。検収が完了していないため、仕入を行っているにもかかわらず会計処理がされていないことで、実際の残高とズレが生じることがあります。

買掛金を管理するポイント

買掛金を適切に管理するためのポイントを3つ紹介します。

請求書が到達しているか確認する

買掛金の金額を確定させるには、仕入先から請求書を受領し、請求書の金額と一致しているか確認する必要があります。買掛金残高の不一致を防ぐためにも、可能な限り早期に請求書を受領することが望ましいです。請求書の送付が遅延している場合は、仕入先に請求書交付の催促を行います。

仕入先ごとに管理する

買掛金の計上漏れの防止や入力ミスの早期発見のためにも、仕入先ごとの買掛金残高や取引内容が確認できる買掛金元帳を作成しましょう。仕入先を個別に管理できることから、定期的に買掛金の残高をチェックするのに便利です。会計ソフトでは、買掛金の補助科目を仕入先に設定することで、仕入先別の残高を把握しやすくなります。

支払い漏れがないか確認する

支払いの遅延は、企業の信用にもかかわります。仕入先ごとの支払期限を確認し、支払い漏れがないようにスケジュールを立て、支払期限までに支払いの手続きを進めます。管理ミスにより支払いが遅れた場合は、直ちに仕入先に連絡して支払いを実行しましょう

買掛金の回転期間と回転率

買掛金に関連して、債務の状況を確認したり、資金繰りと紐づけて分析したりするために、回転期間や回転率といった指標を使うことがあります。

買掛金の回転期間は以下のとおりです。

買掛金の回転期間(日数)=買掛金残高÷(売上原価÷365日)

回転期間は、買掛金の支払いまでに要した平均的な日数を示します。前期と比べて支払いまでの期間はどうかなど、期間比較のために使われる指標です。

買掛金の回転期間は、資金繰りと関係の深い指標で、前期と比較して取引先からの要望などで回転期間が短くなっている場合、資金繰りが苦しくなることがあります。買掛金の支払いは、売上の代金を回収したあとに行うのが資金繰りの面ではベストですが、回転期間が短いと、代金を回収する間もなく支払いが発生している可能性があると分析できます。

しかし、回転期間が長いからよいわけでもありません。資金繰りが悪化しているせいで、買掛金の支払を遅らせているケースもあります。実際の資金繰りと比較して分析しましょう。

一方、買掛金の回転率は、以下のように求めます。

買掛金の回転率=(売上原価÷買掛金残高)×100

買掛金の回転率は、回転効率を%(パーセント)に直しただけで、回転期間と基本的には同じ、買掛金の支払状況を示した値です。買掛金の回転率は、買掛金の回転期間(年)の逆数であるため、同じ指標を別角度から見ているようなイメージになります。いずれの指標を利用する場合も、異常値がないか、過去と比較して分析することが重要です。

なお、買掛金だけでなく、支払手形などそのほかの仕入債務がある場合は、仕入債務の総額を使って分析することもあります。

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買掛金は仕入債務のうち掛取引にかかわる勘定科目

買掛金は、貸借対照表の負債の部に表示される科目で、仕入債務のひとつです。商品の仕入れに関して、掛取引を行ったときの会計処理に使います。

掛取引は、取引先との信用の上で成り立つ取引であるため、買掛金の管理は重要です。買掛金元帳を用いて、処理に問題がないか、支払いに問題はないか、定期的に確認する必要があるでしょう。

また、買掛金は資金繰りにも大きく影響してきます。資金繰りの悪化について分析する際には、買掛金の回転期間や回転率を用いて異常値が出ていないことを分析することが重要となります。

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