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  3. 交際費とは?仕訳例や経費計上して法人税を正しく節税する方法を紹介
  • 更新日 : 2024年8月8日

交際費とは?仕訳例や経費計上して法人税を正しく節税する方法を紹介

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

事業を進めていく上で必要な費用のひとつに、交際費があります。実は、交際費は法人と個人では取り扱いが異なり、経費になる範囲が異なったり、法人には損金不算入の制度があったりします。さらに、法人でも大企業と中小企業でルールが異なる部分があるため取り扱いが複雑です。

そこで、ここでは交際費を理解するための基本的なルールや仕訳について解説します。

目次

  • 交際費とは?
    • 法人税における交際費
  • 交際費の具体的な範囲
    • 交際費と広告宣伝費との区分について
    • 交際費と福利厚生費との区分について
    • 交際費と寄附金との区分について
    • 接待飲食費の交際費の範囲
  • 交際費の経費計上の条件と注意点
    • 中小企業向けの交際費の損金不算入制度
    • 交際費が経費として認められる条件
    • 交際費の損金算入の上限金額
  • 個人事業主は交際費の上限額がない
  • 交際費の仕訳例
  • 交際費を理解して正しく節税しよう

交際費とは?

交際費とは、事業者が取引先や顧客など外部の人々と交際するために広く利用される費用を言います。交際にあたって相手をもてなしたり食事をふるまったまりする、いわゆる「接待」を伴うこともあり、両者を合わせて「接待交際費」と呼ばれることもあります。

交際費が発生する理由としては、食事や娯楽の場を通じて取引先との交渉を円滑化することが挙げられます。また、食事会や懇親の場で取引先とのコミュニケーションを円滑にすることが、将来にわたって信頼関係を構築するのに一役買うと考えられます。いずれもリラックスした中での会話が、取引における合意形成を促す効果が考えられます。

交際費は収益獲得から見ると直接的に必要な費用ではなく、間接的な支出と言えるため、計上にあたってはよく検討する必要があり、できれば計画的に支出すべきものでもあります。

以下では、法人における交際費を中心に見ていきます。

法人税における交際費

法人税法における交際費の取り扱いとしては、原則として「損金の額に計上されるべき」ものとされています。しかし、税金の計算の特例を規定した法律である「租税特別措置法」において「交際費等の損金不算入」を規定しています。

損金不算入とは、会計上では費用計上するものの、税金を計算する際には費用にはならないという意味であり、損金不算入となった交際費は法人税の課税対象となります。

参考:租税特別措置法 第61条の4 | e-Gov法令検索

法人において発生する勘定科目のうち、「交際費」や「接待交際費」等の科目名称だけではなく、支出の実態が交際・接待かどうかを判断した上、交際費としての取り扱いとなるので注意しましょう。

国税庁のHPには「交際費等の範囲から除かれるもの」が挙げられているので見ていきましょう。

交際費等から除かれるもの

  1. 従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等に通常要する費用
  2. 飲食等のために要する費用で、支出額を飲食等の参加者の数で割った金額が一定の額以下である費用
  3. その他の費用
    • カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐい等を贈与するために通常要する費用
    • 会議のための茶菓、弁当その他飲食物のために通常要する費用
    • 新聞、雑誌等の出版物等のための座談会や放送のための取材に通常要する費用

参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

令和6年度税制改正により上記2の「一定の額」について見直しがなされました。令和6年4月1日からは、企業の規模に関係なく損金不算入となる交際費等から除外される飲食費の金額基準が一人当たり10,000円以下(令和6年3月31日までは5,000円以下)となりました。

加えて、次の交際費に関する租税特別措置法の特例の適用期限が3年間延長されました。

詳細は後述します。

  • 接待飲食費の損金算入の特例
  • 中小法人に係る損金算入の特例

参考:令和6年度税制改正の大綱の概要|財務省

交際費の具体的な範囲

交際費の具体的な範囲は、法人税法の通達などで細かく規定されています。ここでは、代表的な交際費の範囲について見ていきましょう。

交際費と広告宣伝費との区分について

カレンダーや手ぬぐい、手帳など、得意先などに配布することを目的とした贈与に必要な費用や、一般消費者も含めた不特定多数の人に対する広告宣伝的効果を意図する物品にかかった費用は、交際費には含まれず、広告宣伝費になります。

参考:No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分|国税庁

交際費と福利厚生費との区分について

運動会やレクリエーション、社員旅行など、もっぱら従業員を労うために必要な費用は交際費とはならず、福利厚生費になります。

また、従業員に対して、社内イベント等に際して支給されている飲食に必要な費用についても、福利厚生費となります。ただし、全従業員に支給した場合など、支出が平等であるもので、かつ、常識の範囲内の金額であるものに限ります。例えば、一定の役員や従業員のみの飲食代を会社が負担した場合は、「社内飲食費」として交際費や給与扱いになることがあります。

参考:No.5261 交際費等と福利厚生費との区分|国税庁

交際費と寄附金との区分について

会社としてのお金や物、資産といった経済的に利益となるものを与えたり、相手の欲しがるものを無償で提供したりすることは「寄附」とされています。つまり、事業に直接的に関係のない相手に対して、見返りを求めずにお金や物品に与えることは寄附金に該当します。

具体例は、政治団体への拠出金や神社等への寄贈品などが交際費とはならず、寄附金に含まれます。

ただし、これらの支出の場合でも先に挙げた交際費や、広告宣伝費、福利厚生費に該当すると判断される費用についてはそちらが優先され、寄附金から除かれます。支出した内容が交際費かどうかをしっかりと検討する必要があります。

参考:No.5262 交際費等と寄附金との区分|国税庁

接待飲食費の交際費の範囲

交際費のうち、特に気をつけないといけないが接待飲食費です。交際費の定義である「その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」との接待飲食であるのか、それもプライベートではなく、あくまでも事業のためのものであるかという点をよく確認すべきです。

さらに、勘定科目についても「会議費」と「交際費」の区分が必要です。

会議費とは、通常の社内で行われる会議において発生した費用(飲食費、会場費、資料代など)のことを言います。したがって、飲食費であっても社内の会議のためのお弁当代などについては会議費で経理処理を行います。

また、接待飲食費のうち、参加者一人あたり10,000円以下である費用については、交際費の中でも800万円の制限に関係なく、全額損金算入が可能です。したがって、年間で交際費が800万円に満たない中小企業については特に意識する必要はありませんが、交際費が800万円を超える可能性がある中小企業については、接待飲食費のうち、一人当たり10,000円以下のものは区分して計上することが望ましいです。

さらに、10,000円以下の接待飲食費としてその全額を損金処理する際の要件として、領収書に以下の事項を記入しておく必要がありますので、こちらも留意しておいて下さい。

イ  飲食等の年月日
ロ  飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
ハ  飲食等に参加した者の数
ニ  その費用の金額並びに飲食店等の名称および所在地(店舗がない等の理由で名称または所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
ホ  その他参考となるべき事項

参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

繰り返しになりますが、この領収書の記載事項がすべて記入された領収書がなければ、10,000円以下の接待飲食費であっても通常の交際費と同様の取扱いになってしまいます。

したがって、中小企業の経理の方は、このような領収書の記載方法を経営者はもちろんのこと、経費精算を行う社員全員にあらかじめ指導しておくべきです。

交際費の経費計上の条件と注意点

ここでは、交際費の損金不算入制度の内容について解説します。

中小企業向けの交際費の損金不算入制度

企業にとって、交際費は事業を遂行するために必要な費用です。ただし、すべての交際費を経費にすることを認めてしまうと、租税回避のために接待を行う可能性も出てきます。そこで、法人税法では、交際費の損金算入に一定の上限を設けています。これを交際費の損金不算入制度と言います。

交際費の損金不算入制度には、大きく分けて大企業向けと中小企業向けがあります。このうち、大企業の交際費のほうが損金に算入しにくくなっています。一方、中小企業の場合は、一定金額までの交際費を損金にすることができます。ここでいう中小企業とは、期末の資本金の額または出資金の額が1億円以下である等の法人のことを言います。

参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

交際費が経費として認められる条件

見てきた通り、得意先や取引先などへの接待や慰安、供応、贈答などを行った場合は、交際費になります。また、中小企業の場合は、一定の金額までは交際費を経費(損金算入)として認めるルールがあります。

交際費は、あくまで接待行為があった時点で認識し、未払いの場合でも経費になります。例えば、飲食が期末に行われ、支払いが来期の場合であっても、当期の経費にすることができます。逆に、代金を当期に前払いし、接待行為が来期の場合は、当期では交際費として経費にできないので、注意が必要です。

交際費の損金算入の上限金額

令和6年度税制改正で適用延長となった「接待飲食費の損金算入の特例」と「中小法人に係る損金算入の特例」について詳しく見ていきましょう。

これらは、交際費の損金算入の上限金額についての規定で、資本金が1億円以下となる中小企業における交際費の損金算入の上限金額は、次のいずれかの金額となります。

  1. 年間800万円まで(中小法人に係る損金算入の特例)
  2. 交際費の額のうち、飲食費の50%に相当する金額まで(接待飲食費に係る損金算入の特例)

※1、2にかかわらず、一人あたり10,000円以下である飲食代は、経費になります。

例えば、中小企業において交際費1,000万円が全額飲食代であった場合、1を選択すれば800万円まで、2を選択すれば、1,000万円×50%=500万円まで、交際費を経費計上することができるため、1のほうが有利です。

交際費の損金算入の上限金額 交際費1,000万円の場合

また、交際費2,000万円が全額飲食代であった場合、1を選択すれば800万円まで、2を選択すれば、2,000万円×50%=1,000万円まで、交際費を経費計上することができるため、2のほうが有利です。

交際費の損金算入の上限金額 交際費2,000万円の場合

上限をどちらにするかは、選択することが可能です。法人税の計算時に交際費の損金算入額をシミュレーションし、有利なほうを選択しましょう。

なお、資本金が1億円超100億円以下の法人や資本金が100億円超の法人の交際費等は、上記と取り扱いが異なりますので下記サイト等で確認ください。

参考:No.5265 交際費等の範囲と損金不算入額の計算|国税庁

個人事業主は交際費の上限額がない

中小企業では、交際費の経費計上に、一定の上限額が設けられています。では、個人事業主の場合では、どうなっているのでしょうか。

個人事業主の場合、取引先との関係で仕事を得ることが多いです。そのため、交際費を少なくすることは、死活問題になります。また、一般的に個人事業主は、法人に比べて、交際費に回す資金は少ないと言えます。これらの様々な理由から、個人事業主では、交際費の経費計上の上限は、ありません。

個人事業主の交際費の計上については、次の記事で詳しく解説しています。

Money Forward Bizpedia
個人事業主が交際費の計上時に注意すべきこと
事業を円滑に進めていくためには、得意先や仕入先との関係から生じる接待や贈答など、交際費としての支出は欠かせないものです。費用科目としても多用される交際費ですが、その扱いについては、法人と個人事業主では異なります。それぞれで、交際費の税法上のメリットを受ける条件が変わってきます。

交際費の仕訳例

では、具体例で交際費の仕訳を見ていきましょう。

(例)取引先を飲食店で接待し、代金100,000円を現金で支払った。なお、一人当たりの飲食代は10,000円を超えている。

借方貸方
交際費100,000円現金100,000円

(例)お中元の商品を50,000円、現金で購入し、取引先に渡した。

借方貸方
交際費50,000円現金50,000円

借方勘定科目「交際費」は、会計ソフトによって「接待交際費」の科目などが使われていることもありますが、どちらを使っても問題はありません。

なお、交際費の額に消費税が含まれている場合の取り扱いについては、経理方式によって違いがあります。

参考:No.6917 交際費等の損金不算入額を算出する場合における消費税等の取扱い|国税庁

また、免税事業者からの課税仕入れについて、インボイス制度の経過措置の適用をする場合、注意が必要です。

参考:消費税法等の施行に伴う法人税の取扱いについて(交際費等に係る消費税等の額)|国税庁

交際費を理解して正しく節税しよう

中小企業の場合、交際費には一定の上限が設けられています。そのため、一人あたり10,000円以下である飲食代など、交際費にしなくてもよいものは、交際費から除外する必要があります。また、交際費の上限額の計算方法にも2通りの方法があり、自社に有利なほうを選びましょう。

交際費の金額が大きい場合は、正しい処理をすることで大きな節税になります。交際費をしっかりと理解し、ルールを守って正しく節税を行いましょう。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

    大学卒業後、教職と専業主婦を経てシステム会社に入社。経理や会計システム開発に携わり、税理士・FP資格(CFP)を取得。
    2019年税理士事務所開業後は、個人・法人の税務全般に幅広く対応。ERP技術者としてのIT知見を活かしたサポートに自信があり、個人事業主の確定申告から法人の決算までトータルで支える。現在は実務の傍ら執筆や監修も手掛け、会計・税務のあらゆる側面からクライアントに併走している。ビジネステンプレート集の監修も担当。

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